思えば、今日と言う日は平凡で平和、そして怠惰な、人生における一瞬の一コマであった。
が、彼、式森和樹にとっての平凡とは、かけ離れたものになってしまった。
その原因は、ピンク色の自称押し掛け妻と、葵学園の影の支配者に他ならない。
本日は休日、仕事で働くお父さん達を尻目に、我ら学生は青春の無駄遣いの如く惰眠を貪る。
それは式森和樹も例外ではなく、普段の起床時間を過ぎてもスヤスヤと眠っていた。
ちょっとやそっとじゃ起きないぞと言うかの如く布団に深く包まる和樹。
が、そんな彼を狙うかのごとく出現する複数の物体。
茶色の四角形のそれは、所謂ダンボールで。
その落下地点には眠る和樹。
で、地球上には当然重力がありますよね?空中のダンボールは紐で吊るしてあるわけではないので当然――
ドサドサドサドサドサッ―――――
和樹の上に落下。しかも音からしてかなりの重量。
しかし・・・
「Zzz・・・・・・Zzz・・・・・。」
無事。何故か無事。素敵に無事。
予知か条件反射かそれともお約束か、和樹は見事に身体を捻ってダンボールの強襲を避けていた。
と言うか、よくそんな難しい体勢で寝られるものだ。
「和樹さ〜ん、おはようございま〜すっ・・・って、あれ・・・?」
ガチャと扉を開けて入ってきたのは自称妻の夕菜。
入ってきて早々、ダンボールに埋もれた和樹の姿に目が点にになっている。
「か、和樹さんっ!?」
慌ててダンボールを退かす夕菜。そんな彼女の目に映るのは・・・。
「Zzz・・・・・・Zzz・・・・・・。」
安らか〜な寝顔の和樹。過去に天使の寝顔と称された寝顔でスヤスヤと熟睡中。
寝坊キングは伊達じゃない。
「良かった・・・旦那さんをダンボールで圧死なんて嫌過ぎますよね。」
そう言う問題か?
「和樹さん、和樹さん起きてください。」
「うぅ〜・・・・あと5423ミグロン寝かせて〜・・・。」
「どんな単位ですかそれっ!!」
律儀に突っ込みつつ身体を揺らす夕菜。そりゃぁもうグラグラと揺らして。
その乱暴な起し方に、若干不機嫌そうに和樹君起床。
実は和樹君、起し方を間違えるとかなり不機嫌になります。
「あんだよ・・・うるせぇな・・・。」
「か、和樹さん・・・・?」
言葉遣いが素敵に不良な和樹に夕菜タジタジ。
おまけに目付きもかなり悪くなってます。
「あぁ?なんで夕菜が俺の部屋に居るんだ?」
「あの、二人の仲をもっと進展させようと思って一緒に住もうと思って・・・・。」
ギロリと睨まれて夕菜オドオド。こんな怖い和樹さん和樹さんじゃな〜いと心の中で叫んでいたり。
「ほぉ・・・あれだけ言ってもまだ懲りないのかテメェは・・・?」
「いえ、あの、だって私、他の人に比べたら一緒に居た時間が少ないじゃないですかっ、だからその・・・っ」
ワタワタと慌てて弁明しようとするが、不機嫌和樹に対しては言い訳など無意味である。
「出て行け。出て行かないなら武力行使だ。」
「そ、そんなっ、待ってください和樹さんっ」
スチャッと何処からともなくロッドを取り出す和樹。
恐らくアヴァランチで押し戻すつもりなのだろう。
不機嫌モードの和樹は行動が全て乱暴になります。普段のマイペース無害な彼からは想像もできないこの状況。
「おっはよ〜っ、か〜ずきっ・・・・って、何この緊迫した雰囲気。」
そこへ乱入してきたのは朝からちょっとメイクに気合が入った和美嬢。
部屋の中に漂う雰囲気に怪訝な顔になる。
「まっ、松田さん助けて〜っ!!」
「へっ?ちょ、宮間さんっ?どうなってんの・・・って!!ワル和樹っ!?」
「あぁん?」
泣きつく夕菜に驚きながらも叫ぶ和美。
ワル和樹とは、和美・千早・沙弓が名づけた不機嫌和樹の事であり、性格そのものが暴力的な状態の時に呼ばれる名称である。
特徴としては、目付きが悪い、性格悪い、言葉遣い悪いなどが上げられる。あとすぐ手を出す。
「松田さん聞いてくださいっ、和樹さんが怖いんですっ、暴力的なんですっ、理由聞かずに攻撃するのは私の専売特許なのにぃっ!!」
「いや、自覚あったの?」
嫉妬して即攻撃な夕菜スタンス。自覚あったらしい。
自覚あってそれってかなり酷くない?なんて考えつつも、とりあえず夕菜を廊下に出す和美。
「ま、松田さんっ?」
「ごめんね宮間さん、ちょ〜っと待っててくれる?」
そう言って扉を閉める和美。廊下で夕菜が何やら叫んでいるが気にしない。
「ふぅ・・・ほら和樹、機嫌なおしてよ、ね?」
「ふんっ、俺様の安眠を妨害する害虫は須らく消滅してしまえば良い。」
お前どこの英雄王だとツッコミそうになる和美だが、それを抑えて和樹に寄り添う。
「はいはい、煩い人は出て行ったから大丈夫よ・・・ね?」
「む・・・・・・。」
座っている和樹を抱き締め、撫で撫でと頭を撫でてやる。
すると目付きが悪い瞳が段々と閉じていき、暫くするとまたスヤスヤと寝息が聞こえる。
「ふぅ・・・・あの状態の和樹が、まさか寝惚けてる状態だなんて誰も信じないわよねぇ・・・。」
驚愕、我と書いてオレと読め状態は寝惚けだったらしい。どんな寝惚けだと突っ込みたい。
「ほら和樹、起きて。もう朝なんだから。」
夕菜と違い、優しく揺り起こす和美。
コツは、肩を優しく揺らし、瞼が少し開いたら今度は声をかけるのが上手な起し方と幼馴染ーズは語る。
「ふぁぁ・・・・ん、おはよう和美・・・・なんか夕菜にメンチ切る夢見たよ・・・。」
メンチ切る=睨むとでも思ってください。
「いや夢じゃないしそれ。まぁ良いわ。早く着替えなさい、ご飯食べに行くわよ。」
「うぃ〜。」
のそのそと立ち上がり着替え始める和樹。
休日の彼の速度は大抵こんなものである。マイペースと言うより単なる怠惰とも言える。
着替える和樹の悩ましい姿を堪能するという素敵な行為を楽しみたい和美であったが、先ほど廊下に放置した夕菜が煩いと思い廊下へと出る。
「うぅ、酷いですよ松田さ〜んっ放置なんて、放置なんてぇ〜っ」
いきなり泣きつかれた。どうやらワル和樹という普段から考えられない和樹の一面を見てかなり混乱しているようだ。
和美はこの後起こり得る展開に頭を抱えた。苦労性な和美嬢にアーメン。
「それで、どうして前に散々な目に遭った宮間さんが早朝からダンボールに包まれた荷物と共に和樹の部屋に居るのかしら?」
「うぅ、なんだか松田さん言葉に棘がありません?」
「ありません。」
キッパリと言い切る和美。その態度が素敵でシビレるぅ。
「あのですね、私この間まで海外に居たじゃないですか?」
「そうね、帰国子女だって売りで男子に大人気だし。」
「男でも帰国子女って言うのなんでだろね?」
やっぱり言葉に棘がある和美と、どうでもいい疑問を口にする和樹。マイペースな素和樹である。
「ですから、もっと和樹さんと親密になろうと思って一緒に住もうと―――」
「却下。」
「なんでですかっ!?」
「じゃぁ否認で。」
「上告しますっ!」
「破棄するわ。」
和樹と和美の息の合った切り替えしに敗北する夕菜。
ここで理不尽な言葉を放っても和樹に嫌われるだけだと学習はしたようだ。行動にあまり改善点が見られないのが今後の課題だろう。
「うぅぅ・・・ズルイです、卑怯です、差別ですっ!私だって和樹さんの傍に居たいんですっ!!」
「あのね宮間さん、それはクラスの女子ほとんどが言いたい事なんだけど。」
「なんで?」
「和樹は黙ってなさい。」
「うぃ。」
鈍感な和樹が疑問を口にするが和美にピシャリと黙らされる。
流石幼馴染、和樹を良く制御している。
「それなのに後から出てきた貴方が約束を盾に和樹に迫ったりしたら皆どう思うかしら?」
「そ、それは・・・っ」
「自分に当てはめてみなさいよ。どう思う?」
「・・・・・・凄く、嫌です・・・・・。」
