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▽レス始

「来訪者、横島忠夫 第4話(鬼畜王ランス+GS)」

真空ワカメ (2005-09-24 19:20/2005-09-24 23:40)
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普通の人間では決して足を踏み入れる事が許されない地、魔人領

その魔人領の中において、現在唯一人間が存在している場所がある。


魔王城


魔人筆頭、ホーネットが治めるこの城は、現在逃走していない、魔王リトルプリンセスに

統治して貰い、人類に対して不可侵を守ろうと考えているグループの本拠地である。

反対に、今だ覚醒していないリトルプリンセスに成り代わり、自らが魔王となり

人類を力で支配しようとするケイブリス派と言うのも存在するがその話はまた後に置いておく。


魔王城、ホーネット執務室


本来、魔王が治める城だけあって、その豪華な作りにおいては他の追随を許さない。
現在、この城を治めている魔人、ホーネットはそんな豪華な城にピッタリの
とても優雅で美しく、見るものを虜にするような美しい女性の魔人である。
そんな彼女は現在、魔人四天王であるシルキィの報告を受け、驚いていた。


「ケッセルリンクを……人間が倒したですって?」

「はい、私もにわかに信じがたいのですが…」


魔人が人間に倒される。
これはこの世界において、めったに起きない事である。
何故なら魔人には神との契約で「絶対防御」という物が備わっており
人間の通常の攻撃では全くダメージを食らわないのである。
そのため、人間が魔人を倒す事はは3つの例外を除き不可能なのである。
その例外とは神が人間に授けた二刀、魔剣カオスと聖刀日光による攻撃。
そして神に選ばれし人間「勇者」だけである。
これはこの世界において絶対のルールであり今までの歴史上、例外は無かったのである。
そのため、ホーネットは世界の常識で考えられる可能性を口にしていく。


「魔剣カオスを使いこなす者が現れたの?」


もう一つの武器、聖刀日光の持ち主はリトルプリンセスと共に行動している小川健太郎であることを
既に知っていた為、もう一方の魔剣カオスの使い手が現れたと考える。


「いえ、私が見た限りでは武器の類は何も所持していませんでした」

「どういう事?だとしたら……もしや勇者!?」

「……恐らく違うと思います」

「どうして?」

「私が初めて見た時にハウゼルを……その、…口説いていました」

「く、口説くって……」


ホーネットの顔がほんのりと赤くなる。
これは彼女がその手の経験が全く無いためなのだがそれには理由がある。

通常魔人にとって人間は殺戮の対象であり、人間にとって魔人は恐怖の対象なのである。
まず、恋愛の成立などありえない(例外はあるが)
ならば同じ魔人、なんだったら魔物でもいいじゃないかと思うのだがそう簡単にはいかない。
ホーネットは唯の魔人では無く前魔王、ガイの娘だったのだ。
そのため、他の魔人魔物からも一歩引いた態度で接せられとても恋愛に発展するような雰囲気では無かった。
もっとも、単に好みの人物がいなかっただけというのも考えられるが。
ちなみにシルキィも似たような理由から経験は全く無く、顔を赤くしている。


「は、はい。勇者が魔人を口説くとも思えないですし、その可能性は無いと思います」

「そ、そうよね。……でもそうだとすると、どうやってケッセルリンクを倒したのかしら」

「私にもそれはわかりかねます。ですからその人間に直接聞くため城に連れてきています」

「私も聞きたいわ。その人間は今どこにいるのかしら?」

「……気絶していたため客室で休ませています」


自ら気絶させた事は棚に上げ、報告する。
何故かうっすらと汗をかいていて、顔も微妙に引きつっている。


「それじゃあ今から行きましょう。見張りはちゃんとつけているわよね?」

「それなら心配いりません。……ハウゼルが手厚く看護していましたから」


来訪者、横島忠夫 第4話


魔王城 客室


寝室も兼ねているこの部屋は魔王城の客室だけあってとても優雅で広々としている。
ベットにしても現在寝ている横島を後10人ぐらい寝かしてもまだスペースがある程だ。
シルキィに背後から殴られて気絶してしまった横島。
ベットの横には何故か薄っすらと微笑みながら横島を見守っているハウゼルが座っている。


