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「異世界横島騒動記 第十話(アクエリアンエイジ+GS)」

REKI (2005-07-29 19:59/2005-08-12 23:35)
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「いったいどうしたってのよ〜?ため息なんて吐いて〜。」

「ああ、ちょっと。」

「私は、こんなのがE.G.O最強だと思うとね・・・。」

ため息を吐く二人に怪訝な顔を向けてくる真由美に、横島は苦笑をアシュレイはジト目を向けながら返事を返す。

「むう、酷いな〜夜羽子。」

ぶ〜っとむくれる真由美。
そしてアシュレイに文句を言おうと口を開きかけるが、

「だいたい夜羽子だって・・・って、あ〜あの時の娘だ!確かフェンリルだよね?」

二人の後ろに隠れるようにしていたフェンリルに気づき声を挙げる。

「ひうっ!」

ビクッと体を震わせ横島の背中にしがみ付いてしまう。

「あ〜やっぱり嫌われてるよね・・・当然か。あのね聞いてくれるかな?私ね、あの時からずっとあなたに謝りたかったんだ。」

その反応に辛そうな表情を浮かべながら言葉を続ける。

「あの時はごめんなさい!いくら謝っても許して貰えないかもしれないけど、本当にごめんなさい!」

深く頭をさげ謝ってくる。声も若干震えている、本当に心の底から悪いと思っているのだろう。

「あ〜っと、あのさ。ちょっといいかな?」

ひたすら謝り続ける真由美に横島が声をかける。

「はい?えっとなにかな?」

「あ〜あの時の状況を説明してくれないかな?まあなんとなくは解ってるんだけど、確か・・・E.G.Oだっけ?君達の組織がフェンリルを狙った理由をさ。」

「解りました。」

なんとなくは予想が付いているが、ちゃんとした理由を教えて欲しいと言う横島に真由美も頷く。

「じゃあ店の中に入らない?食事しながらだって別にいいでしょ?」

「まあ、そうだな。」

アシュレイが中で聞こうと言い、店の中に入っていくのに続いてジルと真由美も入って行く。

「じゃあフェンリルも行くか。大丈夫だって、もし何かしようとしても俺が護ってやるから。」(あの様子だとなさそうやけどな〜。)

「うん!ありがとう、お兄ちゃん。」(あのお姉ちゃん本気で誤ってくれてた・・・。ほんとは怖い人じゃないのかな?)

フェンリルが横島に手を引かれ店内に入って行くと、席に着いた三人が呼んできた。

「こっちこっち!じゃあ話を聞く前に注文しちゃいましょ。」

二人が席に着くとメニューを広げそれぞれが物を選び注文する。

「全員いいな〜?じゃあ話してくれるかな?」

「あ、はい。」

全員が注文したのを確認し横島が真由美にそうきりだす。
(ちなみに、一人だけ何も頼まないのもなんなので、真由美も頼んだ。真由美は当然自腹だが。)

「えっと、私が受けた任務は復活したフェンリルの抹殺もしくは封印です。
 理由としては、伝わっているフェンリルの力の強大さだそうです。
 任務書、あ、これは任務を知らせるときに周ってくる書類なんかの事です。命令書と呼ばれることもあります。
 それには、復活したフェンリルの抹殺任務に就く事を命令する。ダークロアの元最高幹部の一人だった事もあり、
 E.G.Oに引き込むのもほぼ不可能と判断。脅威になる前に現在力の落ちているだろう内に抹殺せよ。
といった物でした。」

「なるほどね。」(タマモの時と同じ・・・か。)

そうタマモ、彼女の時と同じ理由である。彼女の時は傾国の妖怪だという理由で日本政府が退治依頼をだした。
今回フェンリルの場合は、おそらくダークロアに行くであろう未来の脅威を、力の弱まっている今の内に叩き
ダークロアの戦力を増強させない事が目的なのだろう。
E.G.Oは現在他の三つの組織に戦闘力では総合的に劣るらいいので、まあこの場合妥当な判断だろう。