「でしょう?なら、言わなくても分かるわよね?」
「・・・・・・・・はい・・・・・・・・。」
悲しそうに俯く夕菜に流石に罪悪感がある和美だが、ここで彼女の行動を認めてしまえば、後から後から同じように行動する女子が出てくる時に止められなくなるのだから仕方が無い。
が、そんな和美の頑張りを無駄にするのがお約束。
「それなら夕菜ちゃん、反対側の部屋に住んだらっ?」
「「玖里子さん・風椿先輩っ!?」
「あ、先輩おはようございます。」
「・・・・・・・・・あんた本当にマイペースね。」
唐突に現れた我らが玖里子嬢に驚く夕菜と和美。
だが和樹だけは相変わらず平然と挨拶を返している。
和樹が驚いてくれなくて悔しそうな玖里子だが、こほんと仕切りなおす。
「この部屋の反対側が確か空き部屋のはずだから、そこに結界でも張って住めば良いんじゃない?」
「なるほど、その手がありましたかっ!!」
渡りに船だとばかりにダンボールを抱えて移動する夕菜。
呆然とする和美と、いそいそと夕菜が飲んだお茶を片す和樹。
「・・・・・どういうつもりですか風椿先輩?」
「何がかしら?」
警戒した瞳を向ける和美と、それに対して平然と返す玖里子。
「何で突然来た先輩が話の顛末を知ってるんです?」
「ああ、その事?和樹を驚かせるタイミング計ってたら聞こえてきたの。結局驚かせられなかったけど。」
残念そうにむくれる玖里子。が、それでも和美の警戒は解けない。
「本当は夕菜ちゃんを連れ戻しに来たんだけど、暴れられても困るし、ちょうど良いかな〜なんて思ってね。」
「・・・・・・・・本当にそれだけですか?」
「それだけよ、疑り深いわね。」
「汝、隣人を最初に疑え。がB組の教えですから。」
嫌な教えである。
「本当に凄いクラスよね・・・まぁ良いわ。それじゃ、私の用はそれだけだら。和樹、お楽しみは後日にしましょう。」
「卑猥な楽しみなら結構です。」
「あん、つれないわね。」
別に本気で言ってないのか、そのままバイバ〜イと手を振って帰っていく玖里子。
その後ろ姿を、和美はずっと疑惑の瞳で睨んでいた。
「どうも怪しいわね・・・。」
「塩でも撒く?」
「いや、それはやり過ぎよ・・・。」
和美の返答に「そう?」と答えながら岩塩の袋をしまう和樹。
どれだけ撒くつもりだったお前。
「まぁ良いわ。とりあえずご飯食べに行きましょう。近所の本屋の前に、美味しいパン屋さんが車で販売に来てるんですって。」
「それは良いね。何が美味しいのかな?」
なんて平和な会話に戻りそうだったのに。
「和樹さ〜ん、松田さ〜んっ!部屋の中に幽霊がぁぁぁっ!!!!」
「「はい?」」
夕菜の叫びがぶっ壊した。
「なんでこうなるのかしら・・・・・?」
幽霊と談笑する和樹の姿を見て、和美は本日二度目の頭を抱えた。
「え〜っと、それでエリザベートちゃん・・・長いからエリザちゃんで良いかな?」
「うむ、ならば妾も和樹と呼ぶぞ。」
「良いよ。それで、エリザちゃんはこの部屋に住みたいんだよね?」
「住みたい訳ではなく、一時の間借りじゃ。」
半透明の女の子と平然と会話するのはマイペーズ男和樹。
女の子の幽霊は自ら『エリザベート・フォン・ノインキルヘン』と名乗った。
なんでも十六世紀の神聖ローマ帝国時代の貴族のお嬢様で、家が没落とかして流れ流れてこの日本まで来たそうな。
で、つい最近まで寮の近くに立つ洋館に住んでいたが、突然やってきた男達に追い出されたそうな。
とりあえず『ホーント』ではない様だが、一応和樹が相手をしていた。
因みに『ホーント』とは少女などの姿をしたアンデッドで、怨念で相手を道連れにしようとする危険な怨霊である。
「つまり、その洋館を如何にかすればここから出て行ってくれるんですねっ!」
「まぁそうじゃな。」
「ならさっそくその結界を壊しに「「待った。」」――な、なんでですかぁ?」
和樹と和美に襟首捉まれて引き止められる夕菜。
「あのね宮間さん、話から聞くにその結界は企業か何かが張った、言わば会社の物なのよ?それ壊したら訴えられるか捕まるわよ?」
器物損害とかその辺で。
流石B組の策士、その辺りの事に関しては頭が回る。
「一番平和的なのは、ここにエリザちゃんが住むことだよね。」
「そうね。」
和樹の言葉に同意する和美。だが納得できないのは当然この人。
「ダメですっ、この部屋には私が住むんですっ!!こうなったら魔法で――「「やめなさい」」――きゃんっ」
二人に頭を叩かれて蹲る夕菜。エリザはそれを見て(何の漫才じゃこれは?)と呆れたとか。
「これじゃ埒が明かないわね・・・ねぇ、他の場所に移れないの?」
「そうじゃな、別に移っても構わんのじゃが、条件がある。」
「条件?」
「うむ、妾があの洋館に忘れてきた、母上の形見の鎧を持ってきて欲しいのじゃ。突然の事で持ってくることが出来なくてな。」
「そうね・・・・どう和樹?」
「それ位なら可能だけど・・・結界が面倒かな?」
「そうよね・・・とりあえず見に行きましょうか。ご飯のついでに。」
いつものリーダーシップを発揮する和美と、それに着いて行く和樹。
慌てて夕菜がその後を追った。エリザは少しだけすまなそうな顔をして三人を見送った。
で、三人は噂のパン屋さんでそれぞれ好みのパンを購入。
車でやってくるパン屋さん。メニューに惣菜パンが多いのが人気の秘密だとか。
「焼きソバ多めでお得だね。」
「あ、ほら和樹、ソース付いてるわよ。」
「和樹さん、メロンパン食べます?」
ほのぼのと食べながら移動する三人。ちょっと行儀が悪いけどこの際気にしない。
「あ、ここがその洋館ね。」
「結構強力な結界が張られてますね。」
「え〜っと・・・霊的遮断結界に人払いに防壁結界・・・・なんでこんなに張ってるんだろ?」
悪戯や子供の侵入防止にしては物々しい決壊である。
「あ、看板がありますよ。え〜っと・・・風椿不動産・・・・って、風椿っ!?」
「やってくれたわねあの女ぁ・・・。」
驚く夕菜と怒る和美。
「風椿かぁ・・・玖里子さんの関係者かな?」
相変わらずマイペースと言うかボケボケな和樹にカクンと崩れる二人。
関係者どころか、普通なら主犯と見るべきであろうが。
「まったく・・・良いわ、とりあえず先輩の所へ行きましょう。」
「はい。たぶん学園の生徒会室で仕事しているはずです。」
何で学園の部屋で仕事しているのか謎だが、たぶん居心地とかが良いのだろう。
「ほら和樹、行くわよ。」
「・・・・・・・・・・・・あぁ。」
ただ、和樹だけは複雑に結界の張られた洋館を睨んでいた。
「・・・・皆が騒ぐ・・・嫌な空気だ・・・。」
魔力内の檻に居る魔獣達が騒ぐ。
結界から漏れる、濃い魔の臭いに。
「「失礼しますっ」」
「お邪魔しま〜す。」
ズカズカと入ってくる和美と夕菜、その後ろに続く和樹。
「あら、何か御用かしら?」
目当ての人は、大きめのテーブルの上に書類を積み重ねた状態で三人を迎えた。
「御用?じゃないですよ玖里子さんっ!あの洋館の結界を早く解いてくださいっ!」
「何のつもりか知らないですけど、あんまり和樹巻き込まないでくれます?」
いきり立つ夕菜と、冷静に言い放つ和美。対極的だ。
「あぁ、あの洋館の幽霊あの部屋に居たのね。知らなかったわ。」
「・・・白々しい・・・。」
玖里子の言葉に和美が小さく呟く。
「そうね、別に解いても良いわよ?ただし。」
「ただし?」
夕菜が首を傾げる。嫌な予感がする和樹。
「和樹の遺伝子と交換で。」
「ダメですっ!!」
「当然よね。」
返す二人。それが分かっているので玖里子も動じない。
「なら交渉は決裂ね。大人しく夕菜ちゃんが引き下がるかしなかないわね。」
「うぅ・・・酷いですよ玖里子さんっ!」
「そう言われてもねぇ・・・こっちも一応商売だし。」
