「ここが自宅ですね〜。ちょっと待ってくださいね鍵を開けますから〜。あら?」
美鈴が扉に鍵を差し込み回そうとした所で首を傾げた。
「美晴〜。」
ひょいっと首だけ後ろを振り返り美晴を呼ぶ。
「どうしたのお姉ちゃん?」
「鍵が開けっ放しだけれど〜、ちゃんと閉めないとダメでしょ。」
「あれ?開けっ放しだった?ごめんなさい。」
どうやら鍵が開いていたようだ。ぴょこんと頭を下げて美晴があやまる。
「泥棒でも入ってなければいいけ「ああ帰ってきたのか美鈴、美晴。ん?何故君達がここに居るんだ?」あら?」
引き戸を開けようとした時、それより早く中からこんな声と共に誰かが出てくる。
出て来た人物は真っ黒のローブを纏った・・・
「「「「ス!ステラ(さん)〜!?」」」」
「あ!ステラさん遊びに来てたんだっけ。」
そう黒魔女ことステラ・ヴラヴァツキだった。
「ななな、なんであんたがここに居るのよ〜!」
一気に詰め寄るアシュレイ。まあ今の状況を考えれば解らぬ事でも無いのだが。
「ん?今美晴が言っただろう?こちらこそ何故君達がここに来るのか知りたいのだが?」
その言葉にそれはこちらのセリフだと不思議そうな顔をしながら逆に問い返すステラ。
「まあまあ〜、取りあえず中に入って落ち着きませんか〜?」
二人の間ににゅっと割って入りそう聞く美鈴。
「そうだな。中で落ち着いて話そう。そちらも説明はしてくれるな?」
「解ったわよ。」
〜場所が変わって居間〜
中央に置かれたテーブルの周りに思い思いに腰を落ち着け静かにしている一同。
横島の右にジル左に真由美、真由美の隣にアシュレイ横島から見て左前方ようは真由美の前にステラが座っている。
美鈴と美晴は台所に行っている。フェンリルはちゃっかり横島の膝の上、両脇を二人に取られたので横島に頼んだらOKを貰ったのだ。
「どうぞ〜。」
「おまたせしました。」
お盆にお茶とお茶菓子を盛って二人が帰ってきた。
「あ、すんません。」「いえいえ〜。」
「ありがと〜。」
「ありがと。」
「ありがとうございます。」「熱いから気をつけてくださいね。」
「これ何?」「日本茶って言う飲み物ですよ〜。」
「ん、ありがとう。」
全員に配り終え二人も腰を下ろす。ちなみステラの隣に美鈴で更にその隣に美晴である。
「さてどうするか?どちらから先に話す?」
「じゃあそっちからお願・・・少し待って。」
ぐるりと横を横島の方を向きジト目で睨む。
「何やってんのよあんたわ。」
「ん?いや〜ジルちゃんが猫舌で熱くて飲めないって言うから冷まして「そんなの本人にやらせなさい!こっちは真面目な話をしようとしてんのよ!」は、はい〜!?」
フーフーと湯のみを吹いて冷ましている横島にガー!っと怒るアシュレイ。
そこにステラからこんな一言が、
「嫉妬?はみっとも無いぞ?アシュレイ。」
聞こえた瞬間高速で振り向き、
「誰が嫉妬してるってのよ!」
顔を真っ赤にして怒鳴るアシュレイ。
「君がだが?」
あっさり返すステラ、
「横でいちゃつかれてんのが嫌なだけよ!」
「それが嫉妬では?」
「違っ〜〜〜う!あんたなら今の状況がどんだけ異常か解るんでしょうが!あたしが頭抱えたくなってんのに横でこんな・・・やってられるか〜!?」
((((切れた!?))))
(魂の叫びだな。少々からかい過ぎたか?)