「そっか・・・。」(自分達の組織のため・・・か。)

GSも人間社会と自分達の利益のため邪魔な悪霊・妖怪・魔族などを退治するのが仕事である。
今回のE.G,Oがやろうとした事も同じなのだ。依頼人が組織で、実行者がそれに属する超能力者、それだけの違いだ。
真由美は自分の属する組織の命令に従っただけ、間違っている訳ではないのだ。
フェンリルは倒しきれず封印するしかなかったほどの大妖。
それが力を取り戻す前に叩く、戦争中のこの世界でなら別に不思議な事ではない。
そしてそれは横島にも解っていた。

「あれ?でもずっと誤りたかったって何で?君は組織に従っただけなんだろう?」

「はい、でも・・・。」

何故誤りたいと思ったのか、それを問いかける横島。それに真由美も答え話し出す。

「その、初めはこの任務断るつもりだったんです。子供を殺すなんて嫌だったから。
 でも他に人が居ないのと私は一応E.G.Oで最強の能力者です。他の組織を合わせて見ても一対一で私に勝てる人は居ません。
 この任務は危険だって、もし戦闘中にフェンリルが覚醒したら、力を取り戻したら他の人じゃ返り討ちに合う可能性が高いからって。
 そう言われてそれで受けたんです。
 だから、あの時横島さんがフェンリルを連れて逃げた時、正直ほっとしてしまったんです。」

そこまで話して一息いれ、さらに話し続ける。

「それにE.G.Oの本来の創立目的は全組織の融和、他の組織の間に入り対立を終わらせ平和に仲良く過ごすために創られたはずだから。
 その組織が今じゃ他の組織と同じように争いに参加しちゃってて、なにか間違ってるんじゃないかって・・・。
 あの時フェンリルちゃんは私に反撃してきませんでした。ただ逃げているだけで。
 まあ私の攻撃をかわし続けるのはさすがですけど。
 でも!それでも戦闘力を持たない子供に平和のための組織であるはずのE.G.Oが攻撃するのは、間違っている気がして。
 だから・・・誤りたかったんです。」