ギャンギャン騒ぐ夕菜と、それを涼しげに返す玖里子。
この辺り、知り合いなだけに手馴れているっぽい。
「玖里子さん。」
と、そんな二人の間に和樹が割って入った。
「何?遺伝子くれる気になった?」
「それはありません。あの洋館、何時から閉じたままなんです?」
きっちり切ってから話に入るあたり、和樹も上手いものだ。
「閉じた?あぁ、結界ね?そうね、ここ三日くらいかしら?」
「三日・・・・・。」
それがどうかしたの?と聞く玖里子の言葉に答えずに思案する和樹。
その表情は、昼行灯でマイペースな和樹らしくない険しい表情だった。
「・・・・・・どうかしたの?」
「うん・・・あの洋館、もしかしたら割れ目かもしれない。」
「「割れ目?」」
和美の言葉に答えた和樹。その言葉に反応する夕菜と玖里子。
「時空・次元の裂け目とでも言えば判り易いですかね?そう言った、目に見えない割れ目って結構彼方此方在るんですよ。よく鬼門とかって言うじゃないですか?あれだと思ってください。で、あの洋館の割れ目、かなり大きいみたいなんですよ。」
「大きいと問題あるの?」
玖里子の言葉に、深く頷く和樹。
「その割れ目と繋がっている空間が、やばい場所なら問題大有りです。あちら側の影響が出てきますから。」
「ちょっと待って。その割れ目とかもそうだけど、あちら側って何なの?」
「そうですね・・・簡単に言えば、魔界や天界と言った異世界です。正確には、この世界と壁を隔てて存在する、もう一つの世界ですね。」
「召喚魔術学で言う、元素六属世界の事よ。火・水・土・風・聖・魔のエレメントを元素とする、人以外の種が暮らす世界。聞いた事くらいあるでしょう?」
まるで教師のように指を立てて説明する和美。眼鏡が似合いそう。
で、その言葉に頷く二人。
「その世界とこちらの世界を隔てる壁って、強固なようで意外と穴だらけなんですよ。だから向こうの世界に干渉して召喚術なんかが使えるんです。よく世界中で目撃される未確認生物とかって、その割れ目から迷い込んだ魔物や魔獣なんですよね、実は。」
逆に、日本などで古来からある神隠しなどは、この逆とも召喚魔術学では言われている。
割れ目は目には見えないが確かに存在する。そして大きな割れ目はそういった現象を引き起こすのだ。
とは言え、そんな大きな割れ目は滅多に存在しないが。
「その割れ目については分かったわ。でも、それがどうかしたの?」
「割れ目自体は害じゃないんです。でも、もしその割れ目が大きくなったりしたら、向こう側の生物が出てくる可能性もあるんです。」
「偶発召喚って呼ばれる現象ね。呼んでもいないのに勝手に魔物が出てくる現象。」
和樹のお陰で召喚術に詳しくなった和美が継ぎ足すので玖里子達も何とか理解できた。
「・・・つまり、あの洋館でそれが起きるってこと?」
「恐らく。エリザちゃん・・・あの幽霊の女の子が、『とても心地よくて住みやすい』って言ってたんです。彼女は怨霊とかの類じゃないですけど、それでも種族的にはまだ『アンデッド』です。属性も多分まだ『魔属性』のはず。その彼女が住みやすいと言う事は・・・。」
「っ!そうか、あの洋館の割れ目と繋がっているのは『魔界』もしくは『冥界』ねっ!」
和樹の説明にピンッときた和美が答える。
幽霊であるエリザが心地よさを感じるのは、魔の元素の濃い魔界に他ならない。
彼女自身は時を経てスピリットになりかけているが、未だその在り方はアンデッドである。
「ちょっと、そんな世界と繋がっちゃったら大変じゃないっ。」
「そうですよ、魔界ってあの魔界ですよね?悪魔とかが住まう世界の!」
「そう、そしてさらに最悪なのが、割れ目が大きくなる事。これが偶発召喚の一番の要因なんです。」
「大きくって、目に見えないモノを大きくする方法なんてあるの?」
目に見えて触れるならいくらでも方法があるが、目に見えない触れないでは方法なんて普通じゃありゃしない。
「あります。そしてあの洋館ではそれが起きている。割れ目を大きくする一番簡単な方法は、その割れ目と繋がっている世界と同じ環境を割れ目の周囲に作ればいい。そうすれば割れ目は自然と広がりますから。で、あの洋館、今あらゆるものを遮断してますよね?」
「え、ええ。霊的結界とかで遮断してるけど・・・。」
「偶然でしょうけど、それが魔の空気まで遮断してあの結界内で充満してるんです。つまり、あの空間内は今あちら側の世界に近い。」
それ故、和樹の魔獣達が騒いだ。あの濃密な魔の空気を感じて。
「じゃぁ、割れ目が・・・・・。」
玖里子の表情が少し青くなる。玖里子自身頭はいい、魔界の住人がどんな存在であるか知っているのだから。
「広がっているでしょう。一定まで広がった割れ目は『穴』になります。そうなると、長い時間が経たないと閉じないんです。」
「和樹、どうするのよ?」
焦り顔の和美が急かす。あの洋館の傍には自分たちが住む寮があるのだ。
滅多なモノが出てきたら最悪死人が出るだけでは済まない。
「玖里子さん、結界に穴を開ける方法ありますか?もしくは、人が通れる位の入り口とか。」
「あ、あるわ。作業用の簡易出入り口が。」
「案内してください。もし魔の魔物が出てきたら、最悪の場合魔法旅団でも危ない。」
超エリートの集まりである魔法戦闘集団『マジックブリケード』でも危ない魔物。
玖里子達には予想もできない相手だ。
「分かったわ、案内するからついてきてっ」
玖里子は結界の鍵であろう紙を持ち、三人を連れて学園を出た。
「ここから入れるわ・・・でも、確かになんだか嫌な感じね・・・。」
結界内を凝視して呟く玖里子。
人払いの『関心を逸らす』効果ではない何かが、その中から感じられた。
視覚妨害の効果のある結界が張られているため、ぼんやりとした洋館の姿が、まるで魔界の館のように見える。
「だいぶ魔素が充満してる・・・割れ目が大きくなってるんだ。これじゃ結界を解いたら危険だ。」
「どうして?遮断してる結界を解けば全部流れて終りじゃないの?」
玖里子の疑問は最もだ。そして、それは確かに最善の策ではある。初期の状態であるなら。
「ここまで濃い魔素は人体にも植物にも影響が出ます。周囲一帯で深刻な被害が出ますよ?」
和樹に言われてその光景を想像する玖里子。
で、その原因である風椿は当然訴えられて・・・。
「やっ、やっぱ開放するの無しっ。」
首を横に振る。何を想像したのか分からないが、恐らく姉達への恐怖があったのだろう。
通常の魔素や、割れ目から漏れてくる程度の魔素は、精々気分が悪くなる程度。体調を崩すのが良い所だろう。
この洋館が廃れているのも、恐らく割れ目が影響しての事だろう。
風水などで言う、良くない場所に建っているのだ、この建物は。
「でもどうするんですか?これじゃ中にも入れませんよ?」
夕菜の疑問に玖里子も頷く。開放しても危険な魔素。中に入ったら当然アウトだ。
「このお札を持っていれば、暫くは加護が効いて守ってくれますから。一応皆も持って。」
そう言ってジャケットの懐から札を取り出す和樹。お札には何やら複雑な紋様が描かれていた。
「それじゃ行って来るね。」
気軽に言いのける和樹に唖然とする夕菜と玖里子。
「だ、ダメですよ和樹さん!危ないです、私も一緒に行きますっ!!」
「そうよ、いくら便利な道具持っててもあんた魔法回数少ないでしょっ!?」
と詰め寄る二人。和樹は少し困った顔で和美を見るが、和美は肩を竦めて笑うだけ。
仕方がないとばかりにため息をつく和樹。
「分かったよ、一緒に行こう。でも危なかったら直に引き返してもらうからね。」
「大丈夫です、和樹さんは私が守りますっ!!」
意気込む夕菜だが、彼女がその自分が和樹に簡単に倒されたのを忘れているのだろうか?
