三人と別れ部屋に戻ってきたアルトに、
「おかえり。何話してきたの?」
「あ、やっぱり解ってたんだ。」
そう聞いてくる和樹に苦笑しながら、
「ちょっと釘をね、刺してきたのよ。」
「そっか。まあでも、あの三人も三人の家もそこまでバカじゃないと思うけど。」
答えたアルトにこちらも苦笑しながらそう返す。
「まあね、念のためよ念のため。」
笑いながらそう言った後、
「さってと。それじゃご飯作るわね、ちゃちゃっと作るからテーブルで待ってて。」
「うん、解ったよ。ありがとう。」
「ふふ、どういたしまして。でも朝も言ったけど別にお礼なんていいわよ?好きでやってるんだしね。」
また礼を言ってくる和樹に、朝と同じように顔を赤らめながらそう言って台所に入っていくアルトだった。
━十数分後━
「おまたせ和樹。」
両手に皿を持って台所から出てくる、
(ちなみに格好は襟元が白で他は黒色のワンピースに、これまた黒色の薄手の長袖を羽織り
その上から真っ白のフリル付きのエプロンを着けている。)
「・・・。」
「どうしたの?」
そのアルトに数秒見とれる和樹だったが、アルトの声で正気に戻ったようだ。
「あ~その、可愛いな~って思って。アルトのエプロン姿なんて久しぶりに見たし。」
そう普段からエプロンは着けるが、料理が終わった後外してから出てくるのだ。
和樹は台所に入らない(というよりアルトが入らせない。自分一人で作ってあげるのが楽しいらしい)ため、
あまりエプロン姿は見れなかったりする。
「そ、そう?あ、ありがと。」
もう何度も聞いた事のある言葉だが顔を真っ赤にしている様子を見ると、(一緒に服を買いに行ったりすると決まって、可愛いとか綺麗とか和樹は言う。まあ本当の事なのだが。)
(何度聞いても慣れないわね。)
やはり慣れてはいないらしい。
「そ、それよりも早く食べましょ。」
「そ、そうだね。」
お互い真っ赤になりながら(和樹も赤い、自分の言った言葉とアルトの格好のせいだろう)席に着き食べ始める。
ちなみにアルトの作った物はネギとシーチキンのツナチャーハン、すぐに作れるものにしたらしい。
コンコン
食べていると窓を何かがつつくような音がする、
「あ、来たみたいだね。」
窓には足に何かくくりられた付けた小鳥が居た。
足の物をはずすと飛び立って行く、そうこの小鳥橙子の作った人形だったりするのだ。
足にくくりつけていたのは依頼書、外し手に持つと元の大きさに戻るようになっている。
「依頼書ね。今晩行く場所はどこなの?」
「ん~ここから結構近いみたいだね。5~6分あれば行けるんじゃないかな?」
ちなみに5~6分はこの二人だからである。
「そっか、あ~そうだ。今日はあの三人も一緒に行くから。」
「そっか、解った・・・って。え、えええぇぇぇ~~~~~!?」
サラッと言ってのけるアルトに対して大声で叫ぶ和樹、
(ちなみにこの部屋は橙子の改造により完全防音で耐久力もかなりの物)
「も~いきなり大声ださない!ビックリするじゃない。」
そのあまりの音量につい文句を言うが、
「いやだって、あの三人て彼女達の事だよね?昼間来た。なんでいきなりそうなったの?」
「ん?腹立ったからね。和樹のホントの力を解らしてあげようと思って。」
多少は音量を落としたが、それでも興奮したまま訊ねる。
が、あっさり答えられ、
「解らしてあげようと思ってって、危ないんだよ?下手したら死ぬし。」
大分落ち着いたのか静かに話すがそれにも、
「大丈夫よ私も行くしね。それに危なかったら和樹が護ってくれるんでしょ?それとも私の事見捨てるの?」
そう言われ何も返せなくなる。
確かにアルトに危険が迫れば和樹は全力で護るだろうが、
