「ふ〜食った食った。」
そう言いながら店から出てきたのは横島、それに続いて残りのメンバーも出てくる。
「お腹いっぱ〜い。」
「パフェって初めて食べたけど美味しかったな〜。」
まず出てきたのはお子様二人、上がフェンリルで下がジルである。
「まったく・・・下品ね〜。」
「あはは、それでこれからどうするの?」
残りの二人も出てくる。解ってはいると思うが上がアシュレイで下が真由美である。
「ん〜、これから買うのは食料品かな?さっきまでは洋服類を買ってたんだ。」
「そういえば真由美、あんた服とかあるの?なんか飛び出して来たような事言ってたけど。」
「あ・・・。」
真由美の問いに答えた横島の後に、逆に聞いてきたアシュレイの言葉に真由美が固まる。
「持ってないのね・・・まったく。」
「しょうがないじゃんか!喧嘩してそのまま飛びして来てて家に寄ってないんだから!」
はあっと呆れるアシュレイに顔を真っ赤にさせて反論する。
「まあまあ、じゃあ一回家に取りに帰れ「出来るわけが無いでしょうが。」・・・だよな〜。」
「だね。絶対お母さん辺りが待ち構えてそうだし。」
ん〜と唸って考え出す二人。
「真由美お姉ちゃんも服無いの?無いなら買ったらダメなの?」
「買うのはお金が・・・。」
真由美の袖を引いて聞いてくるフェンリルに、ううっと唸りながら答える真由美。
「う〜どうしよう。」
頭を抱えてさらに考えこんでしまう。
「しょうがないわね・・・。」
「え!?夜羽子買ってくれるの?!」
アシュレイの言葉を聞き目をキラキラさせながら見つめる真由美。
「だ〜れが買ってあげるって言ったのよ!!貸しよ貸し!いつか返して貰うからね!」
「う〜ケチ〜。」
貸しだ!と言うアシュレイにケチ〜と文句を言う真由美。
さらにその言葉に言い返した言葉に、
「じゃあ貸してあげない。その服が洗濯中は裸で過ごすのね。」
「は!裸!」
鼻息荒く反応する横島。
「「な!何言ってるのよ!(ダメー!)」」
「え?」
何故かその言葉に真由美と同じように反応するフェンリル。
「えっと・・・なんでフェンリルちゃんがダメって言うの?」
「ダメな物はダメなの!何でか解んないけどダメなの!」(そんな事になったら大変な事が起こって物凄くまずい気がする。)
確かに大変な事が起こるだろう。
「まあ確かに起こるだろうけど・・・まあいいわ。で、どうするの真由美?
借りる?それとも裸で過ごす?」
「う〜横島君はいい人だと思うけどまだ早いし・・・解った・・・借りるわ。利子は安くしてよ?」
「付けないわよ利子なんて・・・まあ何が早いのかは聞かないであげるわ。」
借りる事に決まったらしい。
「あの〜俺は物凄く気になるんですけど・・・。」
真由美のセリフに激しく気になっているらしい横島が聞いてくる。(フェンリルは何故かジト目で睨んでいたりする)
「ん?横島君ってやさしいいい人だから彼氏にするならいいかな〜って。
自分の身を挺して見ず知らずの女の子を助けれるような男の子って、今時いないしね。」
えへへ〜っと多少赤くなりながら言ってくる真由美に、こちらも真っ赤になって沈黙してしまう横島だった。
(う〜真由美お姉ちゃんライバル決定!負けないんだから!)
(あ〜真由美って惚れっぽかったもんな〜・・・。でも何故か彼氏は居ないってか出来ないのよね・・・。)
(彼氏ってなんの事なんだろう?)
上から順にフェンリル・アシュレイ・ジルの思っている事である。
(ジルの里では恋人の事を彼氏では無く、想人とか良人と呼んでいる。)
「じゃあまず真由美の服買いに行くわよ。」
「「「「は〜い(う〜い)」」」」
以下洋服売り場での様子、
「ねえ?これ似合うかな〜?」
「あ〜こっちの色のが良いと思うぞ?」
「じゃあこっちにするね。」
真由美が尋ねればきちんと考え答える横島。
他にも、
「お、これいいんじゃないか?」
「あ、ほんとだ〜。横島君って結構センスいいね。」
「そうか〜?」
「うん!これ着てみるね!」
横島の方から真由美に似合う服を選んでみたり。
さらに、
「ねね。」
「ん?」
「じゃ〜ん着てみました〜。どうかな〜?」
「へ〜よく似合ってると思うよ。」
「やった!じゃあこれ買おうっと!」
なんて事もしている。
周りから見れば買い物に来ているカップルにしか見えず、取り残された三人は、
(な・・・なんか腹が立つ・・・。)
(お〜に〜い〜ちゃ〜ん〜!)