「意気込むのは良いけどね・・・それじゃ行こうか。」
玖里子から貰った鍵を結界にかざすと、そこだけ切り取られたように穴が開いた。
そしてその穴から吹き付ける濃厚な魔の風。
「きゃっ!」
「ちょっ、こんな凄いわけっ!?」
思わず顔を覆う二人。耐性が無い人間なら、身体が動かなくなり意識を失う程に強い魔の空気。
「まずいね・・・和美、二人を頼むね。」
「オッケー、任せて。」
和美は赤い宝石が埋め込まれた耳飾りを身に着けながらそう答えた。
中に入り入り口を閉める。
結界内は、先程までの明るさが嘘のように暗く、ドロドロとした空気に包まれていた。
草や木は枯れ、蟲一匹存在していない。
「うぅ、気持ち悪いです・・・・。」
「何かしら、変な臭いがするわね・・・。」
鼻を押さえる二人。割とこういう経験をしている和美は平然としている。
「なんで和美さんは平気なんですか?」
「平気じゃないわ、気持ち悪いもの。ただ、宮間さん達より慣れてるだけ。」
そう答える和美の左耳の輝く赤い耳飾りから、赤いオーラが彼女の身体を包んでいるように見える。
「ふんッ」
ドガァッ!!
轟音を立てて和樹が扉を蹴破る。
ちょっと乱暴な行動に呆然とする二人。
だが形振り構っている状況ではないのだ。
「お、アレがエリザちゃんの形見の鎧かな?」
ちゃっかりエリザの鎧を見つける和樹。
だが運ぼうにも割と大きいそれ。
「どうするのよ?」
「こうします。」
玖里子の言葉に答えてから懐から一枚の紙を取り出す和樹。
その紙、いやカードのように見えるそれには、複雑な紋様が書かれている。
「何それ?見た事無いけど霊符かしら?」
「いえ、ただの収納符です。」
そう言って和樹が呪文を唱えると、符が輝き、符を向けられている鎧に向かって光が伸びる。
そして鎧を光が包むと、吸い込まれるように符の中へと入ってしまう。
入った符には、鎧の絵が描かれていた。
「へぇ〜、便利な道具ねそれ。」
感心する玖里子。霊符使いの彼女には興味引かれるモノのようだ。
「それが案外不便で、一度しか使えない上に対象は道具限定、しかも大きさまで限定されてるんですよ。入れられる数も一個だけ。」
「あらそうなの?確かにそれじゃあんまり便利じゃないわね・・・。」
一回使い切り、しかも一個だけでナマモノ厳禁。大きさ制限あり。
某タヌキ・・・もとい猫型ロボットのポケットのようにはいかないようだ。
因みに吸い込んで出したら符はただの紙になってしまう。
「とりあえずこれでエリザちゃんの用事はOKだね。後は割れ目が何処にあるか・・・。」
「これだけ広いと探しようがないわね・・・どうするの和樹?」
「そうだね・・・シャドウ・ストーカー達に探してもらおうか、あの子達なら魔の空気を追えるだろうし。」
魔属性の魔法生物である彼らには最高の環境であるここ。
呼べば喜ぶだろう。一応魔法生物にも意思は存在しているのだから。
「和樹さん、なんだか変な音しませんか?」
夕菜が怯えながら声をかけてくる。
その言葉に全員が耳を澄ます。
――――ミシ、ギシ――――ギシ―――ミシミシ――――
全員の耳に、木が軋むような音が微かに聞こえた。
「だ、誰か居るのかしら?」
「まさか、人間には猛毒の空気内ですよ?居るとしたら魔属性のまもの・・・・・。」
和美の言葉が途切れる。そう、ここに人は居られない。
ならそこで存在するとしたら・・・・。
「和美・・・・・・。」
「えぇ・・・・。」
和樹が懐から収納符を取り出し、そこから黄金色に輝く剣を取り出す。
符はただの紙になって地面に落ちる。
和美も呪文の詠唱準備に入る。
夕菜と玖里子もそれぞれ結界魔法と攻撃魔法を唱え備える。
―――ミシミシ―――ギシギシ―――ギシミシ―――ギシ――
どんどん大きくなる物音。
四人がそれぞれ背中合わせに身構えるが、それぞれの視界に動くものは見当たらない。
夕菜の唇が震える。玖里子の符を持つ手が震える。
和美の頬を汗が伝う。和樹の持つ黄金の剣がギラリと光る。
―――ギシ――――
「――――――ふッ!!」
一際大きな音が足元から聞けこえた瞬間、和樹は足元の床に黄金の剣を突き刺した。
『ギギャァァァァァァッ!!!!?』
肩口を貫かれて床から現れたそれは、醜い異形の魔物。
「ッ、グールかッ!」
人や死肉を喰らうアンデッド、グール。
それが床のあちこちを突き破って現れた。
『グルゥァァァァッ!!』
『ギュルルルルッ!!』
『グルアァァァッ!!』
次々に現れるグールの姿に怯える夕菜と玖里子。
「何ボサッとしてるのッ!!」
飛び掛ってくるグール目掛け魔法を打ち込み二人に激と飛ばす和美。
その言葉に冷静になった二人も攻撃魔法を打ち込むが、後から後から湧いてくるグールに押され始める。
「一匹見たら何とらやだねっ」
「あっちの方が精神的に嫌なだけで済むわっ」
黄金の剣で切り捨てる和樹と、耳飾りの魔力で効果を倍増させた魔法で薙ぎ払う和美。
夕菜と玖里子は醜悪な魔物の姿と濃い魔素に精神的に追い詰められている。
「ちぃ・・・和美、二人を頼むッ」
「オッケー!」
和樹が何をしようと考えたのか長年の付き合いから理解した和美が二人を守るように立つ。
「出でよ・・・ヘルハウンド!!」
和樹が突き出した右の掌に魔方陣が浮び、そこから黒く巨大な猟犬が飛び出してくる。
『ガルルルッ!!』
飛び出してきた黒い猟犬は目の前にいたグールを噛み砕くと、そのまま反転して和美達の方へと向かう。
「きゃぁっ!?」
「ちょっ!?」
「ワンズっ」
突然出てきた巨大な犬に驚く二人を尻目に、和美は向かってきた猟犬にひらりと華麗に跨り、外を指差す。
夕菜と玖里子も他の猟犬に捕まり(銜えられ?)て付いてくる。
外へ飛び出す4匹の猟犬。
結界の壁ギリギリまで下がると、館の方を睨み吼える。
「ちょっと、この犬なんなのよっ?」
ヘルハウンドの首に捕まりながら叫ぶ玖里子。夕菜はヘルハウンドに洋服を銜えられて慌てている。
「和樹の召喚獣!賢いから噛み付かないわ。」
「か、和樹さんは!?」
夕菜がその和樹を探すと、窓を割って和樹が洋館から飛び出してくる。
その後を追う様に、グール達が窓や扉から出てくる。
「まるでバイ〇ハザードね。チェーンガンとか無いかしら?」
「私はロケットランチャーが欲しいですね。」
軽い口を叩く二人。和美は兎も角、玖里子はだいぶ落ち着いたようだ。
「拙いな、かなりの数のグールが出てきてる。これじゃ簡単には割れ目が塞げないぞ。」
「どうする?沙弓達も呼ぼうか?」
和美が携帯片手に言うが、和樹が首を振る。
「止めた方がいい、この分じゃ何が出てくるか分からない。」
「ちょっと、まだ出てくるって言うのっ?」
「そうね、それにそんな時間も無さそう・・・。」
ジワジワと和樹達を囲むグール達。
それを牽制するヘルハウンド。
「ワンズ、ツヴァウ、サウル、フォルツ、構えっ。・・・ファイエル!!」
和美の号令と共に四匹のヘルハウンドが大きく口を開き、その口内に炎を溜め込む。
そして攻撃の言葉と共にグール目掛け吐き出す。
火炎のブレスがグール達を焼き尽くすが、後から後から湧いて出てくる。
「キリが無いわ・・・。」
割れ目が存在する以上、グール達の数はそれこそ膨大だ。
一体一体はそれ程ではないが、グール達は常に複数。
そして厄介なのが・・・。
『ギャンッ!!』
「サウルっ!このっ!!」
サウルと呼ばれたヘルハウンドに群るグールを吹き飛ばす和美の魔法。
駆け寄ると、サウルの身体は痺れたように動かないでいる。
