ドザッッズシャァーーーーーー
地面を土煙を上げながら滑っていく美鈴、3メートルほど滑って行った所で止まったがピクピクと痙攣している。
横島達5人はその様子を呆然と見ていたが、
「って!?うわ〜・・・ピクピクしてるよ大丈夫かな美鈴ちん・・・。」
どうやら真由美が始めに正気に戻ったようだ。
いまだに痙攣している美鈴を見て顔を引きつらせている。
「ちょ〜っとやりすぎじゃない?美晴ちゃん?」
汗をだらだらと書きながらドロップキックをかました何かに問いかける真由美。
「いえ!いいんですあれで!」
腰に手を当てそう言い切る何か改め美晴。
「えっと・・・真由美ちゃんその子と知り合いなんか?」
「あ、はい。えっと・・・美鈴ちんの妹で美晴ちゃんです。」
「あ、初めまして厳島美晴です。バカ姉がお世話になってます。」
何処かまだ引きつった表情で問いかける横島にこちらも多少引きつりつつ答える真由美。
そのやりとりを見て二人の方を見て頭を下げる美晴。
「あ、初めまして。横島忠夫です。美鈴さんとは今日が初対面なんだけどね。」
丁寧な挨拶にこちらも丁寧に返す横島。
お辞儀をした頭を上げて美晴を見てみる。
髪は美鈴より多少茶色よりの黒髪、目は黒、背はフェンリルより小さい小学4年生位だろうか?
可愛らしい顔立ちの少女である。
ちなみに格好は美鈴と同じ巫女服である。
(この子が今のドロップキックを?目の前で見ても信じられんな〜・・・。)
美晴を見てう〜んと唸る横島、
「どうしたんですか?」
「あ、いや何でもないよ。」
首を傾げる美晴に手を振って何でも無いと答える。
「みぃ〜はぁ〜るぅ〜。いきなり何をするの〜?お姉ちゃん何かした〜?」
そこへやっと起き上がってきた美鈴が、う〜と恨めしげな目で講義の声を上げる。
「何かしたかですってぇ〜〜〜!?」
その声に雰囲気を一変させ、怒髪天を突くをそのまま表したように髪を逆立て美鈴を睨む。
腕を伸ばし美鈴の頬をギュムッっと掴むと左右に引っ張りながら。
「そんな事を言うのはこの口か〜!支部の幹部会議中に最高責任者が居なくなってどうする〜!!
いくら外ででっかい音が聞こえたからって『様子を見てきますね〜。』なんて言って他の人の静止も聞かずに抜けてったのは誰よ!
そんなの部下の人にでも任せとけばいいでしょうが!全部人任せなのはあれだけど時と場合を考えろ〜〜〜!!」
「ひたいひたいぃ〜〜〜。」
何の手加減も無く思いっきり引っ張り一息でそう怒鳴る美晴。美鈴は涙目になっている。
頬を離し今度は襟元をガシッと握って。
「電話で報告と苦情がきてあたしが誤ったんだかんねっ!
何でお姉ちゃんの事でいつもいつもあたしが文句言われなきゃいけないのよ〜!
いい加減にちょっとは立場を自覚しろぉ〜〜〜〜〜!」
怒鳴りながら前後にガクガクと揺さぶる、残像がはっきり見える位高速で揺さぶられて泡を吹きだす美鈴。
「うわ〜!美晴ちゃんストップストップ!美鈴ちん泡吹いてるって〜!」
慌てて真由美が止めようとするが止まらず、
「ネチネチ嫌味言われて、でもこっちが全面的に悪いもんだからその反論できないし、
ひたすら誤り続けるのってもんのすっごくストレス溜まるんだから!
私が禿げたらお姉ちゃんのせいだ〜!」
さらにヒートアップし揺する速度がドンドン上がる。
「うわわわわ!ほんとにまずいって!」
「美晴ちゃん止めて!美鈴ちん死んじゃうって〜!夜羽子引っぺがすの手伝って!」
「え?私?」
「いいから手伝う!」
ギャーギャーと喚く美晴を三人がかりで無理やり引っぺがす。よほど日ごろの鬱憤がたまっていたのだろうか?
「は〜は〜。」
荒い息を吐きながら何とか落ち着こうとする美晴。美鈴はもう虫の息だ。完全に泡を吹いて目を回している。
「すいません。取り乱して。」
「あははは・・・よっぽど溜まってたみたいだね。」
「まあ、美鈴さんが死ぬ前に止めれて良かったよ。」(うわ!文珠使った方がいいかなこりゃ?)