(気持ちなんとなく解りますアシュレイさん。)
何やら色々溜まっていたようだ。美晴が何か親近感を抱いていたりする。
「落ち着いたか?いや私もすまなかったな、少々からかい過ぎた。」
「ぜ〜ぜ〜・・・もういいわよ。それよりさっさと説明してちょうだい。」
「ん、解った。私がここに居る理由だがな。」
〜回想(説明中)〜
そうだな、1年位前だ。その日私はあるお茶屋に来ていた。
ん?ああ私はお茶を飲みのが好きでな、日本茶や中国茶もよく飲むんだ。
その店は少し路地に入った所にあり見つけにくいのだが、なかなかに品揃えが良く見つけた日からちょくちょく通っている店だった。
「店主、久しいな。」
「ああ、ステラちゃんかい。1ヶ月ぶりかい?」
店主に声を掛けるとそんな言葉が返ってきた、まあいつもの事だ。
「そうだな。ああそれとだ、そのステラちゃんと言うのは何度も言っているんだがやめてくれないか?そんな歳では無いのだが。」
「な〜に言ってんだいそんなに若いのに。」
「いや、私は27なのだと何度も・・・。」
「まったまた〜どう見てもそんな歳には見えないよ。」
ガハハと笑う店主、こう言ってはなんだが一応女性だ。
私が魔女だと言うのは見た目で解るはずなんだがな。
ん?何だ横島?確かに見えない?ああ魔女や魔法使いは基本的に見た目がかなり若く見えるからな、魔力で若さを保っているんだ。
まあそれは置いておいて話に戻るぞ。
「はあ・・・まあいい。所で何か新しい茶は入ったか?」
「ん〜特にないねえ。」
「そうか、ではいつも「こんにちわ〜。」ん?」
そうこの時入って来たのが美鈴だ。
「あの〜注文したものは届いて〜あら?すいません〜先客の方がいらしたんですね〜。」
「ああ、美鈴ちゃんいらっしゃい。そういえば君らが顔を合わすのははじめてだねぇ。この子はステラちゃんうちのお得意さんだよ。こっちの子は美鈴ちゃん。すぐそこの神社のお巫女さんでやっぱりうちの常連さんだよ。」
「そうか。」(この近くの神社・・・厳島か・・・。)
「はじめまして〜。」
にこりと笑って頭を下げてくる美鈴に最初は警戒したのだが、
「あなたもお茶がお好きなんですか〜?」
「ん?ああ、まあね。」(何を考えているんだ?)
「そうなんですか〜、私も好きなんですよ〜。あ、よかったら家の神社にいらっしゃいませんか?美味しいお茶菓子をこの前貰ったんですよ〜。」
ん?アシュレイどうした?ああほんとうにそう言ったぞ?正直私も驚いた。
「は?」(何を言っているんだ?何かたくらんで・・・いるわけではないようだな。)
「あ、もしかしてお忙しかったですか〜?」
「ああ、いや。別にそういう訳でわ。」(私も何を言っているんだろうか?)
「なら、どうですか?お茶は誰かと一緒に飲んだ方が美味しいですし〜。」
「ああ、そうだな。ならお邪魔させて貰おう。」(まあいいか。不穏な気配を感じたら逃げるか返り討ちにしてやろう。)
「では家へ行きましょうか〜。あ、まだ肝心のお茶を買ってませんでしたね〜。」
〜回想(説明)終了〜
「と言うわけでだ。何故かそのまま一緒に茶を飲んで何事も無く終わってしまってね。正直肩透かしを食らった感じだったんだが、それ以来も度々その茶屋で会ってそのまま茶飲み友達になったんだ。」
「茶飲み友達・・・。」
「あ〜でも美鈴ちんとならありえそう。」
説明に唖然としているアシュレイとなんとなく納得できてしまっている真由美、
「そういえばそんな事もありましたね〜。」
当の美鈴は茶をすすりながらのほほんとしていたりする。
(本当に戦争中なんかな〜?)「ん?大福俺のも食うか?フェンリル。ジルちゃんもってほっぺたに餡子が着いてんぞ〜。」
「いいの?いっただきま〜す。」
「え?あ、本当だ。あ、私はいいですよ〜。」
お茶菓子とは大福のだったらしい・・・ではなくて、こちらもこちらでのほほんとしている三人、
「もう・・・いや・・・なんなのよ一体・・・あれなの?戦争中だと思ってるのって下位と一部の上位連中だけだったりするの?違うわよね・・・。」
その様子を見て頭を抱えて突っ伏すアシュレイ、