ふう・・・と大きく息を吐き出して真由美はしゃべり終えた。
だまって聞いていたアシュレイが急に喋りだす。

「まあね〜。最近のE.G.Oは4組織のなかでもかなり好戦的だもんね〜・・・真由美の話も解るわ。実際それで辞めて行っている人間も居るらしいし。」

「まあ戦争なんて元々碌な物じゃないしな〜。」

アシュレイの言葉に横島が同意し、場がシーンと静まり返る。
少したって、今度はなんとフェンリルが真由美に尋ねた。

「あの・・・じゃあお姉ちゃんは、今は私を・・・その・・・殺す気は無いの?」

「ないわ、任務は失敗で終わった事になったし。捜索して見つけ次第倒せって言われたけど、それは断ったから。」

もう自分を殺すつもりは無いのか?と聞くフェンリルに、しっかりと相手の目を正面から見て答える真由美。
その答えを聞き、目を見て、

「そっか・・・。お姉ちゃんて本当はすごくやさしいでしょ?」

「え?」

「なんか目がお兄ちゃんと似てるから・・・そんな感じがしたんだ。」

そう言ってにこりと笑うフェンリル。
横島は暗に自分がやさしいと言われて照れていたりする。

「ありがとう・・・。あなたもやさしい良い娘なんだね・・・。ほんと、なんで君みたいな子供を殺そうとしちゃったんだろ・・・。」

その言葉に俯き泣き出してしまう真由美。

「ふえ?お姉ちゃん泣いたらだめだよ〜。」

逆に本来は怯えているはずのフェンリルが慌てだし、慰めだしてしまう。
他の三人はその様子を暖かな目で見守っている。

「お待たせいたしました〜。」

そこに注文の品を持った店員がやってくる。
それにこれ幸いと横島が、

「ほら、来たし飯にしようぜ!真由美ちゃんも泣き止んで、フェンリルももう怖がってないみたいだしさ。真由美ちゃんが全部悪いって訳でも無いんだしさ、な?」

「あ、はい。そうですね。すみません泣いてしまって。」

そうして食事が始まり少したった時に、

「あ、そういえば、君達はこれからどうするつもりなの?」

真由美が横島達に問いかける。落ち着いたらしく口調も戻っている。

「あ〜それは「横島が元の世界に帰る方法を探すのよ。」・・・。」

答えようとした言葉を遮ってアシュレイガ話し出す。

「こいつ異世界人なのよね〜。で、フェンリルがこいつと離れたくないって言ってダークロアに来てくれないから、私とジルとで護衛する事にしたのよ。」

「へ〜そうなんだ。あのさその護衛なんだけど。」

「なに?」

現状を説明すると何か思いついたのか、護衛に関して尋ねる真由美。

「その護衛私も手伝っていい?最初のお詫びもかねてさ。私結構顔が広いし情報収集とかでも役に立つと思うよ?」

「私も参加って・・・あんたね〜。E.G.O所属のあんたと私らダークロアが一緒に行動できる訳が「辞めたよ?」・・・へ?」

組織が違うから無理だと言おうとしたアシュレイに信じられない言葉が飛んできた。

「辞めた・・・って?」

「そのままよ?E.G.O辞めたの。その横島君に逃げられてから帰ったんだけどね、もうギャンギャン怒鳴られてさ〜。
 で、私も色々後悔してたのもあって腹が立って〜。さっき言ったE.G.Oの創立理由だとか言って反論したらさ、
 『昔どうだったかは知らんが今は今!お前が任務に失敗したのとは何の関係も無い!』
 って言われて。もう頭にきちゃってさ!だいたいよ〜く考えたらよ?女子高生の、しかも半分バイトの私にそんな重要な任務押し付ける?
 しかも相手を殺せよ〜?そんな事考えたら止まらなくなって、
 『辞めます!E.G.Oの能力者、今この時点で辞めさせて貰います!』
 って言って辞めてきちゃった。」

「そんな簡単に・・・しかも最強の能力者がバイト?・・・。」

聞かされた理由にあんぐりと口を開けて固まるアシュレイ。そこにさらに追い討ちが、

「そうよバイト。家のお母さんが最高幹部の一人だからって、半分無理やりお母さんに入れられたみたいなもんなのよ。
 でももう知らない!実の娘に殺しをさせようとする普通?!
 だから今の私はE.G.Oとは関係無しよ!絶縁状も叩きつけてきたしね!で、もう関係ないんだし夜羽子達と行動しても別に構わないでしょ?」

「はあ・・・まあそうだけど。どうするの?」

続けられた言葉にさらに呆然となるがなんとか回復し、横島にどうするか問いかける。

「あ〜フェンリルがいいならいいんじゃないか?話を聞いてる限りじゃかなり強いみたいだしさ助かると思うけど。で、どうだフェンリル?」

「ほえ?真由美お姉ちゃんも一緒に暮らすの?別にいいよ〜。全然怖い人じゃないみたいだし。大勢の方が楽しいし。」

フェンリルがいいならいいと返事を返し確認を取ると、
デザートのパフェをジルと並んでぱくついていたフェンリルが、頬にクリームを付けたまま答える。

「なあ決まりかな?部屋ってまだあるよな?」

「有るわよ・・・まあいいけど。私の家だって忘れてるでしょ?絶対。」

「あ・・・あはは。」

ジト目で睨むアシュレイに顔が引きつる横島。

「夜羽子の家で暮らしてるの?」

「ああ、今日からね。で、フェンリルもいいらしいし、これからよろしくでいいのかな?」

「あ、うん!これからよろしくね皆!」

そう言って、全員が見惚れる様な満面の笑顔で元気に挨拶する真由美だった。


━どこか別の場所━

「ほ〜藤宮まで仲間になったか・・・。」

水晶球にその様子を写し眺めているローブの女性、年は19といった所かショートカットの深い青の髪と目を持つ美女だ。
ゆったりとしたローブの上からでもはっきりと解る大きな胸をしていて、立ち姿から胸以外もかなりのプロポーションだということが解る。
杖が傍らに置いてあることからして魔女なのだろうか?

