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「ある幻想の魔術師と黒の姫君   第五話  (まぶらほ+月姫系)」

REKI (2005-07-18 15:38/2005-07-18 22:28)
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午前5時、和樹の眠る布団がもぞもぞと動くと、上半身を起こす人物が居る。

「ん〜、ふあぁ。」

盛大に伸びをしながら起き上がったのはアルト。
昨日何があったのかは知らないが、その肢体には何一つ身に着けておらず、白い肢体が暗い部屋の中で目立っている。

「ん〜時間通りね。さってと、用意しなくちゃ。」

こんな時間に起きたのは何かする事があるからのようだ。

布団から出、自分の部屋に向かい服を着る。
着た後は台所に直行し朝ご飯を作り始める。十数分後つくり終わった物にラップをかけ持って出てくるとテーブルに置き、また部屋に戻る。

すぐに部屋からメモ帳とボールペンを持って出てくると、それに何かを書き食事の横に置き玄関から外に出かけて行く。
そのメモ帳にはこんな事が書かれている。

『和樹へ。ちょっと用があるから出かけます。危険な事じゃあ無いから心配しないでね。遅刻しないで学校に行くこと!特に二時間目には間に合うようにね!お弁当は学校で渡します。アルトより』

━約2時間後━

「ん〜。」

和樹がやっと起きたらしく、布団が動くと起き上がってくる。

「ふわぁぁぁ〜。おはよ〜アルト・・・って、あれ?居ないや。」

隣にアルトが居ない事に首を傾げるが、

「あ!朝ご飯作ってくれてるのかな?」

そう考えたようで着替えをすませテーブル有る居間の方に行く。

「アルト〜おはよ〜。ってここにも居ないや。」

居間にも居らずキョロキョロと周りを見ると、テーブルの上の食事とメモ帳を発見する。

「なんだろうこれ?」

メモ帳を片手にとり読んでいく、

「アルト出かけてるのか、どうしたんだろう?それに弁当は学校で渡すって書いてあるけど・・・どうやって?」

多少疑問に思う事もあったが、とりあえず食事を暖め直し食べ始める。

「まあ行ってみれば解るかな。何か考えがあるんだろうし。」

もくもくと食べ終え食器を洗うと、鞄の中身を確認し出かける。

ボーっと歩いていくと寮の出口で凛とばったり出会う。

「あ、式森先輩。」

「あ、凛ちゃん。おはよ〜。」

凛に挨拶する和樹。彩雲寮と朝霜寮は隣り合わせて立っているので、別に朝会っても不思議ではない。

「おはようございます。式森先輩。」

「あの〜なんか話し方が丁寧なのは気のせい?僕の事も先輩って。」

頭をさげ挨拶を返してくるが、その様子に違和感を覚える和樹。

「はい、昨日はすみませんでした。年上に向かってあの態度はどうかと思いましたので。あ、そうだ!先輩の剣の腕には感服しました!」

質問の答えをこれまた丁寧に述べた後、少し興奮気味にそう言ってくる。

「あ、うん。ありがとう。できれば学校では黙っててくれないかな?後話し方も昨日のままで別にいいよ?堅苦しいの苦手だし。」

「そうですか解りました。だがなぜだ?あれだけの腕があるのだ誇ってもいいと思うのだが?学校の成績だって・・・。」

堅苦しいのは苦手だと言う和樹に話し方を戻す凛。
そして和樹の言葉に疑問を持った事を聞いてくる。

「あ〜目立つのが嫌いなんだ。誇っていたとしても別に必ずそれを外に出す必要もないしね。」

目立ちたくないからだと答える。現に今までの一年と半年間、隠し続けてきた理由はそうなのだし。

「解りました。他言無用誰にも言わないでおく。」

答えに頷きそう約束する。

「ああそれとだ。今日もアルトさんは居るのか?昨日の件で報告したい事があるのだが。」

「ああアルトなら朝から出かけたみたいだよ。昼には帰ってくるんじゃないかな?」

「では学校が終わったら訪ねさせてもらう。」

「解ったよ。」

そう和樹が答えた時にちょうど学校の前に到着する。
このやり取りは並んで歩きながらしていたらしい。(この事が後にある噂に拍車をかけたりかけなかったり。)

