「あ、助けてくれてありがと〜。お礼言い忘れてたね。」
歩き寄ってきた美鈴に礼を言い忘れていた真由美が慌てて礼を言う。
「いえいえ〜。いいですよ〜お礼なんて。」
それに対して相変わらずニコニコと笑顔で応対する美鈴。
「あのさ〜、ちょっといい?」
その二人の様子にアシュレイが横から怪訝な顔をしながら問いかけると、
「はい?何でしょうか〜?」
きょとんとした表情の顔を向ける。
「ええっと、まあなんとなく予想はつくんだけど・・・なんでそんなに仲良さげなの?」
「?私と真由美さんとがですか〜?」
「ええ。」
「お友達ですから〜。」
質問にぽややんとした表情で間延びした声で答える美鈴にアシュレイは、
「お友達って・・・もういいわ。」
顔を歪め疲れたように答える。
「?」
その様子を見ながら美鈴はきょとんと首を傾げている。
「なあ、なんで夜羽子あんなに疲れてるんだ?」
「ん〜・・・。美鈴ちんってああ見えて阿羅耶識の日本支部長なんだけどさ、
その日本支部長とE.G.Oのエースの私が友達だからじゃないかな?」
「あ〜なるほど。ってあの娘そんなに偉い娘なんか?・・・見えんな。」
「あはは・・・。私も初め聞いた時は、信じられなかったしな〜。」
アシュレイの疲れの原因はお解りいただけたろうか?
まあ敵対組織のトップクラス(一人は紛れも無いトップ)が三人集まって戦闘にならず、
それどころかその内の二人がお友達、根は真面目な彼女である疲れもするだろう。
「あの〜真由美さん?」
ちょいちょいと真由美の肩を突く美鈴、
「あ、ごめんごめん。どうしたの〜?」
「あの〜そちらの男の方はどなたでしょうか〜?あちらの小さな女の子二人は知っているんですけど〜。」
横島の方を見ながら顎に指を当て困ったような顔をして首を傾げてみせる。
「あ〜自己紹介まだだったね、俺は横島忠夫って言うんだ。えっと、美鈴さんでいいのかな?よろしくね。」
「ご丁寧にどうも〜。真由美ちゃんの友達で〜厳島美鈴と申します〜。こちらこそよろしくお願いしますね〜。」
その疑問に自己紹介をした横島に自分も名乗り深々とお辞儀をする美鈴。
「ちょっと〜横島さん。なんで私はちゃんで美鈴ちんはさんなの〜?私達クラスメイトで同い年ですよ!」
「へ?あ、いや何となく。」(何で怒ってるんだ?)
何か気にでもさわったのだろうか?真由美が横島につっかかってきた。
「あらあら。」
その二人を見てクスクスと笑い始める美鈴。
「どうしたの?急に?」
「ん?」
何に笑われているのか検討も着かない二人。
「いえいえ〜。お二人とも本当に仲が良いみたいだな〜と。横島さんって真由美さんの恋人何でしょうか〜?」
「え!」
「へ?」
笑ったままそう二人に答える美鈴。その言葉に真由美は体中真っ赤に染め上げ横島はキツネに摘まれたような表情をしている。
「ちちち、違うよ!別に恋人って訳じゃ!今はまだ・・・その・・・。」
慌てて否定する真由美だが後半は声がどんどんしぼんで行き、顔は逆にどんどん赤くなっていく。
「うふふ。照れなくてもいいじゃないですか〜。」
「だから、違うんだってば〜!」
さらに笑いを深めた美鈴の言葉に加速的に赤くなって行く真由美であった。
「な〜にしてんだか・・・ん?何?」
呆れて見ていたアシュレイだが袖を引かれそちらを振り向くと、
「あの〜どんどん人が集まってきてますよ?ここはE.G.O管轄ですし移動したほうがいいんじゃあ。」
「あ!そうね!さっさと逃げましょう。こら!そこの三人何時までやってんのよ!さっさと移動するわよ!」
おずおずと言ってきたジルの言葉に移動すると三人に怒鳴るアシュレイ。
「う〜い。ってもどこに行くんだ?家か?」
「家は無理ね。野次馬連中から倒した人間の事とか聞かれたら一発で居場所がばれるし。」
「でも、それだと行く所が無いですよね?」
「あたしの家は余計にまずいしね〜。」
ん〜と考え始めた所に横から、
「それなら家の神社に来ませんか〜?」
美鈴がそう言い出した。
「「「「へ?」」」」
「それならE.G.Oの方達も調べれませんし〜。隠れるならちょうどいいですよ〜?」
ま伸びした声でそう続けてくる。確かにその通りなのだろうが、
「いいの?まずくない?」
「何かまずいんでしょうか〜?」
