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▽レス始

「黄金の獅子を受け継ぐ者11(まぶらほ+セイント星矢)」

アーレス (2005-11-02 00:11)
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「スパークルレイピア!」

「インフィニティブレイク!」

漆黒の突きと黄金の矢がクロードとコイオスの間でぶつかりあい閃光を放つ。クロードはその瞬間に間合いを詰める。

(もらった!)
「彗星――」

防ぐことも回避することも不可能な状態のコイオスの拳が光速ですら見切るクロードの動体視力を上回るスピードでクロードの頭部を打つ。

「ガハッ!」
(見えない!?)

倒れそうになるのを何とか踏みとどまったクロードにさらに拳がふるわれる。
受け止めた拳がレイピアのごとき鋭さで再びクロードを打つ。クロードのヘッドギアが飛ぶ。

(加速した!?)

海底だった地面に叩きつけられそのまま数m転がる。

「ヘッドギアが無ければ今ごろ君の頭はなくなっていたぞ。エボニーイルミネイション」

「!!」

クロードが漆黒の光球を打ち落とす隙にコイオスが懐に入る。

「君では私の相手は無理だったようだな」

ゼロ距離でのスパークルレイピアが防ぐ間もなくクロードを襲う。
宙に舞い上がったクロードの体はじきに重力に引かれ地面へ落ちる。


――――――――――――――――――――


和樹とピュペリオンは一進一退の攻防を続けていた。
和樹の速さをピュペリオンは力でおさえている。逆に和樹はその力に速さで対抗している。
ピュペリオンの拳を飛んでかわし、そのまま蹴りを放つが、それを難なく防がれる。和樹の攻撃はそこで止まらずカポエラのように逆立ちしてさらに蹴りをいれる。その蹴りが脇腹にきまるが、彼らティターンの身を包む楚真(ソーマ)がその攻撃を受け止める。しかし、和樹が懐に飛び込むには充分な隙を与える。

「聞け!獅子の咆哮を!!」

溜め込んだ小宇宙を相手の体内に叩き込まれる。

「ぐぉ!?」

「ッく!!」

ピュペリオンにダメージを与えた代償として聖衣の左手甲部と左腕そのものを破壊される。

「見事だ。だが、代償は大きかったようだな」

「この程度で苦しんでいたら、聖闘士なんてやっていられるか!」


――――――――――――――――――――――


やっとの思いで船の甲板に出た五人は目を見張った。さっきまで下にあったはずに海が今は壁のようにそそり立っていた。
そして黄金を纏った二人の闘士が二柱の神を相手に戦っている。戦っている当人たちは気にしていないが拳を振るう度に、蹴りを放つたびに、大地に亀裂が走り衝撃が吹き荒れている

「なんだこれは!?」

「これが神と和樹たちの力だ」

銃を向けてディステルが立っていた。

「ゲームセットだ。カオリ」

背後に誰かが現れた気配がした。

「……ディステル。その女を俺にくれ」

振り向かなくてもわかったヴィペールだ。

「駄目だ」

「どうした?情が移ったのかよ。俺は『ユウナを危険にさらせ』って言われたんだぜ」

「……黙れ」

ディステルの銃口がヴィペールをポイントした。
銃声が響く。
銃弾を受けて倒れたのはディステルだった。ヴィスペールのポケットに黒く焦げた穴が開いていた。彼はそこから拳銃を引き抜いた。

「いいことを教えてやるぜ。俺はな、もう一つ言われていることがあったんだ。お前を見張れって言われてたんだよ。いつ裏切るかわからないからいざとなったら始末しろってな!だれからかって?決まってんだろ、彼だよ」

ヴィペールの指がゆっくりと引き金にかかる。


――――――――――――――――――


銃声が耳に入り、和樹はそちらを見た。そこには撃たれたところをおさえ跪くディステルと彼女を狙う男の姿があった。

「何をよそ見している」

迫るピュペリオンの拳を掴み、片手一本で投げ飛ばし、和樹は雷光の爪をふるう。

「ライトニングスラッシュ!!」


――――――――――――――――――――


光が駆け抜けた。
ヴィペールは気にせず引き金を引いた。が、いつまでたっても銃声がしない。不思議に思った彼は自分の手を見た。

「あ?あああああ!!!!!!!」

無くなっていたのだ。手が跡形も無く。
ディステルは一瞬呆気に取られたが、何があったかを理解しヴィペールを撃ち抜いた。

「また、和樹に助けられた」


――――――――――――――――――――――――


「この程度で黄金聖闘士とは――」

まだ戦っているピュペリオンの方を向いたコイオスは強烈な小宇宙に振り向いた。

「ここで…ここで……」

今まで以上の輝きを放ち、クロードは立ち上がった。

「ここで立たなきゃ、聖闘士がすたるんだよ!!」

「我々と同格まで小宇宙を高めるとは……ただキレただけか。君の力なのか試させてもらうぞ!スパークルレイピア」

「彗星拳!」

渦を巻いて迫るスパークルレイピアの中心部を突き破り彗星拳がコイオスの顔面を殴る。

「誓ったんだ!この黄金の翼に恥じない聖闘士になると!」


――――――――――――――――――――――――


「ふん!」

「ぐはぁ!!」

和樹の胸をピュペリオンがとらえ、拳を振りぬく。吹き飛ばされた和樹は船体を突き破り反対側の地面に倒れる。

「「「和樹(さん)!!」」」

「「「式森(君)!!」」」

和樹の遠のきかけた意識がその声で呼び戻される。

「仲間となら寂しくも無いだろう、共にいけ」

ピュペリオンの拳圧が大地を砕き塵へと化して消えていく。

「おおお!!彗星拳!!」

和樹は一瞬にして迫る拳圧の前に立ちはだかり、拳を振るう。
父のような風を纏うような拳ではなく鋭い雷を纏った拳が迫る滅びの一点を撃ち破る。
仲間を護るためにはそれで充分だった。