場面は変わって教室前、扉を開く和樹に話しかけてくる二人が居た。

「あ、式森おはよ〜。」

「おお、式森か。いい所に来た。」

仲丸と松田の二人だ。

(なんでこの二人が?B組みの男女迷惑ツートップじゃないか。)「おはよ。どうしたのさ?」

頭の中で考えた事などまるで表面に出さず返事をする。

「今日転校生がくるらしいのよ。それで男か女か賭けてたの。」

「式森お前も参加しろ。一口千円から、ちなみに今は6:4で男優勢だ。」

「ん〜じゃあ女に三口で。」

普段なら賭け事になど参加しないのだが、

(その転校生って絶対夕菜だよな。100%勝てるし今小遣い少ないからいいか。)

100%勝つ自身があるからのようだ。(ちなみに小遣いうんぬんの話は、財布をアルトに握られているからです。)

「ほ〜強気だな。普段参加しないくせに・・・何か理由があるのか?教えろ式森。」

和樹の答えに前半は普通に答えてくるが、後半声を落とし肩に手をかけ聞いてくる。

「別に無いよ。ただ財布が軽いからね。勝率1/2ならいいかと思っただけだよ。」

「なんだつまらん。」

答えに興味を失い戻っていく仲丸。それを見ながら机に向かい鞄を下ろす。

「おはよう式森君。珍しいわね、あなたが参加するなんて。」

「おはよう杜崎さん。まあちょっとね。」

話しかけてきたのは杜崎沙弓、最初に出てきた山瀬千早の親友の少女でB組みで数少ない常識人。

「ふ〜ん。あ、先生来たみたいね。」

沙弓のその声と同時に扉が開き教師が入ってくる。

「おまえら〜席につけ〜!もう知ってるようだが転校生を紹介する。彼女はお前らとは違う普通の女の子だからな!入ってきたとたんに、ねずみ講や株やマルチ商法を薦めたりするんじゃないぞ!」

そのセリフはこのクラスを良く理解していると言えるだろう。現にあちこちからチッやケッなんて言葉が出ている。

「では、入ってきたまえ。」

「はい。」

促されると同時に入ってきた少女は和樹の予想道理、宮間夕菜だった。
静かになる教室、皆夕菜に見ほれているようだ。その清純そうな雰囲気に当てられたとも言うべきかもしれないが。

「宮間夕菜です。これからよろしくお願いします。」

名前を言った後頭を下げる彼女に、教室全体に歓声が響いた。(後日談によるとB組と間逆の教室にまで届いたらしい。)

「あ〜宮間の席は・・・式森の後ろの奴後ろの空いてる席に移動しろ。宮間さんは其処に座るように。」

その教師の言葉にブーイングが巻き起こるが、

「やかましい!式森はこのクラスで数少ない常識人!当然だろうが!」

一括する教師、頑として聞き入れないその様子に、怨みの声を上げながら席の者が移動する。

「和樹さんよろしくお願いしますね。」

満面の笑みで笑いかける夕菜に和樹に対して嫉妬やら嫉みの視線が突き刺さる。

(こら式森てめえなんでそんなに親しそうなんだ!)
(式森君見損なったわ!)
(制裁だ!式森には制裁が加えられるべきだ!)

そんな思考をほぼ全員がしている。

(この娘式森君と知り合い?)

沙弓は夕菜の親しい人間に会った様な態度に怪訝な顔をしている。

「あ〜静かに。もう一人転校生が居るはずだったのだが、二時間目に遅れて来るそうだ。」

教師の言葉に静かになる教室。

(ふむ、もう一人転校生か、式森を排除しその人間だけでも引き込まねば。)
(もう一人か〜珍しいわね一度に二人なんて。なんとかこっちに引き込まないとね。)

上が仲丸下が松田である。他の者も似たような事を考えている。

(へ〜もう一人転校生か。なんだろう少し嫌な予感が・・・。)
(もう一人転校生が居るんですか。どんな人なんだろう?転校生同士仲良くできるといいな。)

解りきっていると思うが上が和樹下が夕菜である。
何か和樹には悪い予感がするようだが・・・当たっていたりする。

では二時間目まで時間を飛ばしてみよう。
(この間和樹に対して何かを決行しようとする者がいたのだが、夕菜が和樹の傍を離れないため不発に終わっている。)