「マヒしてる・・・これじゃ迂闊な攻撃ができないっ」
グールの怖ろしい所は、その体液や吐き出す液体に、強いマヒの効果があること。
迂闊に攻撃すれば、サウルの二の舞である。
「サウル戻れッ。」
和樹がサウルの身体に右手を当てると、掌に浮んだ魔方陣に吸い込まれるようにして消えて行く。
マヒだけなら和樹の檻の中で癒える。
「これはちょっと拙いわね・・・和樹どうするっ?」
「俺と和美だけなら何とかなるかもしれないけど・・・流石にこれはヤバイかな?」
マイペースな和樹も焦りを感じている。
いくら魔法回数・魔力が優れていても、戦闘に関してはド素人の夕菜と玖里子が一緒では長期戦は不利もいい所だ。
二人も攻撃魔法で応戦しているが、グールの数は益々増えている。
「こうなったら仕方が無い・・・皆戻れッ」
和樹が右の掌をかざすと、残りのヘルハウンドが魔方陣へと戻っていく。
「ちょっと、貴重な戦力戻してどうするのよっ!?」
「大丈夫・・・第八の門開放・・・。」
和樹が呟くと、左の背中に魔方陣が浮ぶ。
「こい、グリフォンッ!」
『クルェェェェッ!!!』
魔方陣から突風と共に現れる鷲の頭を持つ魔物、グリフォン。
「グリちゃんカモンっ」
和美の声に反応してやってくると、その背中に和美を乗せる。
和樹の召喚獣達は、和樹の親しい人、大切な人の言葉に応じるように命じられているので、和美でも簡単な使役は可能。
「グリちゃんあの二人もっ」
『クエッ』
和美の言葉に従い、夕菜と玖里子を摘み上げるグリフォン。
「ちょっとぉっ、この扱いは酷いんじゃないっ!?」
「きゃぁぁぁっ、玖里子さん暴れないでくださいよぉっ!」
暴れる二人を連れて上空へと退避するグリフォン。
「あっ、和樹さんがっ!」
夕菜の視線の先には、取り残される和樹の姿。
「戻ってくださいグリフォンさんっ!和樹さんがぁっ!」
「和樹なら大丈夫よ、心配なら魔法で援護しなさいっ!」
地面のグールに向けてファイアボールを放つ和美。
それに呼応して、玖里子も霊符で出来た兵士をグールに放つ。
援護されて地面に残る和樹は、ジャケットの懐から一枚の符を取り出す。
その符には、赤黒い文字が書かれていた。
「これだけ濃い魔素じゃぁデーモン系は却下。逆に支配されちゃうしね。そうなると・・・あの子が適任かな?」
呟き、符を掲げ、呪文を呟きながら空中に六角形の星を描く。
やがて描いた星の中心に黒い穴が開く。異界に通じる穴が開いた。
「汝≪見すえる眼≫もちて魂砕きし者よ、邪眼の名を冠す蜥蜴の王よ、汝が真の名を唱えし者の呼び声に耳塞ぐこと能わず!!」
六角の星が輝き、門の中心部が唸りを上げる。
和樹の呪文に呼ばれ、異界の魔獣が姿を現そうとしている。
「盟約に従いて、疾く来たりて我に従え!!――――『ウジャド・バジリスク』――――ッ」
『キュエェェェェッ!!!』
甲高い声を上げて現われたる、灰色の鱗を持つ八本足の蜥蜴。
その巨体が、群るグールを蹴散らす。
「よぅし、行くぞバジりんッ!!」
背中に飛び乗った和樹の号令に答え、その巨体と尻尾でグール達を薙ぎ払うウジャド・バジリスク。
「すごっ、なんてモノ呼び出すのよ和樹ってばっ!!」
「凄い、あれが和樹さんの実力・・・っ」
和樹の、現代では誰も成し得ぬ召喚術に感嘆の声を洩らす二人。
その二人の様子に満足そうにしていた和美だが、突然グリフォンが声を上げた。
「どうしたのっ?・・・って、何よあれ・・・っ」
和美が見たのは、あの洋館を中から迫り上げている巨大な何か。
6メートルを超えるウジャドバジリスクよりも更に巨大な何かが洋館を破壊しながらこちらに現れていた。
「か、和樹っ!大変大変っ!!」
「え?・・・・うわ、嘘だろ・・・?」
和美が指差す方を見れば、そこには洋館を破壊して現れた、巨大な屍。
継ぎ接ぎだらけの身体と、異臭を放つ口。どう考えても人の肉体ではないその屍は。
「・・・・・・あれがレブナントって奴かな・・・・?」
レブナント。和樹も本物を見るのは初めてだが、実家の魔道書には乗っていた。
不死の肉体を持つアンデッド。ただの攻撃では殺しえない、厄介な屍。
「物は試し・・・行くぞバジりんッ!!」
『キュエェェェェッ!!』
洋館を破壊し、こちらにやってくる巨人の屍から作られたアンデッド。
それに立ち向かうは、巨大な蜥蜴と黄金の剣を振り翳す召喚士。
『ゴォォォォォォッ』
レブナントが吼えてその豪腕を振るが、遅い。あまにも遅い攻撃に当たるバジリスクではない。
スルリと避けると、そのままその巨体を持って取り付き、爪と牙で噛み付く。
「はぁぁぁッ!!!」
剣を構えた和樹がバジリスクの背中から飛翔し、レブナントの額を狙う。
「でぇいッ!!!」
『ゴォォォォォッ!!?』
ドスッと深く刺さる黄金の剣。
手応えを感じる和樹。それを表すかのように仰向けに倒れるレブナント。
「倒しちゃったの・・・?」
「見掛け倒しですか・・・?」
その光景に眼を丸くする玖里子と夕菜。
だが和美もグリフォンも、そして倒した和樹とバジリスクもまだ警戒を解いていない。
『・・・・・・・・グォォォォォッ!!』
「――ッ、ちぃッ!」
一瞬の間の後に、突然動き出すレブナント。
和樹とバジリスクがつけた傷が、ジワジワと治っていく。
「これが不死の肉体ってやつか・・・厄介な。」
いくら攻撃しても、普通の攻撃では殺し切れない。
『ゴォォォォォッ!!』
雄叫びを上げて立ち上がるレブナント。
動きは遅いが、長期戦ではこちらが負ける。
おまけにうじゃうじゃと存在するグールが邪魔だ。
一斉に襲ってきたらウジャド・バジリスクでも危うい。
「こうなったら・・・和美、俺が合図したら洋館ごと割れ目を破壊しろッ!!」
「えぇっ!?ちょ、それ大丈夫なのっ!?」
「周囲に影響が出るかもしれないけど、この際仕方が無い!責任は全部玖里子さんが取ってくれるからッ!」
「ちょっとぉっ!?」
何やら玖里子が叫んでいるが、和樹はグールを葬るので忙しい。
和美もこのままではいずれ結界が破れてグールやレブナント、下手をすれば別の魔物が出て行ってしまうかもしれない。
それは宜しくない。
「仕方が無いわね・・・。――迸る火炎、燃え盛る灼熱、我の敵を須らく薙ぎ払い、業火の贄とせよ―――」
和美の呪文詠唱。それに呼応して彼女の耳飾りが光る。
【ヴァガンデの耳飾り】と呼ばれるそれは、身に着けた者に炎と雷の加護を与え、さらに炎の魔力を与えるアイテム。
和樹が和美の誕生日に送った、思い出の魔法道具。
その効果により、和美の火の魔力が増幅される。
『ゴォォォォォォツ!!』
殴りかかってくるレブナント。それに続くグール達。
それに対するは、邪眼の名を冠する蜥蜴の王。
「今だバジリスク!邪眼を開けッ!!」
『キュエェェェッ!!』
和樹の声に答え、その口を大きく、限界まで開くバジリスク。
その上顎の奥にある真紅の瞳が、敵を見据えた。
『ゴォォォォ・・・ゴォォォォッ!?』
レブナントの拳がピシピシと音を立てて石になる。真紅の瞳から放たれる石化の魔力を浴びて、不死の肉体が石となる。
それは群るグールも同じ。真紅の瞳は、襲いくる敵を逃しはしない。
やがて真紅の瞳の視界全てが石になる。
「今だ和美ッ」
「――集え灼熱の業火、我が敵を飲み込み燃やし尽くせ―――【フレアー】――ッ!!」
和美の掲げた両手の先に、巨大な灼熱の球体が生まれる。
原初の火、メギドの炎を彷彿とさせるその球体を、石化した群集に向け放つ。
キュドォォォォォォォォンン――――――ッ!!!!!
