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「来訪者、横島忠夫 第3話(鬼畜王ランス+GS)」

真空ワカメ (2005-09-22 21:03)
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リーザス城 玉座


現、リーザス王ランスは、一応の妻であるリア・パラパラリーザスと話をしていた。


「でもエクスの処分が国外追放だけで本当によかったのダーリン?」

「ふん、あんな小物どうでもいい。もしまた反乱でも起こしたら今度は殺すしな」


ランスはすぐに話を切りリアの横に控えている筆頭侍女、マリス・アマリリスの方を向く。


「マリス、反乱は終わったんだ。さっさとヘルマンに進軍するぞ!」

「現在のリーザス軍の兵力ではバラオ山脈を越えて、ヘルマン軍を相手にするのは無謀です」


ランスのきつい物言いにも全く動じず、すぐさま問題点を指摘する。


「ちっ、だったらどうすりゃいいんだよ」

「当面の間は、自由都市をリーザスの支配下に置く事で軍事力を上げるのがいいでしょう」

「くそっ!早い所へルマンに行きたいってのに……それとかなみ!」


言われると、一瞬でランスの目の前に現れる。
見当かなみ。リーザスに仕えるくの一である。


「何?」


素っ気無く聞くかなみ。
とても主に対する態度とは思えないがランスはそんな事は一切気にせず話を進める。


「最優先の任務じゃないが、一人男を探してきてくれ」

「男?…珍しいわね」

「ふん、JAPAN人で服装は…変な格好だ。後、頭に赤いバンダナを巻いていた」

「なによそれ、全然わかってないじゃない。それで名前は?」


「……ヨコシマタダオ。俺様をコケにしやがったふてえ野郎だ!」


来訪者、横島忠夫 第3話


横島は困っていた。


「ああああぁ!!!」


半泣きになりながらも手に宿した霊波刀を振るう横島。
ギシャアアァとグロい声を発しながら崩れ落ちる魔物。
だが、目の前にはまだまだ大量の魔物達存在し、そのすべてが横島に向かってきている。


「なんで、俺はこんな所にいるんじゃあぁ!」


横島が離脱して出て来た所は異様におどろおどろしい深い森だった。
それだけではない。目の前には50近くの魔物達がいたのだ。
魔物達は突然現れた横島に驚いていたが、横島が人間だとわかると襲い掛かってきた。
当然の如く避ける横島、更に逃げる。そして今に至っている。
ピンチから逃げる為に貴重な文殊を使って脱出したはずなのに出てきた所で、それ以上の大ピンチに陥っている。
自分の不幸を嘆きたくなった横島だがもちろんそんな余裕は無い。
必死の形相で走る走る。時々、追いつかれそうになり、そんな奴は霊波刀でぶった切る。
そしてまた死にそうな顔をして走る。先程からこの繰り返しである。
情けない面をしている横島ではあるが、実はすでに20体近くの魔物をこの戦法で倒しているのだ。
これだけの魔物を相手にして生き残れる人間はさほど多くない。
魔物達もじりじりと減ってきている味方を見て少々あせってきていた。
このままでは不味い。比較的、知能の高い魔物が思ったのだろう。
その魔物は近くにいる自分より「格上」の者に援護を頼みに行ったのだ。
即ち、魔物達を束ねる者、「魔人」に。


「往生せいやぁ!」


依然としてがむしゃらに剣を振っては逃げる横島。
倒した魔物の数は優に50を超えている。


「え、ええ加減限界や……」


長時間に及ぶ全力疾走と戦闘によって横島の体力は既に限界ぎりぎりまで減っている。
それ以上にもう気力の方が萎えてしまっているのだ。
徐々に足が鈍っていく横島。魔物達との差がみるみる詰まっていく。
だが、そんな魔物の集団から一瞬で飛び出してきた者がいた。
そして真っ直ぐ横島の方へと襲い掛かる。


「くそっ!文殊、「守」れ!」


回避できないと判断した横島は瞬時に文殊を使用する。
文殊が作り出した「壁」に攻撃した者はその防御壁に驚き距離を取る。
横島もこのまま走って逃げるのは困難と悟り相手の方に振り向く。


「今の一撃を防ぐとは……中々やりますね」


黒のスーツを身に纏い、目にはメガネを付けたいかにも紳士といった感じの男が言った。


ゾクッ


横島は目の前の男と対面した瞬間、体が凍りついた様に固まってしまった。


(な、なんやこのおっさん……あかんこんなの相手にしたら殺される!)


相手の持つ独特の雰囲気。体からにじみ出ている力。
この感じは魔族だろうか。自身の経験から相手を予想する。


「ケッセルリンク様!」


魔物達から声が上がる。彼の名前のようだ。


「下がっていなさい。私が相手をします」


ケッセルリンクが言う。魔物達はそれに従い、距離を取った。


(も、文殊!!)