(真由美さん楽しそうだな〜。)
なんて事を思いながらも入って行けず、じっと見ていたりする。
「おまたせ〜。ごめんね〜待たせて。」
やっと終わったようだ。ごめんっと顔の前で手を合わせながら言ってくる真由美に、
「いいわよ別に。かなり買ってたみたいだけどちゃんと返してよ〜?」
「解ってるって〜。」
しょうがないといった感じに答えるアシュレイ、それに真由美も軽く返す。(この二人はいつもこんな感じなんだろう。)
「悪いな〜二人とも待たせちまって。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
「ムー・・・。」
横島の方は二人に声をかけるが、ジルの方は普通に答えてくるがフェンリルはブスっとしたままである。
「あ〜っとフェンリル?待たせちまって怒ってるのか?ごめんな。」
「違うもん!」
(ならなんで怒ってるんだ?)
待たせて怒ってるのかと聞く横島に違うと答えるフェンリル。横島の方はまるで理由が思い当たらないらしい。
「えっと、なんで怒ってるんだ?」
(む〜しょうがないな〜。)「手、握って歩いてくれたら許してあげるよ。」
「へ?ああ、まあそんな事でいいなら。」(何だったんだ?)
訳が解らないまま機嫌が直るならとOKする横島、少しは解ってもいい気がするんだが・・・。
「んじゃあ食料品買いに行くか〜。5人分だと結構な量になりそうやな〜。」
「それは平気でしょ?私達なら。」
まあそうだろう、このメンバーなら引越しだろうが楽なものだろう。
「食料品って何買うの?」
「ん〜飲み物と後は〜、まあ適当に。」
「適当って・・・夜ご飯とか何作るかとか決めてないの?」
何を買うのかと聞いた真由美の問いに帰ってきた答えに、さらに疑問をぶつける。
「決めてないな〜・・・ってかそういえば誰が料理できるんだ?俺は全然だめだぞ。」
「あたしも外食派だから料理は無理よ。」
「お料理って自分で作るものなの?」
横島とアシュレイは作れない様だ。それに当然だがフェンリルは作れる訳が無い。
「私は少しだけなら。里で皆で作ったりしてましたから。」
ジルは多少なら出来るらしい。里の修行には炊事の共同作業も入っていようだ。
「は〜ジルちゃん以外全滅なの?どうするつもりだったのよ・・・。」
「む!そう言うあんたは出来るの?」
ため息を吐きながら言う真由美に夜羽子が多少ムッとしながら聞き返す。
「勿論!結構得意なんだから〜。そうね炊事はあたしがやるわ。居候なんだしそれ位しないとね〜。」
どうやら得意らしい。
「まじ?あんた家事なんかできたの??」
「あ、信じてないな〜?今日の晩御飯見てなさいよ〜絶対美味しいって言わせて見せるんだから!」
まさかと疑うアシュレイに対して、フンッっと意気込んで見せる真由美だった。
━買い物終わりアシュレイ宅━
「へ〜結構立派な家ね〜。」
「まああんたの家ほどじゃないけどね。」
「真由美ちゃんの家ってこの家よりでかいんか?」
「そうね、二周り位大きいかしら?母親はE.G.O幹部で父親は貿易商で世界中を飛び回ってるからね。」
驚く横島に軽く答えながら扉を開ける。
「じゃあ私室は二階の部屋を適当に使ってちょうだい。私の部屋は階段上がってすぐだからそこ以外でね。
「「「「は〜い(う〜い)。」」」」
全員二階の自分の部屋を決め自分の荷物を入れた後に一階の居間に集合する。
「じゃあ晩御飯作るわね。」
「あ、私手伝いますね。」
「そうね、お願いジルちゃん。」
そう言って台所に向かう二人、残りの三人は、
「じゃあこれからどうするか話し合いましょう。」
「そうやな〜。あと接触してないのはWIZDAMと阿羅耶識だっけか?」
これからの事を話し始めたようだ。
最後にフェンリルはたまたま付けた時に始まるところだった、テレビのアニメ番組を興味しんしんな様子で見ている。
━約一時間後━
「おまたせ〜。」
「わ〜良い匂い。」
お盆に食事を乗せて歩いてきた真由美に、アニメが終わり暇そうにごろごろ転がっていたフェンリルが身を起こす。
「お〜美味そう。」
「う・・・くやしいけどよく出来てそう。」
「へへ〜だから料理は得意だって言ったでしょ?全部運ぶからもうちょっと待っててね。」