(それでも自分から危ない状況にしなくてもな~。)
まあ誰でもそう思うだろう。
だがこのお姫様は、一度言い出すと簡単には曲げてくれないのも知っているので思わず、
「はぁ~~~。」
盛大にため息が漏れる。
「むう、何よ~そのため息は。」
「いや、ちょっとね。まあいいよ、あの三人も連れて行こう。」
「ありがと~和樹。」
仕方なしに認める和樹に嬉しそうな声を挙げるアルト。
「でも!ある程度離れて見てるだけだからね!」
「解ってるわ。丁度いい具合に集合場所が崖の上だしね。そこから見てるだけにするわよ。」
「解った。ならいいよ。」
その言葉と同時に話も終わり残りを食べ始める二人だった。
━夜━
「えっと確かここだよな。」
集合場所にたどり着いた和樹、三人とアルトも一緒だ。
「え~と・・・あ、居た居た。お~い式~。」
「和樹か、時間通りだな。ん?そっちのは何だ?」
周りを見渡し目当ての人間を見つけると声をかける。
その人物がこちらに来るが、和樹の後ろの者達を見て不審げな声を挙げた。
「お久しぶりね両義式。こっちの三人は和樹の知り合いで今回は見学に連れてきたのよ。」
代表して見識のあるアルトが話しかける。
そうこの人物は両義式。
退魔組織の四大退魔の内の一つ『両義』の現頭首でもある女性で、着物にオレンジのジャケットという普通は変な格好が何故か似合う人であり、直死の魔眼の持ち主でもある。
「両義ですって!あの四大退魔の!」
「ん?ほ~神城の家のもんだったよな?お前?」
「知っているのですか?」
両義の名に驚いたのか声を上げる凛、それに目を向けそう言う式にアルトが聞く。
「ん?ああ知ってるぞ。分家生まれだが神城の次期頭首第一候補って結構有名だからな。まあ特に有名な理由がだな、あの頭の固い神城だってのなんだがな。」
実力などでは無くお家騒動で有名らしい。
「神城にそっちの二人も宮間に風椿か・・・。何か訳有りみたいだな和樹。」
「まあね、いいかな見学の方は?」
「いいんじゃねえか?別に。邪魔さえしなければだけどな。」
他の二人も知っていたらしくどこか面白そうに和樹に話しかける式、見学の方は別に構わないらしい。
「じゃあさっさと仕事始めるぞ。使者の群れだがあそこに居る、見えるだろう?」
そう言って崖の下、それの少し前方を指す式、
「あ~そうだね。数は・・・50~60って所かな?確かに多いな。」
「ああ、この数はさすがに俺一人じゃきついからな。それで呼んだ。」
「じゃあさっさと終わらせようか。」
屈み群れの方を見ていたが式にそう言うと立ち上がり、アルト達の方を振り返りながら、
「じゃあ行ってくるけど、ここを離れちゃだめだよ?」
そう行った後無造作に一歩踏み出し崖を駆け下りだし式もそれに続く。
崖を降りた後もそのまま走り続け死者の群れに突っ込んでいく。
死者たちもそれに気づきこちらを向くがすでに遅い。
いつの間にか手には剣の柄の様な物が握られており、
ヒュッツ
そんな音と共にそれが振るわれ同時に青白い光が刀身を作り上げる、その刃に死者が切り飛ばされて行く。
しかも刃には強力な浄化作用も有るらしく切られた死者はその場所から灰化し散っていく。
その動きはまるで氷の上を滑るように滑らかで、一瞬も止まる事なく死者の群れを切り裂き前に進んでいく。
一方崖の上その光景を見ていた三人は、
「す、凄い!和樹さん凄いです!」
「本当、まさかここまで強いなんてね・・・。」
夕菜と玖里子はその姿にただただ感心し凛は、
(凄い・・・なんて腕だ。私も自分の腕には多少自身が有ったがこれは桁が違う!特に式森の方のあれはなんだ、一撃一撃の繋ぎにまるで溜めが無い!)