「あのね、あたし達は敵対組織の人間なのよ?そこんとこ解ってる?」
敵対組織の人間を匿うのはまずいだろう。しかも美鈴は日本支部長トップの人間なのである。
「?別に問題は無いですよ〜?だってダークロアやE.G.Oの方を匿うんじゃなくて〜ただお友達が遊びに来るだけですから〜。」
だがあっさり問題無いと言い切る美鈴。
「いや・・・それってただの屁理屈じゃあ・・・。」
おいおいと汗をかきつつ横島が言うが、
「じゃあ他にどうするんですか〜?」
「う・・・お邪魔します。」
他にこれと言って方法も無く結局言葉に甘えるしかないようだ。
「ぶ〜!私は〜?ほっとかないでよ〜!」
その後ろではこの間ずっとほっとかれたフェンリルが拗ねていた。
━場所は変わって厳島神社(東京支社)━
「へ〜結構立派なもんだな〜。」
「そうだね〜お兄ちゃん。」
石段を登りながら感想を言う横島にその背中から同意するフェンリル。
あの後拗ねに拗ねまくったフェンリルの機嫌を直そうと、横島がずっと背におぶってきたらしい。
今ではすっかり機嫌も直り逆にご機嫌モードのようだ。
ちなみに道中、おぶわれているフェンリルが体を背中に擦り付けたり、
横島の頬を舐めてみたり、耳元で「お兄ちゃ〜ん」と甘えた声を出すたびに。
横島は(ロリコンじゃないロリコンじゃないロリコンじゃない)と心の中唱え必死で理性を保って居たりした。
真由美とジルはその様子を心の底から悔しそうに羨ましそうに見ている。
「ありがとうございます〜。まだ新築してから3年ほどしか経っていませんから〜、本社とは歴史は雲泥の差なんですけどね〜。」
二人の横を歩きながらそう言う美鈴、そのまま厳島神社の歴史などをつらつら語りだす。
「へ〜そんなに昔から。」
「はい〜。日本国宝にもなってるんですよ〜。ただ台風で壊れてしまって補修工事をしたので〜建物は所々新しくなっていますけど〜。」
そんな事を話していたら階段を上り終えたようだ。
「いらっしゃいませ〜。厳島神社にようこそ〜。」
全員の前に立ちそう言う美鈴。
「「お邪魔しま〜す。」」
「「お邪魔します。」」
「おっ邪魔しま〜す。ここに来るのは四回目だな〜。」
それぞれに返す5人、そこに
ドドドドドドド
「ん?何だ〜あの土煙?」
美鈴の後方境内の脇の方から土煙を上げながら何かが走ってくる。
「あら?ただいま〜みハグゥッ。」
「どこに行ってたのよ〜!この!バカ姉〜!」
走ってきた何かは美鈴の左方向で直角にその起動を変え、
話しかけようとした美鈴にそのままの速度で何の躊躇も無く、
怒声と共にドロップキックをかましたのだった。
━続く━
はい第16話お届けしました〜。
さてさていきなり家に帰れなくなった横島君達一体どうなることやらw
最後に登場したのは一体何者?(まあアクエリプレイヤーはバレバレでしょうが)
そんなこんなで次回に続きます。
美鈴はこんな性格にしました〜。イメージと合わない〜って方いると思われますがゴメンナサイ。
アシュレイ宅に帰れない理由はまあお解りになるかと。都市の住宅街はE.G.Oのテリトリーなんで^^;騒ぎを起こせばすぐに住所とかも調べられてしまうのですよ。
レス返し〜
I am fool様
前話のレスにて答えさせていただきました。そちらをごらんください。
十二枚の翼持つ大天使様
あはは〜^^;確かに^^;
美鈴ちんは漫画で真由美が美鈴を呼んだ時の呼び名なんですよ〜。気にいってるので使ってみましたw
遊鬼様
ですね〜まあ横島君だし。
まあ嫌な予感が当たるのはねえw現実でもそうですし^^;
SIRIUS様
修羅場は本編ではしばらくお休みです、申し訳ない^^;
REKIが書くのが苦手なのもあったりなかったり。
森型様
誤字報告ありがとうございます。
上位の美人タイプ・・・血の涙を流しながら破壊する事でしょう^^;もしくは絶対倒す必要が無ければ逃げるかですな^^;
D,様
あ〜あのカードは確かにw
ん〜逆に横島君が美鈴の霊力に驚きそうw
美鈴の霊力はかなり高いすよ〜^^
阿羅耶識の方達が驚くとしたら霊力と魔力を両方一度に持ってる事にたいしてでしょうね〜。
ななし様
よかった文珠の設定は納得できる物でしたか^^;
う・・・確かに^^;
がんばって使わないように努力いたします。