〜登校〜
この時僕は非日常への道を歩いていたのではないだろうか。
式森和樹
まぶらほ 錬製の魔術使い
〜第三話〜
非日常への扉
スタスタ フヨフヨ
学生服に身を包み、学校へと道を歩く少年、一人のはずなのに時折微妙に表情が変化している。
理由は彼の後ろ、常人には見えず、しかし確かに存在する。そんな誰かが少年の後ろにいた。
この二人、皆さんもお分りだろうが我らの主人公にして、ハーレムなんか作っちゃってる高校二年生の式森和樹とそのハーレム、《式森ラヴァーズ》の一員にしてエルフな美人さんでもあるメディアさん(霊体モード)である。
二人は念話で話しているようで、それで和樹の表情がかわっていたのだ。
そしてメディアさん、かなりウキウキでゴキゲンだったりする。
ラヴァーズのみなさんは当然ながら和樹と一緒に登校し、学校でも和樹といっしょだ。
しかし、メディアは少し前まで和樹が学校に行っている間は家で留守番だったのだ。
当然ながらメディアは不満だった。
自分だって和樹と登校したい。
自分だって和樹と授業というものを受けてみたい。
自分だって和樹と昼食をとって、「はい、あ〜ん。」なんて事をやってみたい、などなど。
なのでメディアはスクールライフをエンジョイするために、他のラヴァーズのみんなに頼み、和樹に泣き落とし色仕掛け、その他もろもろの方法(色仕掛けについては少々問題も発生したが)で頼み込んだ。
その結果、二週間に一日、学校に行けるようになったのだ。
だからルンルン、ウキウキ、幸せいっぱいなのだ。
「おはよう、和樹、メディア。」
「おはよう、和樹君、メディアさん。」
「おはよ、和樹、メディア。」
和樹達がしばらく歩いていると、声を掛けられた。
夕花、千早、沙弓の三人である。
「おはよう、夕花、千早、沙弓。」
(おはようございます、夕花、千早、沙弓。)
挨拶を返す和樹とメディア。和樹は和樹スマイル付きで。
たちまち赤くなる三人。
恋人になる前からよく赤くなっていたが、そういう関係になってからもこの笑みは強烈で、中々慣れないものらしい。
さて、そんな赤くなっている夕花を除いた二人を紹介しよう。
まず一人目
山瀬千早
葵学園2−F在席。《式森ラヴァーズ》の一員。彼女だけがF組に在席している。(以前はその事を気にしていた。)
沙弓、夕花とは親友。
和樹や夕花と同じく料理が得意。なので夕花と共にメディアの料理の先生をしている。
ラヴァーズ、というかこの物語の中で一番まともで常識人。
されどもラヴァーズ達のストッパー役もできる人。
二人目
杜崎沙弓
葵学園2−B在席。《式森ラヴァーズ》メンバー。
千早、夕花とは親友。
2−B内では常識人の部類に入る人。
割りと大人びているが、昔は色々と乙女チックなことをやっていた。実は可愛い物好き。
退魔一族である杜崎家の一員で当主候補。戦闘において、和樹のパートナーとして前衛をこなせる、生徒メンバー二人の内の一人。(もう一人は夕花、彼女は前衛、中衛、後衛どれでもできる。というかアダルティメンバーの皆さんは戦闘能力が半端じゃない。)
和樹はそんな二人と、夕花とメディアと共に学校へむかいました。
「和樹、おはよ。」
「和樹君、おはよう。」
和樹達が教室に入ると、それにいち早く気付いた松田和美と紫崎怜子が和樹に近寄り挨拶してくる。
そのスピードは常人ではありえないほど早い。文字で表すとバビュンといったかんじ。
「おはよう、松田さん、紫崎さん。」
挨拶を返す和樹、もちろんスマイル付き。そしてほんのり赤くなる二人。
なお和樹はB組内では男子の暴走防止のため名字で呼ぶようにしている。
もっとも他の人が名前で呼ぶのであまり効果はないが
さて紹介、紹介。
松田和美
葵学園2−B在席。《式森ラヴァーズ》の一人。
B組最強の策士といわれるほどの存在。
沙弓とは親友。しかし沙弓の秘密を数多く知るため、彼女にとってはやっかいな相手でもある。
和樹と知り合ってから徐々に常識人になってきている。
恋愛に関しては以外とプラトニック。まあ行くところまでいってはいるが。
紫崎怜子
2−B在席。《式森ラヴァーズ》所属。
眼鏡の似合う知的な美人。
学級委員に向いているタイプだが、B組においてそれになることはやばいので、決してなったりはしない。
彼女もB組の常識人系な人。
この二人、いつもなら和樹と一緒に登校しているのだが諸事情により今日は無理だったのだ。
この後、そのことで二人が夕花達に少々ぐちぐち言ったりするのだが、それは割合する。
(和樹。)
午前の授業の最中、唐突にメディアが念話で和樹に話し掛ける。
(ん?どうしたの。)
(仲丸由紀彦が・・・。)
そう言われて和樹が仲丸の方を見る。すると座席の仲丸の姿が一瞬ブレて見えた。
(あれは・・、身代わりの魔法だね。)
(ええ。おそらく本人はまた何処かで何かしているのでしょうね。)
(んー。やっぱりこういう時は和美に言ったほうがいいよね。)
そう考えた和樹は和美に話し掛ける。
(和美、和美。)
(?どうしたの、和樹)
(いや、仲丸がさ・・・)
和樹にそう言われ仲丸の方を見る和美。
すぐに彼女も気付いたようだ。
(あの馬鹿、また性懲りもなくくだらない事やってんじゃないでしょうね?!)