二人よりも格段に剣術・武術が解るのもあり、その身には戦慄が走っていた。
(繋ぎの溜めを無くすのは私にも多少はできる。だがあんな速度でやり続けられる物なのか!?しかもすべての相手を一撃で仕留め続けている!?)
そうすべての敵を和樹は一撃で沈めている。
まるで機械の様に正確に、相手の頭もしくは胴をガードに廻された腕があればその腕ごと切り裂いていく。
(あの不思議な剣の切れ味もあるのだろうが、それ以上に卓越した技量がなければ死者の腕ごと斬り続ける事などできはしない・・・。
私の刀を紙一重でかわし続けられるはずだ。いや私の技量なんかでは足元にも及ばないな・・・。)
俯き唇をかみ締め思う。
(くやしい・・・。)
それは誰に対して思ったのだろう?
自分と一つしか違わぬのに自分ではまるで敵わない技量を持つ事に対してくやしいのか、
それともそれをまるで察する事も出来なかった自分に対してなのか。
(相変わらず凄いわね和樹。)
対してアルトは普段の光景を見るような目で戦いを見つめていた。
(しかもまだ全力じゃ無いわね・・・まあ死者じゃ全力を出す必要も無いわね。)
その目は和樹が負ける所か傷を負う事すら心配していない。
(それにしてもあの三人は気づいてないみたいだけど、やっぱりとんでもないわね・・・あの剣。)
その視線は戦いというよりも握っている剣に注がれているようだ。
(あの魔道元帥でさえ、始めてみた時は取り乱して私の執務室に駆け込んできたし・・・。いえ魔道元帥だからこそなのかしらね。)
そう思い数年前のその時の光景を思い出す。
━回想━
ダダダダダダダッ・・・・バンッ!!
「アルトルージュは居るか!?」
「何よ魔道元帥?いったいどうしたって言うのよ?」
廊下をもの凄い勢いで走り執務室に飛び込んできたのは、
死徒二十七祖第四位キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ、魔道元帥・万華鏡・宝石のゼルレッチの異名をとる最強の魔法使いだった。
「どうしたもこうしたもないわ!!あの少年和樹はいったい何者だ!?」
「和樹が何者って、普通・・・じゃあないけど一応人間よ?」
そう普通ではないが彼は間違いなく人間の子供のはずだ。
「そうだな・・・そのはずだな。いや取り乱してすまない。」
「いいけど、どうしたってのよいったい?」
「いや、信じられない物を見せられてな。」
落ち着いた様子の彼に、何がどうしたと聞くとそんな答えが返ってくる。
あの魔道元帥が信じられない物?
(プライミッツが和樹にべたべたに懐いてるのは・・・もう見て知ってるはずよね?)
「信じられない物?」
「ああ。」
その答えに聞き返した私にゼルレッチ、魔道元帥は静かにだが多少興奮したように話し始めた。
「今日いつもの様に魔術の訓練をしていたのだがな、その訓練じたいは何時もと同じ、
強化以外の魔術がなかなか成功しない上達しないといったいつもの訓練風景だったのだが、
問題は訓練を休止して休憩中に和樹と話していたときなのだ。
和樹が『あの?今からやるのは、なんて名前の魔術なのか教えて欲しいんだけどいいですか?』と聞いてきたのだ、
わしは勿論構わんと答え見て教えてやる事にしたのだが。」
そこでいったん話を切る。
「その見せた物が信じられないと?」
「そうだ。和樹はわしの前で使って見せた魔術は新しい魔術、今だだれもやった事のないような魔術だった。」
「え!新しい魔術!?」
「そうだ、わしはあんな魔術は知らん。」
そう言ってまた話始める。
「あれはやはり全く新しい魔術と言うのが正しいとわしは思うのだ。
和樹は自分の手に魔力で出来た短剣を出して見せた。
投影魔術ではないぞ、投影ならわしは知っているからな。
魔力をそのまま短剣の形に固定させ出現させる。ここまでは投影魔術と似通っている。
完全に中身まで作りきっているようだから投影だとしても規格外だがな。
だがここからなのだわしが本当に驚いたのは!
