「んー、もう朝・・・・・?」
体がもの凄くだるい。
ぼんやりとした視線で窓に目をやると、冬にしては強烈な陽光が降り注がれていた。
「もう十二時じゃない、・・・・学校は休もう」
まどろんだ目で右手の甲にある紋様を見る。
そこには、十時間程前に失くした令呪がある。
いや正確に言えば、それは令呪ではない、令呪の様なものだ。
昨夜、横島の能力であり宝具でもある文珠でつくられた紛い物の令呪。
ただ、あくまでも令呪の様なものでしかないために、マスター同士の感知等は出来ないという話だ。
しかし、本物の令呪を調べさせてもらえば、本物に近づけることが出来るとは言っていたが。
まったく、なんて出鱈目な宝具だ。
こんな物、協会の連中に知れたら、封印指定は確実である。
というか、私も殺意を抱いてしまったし。まったくなんて奴を召喚してしまったのだろうか。
サーヴァント横島 忠夫、異世界の住人であり、霊能という魔術とは一線を画した能力を持つ。霊力と魔力は厳密には違うものらしいが、私の魔力を送って霊能を発現させているあたり問題は無いようだ。
両方の世界のオカルト事情を話し合うのは、とてもために成った、本当にイロイロな意味で。些細なことに於いては、むこうの世界では魔術回路が存在しないそうだ。
これは、横島の見解だが、私たちに霊能が無いのは、魔術回路の有無が大きいらしい。横島の居た世界に比べると、この世界のマナは存外に少ないらしく、それ故に、マナを効率よく変換し術を成す為に、魔術回路が存在するんだろうと言っていた。
それ以外には、マナが多い結果、雑霊が力を得ることによって起きる霊障が、この世界に比べて多く発生するので、それを解決するために、より実戦的に進化した結果、魔術回路は無くなり、霊能で補うようにしたんではないかとかも言っていた。
もしくは逆に、霊障が発生しにくい、この世界では、より効率的に魔術を使えるように進化した結果、魔術回路が作られた可能性もあるんだけど。
この問題は、単純に、違う世界だから、この一言で片付けられる問題ではあるんだけどね。
でも確かに、霊力つまり魔力を体に循環させるだけで、ある程度身体能力が強化されるなら、それは実戦的だろう。実際私たちは何らかの魔術を使わないと、身体能力は上がらない。まあ魔力放出の能力があれば別が。
そりゃ、むこうの世界に居るなら実戦的にもなるわよね、だって神魔なんてとんでもない存在がいるんだら。
神よ神。人知を超越した力を持ち絶対的な存在としてあるもの。むこうの世界のオカルト事情で一番の衝撃を与えたのがそれだった。
協会の人間が、そういった存在が実際に、この世界ではなくとも居るなんて知ったら、どうなるかしら?因みに私は爆発してしまった。
むこうの世界のマナが豊富なのも頷ける、冥界から魔力を供給しているらしいから。はっきりいってむこうの世界は、魔術師にとっては、理想郷といえるわね。
それにしても、凄い世界よね、神秘が一般の世界にも浸透し、オカルトがビジネスとして認められている世界。
第二魔法を目指す身としては、ぜひとも行って見たいわね。
さて、要点を纏めるのはこの辺にしておこう、目も覚めてきたことだし、そろそろ起きるとしましょうか。
「それで、そこで何をしているのかしら?横島さん」
布団を跳ね除けて、部屋に目を向けると、そこには横島がいた。
「なにって、マスターが目を覚ましたようなので、呼びにきたんすよ」
うん、その気概はすばらしいわ。けれど、この男がそれだけの為に来たとは思えない、昨夜の経験でそれは解っている。
「そう。それで、いつからそこに居たのかしら?」
「学校は休もう、のあたりからっすね」
「その間、気配まで消して何をしてたのかしら?」
「それは、マスターが気持ちよく起きれるように配慮したんすけど。
そりゃー、寝顔を拝見して、出来るならそのまま、夜這いをかけようとした、なんて言える訳無いよな」
まったく、正直な奴である。建前だけでなく、本音まで口にするとは。
「凛さん、何で左腕の魔術刻印が爛々と光ってるんでしょうか?」
そんなの決まっているでしょうに、罪人には罰を下さなきゃね。
「横島さん、今の時間帯は夜這いではなく、昼這いですよ」
「えーと、口に出てました?」
横島はだらだらと冷や汗を出し、確認を求めてくる。
「ええ、しっかりと。ああ、それと避けたりしたら、不能にしますから」
左手の照準を定め、右手の令呪を彼に見せながら、最後通牒を言い渡す。