着弾したフレアーは、レブナントを、グールを、屋敷を、魔素を、そして割れ目を飲み込んだ。
その威力は凄まじく、熱量と爆風が結界を揺らし、パリンッと硝子のように破壊してみせた。
その日、平和な街の片隅、古い洋館のあった場所で轟音と爆煙が上がった。
「で、どうしてこうなるのかしらね?」
「どうしてだろうね?」
疲れた表情で、とある建物の前に立つ和樹と和美。
洋服のあちこちが煤や泥で汚れている。あの爆発で火傷を負っていないのだから驚きだ。
まぁ和美は耳飾りの加護があるし、和樹は咄嗟にバジリスクが庇ったので無事だったのだろう。
二人の後ろでは、グリフォンが欠伸し、バジリスクが眠っている。
「はぁ・・・なんでこうなるのかしら・・・。」
「なんでだろうねぇ・・・。」
黄昏る二人。夕日に映るカラスが「アホー、アホー」と鳴いている気がする。
あの後、爆煙が晴れた場所に割れ目は存在せず、レブナントもグールも一匹も存在しなかった。
濃密な魔素も、爆風と爆煙が拡散させたので人体に影響が出る事はなかった。
奇跡的に周囲への被害も強風による被害程度だ。強固な結界のお陰で爆風などが全て上空へ向かったのが幸いした。
ただ、何の因果か偶然か、学園の寮である男子寮と女子寮が合体していた。
そりゃぁもう見事なまでに。何故か和樹の部屋の周囲にB組女子の部屋が集中しているし、他の男子部屋は別の建物に移っている。
マッドな保険医曰く「爆発の衝撃で閉じた割れ目が、近くで繋がっていた割れ目ごと閉じた影響で周囲の建物まで引っ張ってしまったのだろう。話から聞くに、洋館の割れ目は既に穴と化していたようだし、強引で乱暴な閉じ方で周囲に影響が出てもおかしくない。」との事。
この事に玖里子嬢は大はしゃぎで業者に連絡して早速に寮のガス水道等のケアを開始。
夕菜は「これで和樹さんの部屋の傍に住めますっ!」と大喜びで建物に入っていった。
エリザは和樹に鎧を渡され大喜び。この後如何するのかと聞けば、玖里子が暫く面倒見てくれるとの事。
「結局、先輩の一人勝ちって事かしら・・・?」
「そうみたいだね。」
和樹の魔力を使って寮と洋館を如何にかしようとしていたらしい玖里子嬢。
彼女にとってはまぁ誤差の範囲内の出来事のようだ。
「責任取れとか言われなかったのは助かったわ。」
「そうだね。」
もしそうなったら実行者である和美とやらせた和樹が咎められていただろうから。
ただまぁ、B組女子と夕菜からはどちらにせよ感謝されただろう。和美自身、和樹と身近に暮らせるのは嬉しいのだから。
「はぁ、お腹空いたね。」
「そうね、沙弓達も誘ってどこか食べに行きましょ。賭けの勝ち金もあることだし。」
前回の転入生は男か女かで勝った和美達。ちょっと財布がリッチである。
「そうだね、それなら駒野と數馬も誘って良いかな?」
「良いわよ。でもその二人だけね。」
駒野と數馬だけは和樹に無害だと知っての言葉。一番和樹に毒なのが仲丸等である。
まぁ數馬は別の意味で毒なのだが。男だけの帝国作るのが野望らしいし。
なんだかんだで、今回の騒動も幕を下ろした。
夕菜と玖里子の二人に、和樹の実力という名の言葉を残して・・・。
続きたい。
〜今日のモンコレ〜
紫乃「今回から始まった新コーナー、『今日のモンコレ』のお時間ですよ。」
舞穂「にゃ〜、紫乃さん、舞穂達本編に出てないけど良いのかな〜?」
紫乃「良いんです。出番少ないんですからこれ位当然です。」
舞穂「作者さんがこのコーナーやると行数が大変って言ってるけど〜?」
紫乃「無視です。私を登場させないのだからこの程度の苦労喜んでやるべきです。」
舞穂「にゃ〜、それじゃぁ早速逝ってみよ〜っ」
紫乃「舞穂ちゃん、字が違うわよ。」
モンコレNo1、ヘルハウンド
舞穂「にゃ〜、黒くて大きな犬さんだね〜。」
紫乃「和樹君が頻繁に頼りにする【火属性】の魔獣で、種族は【ハウンド】。召喚獣としてのランクはDですが、これは人に対する脅威の大きさなので、それが直接強さになる訳ではありませんよ?判定の仕方は戦った人の感想だそうですし。」
舞穂「にゃ〜、火炎のブレスで攻撃もできるんだよ〜。」
紫乃「通常ヘルハウンドは4体で一つとして扱われます。和樹君は12体使役しているので、三つと計算できますね。」
舞穂「この子達の一番の特徴はなに〜?」
紫乃「そうですね、コストが低い事と、即時召喚が可能な点でしょうか?和樹君は体内の檻があるのであまり関係ありませんけどね。ただ、防御力が低めなので注意が必要です。」
モンコレNo2、グリフォン
舞穂「にゃ〜、モンコレと言えばこれ!なグリちゃんで〜す。」
紫乃「漫画等でも活躍しているグリフォン、【風属性】の魔獣で種族は【モンスター】。色々なゲームやお話に登場するモンスターの代表格ですね。ランクはCです。」
舞穂「人を乗せて飛ぶ事が出来るんだよっ、舞穂も乗りたーいっ」
紫「くすくす、そうですね。特徴としてはイニシアチブ+1を持ち、騎乗の能力でユニット一体を飛行の進軍範囲に変更できる点でしょうか?他にも様々な種類のグリフォンが存在しますが、和樹君のグリフォンは普通の子ですね。」
モンコレNo3、ウジャド・バジリスク
舞穂「うわっ、大きな蜥蜴さんっ」
紫乃「邪眼持ちの雑魚殺し、ウジャド・バジリスクですね。ウジャドとは六門世界で言う『邪眼』の事で、バジリスクと言ったらこの子か普通のバジリスクが上がります。ストーン・バジリスクは種族が【ドラゴン】なので違いますから要注意ですよ?【魔属性】で種族は【リザード】。石化と猛毒に耐性を持っています。ランクはBです。」
舞穂「この子、口の中にもう1個目を持ってるんだよねっ」
紫乃「その通り、舞穂ちゃん良く出来ました。ウジャド・バジリスクやバジリスクは口の中に『邪眼』と呼ばれる目を持ち、それを見たモノを石に変えてしまう能力を持っています。ただし、相手の防御力が高いと効果無しなので注意が必要です。」