和樹はその短剣を出現させた後、短剣の刀身だけを伸ばして見せ次は魔力を流し込んで強化してみせた、さらにはだそのまま短剣そのものが形を変え槍に作り変えてしまったのだ。
投影魔術ではそんな事はできん、一度作り出した物を魔力で変形させ別の物に変えるなどな。
あれはまさに、この世に他に使い手の居ない和樹だけの魔術だ。これで驚かぬ奴はおらん!」
確かにとんでも無い話だった。それは確かに新しい魔術、和樹のオリジナル、普通では在りえない幻想だった。
「まったくあの少年はわしを散々驚かせよる。初めて会った時はその状況に驚き、お前に魔術を教えてやってくれと言われて驚き、わしにも数え切れぬほどの魔術回路の数に驚かされた。
そして今また驚かされておる。一人の人間にここまで驚かされた事などないぞ。」
そう言って豪快に笑う魔道元帥だった。
━回想終了━
(そして今ではそれを武器として自在に使いこなしてる。とんでもないわねやっぱり。)
考え事をしている間にちょうど終わったようだ。
最後の死者を式が切り倒したのが見える。
視点を和樹の方に戻そう、
最後の死者を式が倒すのを見て話しかけようとする・・・が、
「ふう、お疲れ式。終わって・・・無いみたいだね。」
「ああ、死者より強い妖気・・・死徒だな。」
「僕がやる。アルト達に気づかれる前に倒したいし。」
「解った。」
和樹の言葉に答え崖のほうに戻る式、和樹は妖気を感じる方に走っていく。
ここでまたアルト達、崖の上のメンバーに視点は戻る。
「あれ?和樹さん何処に行くんでしょうか?」
「死徒の気配がするから倒しに行ったのよ。まあ祖クラスでもなければ和樹は負けないわ。心配しないでも大丈夫よ。」
夕菜が和樹がこちらとは別の方向に走り出すのを見て呟いた言葉に、アルトが答える。
「死徒の気配に向かっていった・・・式森は死徒ですら楽に倒せると?」
その答えを聞き凛が呆然として声を挙げる。
「楽ではないさ。」
それに答えたのはちょうど崖を駆け上がってきた式だった。
「人間を超えた相手だぞ?簡単な訳無い。でもま、二十七祖でもなけりゃ負けもしないだろうけどな。」
笑いながらそう言う彼女に夕菜が問いかける。
「負けもしないだろうけどって、それでも危険な相手には変わり無いんですよね?ならえっと式さんでしたよね?式さんも一緒に戦うべきなんじゃ。」
「あ~死徒になるとあいつ1人の方がいいさ。悔しいがその死徒が能力者だと俺は足手まといになりかねんからな。」
そう答え(あいつには魔眼もあるしな)などと考えつつアルトに向かって話しかける。
「んじゃあ今日は仕事は終わりだな。橙子には死徒の分もバイト代増やすように俺から言っといてやるよ。」
「あら気が利くじゃない。」
「別に利かせたつもりはねえよ。じゃあな。」
伝える事だけ伝えるとさっさと背中を向け、去っていった。
「じゃあ私達も帰りましょうか。和樹ならすぐ帰ってくるだろうし。」
「あ、はい。今日は凄いものが見れました。ありがとうございました。」(和樹さん凄いです!あの日もカッコ良かったけど、もっともっとカッコ良くなってました!)