前半はアシュレイに後半は今にも飛びつきそうなフェンリルに言って台所に戻っていく真由美。
しばらくして真由美とジルとで料理が運び終わり全員が食卓に着く。
「んじゃあ、いっただっきま〜す。」
「「「「いただきま〜す。」」」」
横島の声を合図に全員で挨拶をして食べ始める。料理を一口食べて一言。
「う・・・。」
「う?」
「うま〜い!」
「わっ!ビックリした〜。えへへ〜お粗末さまです。」
うまいうまいとがっつく横島に真由美が嬉しそうに答える。
「くやしい・・・本当に美味しい・・・。」
「わ〜昼間の・・・えっとレストランだっけ?そこよりずっと美味しい。」
「美味しい。手伝ってて思ったけれど真由美さんてほんとに料理上手なんだな〜。」
他の三人も美味しいと感じているようだ。
「どう夜羽子?美味しいでしょ〜?」
「く・・・美味しいわよ!う〜なんでこんなに上手なのよ〜。」
アシュレイにニヤニヤと問いかける真由美に心底悔しそうに答える。
「そりゃあね〜。家お母さんもお父さんもめったに家に帰ってこないしさ。レトルトは飽きちゃって自分で作るしかなかったのよ〜。食べに行くのも考えたんだけど、一度作ったら楽しくなっちゃってさ〜。」
「なるほどね・・・。私も勉強しようかしら?外食代も馬鹿にならないし・・・。」
理由を聞いて納得したらしく自分も勉強しようか思っているようだ。
「それがいいんじゃない?将来絶対役に立つしね!」
「ふえ?何で役に立つの?」
将来役に立つという真由美にもぐもぐと食べながら何でだと聞くフェンリル。
「そりゃ〜結婚するのには出来た方が有利だしね。それに旦那さんには手料理位食べさせてあげたいし。」
決まってるじゃないと自信満々に答える真由美。
後半の言葉からして彼女、藤宮真由美、結構根は家庭的な女の子らしい。
「へ〜んじゃあ真由美ちゃんの旦那になる人は幸せ者やな〜。」
「え?そうかな?えへへ〜照れるな〜も〜!」
横島の一言に真っ赤になって照れる真由美。
(そっか料理できないとだめなんだ・・・。よし!絶対覚えてお兄ちゃんのお嫁さんになるぞ〜!)
その横には一人燃えている狼の少女がいた。
そんな風ににぎやかな夕食が終り時間が飛び深夜。
寝るまでの間に勿論風呂には入り、
フェンリルが一緒に入ろうと横島の入浴中に全裸で飛び込んできてしかもそのまま抱きついてきたり。
それに引っ張られる形で入ってきたジルが真っ赤になってもじもじしていて強烈に可愛かったり。
その二人の格好と行動のせいで横島が暴走しかけたり。
止めに入ってきた真由美とアシュレイに横島が裸を見られたり。
真由美もアシュレイも真っ赤になって固まり、横島も石になったり。
とそんなような出来事があったがそれはまたいつか語るとしよう。
そして深夜0時、何故かベランダに出てきた横島、
「ん〜涼しい。あんな事の後じゃ流石に寝付けんわ。」
眠ろうとすると風呂場での出来事が思い出されるらしい、ここには頭を冷やしに来たようだ。
「ふ〜月が綺麗だな〜。」
「ふふ、そうだな。」
「な?!」
ふと呟いた言葉に同意の声が聞こえて来た。驚きそちらを向くと。
「こんばんわ、夜分遅くに申し訳ないな・・・。君と話がしたくてね。」
其処には箒に乗った、外見18〜19歳の女性。
プロポーションはゆったりとしたローブの上からもハッキリと解る位にメリハリの利いたボディーに、
スラリと長く細い足、真っ白な肌、そして青い髪に青い瞳の美女。
だが一つ不思議なのはその色気。
その女性から感じられるのは、しっとりとした見た目の年齢に似つかわしくない大人の色気だった。
「あんたは・・・。」
「初めまして横島忠夫君。異世界の少年よ。私はステラ、ステラ・ブラヴァツキ。WIZDAMの最高幹部、黒の魔術師と呼ばれる魔女で、白・青の二人の魔女と合わせて三魔女なんて呼ばれているよ。」
そこまで言った後ふっと微笑を浮かべ。
「君には取引を持ち掛けに来た。ひとつよろしく。」
そう言い放った。
━つづく━
━後書き━
はいお待たせいたしました十一話です。
今回は真由美の意外な特技と惚れっぽいという性格の発表、
そしてWIZDAMよりステラ姉さんの登場でした〜。
真由美は惚れっぽいですが誰からかまわず惚れる訳じゃ無いですよ〜。