「まったく・・・三人がかりじゃなきゃ止められないってどういう力よ・・・。」
落ち着いたらしく三人に謝る美晴。真由美はなんとも言えない顔をし、横島は美鈴を見て顔を引きつらせ、アシュレイは疲れた声を出す。
「ほんとうにすいません。もう電話でねちねちねちねち言われて・・・。
一週間位前にも学校企画のボランティアか何かに参加して仕事ほったらかしたらしくってその時にも・・・。
それでいい加減我慢の限界が・・・。」
(((そりゃ怒るわな『わね』)))
まだあるのか下を向いてブツブツ呟く美晴を横目で見ながら美鈴を抱き起こし文珠を当てる横島、
「う〜ん。」
「あ、気がついた?」
「あ、はい〜。何か川の辺でお婆さんとお茶飲んでる夢を・・・。」
「あ、あはは・・・。」(それって臨死体験って奴じゃあ・・・危なかった〜。)
頭を振りつつそう言う美鈴に冷や汗を背中にかきつつ力無く笑う横島、
ふいに自分の今の状況を把握した美鈴がポッと頬を軽く染めて一言、
「あの〜、なんで私は横島さんに抱かれているんでしょうか?」
「へ?あわわわ!?別に疚しい事はしてないっすよ!ただ治療するのに地面に倒れたままじゃなんだったしそれに!」
その一言にあたふたと慌てだす横島、別に慌てる必要はまったく無いと思うのだがまあそこは横島だからなのだろうか?
「ああ、助けてくださったんですね〜。よっぽど危ない状況だったのかしら?えっと〜立たせていただいよろしいですか〜?」
「あ!はい!」
立ち上がらせる横島、
「服が汚れてしまいましたね〜。」
パンパンと砂を払いながらそう言う美鈴、当然だろうあれだけ土煙を上げて地面をすべれば・・・。
「はは、ん?えっとナンデニランデラッシャルンデショウカ?」
「別に睨んでませんよ〜だ・・・。」
「手が早いわね〜・・・。」
「本当ですね・・・。」
「お兄ちゃん・・・。」
視線を感じて振り向くとジト目で睨む四人。
(ふ〜ん、夜羽子さんは本当に呆れてるだけ、真由美さんとフェンちゃんとジルちゃんは横島さんの事が好きみたいね。)
その様子を見てそう一瞬で見切る美晴。本当に小学生なのだろうか?
(ちなみに横島と美鈴のやり取りの間に自己紹介は済ませたみたいです)
(なんでじゃ〜!俺が何をした〜!)
ブスブスと突き刺さる視線に心で叫びを上げる横島。いい加減に気づけと言ってやりたい。
「あの。立ち話もなんですしそろそろ中に入りませんか?」
黙っていたらずっとこの状況が続きそうだと判断したのか美晴が全員にそう話しかける。
「そうですね〜。そうしましょうか〜。」
「あ、じゃあお邪魔します。」(た・・・助かった。)
「そうね。」
「おっ邪魔しま〜す。」
「あ、はい。」
「は〜い。」
横島が安堵と共にそう言うと他の4人も続く。
「じゃあ行きましょうか〜。」
「お姉ちゃんそっちは神社の境内・・・お客さんを招くなら家の方でしょう・・・。」
「あ、そうでした。う〜んまだ頭がぼうっとしますね〜。」
(((((あれだけ揺すられればそりゃあ・・・。)))))
「それでは改めて、こちらですね〜。」
手で方向を示し、歩き出す美鈴。
その後をぞろぞろと着いていく横島達だった。
━つづく━
━後書き━
REKIです。第十七話お届けいたします〜。
あ〜またかなり間が開いてしまいました^^;
しかも投稿したのはこっち、次はある幻想の〜の方の予定だったんですが^^;
あちらもなるべく早くアップしますので見捨てないでくださいませorz
え〜新キャラは美鈴の妹美晴でした(バレバレですね。)
今回でレギュラーメンバーは出揃いやっと物語が動くかといえばそうでもありません(オイマテ
次回と次々回は多分ほのぼの・・・。バトルはもう少し先ですね。イレイザーィアーリス様の来襲予定です。
さてさてレス返し〜。
森型様
一番乗りありがとうございます^^
サーガ1の殴り合い時代・・・確かに^^;
独自設定入りまくりですがご容赦を^^;
なぜこんなほのぼのできるのか、その主な理由は次回説明されます。
ヒントは日本という国の国柄に関係します。
美晴はその通りメガ○マガ○ンからですね。この妹は凄いです。ビームまで出しますからw
このお話では普段は超がつくしっかり者、今の厳島神社分社ようは美鈴・美晴家が生活できてるのは美晴のおかげです。ただたまに暴走します。
遊鬼様
可愛いですかありがとうございます^^
愛らしいちびっ子目指してがんばりますよ〜!
この話の美晴はこんな子ですw
D,様
そうなりそうで怖いですね^^;
え〜後半>実はトップ同士は結構なかよかったりして・・・・・
え〜・・・一部に限ってですが大当たりです・・・。
本当に一部ですがね^^;
デジキャラット様
あ、それは大丈夫ですよ〜。
まあ理由は次回に^^;ステラさんと美鈴の意外な関係があきらかになります^^;
まあ組織として見たら大問題なんでしょうがね・・・主に阿羅耶識にとってですが^^;
triger様
持ってますよ〜人魔ですからね〜。
取りあえずメインキャラは出揃ったのでもう当分キャラは増えないかと^^;
原作で名前が有る方が出てきてもチョイ役か行っても準レギュラークラスでしょう^^
メインの娘達にはそれぞれきちんと見せ場は用意するつもりです^^
フェンリル・ジルの影が薄いのは今回はご勘弁を^^;
次回はセリフ多いはずです^^;