「そうね帰りましょうか。」(式森和樹・・・か、あんまり関わり合いにならない方がいいかと思ってたけど、面白いわね。)
「はい・・・。」(なんて私は迂闊だったのか。あれだけの腕が有るならあの時、私のことなど簡単に返り討ちにできたはずだ。力を隠して生活していたとは、見抜けなかった自分が情けない。)
結局この見学は三者三様の感想を持たせたらしい。
だが全員の興味を刺激する事になったようで後日、アルトはこの事をくやんだそうな。
さてまた和樹に視点を戻そう。
和樹の目の前には死徒が立っている。すでに死徒の元に着いていたらしい。
「ほお、人間か。先ほどの死者どもと戦っていた気配はきさまか。」
「そうだ。死者の大量発生の原因はお前か?」
和樹を見そう聞いてくる死徒に対してさらりと答え逆に問い返す、
「ふん、だとしたらどうする?」
「倒す。」
バカにしたように笑い答える相手に対してただ一言言い放ち、剣を構え戦闘態勢を執る。
その瞳は右が青に左が銀に染まっている。
「ほお、人間が私を倒すと?面白い、なんの魔眼かは知らんがやってみせて貰おう。」
気分を害された様子も見せず本当に面白い冗談を聞いたように笑うと、こちらもそう言い放ち和樹に対して向かってくる、
一合二合三合・・・真正面から和樹は剣で死徒はその爪で斬りつけ合う。
死徒が斜めに手を振り下ろし切り裂こうとすれば、それを和樹は剣の腹で受け止めそのまま突こうとする、それを体をずらす事でよけ更に斬り付けるがそれはまたしても和樹に止められる。
(ち、この小僧何故私の攻撃を身じろぎもせずに受け止められる?魔術による身体強化か何かか?)
多少あせり始めたようで攻撃が幾分か雑になる、その隙を逃すような和樹では無く一瞬速度を増したかと思うと相手の腕を斬り飛ばす!
「ぐああぁぁぁ~~~~!!」
斬り飛ばされた痛みと浄化の力の痛みで傷口を押さえ絶叫し後ろに思いっきり飛びのく。
「く、この小僧め!ならば魔術で!なっ・・・なぜだ!なぜ魔術が発動しない!いやなぜ形になるそばから消えてゆくのだ!」
見た目にも隠す事無く慌て始める死徒、そうそれが和樹の魔眼の能力その一方の瞳の能力だった。
(解析完了・・・あの程度なら完全に除去できるな。)
その眼は右の青い眼が"賢者の瞳"左の銀の目が"崩魔の瞳"という。
賢者の瞳は相手の身体構造・魔術回路の本数・属性・異能持ちならその異能などを看破し、
相手の魔力や身体の動きから相手の行動をある程度先読みする力を持ち、さらに"浄眼"見えざる物を見る能力も制限付きだが併せ持つ。
崩魔の瞳はその名のとおり魔力を使った現象のほぼ全てを崩壊させる事が出来る。
(例を挙げるなら魔術や異能の除去・呪いの解呪・小規模の結界の破壊など。ただし魔眼の持ち主が全貌を把握できる物にかぎる。)
そして和樹は相手が狼狽している隙に必殺の一撃を放つ準備を終えていた!
(!この魔力は!)「し、しまった!」
「遅い!」
それに相手が気づいたときそれはすでに和樹が動き始めた後、すでに・・・遅い。
「"瞬剣・刹那”」
和樹が消え相手の後方1メートル程の場所に現れるのと同時に死徒は、その体を三つに分けられ絶命灰になっていった。
「ふう、終わった~。」
盛大に息を吐き出し伸びをし、我が家に帰るため走り出す和樹だった。
━数分後━
「ただいま~。」
家の玄関を開け帰ってくる和樹。
「あれ?アルトもう寝ちゃったのかな?」
いつもならあるはずの言葉が無く多少がっかりする。
「しょうがないか・・・明日も学校だし早く寝よっと。」
そう言いつつ居間を抜け自分の部屋の扉を開き中に入る。(注・和樹の部屋は結構広いです。橙子さんやその他色々な人の協力により部屋が広がってたりします)
中で着替え布団を捲って・・・、
「アアア、アルト!?」
「お帰り和樹。」
布団の中にはアルトが居た。(布団の膨らみで気づかないか普通?)
「ななな、なんでこんな所に!しかもその格好!」
指差し顔どころか全身真っ赤に染め上げそう言う和樹、ちなみに問題の格好はというと。
黒のスケスケのネグリジェのみ!下は無し!