「覚えておけ!聖闘士とは、護るべき者があるかぎり無敵なんだよ!!」

彗星拳はそのままの威力でピュペリオンを撃つ。だが、それも片手で防ぎきられてしまう。

「後の攻撃のために砕けた拳で私の力を撃ち破るか…コイオス、用はすんだ。退こう」

「ああ」

均等した戦いから退き、ピュペリオンとコイオスが並ぶ。

「待て!!クロノスのいない今、ティターンを指揮しているのは誰だ!?」

和樹の問にピュペリオンが反応した。

「我々はヤツなどに従ってはいない!!王のため!そのために我々は動いている」

「落ち着くんだピュペリオン、獅子座の黄金聖闘士よ。何故君は王がいないことを知っている?」

「……」

「……まあ、いい。我々は退くことにする」

漆黒の渦が二柱を飲み消えた。
ティターンの小宇宙が消え、警戒を解いた。二人は新たに生まれた小宇宙に身構えた。


――――――――――――――――――――――


夕菜が光った。
それは輝きとは言えない。確かに発光しているが、まるでまぶしさを感じない、どす黒いと表現したくなるような光だった。

「なんだ!?この小宇宙は!?神の域だよ!これは!!」

「みんな宮間から離れろ!!」

その夕菜から放たれるこの場にいた二神さえも越える小宇宙に驚愕する。
和樹の叫びに皆夕菜から離れ和樹の側による。撃たれて動きの鈍いディステルはかおりの肩を借りている。
和樹とクロードが五人を護るために前に立ち、小宇宙の波動を防ぐ。

「式森兄弟!大丈夫なのか!?そんな体で!」

「和樹さん!その腕!?」

「クロード君、平気なの!?」

血まみれの二人を心配する声に応えず、和樹がその場をクロードに任せて光を放つ夕菜に近づく。

「クロード、もっと離れていろ。それを斬る」

和樹はヘッドギアを投げ捨て、己の中に眠る強大な小宇宙を呼び覚ます。

「燃えろ!俺の小宇宙!!俺の中にあるあれを目覚めさせるくらいまで!!」

夕菜の放つ波動が和らいだ。それは和樹の小宇宙が波動を打ち消せるほどまで高まってきているのだ。

「があぁぁあぁ!!!!」

「!?」

和樹の言いつけに従い、みんなを連れて離れたクロードは確かに見た、黄金に輝いていた和樹の小宇宙がティターンたちのような漆黒へと変わっていくのを。
驚愕するクロードの事など気づかず、和樹はアイオリアとの戦いの終盤で見せた構えをとった。

「我が中に眠りし神殺しの名を持つ神具よ。目覚めろ!そしてその力を我に示せ!!

MEGAS DOREPANON

手に現れた武器を和樹は振るい、夕菜から放たれる小宇宙を斬った。
その衝撃はその場にいた聖闘士以外のものの意識を飛ばした。


―――――――――――――――――――――――


和樹は神を宿して生まれていた。
彼の中にいる神はかつて地上にいる生きとし生きるものを抹殺しようとした神だった。その神は自分を倒した人間を見定めるべくアテナの子に宿った。神はアテナにこう言った「自分をこの少年に封印し、いつか自分を受け入れる事のできるほどの器を持った男となることができれば自分はこの少年と一体化し世界を護ろう」と。
アテナはその神を封印した。その存在が使った神具とそして和樹の記憶と共に。


―――――――――――――――――――――――


「…」

ゆっくりと誰かの瞼が開いた。
そして開いた女性たちは見惚れた。倒れる自分たちを見守るようにいる血にまみれた黄金の鎧を纏いマントを風になびかせている闘士とそれにつかえるかのように隣にいる同じく血にまみれた黄金の翼を持つ闘士に。
それは神話の一ページを切り抜いたような神秘的で美しい絵のようだった。

「…きれい……」

呆然と呟いた声を聞いて絵は動き出す。

「起きたみたいだね。みんな」

「だれも起きないから心配したんですよ。さっき、兄さんが辰巳さんに連絡したからその内、ヘリがきます」

安心したと言わんばかりの二人につめよる

「そうよかった……じゃなくて!!大丈夫なの!?」

「そうです!そんなに血まみれで!!」

「ヒーリング!ヒーリングです!!」

「借りが2つになってしまったな」

「なんであんたまでいるのよ」

「式森君、やっぱりサポート役もできる弟子とかがいるべきだと思うんだけど!」

騒ぐ少女たち(大人の二人は怪我とかがあって動けない)に二人は慌てる。

「暴れるな!沈む」

「落ち着いてください!」


あとがき
アーレスです。
いかがでしたでしょうか。和樹の中の存在をティターンたちはまだ知りません。
彼と呼ばれている存在ですが、まだ完全には明かしません。

それではまた…………君は小宇宙を感じたことはあるか!?

解説
和樹は本当にギリギリにならない限り、神の小宇宙は使いません。


レス返し
>ジェミナスさん
こんな感じの戦いになりました。

>D,さん
まだ明かせませんよ。

>御気さん
ティターン側は知ってます。

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