「では朝言った通り転校生を紹介する。入ってきたまえ。」

「はい。」

(この声はまさか・・・。)

入ってきたのは少女。黒髪を腰まで伸ばし、その肌の色は白く、容姿スタイルともに完成されていると言っていい完璧な美少女。
葵学園の女子制服に身を包んだその少女は、そうアルトルージュ・ブリュンスタッドその人だった。
彼女の美しさ可愛らしさに声を出すのも忘れ見惚れる2−B一同。

「アルトルージュ・ブリュンスタッドです。よろしくお願いします。」

「彼女は日本とドイツのクオーターで留学生として来ている。この時間は自習にしてくれるそうなので、コミュニケーションをとって仲良くするように。席は式森の隣、杜崎と反対側だ。」

それだけ言って出て行こうとするが入り口で足を止め。

「ああそうだ。これも朝も言ったが、ねずみ講や株やマルチ商法を薦めたりするんじゃないぞ!いいな!」

教室を見渡して言うと今度こそ出て行く。
出て行った後前に立ったままのアルトに、

「あの〜質問いいですか〜?」

「あ、はいなんでしょうか?」

硬直から復帰し手を上げ質問してくる男子生徒、それににこやかに答える。

「えっと、日本とドイツのクオーターって先生は言ってたけど今まではドイツに?」

「ええ、そうです。この学園には留学生として来ました。あと・・・ある人と一緒に学校生活をしてみたかったので。」

「ある人?」

(ま・・・まさか。)

(ちょっ・・・アルトさん!?)

質問の答えに嫌な予感が全身を駆け巡る和樹。アルトは顔を赤くしながら一言。

「そこに座っている式森和樹さんです。私達ドイツに居た時からずっと恋人同士なんですよ。」

「「「「「「「な!なにぃぃぃ〜〜〜〜!?」」」」」」

(ああ、さようなら平和な学生生活。)

夕菜の登場時以上の怒号が学園中に響き渡った。


━後書き━
はい第五話をお送りいたしました〜。
前話は大幅に改訂させていただきご迷惑をかけました。申し訳ありません。
え〜今回夕菜とアルトが学校に転校生として登場。
アルトの学生になった理由は次回説明いたします。
和樹君の学園生活は平穏からはなれ嬉しくも波乱万丈な物に変わることでしょうw
補足説明。
前回の和樹君の魔術が新しい魔術秩序を作った物なら魔法と同義という言葉をいただきましたが・・・、え〜まぶらほよりと言うことで魔法ではなく魔術でどうかお願いします。
いやまぶらほだと大魔術であるはずの空間跳躍(テレポート)を夕菜がキシャー化せずに普通に使ってますし。
新しい魔術を作るのはかなり難しいが不可能では無いということで^^;
(リスクが高い。少しでも失敗があるとそれを発動しようとした魔力が暴発、腕や体の一部が吹き飛び絶命する可能性が高い。
 また魔術秩序(魔術構成)を考え出すのもかなりの知識が必要で普通は手が出ない。
 ゼルレッチがあれだけ驚いたのは、魔術を習い始めて数ヶ月の和樹が、自分でまるで理解しないまま無造作に簡単そうに目の前でやってみせたから・・・ってことで^^;)
ああ・・・言い訳っぽく。
ええさらに言い訳っぽくなりますが、
魔法と新しい魔術の違いとしては、後者は一人で作り出せる可能性が多少でもある魔術。
前者は新たな魔術の中でも特殊な物、ようは根源に辿り着かなければどうがんばってあがいても、作り出すのが不可能な魔術。
ってことでお願いします。(滝の様な汗を流しつつ退場

レス返し〜。
草薙様・鏨様・巨大なヒト様
意見を参考にさせていただき大幅改訂させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。

良介様
気にいっていただけて何よりです^^
よかったオリジナルでしたか助かった。
妹は登場してからのお楽しみで^^ちょっと予定くるいましてしばらく出せなく^^;

アルフォンス様
はい、その通りでした^^;
今回の補足説明で納得していただけないでしょうか?(滝汗

ななし様
う・・・同等の時間に変更しました。(汗
倍だとあっさり負けそうな相手としか戦闘予定が無いので。(あ
まあ戦闘は数えれる位しかないので簡便を^^;

ケルベロス様
血の雨・・・ん〜人狼編で多少降るかも最後に(オイコラ

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