(うふふふ……)


何もせず、ただ横島の寝顔を眺めているだけなのだがそれを辞めようとは全く思わない。
少々浮かれているのかもしれない。ハウゼルは自分をそう分析する。


(横島…忠夫さん。……初めて…あんな風に声をかけられたなんて)


横島にかけられた言葉を思い出し、にこにこしながらも顔が赤くなってしまう。
これまで生きてきて数百年になる自分だがこんな気持ちになったのは初めてである。
あんな風に馴れ馴れしく声をかけてきた人間は初めてだった。いきなり手を握られもした。
引っ張られてどこかに連れて行かれそうにもなった(シルキィが入ったため未遂)
だけど、何故かそんな彼を憎めない自分がいた。むしろ好ましいと言っても良かった。
自分はこんなに惚れっぽかったのだろうか。
両手を顔に当てる。すごい熱を持っているのがよくわかる。
何故だろう。この人間には自分を心を掴んで離さない魅力があるのだ。
顔を見てもそれ程美形だとは思わない。
もっと格好いい男など、これまでに幾らでも見てきた。
見た目じゃない。中身だ。
なんて言うほどこの人を知ってなどいない。
一目惚れ、なんだろうか。
それ以外にこの気持ちを証明する事が出来ないのだ。
胸がキュンと鳴ったような気がする。ちょっと切なくて、でもそれが心地良い。


「う、う〜ん…」


横島が少しうなされているような声を上げる。
額にかけてあったタオルがずれてしまう。


(あ、タオルを交換しないと)


ハウゼルはすっと椅子から立ち上がりタオルを取ろうと、横島に近づいていった。
タオルを取ろうとした瞬間、不意に顔を触ってしまう。


(あ……)


横島の顔をモロに意識してしまった。
そんなに格好よくは無いがそれなりに整った顔。少し汚れてしまっている。
ぼさぼさの髪に無造作に巻かれている赤いバンダナ。
ハウゼルには、そのすべてが魅力的に感じてしまう。
タオルがずれてしまい、顔から滑り落ちてしまったが既にそんなものには目が行かない。
ドックン、ドックンと、自分の胸の鼓動が高まっている。
ハウゼルの視線はまるで金縛りにあったかのように動かなくなっていた。
しばしの間、辺りの時間が止まってしまったような錯覚を受ける。
その胸の高鳴りだけが時間が進んでいる事を教えてくれている。


(忠夫……さん……私は………)


思わず喉が鳴ってしまう。口の中はとっくにカラカラだ。
もう、止まらない。ハウゼルは自覚している。
してはいけない!こんな事は卑怯、相手の事情を完全に無視している。
理性がそう必死に訴えかけているのだ。
だけど、それでも!
体は言う事を聞いてくれないのだ。そして心もそれを許してしまっている。
今はこの気持ちの赴くままに、行動したい。
だってそれは、きっと、すごく素敵な事だと思うから。

ハウゼルの顔が徐々に横島の顔に近づいていく。
熱に浮かされたかの様に頬が紅潮して目が潤んでいる彼女は
あらゆる男を虜にしそうなほどに美しかった。


(忠夫……さん)


どんどんと、距離が近づいていく。以前、横島は眠ったままだ。


(私はあなたを……お慕いしております)


そして二人の距離が零に……


「ハウゼル!人間はまだ眠っているの……か……あ……」

「シルキィ、どうしたの……あ……あぅ……」


空気が固まってしまった。
むしろ世界が固まってしまった。


「あ、あ、あああなた、一体な、ななな何をして、して」

「お、おお落ち着いて下さい、ほ、ほ、ホーネット様」

「…………………」


ドアを開けた瞬間、そこに広がっていた甘ったるい空気。
そして繰り広げられていたハウゼルのラブシーン。
ホーネットとシルキィは全くの未知の世界を見てしまい完全にパニックになっていた。