ランスの時と同じ様に脱の文殊を使いすぐに逃げようとする横島。


「どこに気を取られているのですか?油断していると一瞬で死にますよ」


一瞬で間合いを詰めたケッセルリンクが爪を振るう。
文殊に気を使いすぎた横島の肩に傷が付く。
更に連続で爪を振り、止めを刺そうとするケッセルリンク。


(あかん、文殊を使う隙が無い!)


今度は目の前にいるケッセルリンクに集中していた為、回避する。
なんだかんだで異常な回避力を誇る横島。猛攻を泣きそうになりながらも凌いでいる。


「ほう、人間のわりにはやりますね」

「人間のわりにってやっぱりおっさん魔族かよ!!」

「魔族?いえいえ、私は魔人ですよ」

「どっちも一緒じゃあ!!」


喋り続けてる間も攻撃を避け続けている。変な所で器用である。


(なんとか……隙を作らんと!)


その瞬間、横島は後ろに大きく跳び、手にサイキックソーサーを作り出す。


「ちくしょう!これでも食らえ!」


勢いを付けてサイキックソーサーを投げつける。
目標はもちろんケッセルリンクである。


(回避する瞬間、その間に文殊を発動させる!)


そう心に決め、一瞬の隙が出来るのを待つ横島。
しかし、相手の方は横島の予想を超える行動に出る。


「魔法……ですかね?無駄な事を」


ケッセルリンクは避けようともせず、両手を広げ、サイキックソーサーを受け止めようとする。
余裕の顔をしてサイキックソーサーを迎えようとしているケッセルリンクを中心に爆発が起きる。
爆風が爆音と共にケッセルリンクの中心で起き、周りの木を大きく揺らす。


少しして、煙からケッセルリンクが出てきた。
両腕から血を流しており、左手に至っては完全に折れている様に見える。
呼吸も荒く、足取りも重そうだ。高そうなスーツも所々破けており、メガネも割れている。
まるで爆発コントのようである。


「ば、馬鹿な……魔人である私がダメージを……」


避けようともせず勝手に食らいヒィヒィ言っているケッセルリンクを
横島は後頭部に大きな汗を付けて呆然と見ている。
この世界では魔人には通常の攻撃は効かないので取ったケッセルリンクの行動だったのだが、
そんな事は知りもしない横島には体を張った(命がけ)ボケにしか見えなかった。


「ニ刀でも無く……魔王でも無いのに魔人に傷を付けるとは……生かしては……おけん!!」


今までのような余裕は全く無く、殺気の篭った目で横島を睨みつける。
その瞬間、横島は正気に戻る。


「……あ、いかん文殊だ」


すっかり逃げる気を無くした横島は文殊に「爆」の文字をこめてケッセルリンクに投げつける。


「む……これは一体?」


横島の投げた文殊を全く懲りずに避けようともせず、手に取って調べようとする。
その瞬間、再びケッセルリンクを中心に爆発が起きる。
ただし、先程より規模がかなり大きい。周りで見学していた魔物達も巻き込んでの大爆発だ。
大きなキノコ雲ができ、辺りの木々をも吹き飛ばす。


「た〜まや〜」


思わず言いたくなるぐらい、奇麗なキノコ雲である。

しばらくし、爆発の中心の煙が徐々に晴れてくる。


「ば、………馬鹿……な……」

「おっさん、あほやろ?」


爆発の中心地には、地面と接吻をかましているケッセルリンクがいた。
ご自慢のスーツはもはやクールビズといっても通用しないぐらい破けており、髪の毛もアフロになっている。
横島はつっこみを入れながらも、その芸術的とも言える姿にちょっと感動していた。
ケッセルリンクが必死に体を起こそうとしているので横島は生暖かい目で見守る事にした。
関西人として彼の芸(違 を最後まで見届けたくなったのだ。


5分経ったがいまだにケッセルリンクは立ち上がらない。
それどころか顔色もどんどん悪くなっており、平たく言えばもうダメそうだった。
横島は乾いた表情でがんばれ〜と応援している。もう完全に飽きている。
そんな中、突然上空から乱入者が現れる。


「ケッセルリンク!私達の陣地に単独で乗り込んでくるなんて……ってあ、あれ?」


天使のような姿をした彼女がまず目にしたのは既に虫の息になっているケッセルリンクであった。


「な、これは一体……誰がこんな事を?」

「はっ!それは自分でありますお姉さま!!」

「きゃっ!」


背後に回りこんでいた横島がすかさずアピールをする。


「え、…あなたがケッセルリンクを?」

「そうであります!自分がこの不届きな輩をこのように!このようにしてやりました!」


言いながらケッセルリンクを踏みまくる。
もはやろくに抵抗も出来ず、もろに食らっている。


「ぐはっ!げぼっ!あべしっ!」

「ふん!ふん!」


更に蹴りを入れまくる横島。天使のお姉さまは唖然としてその光景を見ている。


(ど、どういう事?どう見ても人間にしか見えないのに…ケッセルリンクをこんな風にしたと言うの?)