「それじゃ、くらいなさい」
どん、という音がして、狙い違わずに魔力の弾丸が炸裂する。
普通の人間なら下手したら死ぬかもしれない、ガンドをくらった筈なのに、横島は、
「凛さん、手加減って言葉知ってますか?」
むくりと体を起こし、文句を言ってきた。
本当に横島は人間なのだろうか。対魔力でキャンセルした訳でもなく、きちんと当たったのにも関わらず、堪えた様子が無い。そりゃ、サーヴァント並みの力があるといっても、基本は人間の筈なんだけど。
横島は慣れっすよ慣れと言っていたけど、どういう生活を送っていたのだろうか、いろんな意味で興味がる。
「勿論知ってるわ、ただ貴方には必要ないでしょう。これで許してあげるから、居間に行って紅茶でも淹れといて頂戴」
横島はうぃーすとやる気のない返事をして、とろとろと部屋から出て行った。
まったく、これがなければ、100%信頼が起けるんだけど、さすが煩悩で魔力を増幅させているというだけはある。
勿論、全然褒められたことではないんだけど。全く馬鹿なことしてないで、早く着替えよう。
「凛さん、着替え手伝いましょうか?」
扉の外から、馬鹿な事をさせた張本人の声が聞こえる。この馬鹿は、狙っているのだろうか?
「横島さん、不能にして欲しいのですか?」
「じょ、冗談に決まってるじゃないっすか。えーとですね、春摘み物の上等な葉を使っても大丈夫なんか?」
「横島が美味しく淹れられるのなら使っていいわよ」
「判りました、それじゃ早く来てくださいね」
驚いた、家事とか出来なさそうな横島が、あんなこと聞いてくるとは。さっき言ったことも、半ば冗談だったんだけど、まあ、あまり期待は出来ないわね。
姿見で軽く全身をチェックする、よし完璧。
しかし、横島があんなにも軽いとは。召喚直後は、とても紳士的で頼りになる存在に見えたのだが、実際はとてつもなく軽かった。
契約の宣誓の後、
「これで貴女と俺は運命共同体。という訳で、もっと深い契りをー」
と、跳び掛かってきたのが始まりだった。
一瞬にして下着だけになり、跳んでくる横島。これが伝説のル○ンダイブか、と驚嘆してしまった。
まさか、この身で伝説を体現できるとは思わなかった、もっともしたいと思ったことは当然無いが。
私は瞬時に魔術刻印を発動させ、左手を突出し撃った。何がという訳だ−、という怒号とともに。魔弾は標的である横島に着弾し、彼を吹っ飛ばした。
あの時はいろいろ焦った。殺っちゃた?とか、サーヴァントならこれ位避けなさいよとか、さっきまでの紳士はどこいったとか本当に焦った。吹き飛んだ彼に、大丈夫と声を掛けようとしたら、
「すんませーん、もうシリアスは限界やったんやー、昨夜からシリアス続きで我慢の限界やったんやー、」
堪忍やーと、下着一枚のまま土下座をしてきたのだ。
そこにいる男はさっきまでとは別人のようで、というか別人で私は呆気にとられ呆然としてしまった。
そこから先は、思い出すだけ無駄ね。横島が馬鹿やって、私が突っ込んでと、む、不本意だがなんか漫才みたいね。
そして、自己紹介したり、紆余曲折あって寝たと。
これで、解ったことは、普段の横島は馬鹿でスケベな奴、ただ、シリアス時は頼りになる可能性有り。こんなとこかしら。
さて、廃墟になった居間をどれだけ綺麗に直せているかしら?
「驚いた、流石は一流の丁稚というだけあるわね」
なんというか居間は、綺麗だった。とても昨夜、廃墟同然になっていたとは思えない。これが一流の技なのかしら。昨夜、居間の片付けよろしくと、箒と塵取りを渡すと、
「まかせて下さい、一流の丁稚の名は伊達じゃありません」
と、急に敬語を使い、掃除に向かって行ったのだ。
その時は素直でよろしいと感心したのだが、今思うと、突っ込み所満載よね、一流の丁稚とか、あんたに誇りはないのかとか、もう、横島の所業については、驚いたほうが負けなのかしら?
私が扉の前で突っ立ていると、自称一流の丁稚が声を掛けてきた。
「凛さん、ナイスタイミングっすね、今淹れようとしてたとこっすよ」
「う、うん」
横島は、スケベな時とのギャップがありすぎて、こう使い魔然とされると少し戸惑ってしまう。
もしかして、狙ってるのかしら?気を引き締めなくては。
こほんと、咳払いをして椅子に座る。
ティーカップは物音立てずに差し出される、ジージャンにジーンズ姿でなければ完璧だろう。
さてお手並み拝見しましょうか?