「いや、日本だからだろう。西洋ではかなり激しい戦闘が起こっている所もある。まあこの国は国全体が非戦闘地域のような感じだしな。
WIZDAMも阿羅耶識日本支部とだけは険悪な関係ではないしな。」
「へ?何で?てか支部とだけ仲が他よりいいってありえるんか?」
「阿羅耶識日本支部は猛者揃いなのと穏健派として有名だからな。日本という国柄宗教的な者が弱いというか薄いんだ。仏門や神社の関係者でもクリスマスを祝ったりするしな。特に美鈴が支部長になってからは特にな。」
「お姉ちゃん戦いとかって嫌いですから。本部の方から出動要請があってもこのペースでのらりくらりとかわしちゃって、最近日本支部で本格的な戦闘をした人っていないんじゃないかな?」
(美鈴さんらしいちゃあらしいのか?まあこのメンバーで戦争してるイメージなんかまったく浮かばんけど。てか実は夜羽子ちゃんの言ってる事が本当に正解だったりして・・・。)
しばらく沈黙が続く。ただフェンリルとジルはお茶がと大福が美味しかっただのはじめて食べただの話していたが。
「さて、こちらは説明したんだ。今度はそちらが説明してくれるかな?」
「ええ・・・じゃあ説明するわね。」
なんとか復活したアシュレイが説明しだす。
〜説明終了〜
「ふむ、異星人の侵略か・・・まるで映画だな。」
「私もそう思うけどね。」
「ふむ、これは一度戻ったほうがいいかもしれないな。」
ゆっくり立ち上がると掛けてあった外套を身に纏うステラ、
「あら〜?もうお帰りですか〜?」
「ああ、また来させて貰う。お茶ごちそうさま。」
「いいえ〜お粗末さまでした〜。」
玄関に向かったステラを見送るため美鈴も立ち上がり付いていった。
少しして戻ってきた美鈴の第一声は、
「じゃあ皆さんのお部屋を決めましょうか〜。」
だった。
「へ?部屋?」
「あら?暫く泊まられるんでしょう〜?1日2日じゃあE.G.Oの方々も諦めないでしょうし〜。」
「まあそうだろうけど、いいのか?」
「お部屋は余ってますしかまいませんよ〜。」
こうして横島一向は暫く美鈴・美晴宅に居候する事が決定した。
〜後書き〜
はい十八話お送りしました。
ステラさん早速再登場、紅茶やお茶好きで美鈴の茶飲み友達という設定です。
日本支部がこんななのも独自設定です勿論。支部長がこの性格ですし日本てそういう宗教的な事って薄いですしね。
結婚式はキリスト教でも葬式は仏教ですし。僕の友達にはお寺の息子がいますが普通にクリスマス祝ってますし。
多分魔女とか魔法使いで使ってる力が魔力だからって滅ぼそうとする人はそうそういないでしょう。
陰陽道では鬼とか使役しますし。呪術とかもありますしね。
〜レス返し〜
遊鬼様
前話のレスに直接かえさせていただきましたお手数ですがそちらをお読みください^^
渋様
ありがとうござますす〜^^
アクエリ面白いですよ〜^^サーガ3始まりましたし機会があったらやってみてくださいね〜^^
とりあえず人物はこれ以上増えません増えてもちょい役か準主役級が1〜2人だと思いますしばらくわ^^;
ラフェロウ様
感想ありがとうございますw
僕も続き楽しみにしてますよ〜^^
鬱憤溜まっております^^;物凄いしっかり者って設定ですし美鈴がこんなのですから^^;
D,様
まだ落ちてませんよ〜^^;彼女は天然ですから^^;
ん〜まだ誰もしらないですね〜^^;
多分魔族因子持ってる事は当分誰も気付かないと思います。魔力や双文珠も使う予定ないですし^^;
森型様
幽体離脱まではぎりぎり行きませんでしたwアクエリ世界で幽体離脱すると見た目裸なので大変な事にw
スーパー小学生ですからね〜家事万能で家計簿とかもつけれますし^^;
でも姉に振り回されストレスの溜まる日々を送っております^^;
まあ当の姉にぶつけてたびたび発散してるんですがw
ん〜文珠はどうなんでしょう・・・神仙の方が本土にいるからそっちで使った方が危ないかも^^;
誤字指摘ありがとうございます。
むつみ様
ですね〜このタイプの人に臨死体験はつき物ですw
あと知らず知らずに凄い言葉を言ったりとかw気付いたらちゃっかりいい思いしてたりとかw