時々、こちらの方を見てキラッっと歯を光らせながら満面の笑みを浮かべてくる横島に
冷や汗を浮かべながら尚も考えを続ける。


(見たところ素手…二刀も無しに魔人にダメージを与えている!)


その世界のルールを無視している横島に彼女は驚愕の表情を隠せない。


(一体彼は………あ)


メキャ


ケッセルリンク死す


どうやら当たり所が悪かったようである。

体は風化していき何も残らなかった。
良い仕事したぜ、みたいな満足げな表情をしている横島。


「あ、あなたは一体……」

「はい、僕の名前は横島忠夫と言います!気軽に忠夫と呼んで下さい」


接近して相手の手を握る横島。


「所で貴女のお名前は!?」

「ハ、ハウゼルといいますが」

「美しいお名前だ。良かったらこれから僕とデートしませんか?」

「え、え〜っと……その、あの、私達まだ会ったばかりですし…」


こういう時は良く口が回る横島。
しかし以外なのはハウゼル。横島のベタな口説きに顔を少し赤くしている。
こういった経験が少ないのだろうか。それとも……


「さあさあ、善は急げと言いますし早速、一発…ゲボァ!!」

「え?」

「大丈夫、ハウゼル!?」

「……シルキィ」


シルキィと呼ばれた彼女は背後から殴り飛ばした横島を無視してハウゼルに話しかける。
不意をつかれた横島はあっけなく気絶してしまう。


「どういうこと?ここにはケッセルリンクがいるって報告があったから来たのにいるのはあなたと……このよくわからない人間だけ?」


ハウゼルはその言葉で顔を引き締め、シルキィに話しかける。


「シルキィ……ケッセルリンクはそこにいる、忠夫さんが倒したわ」


横島の希望した呼び名を律儀に守るハウゼル。


「……はぁ?あのねえハウゼル、こんな時に冗談は辞めてよ」

「私が見た時には既にケッセルリンクは瀕死だったわ。そして止めをさしたのも忠夫さん」


真剣な顔をしたまま淡々というハウゼル
冗談や嘘で言ってる訳では無いとシルキィにもわかる。


「……この人間があのケッセルリンクを倒した?一体どうやって!?」

「さあ……それはちょっと…」

「……だったこの、人間に直接聞きいた方がいいみたいね」


そう言って横島の方を見るシルキィ。
依然として気絶している横島。


「すぐには無理みたいだし……とりあえず魔王城に連れて帰りましょう」

「そうね。じゃあ私のキメラに乗せて…」

「ああ、別にいいわよシルキィ。私が運んでいくから」


そう言って横島をお姫様抱っこするハウゼル。どうやら見た目よりもかなり力があるようだ。
そんなハウゼルに対して怪訝な表情を浮かべるシルキィ。


「ハウゼル?」

「……い、いいから、さあ早く行きましょう!」

「あ、ちょっと待ってよ!」


ケッセルリンクの城


「ぬがああぁ許さんぞあの人間!!!」

「ケ、ケッセルリンク様落ち着いて下さい!」


実は柩がある限り何度でも生き返ることが出来るケッセルリンク。
再生したケッセルリンクが吼えている。
メイド達は必死に彼を抑えようとするが効果がない。


「この屈辱!!絶対に!ずぅえっったいに忘れんぞおおおぉ!!!」


「むきょおおおおおおおお」


「……ケッセルリンク様が壊れた」


メイド達の心は、光の速さでケッセルリンクから離れていった。


「キャハハハハ、見てよプランナー。あの魔人の壊れ具合ったらないよね」

「しかしルドラサウム様。あの男の力は一体?」

「あ〜あれ。何でも霊力って力らしいよ。外の世界の力だから魔人とかも関係無いみたいだね」

「あのような力、放置しておいたら危険なのでは?」

「いいじゃん、面白くなりそうだし。…プランナー?手出し、したらだめだよ」

「………はっ」


みんなが忘れた頃に更新(`・ω・´)

正直言うと分岐が広がりすぎてどのルートで行こうか迷いすぎてめんどくさくなったってのが真実ですが。
後、指摘がありましたのでGS小ネタからこちらの方に移動しました。
次の更新はいつになるやら……

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