「あ、美味しい」
これが答えだった。くっ、本当に一流の丁稚だ。何のために契約したのか判らなくなる。
「どうすか?」
先ほどの呟きは聞き取れなかったらしい。素直に賞賛するのも悔しいので、なるだけ平静を装い、素っ気なく言う。
「まあまあよ、それにしても、横島が紅茶を淹れれるなんて意外だったわ」
「確かに意外っすよね。実際俺も、師匠の一人である少佐さんに習わせられなかったら、淹れれなかったでしょうし。いやー、人生何が役立つかわからないもんすね」
「師匠の一人であるって、横島には何人も師匠がいるの?」
「ええ、俺は数人の師匠に教えてもらっています。今言った師匠には射撃及び軍事関係を、それで師匠が貴族さんなので、その関係で執事の真似事とかを習わされたんすよ」
「ああ、それでね」
コトンと、ティーカップを置き本題に入る。
これ以上まったりとしていると、横島の悪癖が発動しかねない。どうも真面目な話のときは真面目になってくれるみたいだし。このバランスが難しいわね。
「横島、悪いんだけど、もう一回貴方の能力を説明してもらえないかしら。昨夜は疲れてて、きっちり把握できてるか不安だから」
まあ、その疲れの一因は横島の悪行の所為なんだけど。やっぱり、召喚直後にガンド連発はまずかったわね。
横島はさっきまでの、のほほんとした表情から一転、真面目な顔になる。
「いいすよ、俺も説明不足のところがあったから、聞いてもらおうと思ってましたし」
そうして、横島の説明が始まった。
「まず、昨夜言った通り、俺の主要霊能は、栄光の手です。
これは、一式、二式、三式と三段階に分かれます。
まず、一式ですが、これは腕に直接ついており、そこから剣型、鉤爪型、棒型、銃型等様々な形に変化させれます。栄光の手の中で一番変幻自在な式ですね。難点としては、腕から出している為に、衝撃がそのまま伝りますし、払い等の攻撃を受けた時に、隙が出来やすいことですかね。
次は二式、これは一式とは逆に、腕についてるんじゃなくて、収束させた霊力を剣の形等にして、当たり前に手で持つような形になります。一式ほど変化はさせれませんが、一式の難点をクリアしているのが、この二式です。
んで三式すけど、これは単純に霊力を物質化させているものです。単純な攻撃力でいうなら、栄光の手では一番ですね。難点は、変化させれないこと、霊力を多く消費すること、まだ刀形、棍型、籠手形の三つしか物質化できないことですね。ちなみに、三式にはそれぞれ名前が付いています、刀型が弧月、棍型が穿月、籠手形が朔光といいます。ここまでで、何か質問はありますか?」
横島が、栄光の手をしまい聞いてくる。なんていうか、突っ込み所が満載よね。
文珠とかの前に、これだけで下手したら封印指定ものよ、やっぱり横島のやることについては、驚いたほうが負けね。もう確定。
「三式についてだけど、創った後は物質としてそのまま残るの?」
「いえ、残らないっす。三式の場合は、文珠とは別の方法で物質化させている為に、ある一定の霊力、いや魔力を注ぎ続けなきゃ物質状態を保てないんすよ。だから、残ったとしても一時間位っすかね」
「ふうん、投影魔術みたいなものかしらね。でも、それなら実際ある武器に魔力を注ぎ込むなりしたほうが良くないかしら?」
横島は少し困ったような顔をする。
「確かにそっちのほうが効率はいいすね、実際俺を雇ってくれてた方は道具使いでしたし。ただですね、俺そうゆう固定化した武器使うの苦手なんすよ」
「はっ?」
「仕方ないじゃないっすか、栄光の手を覚えてから長い間、物質の武器なんて銃器とかしか使わなかったから、戦闘スタイルがそういう風になっちまったんすから」
横島が、俺の所為とちゃうんやー、と涙ながらに熱弁する。私はそういうことねと納得しているんだが。
それより銃器ってなによ、あんた世界は違えど日本人でしょうが。
あ、そういえば、軍事関係って言ってたわね、もしかして本当にそういうことなのかしら。・・・聞かないほうが身の為ね。
「横島、判ったから説明を続けてくれるかしら?」
「う、えーとですね、今言った理由から、三式を使うことはそれほど多くありません。大抵は一式か二式で戦闘します。後、他には何かあるっすか?」
「三式は、文珠とは別の方法で物質化させていると言ったけど、具体的にはどう違うの?」