舞穂「作者さんが「雑魚殺しにお世話になってます。」って言ってるくらい使い勝手が良いユニットなんだよ〜。」
紫乃「即時召喚押せ押せデッキには強いですね。道具で封じられたら負けですけど。」
モンコレNo4、グール
舞穂「にゃ〜〜〜っ、気持ち悪い〜っ」
紫乃「【魔属性】で種族が【アンデッド】と言えばスケルトンと壁を張るのがこのグールです。あぁ、紫色の皮膚がまた可愛い・・・っ」
舞穂「紫乃さん・・・(汗)・・・ランクは低めのEだって。」
紫乃「凶暴で知性を持たないモンスターですが、その分使い勝手が良いユニットです。即時召喚も可能で、マヒ攻撃も持ってるんですよ?どうです?」
舞穂「ま、舞穂はあんまり好きじゃないよぉ〜・・・・。」
モンコレNo4、レブナント
舞穂「おっきな巨人の死体さん〜。」
紫乃「Mrリターン2号ことレブナント。【魔属性】で種族は【アンデッド】。ディフェンダー+4を持つユニットです。継ぎ接ぎだらけの肉体も良いですねぇ・・・(うっとり」
舞穂「にゃ〜・・・・ランクはCだよ〜。ミスターリターン2号ってなに?」
紫乃「一号はスケルトン。どちらも通常攻撃で破壊されてもまた戻ってくるのでそう作者が呼んでいます。ただ、レブナントは攻撃ダメージ限定なので、効果攻撃だと普通に墓地送りになってしまいます。その点、一号は死亡なので破棄されたりしない限り何度でも復活しますよ♪」
舞穂「にゃ〜、能力は【不死の肉体】。今日のお話だとバジりんの【邪眼】で無効にされちゃった能力だねっ」
紫乃「あの攻撃は「石化」で「死亡」なので、能力適応されませんでした。残念ですねぇ・・・。」
モンコレNo番外、シャドウ・ストーカー
舞穂「にゃ〜、変なクラゲさん〜!」
紫乃「クラゲではありませんよ、立派なモンスターです。【魔属性】で種族は【魔法生物】。今回は登場しませんでしたが、会話中に登場かつ前々回に登場しているので特別紹介です。」
舞穂「作者がカードの見た目から『黒いクラゲ』って称したんだよね〜。ランクは最低のF〜。」
紫乃「そうです。直接的な攻撃能力は待ちませんが、[普通/対抗]で使用可能である【闇の束縛】が中々便利なユニットさんです。弱いユニットなら一撃ですね。本編中では混沌を「頭痛・吐き気・その他を伴う精神的攻撃」として扱っています。様は精神的ダメージって事ですね。宮間さんたちが倒れた程度で済んだのは、手加減でもされたんでしょう。対抗手段として重宝される低コストユニットさんです。」
舞穂「和樹くんは、大切な人達の影にこの子達を影に潜ませて守らせてるって言う設定なんだって。」
紫乃「あら、でしたら私の影にも居るのかしら?」
舞穂「今日はこの辺でお別れだよ、バイバ〜イっ」
紫乃「ここでの紹介で疑問・質問・文句等がございましたらレスまで。作者が土下座して言い訳しますので。」
作者「あの、紫乃さん怒ってます?出番が無いから・・・。」
紫乃「うふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・。」
作者「ひぃぃぃぃっ!?ま、また次回ーーーーっ!!」
あとがき
ラフェロウでございまーす!・・・あかん、私こんなキャラじゃないのに(汗
かな〜り更新遅れた第三話、今回は夕菜の引越し騒動と幽霊騒動でしたが、何ともグダグダな内容に・・・(滝汗)
最近スランプ気味で調子が出ません。しかも熱だして倒れるし・・・(何)
学園祭だの何だので頑張りすぎたツケが来たのかもしれません。
あとホロウのやりすぎかも(何)
和美嬢のフレアーの威力は、ダイスの6+6=12が出たと思ってください。
作者も実際に大会で放たれて12が出ました。私のスワンプとアークデーモンが一撃だと・・・!?となりました。
割れ目云々は想像です。相変わらず妄想で話を作る私。
最後のコーナーは遊びです。不評だったら別の形にします。
収納符は、和樹が魔道書から再現した擬似封印符です。
対象一つを符の中に保存し、取り出すことが可能ですが、入れて出したらもうお終い。しかもあんまり大きいの無理。ナマモノ厳禁。
ついでに紙の符なので、濡れたりしたら中の物取り出せなくなります。あんまり便利じゃないですね。
和樹は嵩張る物や危ない物(黄金の剣とか)を入れて、さらにそれを防水ケースに入れて持ち運んでます。
太陽のロザリオなどは身につけていたりしますが。
本編中の用語や効果などに疑問がございましたらレスまでどうぞ。私の代わりに紫乃さんが教えてくれます(何)
次回はベヒーモス戦か、それとも人狼か・・・いっそ京都編に突っ込もうか悩んでます(オイ)
京都編、他の作品とクロス予定だったり。
敵モンスター投票ありがとうございます。
全てのユニットだ出せる訳ではありませんが、なるべく登場させられるようにしたいと思います。
・・・オーガ・パワーブラザーズはデフォで登場しますけど(笑)
さてレス返しのお時間です。
No様
感想ありがとうございます。
獣魔術・・・三つ目のあの漫画ですね?私も全巻所持してます(何)
確かにあれなら魔法回数関係ないですねぇ・・・危険ですが(苦笑)
偽・無法召還士様
感想ありがとうございます。
このお話では極力夕菜を『清純』なままで通そうかと四苦八苦していまして(汗)
まぁヒロインが和美と言ってる時点で彼女の扱いは(ry
かおり女史はまぁ・・・壊れなので(何)
人外へのカリスマがありますので、当然エルフとかマーメイドとかも・・・くすくす(邪笑』
ダークエルフ軍団、雇用させていただきます。どの辺りで登場するかはまだ未定ですが(何)
SLY様
感想ありがとうございます。
欲深き皇帝ですか、そうなるとオーク軍団も必要になりますねぇ。
オークって何と無く敵のイメージ強いですよね(何)
セイギノミカタ>むしろコイツか!(マテ)
ワルキューレがそのまま押しかけ女房>お名前はブリュンヒルドさんですかな?(女神クラス)
そうなると付属品として少女新兵隊を付けて・・・(何)
今回のお話、満足いただけたでしょうか?