エスパーなのもあり、内面の良い人と悪い人を直感で見抜く能力に長けているので、その能力で良い人だと感じ、そしてある程度真由美のタイプに合うと惚れるのです。
横島に真由美が惚れた理由は・・・まあお解かりになるでしょうw
次回はステラさんとの取引、この小説でのWIZDAMの立場などの説明、そしてもしかしたらイレイザーの初登場になります。
阿羅耶識の彼女の登場はもうちょい先です。
ジルの印象が薄いかもしれませんが彼女はイレイザー初登場で結構活躍する予定ですw
ではまた次回〜。
レス返し〜
桜葉 愛様
誤字指摘ありがとうございます〜直しておきすね。
あはは〜ちびっ子が気にいっていただけているようですね〜よかったよかった。
この話キャラは殆どオリジナルみたいな物なので結構心配なのですよ^^;
受け入れて貰えなかったらどうしようと(大汗
ん〜WIZDAMの人が登場しました〜。組織人か〜・・・WIZDAMには居ないかもw
のちのち出る可能性はありますねw
森型様
そうですね〜真由美は強いです^^;
まあちょっとデッキ構成上遅くなるのが弱点ですが。
あ〜三魔女の設定はサーガ1と同じなんですよ〜。
ただプレイヤーの間で青い人より錬金術師さんの方が強いんじゃないかという話が出てその三人がそう呼ばれてるだけでして^^;
精神ダメージ対策がかなり強化されちゃったのが主な原因ですね〜。あと三段目が出るのが遅かったので^^;
triger様
いやいやいや囲ってるわけでは^^;
ん〜まあ最近E.G.Oはその体制への反発から辞める人間が多いという設定ですので大丈夫かな〜。
いやでも一応最強の能力者だしな〜・・・ん〜考えます^^:
そのネタ使わせてもらうかもしれませんw
いやいやいや飛び越えちゃだめでしょう^^;
18禁なんか書けませんよ?^^;
遊鬼様
きっちりと仲間になるキャラは後二人ですね、ちなみに阿羅耶識の姉妹です。(妹の方はまだ本当は生まれてないはずなのですが、まあこの小説の特殊設定ということで・・・生まれると姉の方が死んじゃうし^^;)
人数増えると動き辛いのは確かですね〜。まあがんばってみます^^;
D,様
ああネタを読まれている!?
殲滅派と引き込み派は確かに分かれる予定です^^;
うあ〜読まれたよ〜くやしいよ〜。
ななし様
よかった〜十分でしたか^^;
今回の真由美もまあ少々いままでを振り返って貰えば解るかと^^;
ヒント・出会い・再会・フェンリルの態度・真由美への態度・以上^^;
(バレバレダナ
いや乗っ取るのは無理でしょう^^;数が違いすぎますよ^^;
ガルガンチュア様
はいこの人でした〜。
あと二人で打ち止めですね〜^^;
まあ個人戦闘では最強クラスの面子でしょうが^^;
なまけもの様
横島の戦闘力ですか〜。
ん〜アシュタルテーには負けるかな〜能力の相性と身体能力(主に霊的持久力)の差で^^;スタミナは向こうの方が絶対上なので^^;
(この話でのアシュタルテーの能力は相手の力を散らす事です。カードゲームの能力は卑怯すぎて無理です^^;相手のパワー(攻撃に必要なカード、実戦での体力、精神力に該当)を一発で0にできるのはちょっと^^;様は一回使っただけで疲労度MAX・・・どうやって戦えと?(大汗
詳しく書けば、相手の攻撃などで貯めたサイキックエネルギー・魔力・妖力・霊力などを視認してからコンマ数秒で解析し一秒ほどで自分の魔力で干渉、散らす事ができます。
文殊を作って投げるまでは出来ても当たるまでに散らされて消えてしまいます^^;
真由美が勝てるのは、散らす暇が無いほど連続で高威力の物を放ち続けれるのと、接近戦での身体強化のすさまじい威力のおかげです。
E.G.Oの能力者は他の勢力に比べ持久力の一点では圧倒的に勝りますので。攻撃力や防御力は最下位ですが^^;)
注!!真由美は特殊中の特殊^^;カードゲームでもダークロアとガチンコで圧勝できるパワーですから^^;まあ若干二名には相打ちになりますが。
あ、シロタマは阿羅耶識の人たちのでた少し後ですね。
カシス様
そうですね〜数で攻められるとさすがに無理ですが。
少数精鋭ならこれ以上の集まりは無いだろうな〜^^;
横島の実力発揮は・・・まだまだ後だな・・・(滝汗
そのうちイレイザーのイァーリスとガチンコを予定しております^^