「文珠は昨夜言ったとおり、唯収束させればいいってものではありませんでしたが、三式については唯収束させるだけなんすよ。ひたすら創る物のイメージをしながら圧縮させる。それで、魔力が魔力であることに耐えられなくなったときに物質化されるんすよ。もちろん、イメージが弱かったり、下手な込め方すると暴発しますけどね」
「また、とんでもない技術ね」
「うーん、ようは経験と思いますけどね。え、と他に何かありますか?」
「そうね、一式の時に銃型と言っていたけど、霊波砲だっけ、それを使わない理由とかあるの?」
横島はうっと怯む。くく、これは何かあるわね。これはマスターとして聞かねばなるまい、けして他意はないわよ。
「横島さん、マスターとしては、サーヴァントの戦力をきっちり把握しておきたいんですけど?」
横島は渋々といった様子で話し始める。
「単純に俺は霊波砲を撃てません。だから、魔力を銃内部で爆発させ圧縮した魔力を撃ち出す事で霊波砲の代わりとしています」
それはまた単純明快な理由ね。でも珍しい能力は使えて、ポピュラーらしい霊能が使えないなんて、なんとも変わった男よね。けど、今の説明を聞くと、
「それって、まんま銃と同じ仕組みじゃない、しかも効率悪いし」
「そうすね、銃を作る魔力、爆発させる魔力、弾となる魔力が必要になるから、めっちゃ効率悪いんすよね。ですから、遠距離攻撃するときは、大抵サイキックソーサーを使います」
言って、横島は掌に六角形で出来た楯の様なモノを出す。なんでも、これは身体に帯びている魔力を集中させて創っているモノらしい。覚えたての頃は、自身の体に帯びている魔力を、全て使わなきゃ創れなかったそうだが、今は問題ないと言っていた。
「これは、昨夜話したことが全てですけど、もう一回聞きますか?」
「いえ、覚えているから問題ないわ。えっと後できることは、陰陽術と仙術が少々だったかしら?」
「そうっすね、大体そんなとこでしょうか?あっ、凛さん昨夜言った、上質な紙と筆戻しときましたから」
む、そういえば寝る直前に、そんなこと聞かれた気がする。・・・駄目だ何の為に貸したか思い出せない。仕方ないので、正直に聞くことにする。
「その紙は何に使ったのかしら」
「すんません、言ってなかったすね。陰陽術等に使う、札を作ってたんすよ」
なんだ、私が忘れてた訳ではないのね。ていうか、私もきちんと聞いときなさいよ、いくら色々あったとはいえ。まあ、過ぎたことは仕方ない反省。
「っていうか、あんた札も作れるの?」
「そりゃ、札位作れなきゃ、陰陽術使いとは言わないっすよ」
「ぐっ、だって横島って見た目、冴えないし」
横島は少し呆れたような顔をすると、
「凛さん、確かに俺の見た目が冴えないのは認めますが、見た目だけで判断していると、何時かえらい目に遭いますよ。どうも凛さんは、優秀だからか、他人を過小評価する所があるみたいっすから、今後気をつけてください」
ずばりなこと忠告してきた。本当に横島って、真面目な時とそうでない時のギャップが激しすぎるわね。何時もこうなら文句は無いんだけど。けど、横島の言うとおりだ、実際横島のことを過小評価したし、うん今度から気をつけよう。
「悪かったわ、横島の言うとおりもうちょっと眼を鍛えたほうがいいみたい」
「凛さんなら、直ぐに良い眼を持てますよ」
く、こいつはどうしてこう真っ直ぐなセリフを真っ直ぐな眼で言うんだろうか。危うく赤面しそうになったじゃない。
「それについては判ったわ、後は何かある?」
「いえ、後は文珠だけですけど、どうしますか?」
「文珠についてはいいわ、昨夜山ほど聞いたし」
横島の能力でもあり、宝具でもある文珠。
魔法の一歩手前所か魔法と呼べるであろう、とんでも能力。
一字だけではなく複数同時使用が出来ると聞いたときには、横島を殴ってしまっていた。
横島には悪いことをしたと思う。勝手に呼んで、こっちの都合に付き合わせて、横島には感謝こそすれ殴るなんて、無礼どころの話じゃない。
けど我慢出来なかった、遠坂家が代々追い続けてきた神秘を、あっさり行使できるなんて聞いて、冷静でいられる筈がなかった。
その後は質問責めをした。結局はっきりと解ったことは、限界はあるが、どんな意味をも押し付けることが出来る、超一級の概念武装ということだけ。