ぬこ丸様
感想ありがとうございます。
最近では懐かしい扱いでちょっと寂しい時代です(何)
細々と続けてますが(苦笑)
水デック・・・私は水と土が苦手です。スペルで対抗されると弱い弱い(汗)
クラーケンは私も一時期使ってましたねぇ。
あえてサボテンマン>むしろ彼こそモンコレ界のヒーローでしょう(何
というか、彼を敵として扱うなんて私には出来ない!(マテ)
紅様
感想ありがとうございます。
レアでゴリ押し・・・大会で居ましたねぇ・・・三連ちゃんで(何)
一人目が大砂蟲ごり押し、二人目がドラゴンゴリ押し、三人目は統一性の無いゴリ押し。
全員手札破壊で動けなくさせましたが。地形とか使うと何も出来なくなるゴリ押し系(何)
対抗が無いので割と戦いやすい相手と言えますが(苦笑)
夕菜がこの程度で何よりです>自分、女の子酷く扱えませんから・・・(汗)
なので敵の女の子すら・・・ゲフンゲフンっ
夕菜の良い所は純情一直線な所かと。まぁ最近ではそれが行き過ぎて・・・(滝汗)
続きお待たせいたしました。
千葉憂一様
感想ありがとうございます。
もう一つの作品がかなりエロエロなので、こちらはその逆で書いてます。
まぁ、エロい場所はエロいのですが(何)
初物争奪戦は大変な事になるでしょう。
キシャー化は・・・しないで終わると私としても楽で・・・(何)
敢えてワルキューレ>ツンデレワルキューレキターーーっ!
一応敵としてもワルキューレは登場しますが、ツンデレかどうかは・・・まだ内緒です(何)
妄想は良い事ですよ?(何)
続きお待ちどう様です。
D,様
感想ありがとうございます。
式森夕菜発言は回避できないイベントですから(笑)
凶暴な魔獣や魔物に比べたら制御し易いのでしょう、初期の夕菜は(何)
女教師ですか?実はとある教師を・・・ゲフンゲフン、ここからはネタバレなのでこうご期待で(マテ)
かおりさんが契約して移住・・・うわやりそうだなぁ・・・(汗)
ユニット全部人ですかぁ・・・Aレギュ限定の戦法ですね。私は人ユニットは聖エルドの神官戦士しか持ってなかったり(何)
光と闇の仮面様
感想ありがとうございます。
文珠使いさんはネタでの友情出演ですので(何)
気に入っていただけましたか、ありがとうございます。
今回のお話も楽しんでいただけたら幸いです。
幻覚キャベツ様
感想ありがとうございます。
私も鏡蟲には良い思い出がないですねぇ・・・(遠い目)
消耗品アイテムもチマチマと登場していく予定です。
空の相手本陣を攻め落とした>私の初負けがこれだったりします(何)
まぁ、相手はマンタではなく、クラウドドラゴンでしたが(汗)
オーガ。パワーブラザーズはデフォ登場しますよ〜。
敵じゃないんですけどね(汗)
筋肉兄弟に誘ってる>むしろB組の伊藤紀久を誘ったりw
レンヤ様
初めまして、そして感想ありがとうございます。
そう簡単にキシャーにはさせませんよ〜(何)
ハーレム形成、主人公のさだめと言うより、私の書く話のさだめかと(マテ)
パンチパンチ>いや〜んなイベント突入ですね?(マテ)
でも敵というよりお邪魔キャラとしてはかなり美味しいユニットですねぇ・・・(ニヤリ)
ファイナルファイヤードラゴンと花園の歌姫>実は片方出演決定しております。
どちらとは言いませんよ、ええ、ネタバレですから(苦笑)
ダイ様
感想ありがとうございます。
流石に普通(?)の人間相手に召喚獣は拙いですからねぇ(汗)
和樹君はアイテム:3を持っている設定なので、装備と消耗品を良く多用します。
部分召喚とかしたらカッコイイ>掌からヘルハウンドの口とか。そう考えるとかなり面白いですねぇ・・・戦闘描写苦手だから表現が難しくなりますが(汗)
今週は落ちた女性は居ませんでしたが(玖里子がフラグ立った?)、来週は・・・さてどうでしょう(笑)
本能的に召喚術士としての和樹に従っているのではないでしょうか>かもしれませんねぇ。
一応和樹もデーモンは召喚可能ですから。支配云々が難しいだけで。
でもスプライトが居ると和樹君がアイテム使えなくなる罠w
まぁ、装備品があるので大丈夫なんですけどね(苦笑)
キレイなお姉さん系召喚獣>そうなるとアプサラスやキュベレイ、ドライアドも候補にあがりますねぇ・・・(皆レア系やんw)
もふもふのホワイト・イエティのオーダー承りました〜(何)
能力が発動すると死んじゃいますからね>そうですね〜、あまり和樹君は自爆系ユニットを使いませんから・・・使ったとしてもオーキッド・バルーンくらいでしょうか?
鏨様
感想ありがとうございます。
確かにリザードマン、有名と言うか印象的ですからねぇ・・・。
このお話にも登場予定(と言うか確定)ですよ〜。
犬拳様
初めまして、そして感想ありがとうございます。
転校初日からキシャー化していたら話が進まなくなってしまいますので(汗)
今回のお話、お楽しみいただけたでしょうか?
なまけもの様
感想ありがとうございます。
コアな話が多くてすみません・・・(汗)
最初の頃の夕菜は清純ですから、言われば素直に従うかなぁ〜と思っております。
それでも行動がアレなのは・・・恋は盲目と言うやつです(何)
嫌いになるよ攻撃は、単純に「お友達にすらならないよ」と言っているようなものです。
言葉の効果を知ってて使ってるのか、知らずに使ってるのかは作者にすら分かりません(何)
まぁ、相手の気持ちも考えずに言ってる辺りが愚鈍EXなのかなぁ〜と(汗)
一つの部屋にC級とD級は何匹収納できるんでしょう?>
そうですね、Cなら5〜8、Dなら9〜14ほどは収納できます。ただ、付け加えるならこの部屋は部屋というよりもマンションなどの階扱いで、その中にさらに小部屋が存在するような形です。
なので、ブラウニーズと鏡蟲が同じ部屋になる事はありません。
ヘルハウンドは今回の最後で出ましたがD級で、4匹を一つとして扱っています。
ブラウニーズやスノードロップなどの妖精(スピリット)にはランクが存在しません。
ランクは人に対する脅威の大きさなので、精々悪戯程度の妖精にランクは存在せず、つけようとする人も居ません。また、まだ人が戦った事が無い魔物もランク無しです。
ウィンターウルフは前回単体でしたが、6匹ほどを一まとめとし、ランクはEです。
シャドウストーカーは直接的攻撃能力が無いため、ランクは最低のFです。
鏡蟲も攻撃力は無いのですが、魔力を吸って邪魔するのでランクはF認定されております。数は10匹ほどで一まとめです。
ロッドとか普段は一体どこにしまってるんでしょう?>収納符に入れてあったり、小物なら普段から身につけていたりします。消耗品などは危険な物を除いて大体が持ち歩きですね。
和樹は黄金率B−>和樹君の黄金率は自分より親しい人間が恩恵を受ける事が多い能力だったりします(何)
本人も気付かないうちにヤッてしまうんじゃ>ありえそうで怖いですねぇ・・・(汗)
説明が長くなりましたが、意味不明・良く分からないと思われましたら、紫乃先生に解説していただきますので(何)
SHK様
初めまして、そして感想ありがとうございます。
原作の和樹君が慌しい(?)性格っぽかったので、この作品ではマイペースのボケボケ君にしてあったり・・・(何)
感染拡大・・・葵学園が大変なことに(笑)
「デザート・ビースト」「デザート・ドレイク」「ワー・ウルフ」「ワー・タイガー」>確かに敵として登場しても違和感全然ないですね(何)
そうですねぇ・・・ドレイク君が敵として登場させてみようかと思います。
蜃気楼の能力で倒せずに何度も即時召喚されて出てくるのが多かった厄介なユニット。
割と攻撃力大きいですしね(苦笑)
エルフ系・・・当然男が一人も存在しない部隊限定ですかな?w
B組女子もそれなりに戦闘能力高いみたいですしねぇ・・・エルフ部隊vsB組女子とか面白いかも・・・(何)
A・H様
感想ありがとうございます。
やはり友情は大切ですよ〜。駒野と數馬の性格が変わっている可能性はあえて踏み越えます(何)
皆様やはりエルフ系お姉さんをご希望なんですねぇ・・・ワルキュリアも多いですし。
マーメイドとかって擬態で人間形態になれる設定だったような覚えが・・・(何)
和樹君が食われるのは・・・さていつでしょうねぇ・・・(苦笑)