「そ、そそこにいるに人間に、はう、ハウゼルが、ハウゼルがああああぁ!」

「し、シルキィ、ああ、ああなたの方こそお、落ち着きな、なさい。」


二人の顔はこれ以上無いのではと言うぐらい真っ赤になっており、その興奮具合が一目で見て取れる。


「ハウゼルが!ハウゼルが人間にん〜〜って、ん〜〜ってやってた!!」

「そうです!ハウゼルが、あんな蕩けるような表情して人間にうっふ〜んって!」

「いや〜〜不潔よっ!そんな、男と女がベッドでなんてぇ!!」

「う〜ハウゼルが大人の女性になっちゃったぁ!私なんてまだ男の子と手を繋いだ事もないのに〜!」

「あら、シルキィったらそんな事も無いなんて……プッ」

「む、ホーネット様はあるって言うんですか!?」

「あら、もちろんじゃない。それぐらい乙女なら当然よ」

「誰となんですっ!!言ってみて下さいよ!」

「え、え〜っと……それは…」

「さあ!早く言って下さいよ!」

「……………お父様」

「m9(^Д^)プギャーーーッ 」

「む、むきぃ〜〜!いいじゃない、お父様だってちゃんとした男の人なんだから!この洗濯板!!」

「な、な、な、な、言うに事欠いて洗濯板呼ばわり……いくらホーネット様でもそれだけは許せません!」

「ふ〜んだ!悔しかったら、もう少しそのつるぺた改善してから言いなさいよ!」

「誰がつるぺただ!もうその胸につけたシリコン引っ剥がしてやるう!!」

「シリコンなんて人聞きの悪い事言わないでよ!!ふん、やれるもんならやってみなさい!!」


その場で戦闘が開始される。二人とも半端じゃない力を持っているので既に部屋はめちゃくちゃだ。
そして、ようやくフリーズし続けていたハウゼルが再起動する。


「お二人とも………言いたい事はそれだけですか……」

「ファイヤーレーザー!…っては、ハウゼル?」

「い、いつものハウゼルじゃない……」


俯いている為その表情が読み取れないハウゼルだが、
身に纏った雰囲気は、魔王を遥かに超える威圧感である。


「もうちょっと……もうちょっとだったのにぃ………」

「ハ、ハウゼル?お、落ち着きなさい。冷静に、冷静になりましょう!」

「そ、そうだぞハウゼル。たかが人間とキスしようとしてたのを邪魔されたぐらいで」

「おバカ、シルキィ!」

「あ、しまっ……」


勢い良く顔を上げるハウゼル。
既にその目は完全にイっており、見るものを恐怖させる力を持っていた。


「この恨み!晴らさずに置くべきか!!お二人ともお仕置きです!!」

「ま、まずいわ!シルキィ!ここは一旦停戦して共闘します!」

「りょ、了解です!……う〜でもハウゼル怖いよぉ。」

「泣き言を言わない……来るわよ!……ってきゃあああ!!」

「いや〜〜ホーネット様〜〜!!」


半泣きになっているシルキィを叱咤しながら体勢を整えていたホーネットだったが
ハウゼルの突進による一撃で吹っ飛ばされてしまう。
魔人最強とも言われたホーネットを一蹴するハウゼルに恐怖を隠せないシルキィ。


「さあ次はあなたですよシルキィ……」

「いや……こないでぇ……」

「くっくっく……む」

「白色破壊光線!」


シルキィに後一歩まで近づいていたハウゼルに渾身の魔法を叩き込むホーネット。
既に仲間だという事は忘れ、ハウゼルを最強の敵と認識しているようだ。


「ホーネット様!」

「………まだ抵抗する力があるようですね、ホーネット様」

「そ、そんな今の一撃を食らって無傷だなんて……」

「私の恨み……白色破壊光線などで破れるようなやわな物じゃありませんよ……」

「くっ……!!」

「いけ、キメラ達!ホーネット様を助けるんだ!」


ホーネットに気を取られているハウゼルに自分の切り札とも言えるキメラを惜しみなく投入するシルキィ。
現在、ケイブリス派ともっか戦争中だと言うのは頭から消えているようだ。