生成方法からなにからは一切不明。自分で創ってるんだから解りなさいよと言ってみたが、命がけの修行の末、無意識に出来たものだから、と自分でも完璧には把握出来ていないみたいだった。
それで思い出した、私は横島に謝っていない。ほんと、私は大事なことでポカをしてしまう。こんな大切なことを忘れるなんて。
「横島、昨夜は悪かったわ、ごめん」
大分遅くなってしまったけど、これからやって行くために、これは必要なことだ。だから、滅多に下げない頭を、きちんと下げた。頭を上げ横島を見ると、さっきまでの真面目な顔が嘘みたいに崩れていた。
「凛さんみたいな人が、頭を下げるなんて、これはもう告白っすね。その告白しかと受け止めました。つう訳で凛さーん」
横島は向かい合った先から、テーブルを越えて跳んでくる。
この男は、どうして真面目さが続かないんだろうか。いいわ、私の告白受け取って貰いましょうか。
「なにが、つう訳だー」
私の撃ったガンドは、横島の腹に当たり天井に向け吹き飛ばす。
がん、ごんと横島の体はボールの様に跳ね、ピクピクと絨毯の上で痙攣している。流石に三段攻撃は効いたのかしら?
「横島さん、もうちょっと真面目さが続きません?」
横島は、がばりと身を起こすと、とても素敵な笑顔で、
「無理っす」
と、素敵な答えを返してくれた。もう本当に令呪を使ってやろうかしら。
「凛さん、笑顔で令呪をちらつかせるの、やめません?」
まったく、そんなに怯えるくらいなら、しなきゃいいでしょうに。ま、気が軽くなったのは確かだし、許してあげますか。
「再度よろしくね、サーヴァント<マルチ>横島忠夫さん」
言って、これも忘れていたと、微笑みながら、右手を差し出した。
あとがき
一に説明、二に説明、三四がなくて、五に説明の回でした。
栄光の手の物質化は、しないつもりでしたが、あれ?、セイバーに栄光の手は効かないと思い、三式の登場になりました。二式については、アシュ編の最後に横島君が出してたアレです。
横島君のクラスについては、もう決まっていました。横島ってオールマイティに何でもこなせそうだよなあと思いっている時に、愛読書であるD‐○IVEが目に入り、これだと思い、決めました。
マルチと決めたからには、とことんマルチにしようと思い陰陽術等も覚えることにしました。紅茶もそこからです。ちなみに、大尉さんは少佐さんになっています。
横島君の煩悩については、結構あります。何故召喚直後に飛び掛ったりしなかったかというと、状況も何も判らない状態だった。遠坂さんがある種のパニック状態だった。流石にあの状態の遠坂さんにナンパはしないだろうということです。で、今も敬語ですが、一応使い魔ですから。
もの凄く説明ばっかりで長くなりましたが、楽しんで頂けたら幸いです。
3×3EVIL様
マルチです、スーパーマルチ霊能者です。
なまけもの様
実際はこんな感じです。勿論多少は大人にはなっています。
ステータス表はいつか出そうとは思っています。
流星様
確かにそれもありかなとも思いましたが、一応サーヴァントなのでクラスをつけました。
美月様
シリアス時はこんな感じです。ただあまり長続きしませんが。
tori様
出来るだけ、横島君らしさを出していこうと思います
リミッツ様
一晩たったらこんなもんです。多分ダークにはなりません。
草薙様
横島君は器用貧乏みたいなもので、やっぱり文珠が切り札になると思います。
マーレン様
少しは横島君らしさが出せたでしょうか。
香良洲様
上記でも書いてますが、これから、横島君らしさを出していこうと思います。
渋様
ありがとうございます。遅筆ですがよろしくお願いします。
カシス様
令呪については、ストーリーの中で出てくると思います。
ありがとうございます。これから寒くなるので気をつけようと思います。
琉騎様
ありがとうございます。
遅筆ですが、頑張ってやっていこうと思っています。
匿名様
横島君がいきなりナンパしなかったのは、上記が理由です。
これからも、感想、ご指摘などあればよろしくお願いします。
七位様
そうですね、横島君がいかにして彼になったかは、暇があれば、外伝として出そうと思います。
ありがとうございます、頑張ります。
nao様
すみません、もうクラスは決まっていました。
マルチ横島君をよろしくお願いします。
それでは九十九でした。