かなりお怒りのようだ。
(和樹、教えてくれてありがとう。ちょっと行ってくるね。)
(いってらっしやい。)
和美は身代わりの魔法と転移魔法を唱え、教室を出ていった。
そしてしばらくして、外から爆音が鳴り響いた。
(いつもよりも、凄まじいね。)
(そうですね。)
どうやらこういう事はよくあるようた。
キーンコーンカーンコーン
先の出来事からしばらくたち昼休みを告げるチャイムが鳴る。
「ちくしょぉぉぉっ!何で俺が貴重な魔法回数を使って修理しなきゃならんのだ!?第一、壊したのは松田だろうか!?」
「仲丸が悪いからでしょ。」
(自業自得です。)
「お前が抜け駆けするからだろうが。」
あちこちボロボロな仲丸が叫び、それに冷たく返す和樹とメディアと浮氣光洋。
もっともメディアの声は聞こえていないが。
「うるさい!くそぉ、松田さえ来なければ風椿は俺のものになっていたはずなんだぞ。」
「無理、ありえない。」
(確率0%でしょうね。)
「不可能だな」
またもや冷たく返す三人。
ああいった仲丸の行動はよくあることで、また、そのたびに同じようなことを言っているので、真面目に相手にするやつはいない。
「お前等は、俺のように壮大な野望や凄い目標とかを持たんのか!?」
「へ〜、あんたの野望は覗きなわけね。」
「げっ、松田!?」
「なるほど、仲丸君の目標は久里子さん自分の物にする事なんだ。」
「ゆ、夕花ちゃんまで!?」
いつのまにかいる和美と夕花。手には弁当を持っている。和樹を連れにきたようだ。
そして二人がちょーいい笑顔で言い放つ。
「「最低!」」
「ぐはっ!」
精神的大ダメージにより倒れる仲丸。和美はともかくB組のアイドルである夕花のその言葉はきつかったようだ。
「お〜い、大丈夫か?」
つんつんと仲丸を突く浮氣。
返事がない、屍のようだ。
その後みんなと昼食を取り、魔力検診を受ける。
そして、みんなと帰る。
数名が寮へ向かうため和樹と別れ、一人が夕食の材料を買うために別れる。
そして、メディアと二人で帰宅する。
ここまでが和樹のいつもの日常だった。
そう・・・、ここまでが。
部屋の前に来ると中に誰かがいると気付いた和樹とメディア。
(和樹。)
(うん、分かってる。)
気配から知り合いではないと判断し警戒する二人、すぐにでも戦闘をできるようにする。
そして、警戒しつつドアを開ける。
そこには下着姿の美少女。
「キャァァァァァアッ!!」
そして響く少女の悲鳴。
和樹は慌てて外に出てドアを閉める。そして息を整えていると、
(・・・和樹。)
メディアの怒気を含んだ声で呼ばれた。
(また増やしたんですか。)
(そんなことしてないよっ。)
首をおもいっきり横に振る和樹。
(本当ですか?)
静かにたずねるメディア。その静かさが逆に恐い。
(本当だよ、第一僕がみんなに言わないわけないだろ?)
和樹は恋人が増えた場合、必ず報告している。今回だけ無いということはないだろう。
(わかりました。疑ってすいませんでした和樹。)
(ううん、あれで疑わないほうが無理だよ。)
ドアを開けたら下着姿の美少女がいたのだから、疑わないほうが無理である。
(ていうかあの子誰さ?)
(さあ?本人に聞いたほうが早いのでは。)
(そうだね。)
さっきの二の舞にならぬようにノックをする。
すると中から「どうぞ。」の声。
意を決して中に入ると・・・・・・、
先程の少女が三つ指をついてお出迎え。
(なんでさ。)
おもわず親友の言葉を浮かべてしまう和樹だった。
つづく
どうも、アクセルです。
まぶらほ 錬製の魔術使い第三話どうだったでしょうか?
遂に登場、夕花の妹にしてキシャー。その名は宮間夕菜。本格的に暴れるのは次回になりますが。
さて、今回これを書いてて気付きました。
なんかメディアがメインヒロインみたいじゃん、と。
私としては夕花がメインヒロインのつもりなのですが、全然出番が無いので急遽、後半に和美とタッグを組ませました。
美少女二人から「最低!」、言われたくね〜。
というわけでレス返し。
D,様
えー、和樹の師匠の正式な発表は割りと先になります。
すいません。
A・H様
どうでしょうね、期待していてください。
千葉憂一様
初めまして。
夕花は絶対キシャー化などさせません。
私的には幹也は式一筋な気がします。
suimin様
きっと和樹を小さくしたら、メディアだけじゃなくラヴァーズみんなが萌血吹くんだろうなぁ。
幹也については同感です。
以上です。
それではこの辺で、皆さん次回を楽しみにしていてくれるとうれしいです。
次はキシャー登場まで書けたらいいなぁ。
アクセルでした〜。
そこまで行くかどうか分かりませんし、そうなるとも限りませんが次回予告(SEED風味)
あの人の隣に他の女が。
何故? 浮気?!
嫉妬と妄想と電波で染まるその瞳に映るものとは?
そして遂にあの悪魔が舞い降りる。
次回まぶらほ 錬製の魔術使い
第四話〈舞い降りるキシャー〉
嫉妬と妄想と電波の炎、燃やせキシャー。
これの感想もできれば・・・。
どうもすいません。