「ふむ、面白くなってきたな・・・。そろそろ接触してみるか。阿羅耶識の厳島も動くようだし・・・な。」

そう言った後水晶球の映像を消し杖を持って部屋から出て行くのだった。


━後書き━
はい十話お送りしました〜。
今回真由美っちだ仲間になりました。
え〜彼女、文中でフェンリルが言ったように実はかなりやさしい女の子です。
横島に似ていて、人間・人外はてはアンドロイドまでまるで関係無しに付き合うような娘です。
E.G.Oとは別の藤宮真由美個人としてあっちこっちに他組織の友達がいたりしますw
ええ親が最高幹部の一人はオリジ設定です。まああんだけ強い能力者の母親だし別におかしくないかと。(汗
(確かグレート・マザーって名前のカードでカード化されてたはずです。)
最後の一人は、ええWIZDAMのあのお姉さんですw
ヒントとしては白魔術師・錬金術師と三人で三魔女なんて呼ばれていますw
(バレバレデスネ
あと真由美が他の組織を合わせて見ても現時点で個人戦闘最強はあながち間違いでもないです。
何処かの出した小説では三段状態の真由美は死の印(単体を確実に抹殺する魔法。ゲームではプロジェクトカード)を力ずくで無効化してましたし^^;
カードでも現在でも強いですが、原案では支配者(ようはプレイヤー)のファスト・プロジェクト(大掛かりな魔法・儀式みたいなもの)か味方の能力(エフェクト)以外の対象にならない、なんて超反則な能力が考えられていたそうです^^;
ではまた次回でお会いしましょう。

遊鬼様
ええ落ち着いたと思いますw
行ってみてくださいなw漫画はなかなか面白いですよw
あと女神マガジンの出してるアクエリ本も面白いですw書いているのはあさぎ桜先生です、こちらもどうぞw

森型様
あはは驚いてもらえたなら幸いですw
真由美はだいたい軽〜い感じですwまあ仕事してるのと高校生ですからシリアスに落ち着いて話すこともできますが。
残りの組織については次回に片方が接触してきます。

ななし様
妹はパピのことです^^
ええ、ジルの行動はこんな理由です。納得してもらえたかな〜?(滝汗

D,様
いやいやそんな効果は無いですよ〜。
まあフェンリルやらジルやらシロとかなら撫でられて嬉しがるかもですが、アシュレイにやったら思いっきりひっぱたかれるでしょうなw

triger様
ええ巻き込まれますwそれは盛大にw
イレイザーのある人に第一目標にされたりね(ボソ
真由美が加わりましたのでさらに輪をかけてトラブルに合うでしょうw
彼女はある意味女版横島ですから・・・トラブルメーカーなあたりがw

エル様
それは知らなかったですね〜。60へぇ

なまけもの様
ヒモって^^;違・・・わないか?(滝汗
仲間入り〜です。彼女は最初からこの展開を考えていたもので^^;
お〜大当たりですwこっちに来るのはシロタマですw

N様
そうですね〜レイ・アルカードは第二期の初めで滅びますからね公式の出したDVDではw

桜葉 愛様
ジルは完全に知らない訳じゃあ無いんですよ〜。ダークロアにも男は居ますからねw
ただ彼女の強さじょうダークロア内での地位が幹部候補ですから^^;
まともに友達として会話できる男が居なかったのがまともに話したことの無い原因です。
まあ毛嫌いしなかったのは知識は有ったのと年齢による好奇心が勝ったのも理由でしょうが。
あと、記憶の中で父親の温もりなんかは覚えているのもあるでしょう。

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