「この……ちょこざいな!」

「援護しますシルキィ!」

「二人とも!素直にお仕置きされなさい!!」


「「やだっ!!」」


入り口付近で行われている戦闘は苛烈を極め、
何事かと様子を見に来た男の子モンスター達がその余波で吹き飛ばされている。
その中に一人、魔人であるメガラスが混ざっていたのは本人だけの秘密である。


「ん………なんやもう、うるさいなあ……」


ここにきてようやく、横島が目を覚ます。
気絶明けと言う事で少々頭がボーっとしている。


「………なんだこれ?」


目の前で繰り広げられている死闘に目をパチクリさせる。
既に城は半壊といってもいい位の被害を受けており横島のベッドが残っていたのは僥倖とも言える。


「……夢か。ふあ〜もう一眠りするか」


横島はとりあえず現実逃避をすることで正気を保とうとした。
次に目が覚めた時にはすべてが元通りでありますようにと祈って。


こちらは打って変わって平和な雰囲気を保っているリーザス城。
現在、ランスはメナドの練習に付き合っていた。


「さあ、いつでも撃ってきていいぞ」

「は、はい!」


ランスの隙を探しているメナドだが中々そんな隙は見あたらない。
しばらく硬直が続いていたが、やがて意を決したようにメナドが動いた。


「やあぁ!」

「いきなりランスアタッ〜ク!!」


カウンターでランスアタックをもろに食らってしまったメナド。
しかし、体に衝撃が来ないので周りを見渡してみると、自分の剣が柄だけ残して無くなっているのに気が付く。


「俺様の勝ちだなっ」


そういってにやりと笑う。


「す、すご〜い!!王様の剣、ほとんど見えなかったや!」

「が〜はっはっは!もっと誉めていいんだぞ!」

「はい!」


訓練でいきなり必殺技を使うランスに周りは冷や汗をかいていたのだが
当の本人であるメナドが嬉しそうにしているので誰もそれを口にする事は無かった。


「ところでメナド、今日こそは俺様の部屋に来てくれるんだろうなぁ」

「え、え〜っとそれは……その……すいません!!」

「あ、こら待たんか!」


メナドは素早く後ろを向き、ランスから逃げていった。
ランスはしばらくの間、メナドの去っていった方をつまらなそうに見ていた。


(ムカムカ、まただ、また断られた!くそっ、それもこれも全部あのヨコシマって奴のせいだ!)


男にはなど全く興味を示さないランスが事、横島に関してだけは未だに覚えていた。
もっとも覚えている原因は怒りだが。
ここの所、アプローチをかけているメナドにことごとく振られる原因だと思われているのである。


(レイラさんにしてもそうだ!全部あいつのせいだ!)


以前から関係のあったレイラにもランスは断られていたのだ。
好きな男が出来たのが理由と言ったレイラだったがその相手を横島だとランスは勘違いしたのだ。
冷静に考えればありえないのだが、もちろんランスは冷静ではなかった。
よほど、自分の女(ランス主観)が口説かれたのがムカついたようだ。
ちなみにレイラの本命は同僚のリック・アディスンである。


(くそっ!俺様の女を二人も取りやがって!……許せん、許せん、許せん!!)


「うがああああぁかなみの奴、何をとろとろしてやがんだ!人一人ぐらいさっさと連れてきやがれってんだ!!」


まだ、頼んでから日が経っていないのに八つ当たりをする。


「くそう、とりあえずかなみには帰ってきたら罰を与えんとな。くっくっく……」


そういって邪笑を浮かべるランスであった。


後書き


話進んでねeeeeeee

注、一さんのご指摘により修正いたしました。脳が茹っていたようです。失礼いたしました。

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