「ん~今日色々あって疲れたかな~って思って、マッサージでもしてあげようかと思ったの。あと久しぶりにアレしようかな~ってね。ちょっとご無沙汰だったし。」
対してアルトは、前半は無邪気に後半は妖絶に微笑みそんな事を言ってくる。
「ななな。」
「それとも・・・嫌?」
狼狽しうろたえる和樹に追い討ちを掛けるかのごとく、上目使いに涙目+悲しそうな声の最強コンボで聞いてくる。
「そ、そんな訳無いだろ!」
「じゃあ・・・ね?」
案の定一瞬も間を入れずに即答する。そこにさらに甘えた声で両手を差し出せばどうなるか・・・、
「ア、アルトーーーー!?」
「きゃっ。」
和樹がアルトに飛び掛り押し倒すと、無論こうなる訳である。
明日は学校、ほどほどにしておけよ和樹君。
━後書き━
こんにちわ~。REKIです。
第四話お送りしました~。
いや~いままでのと比べて長くなったなった^^;
和樹君の武器と眼の登場の回でした~。最後は怪しくなりましたが。
武器と眼の説明をさせていただきます。
武器は本文中で書いたとおり浄化の力を持った魔力の塊です。
横島の霊波刀みたいなもんですね。使い手の意思である程度自由に形を変える武器です。
魔力を多くそのままの形で流し込めば威力が上がり、形の変化を思い浮かべればその通りに形が変わります。
問題は出している間魔力を消費し続けるの事、それに作る物が大きければ大きいほど、威力を上げれば上げるほど消費魔力も比例して上がって行きます。
ようは大きくて強い武器になればなるほど消耗も激しくなると。
ただ戦闘中に威力を上げれるのは強みですが。
投影では作った後にそれを変形させるってのは出来ないはず^^;出来ないですよね?(大汗
これと同じ事できる登場人物なんていないですよね?ね?(滝汗
・・・まあそんなような武器です。
ちなみにゼル爺が和樹に色々やらせてますがそれは和樹の属性が解らないからです。調べたけど不明なので特殊な属性は決定、でも解らんから色々やらせてみようって事なんですよ。
眼に関しても本文中と同じです。
ただ両方さらに制限があります。
賢者の瞳は自分より魔力の高い相手の事は一切見えません。完全に見るには相手の2~2.5倍の魔力の高さが必要。和樹君の場合はこれに+本来両目で働く機能を片目で行っているという非常識のため、制限時間があります。
これはその日の体調などでも変わりますが、平均で15~20分です。最長記録は40分。(絶好調の場合です)制限時間オーバーで自動的に普通の瞳に戻ってしまいます。ただある程度時間がたてばまた使えます。(15分使ったのなら使用不能時間は14~15分大体使用時間と同等です)
崩魔の瞳は相手の力を打ち消す時に自分の魔力をぶつけて消すのですが、その放出量が自分で決めるので量が足りなくて失敗する事もちょこちょこ。さらに和樹君の場合こちらも片目で両目分の働きをするという無理のため、魔力だけでなく使用時は体力も多少削られます。
したがってこの魔眼普通の人間には持ってても役に立ちませんw
賢者の方は相手の倍以上魔力があれば普通に戦ってだいたい勝てます。(戦闘技能が同じもしくは同程度ならですが)
崩魔は相手の使った魔術がどの程度消費するのか解らないので、使った瞬間自分が魔力切れになる事も。しかも発動させてる間中魔力を食います。しかも失敗の可能性もあるというw
和樹君は自身の魔力量(回路の多さと鍛錬によりほぼ無限、ほぼであって無限ではない。無限に限りなく近い。)のおかげで魔力切れだけはまず無いですが。
最後に"瞬剣・刹那”これは和樹君持ち技のうちの一個です。
普段強化魔術の上に魔力をまとう事で上げている身体能力を、一時的に魔力を足に集める事ですさまじい速度を得、相手の両脇どちらかを抜ける時と抜けた後に一回転し、胴と首(もしくは頭部)を斬り飛ばす和樹君の持つ技の中で最速の技です。
今回の後書きはこんな所で終わりにさせていただきます。
レス返し~。
良介様
今回初めと終わりに少しだけラブラブ持ってきましたがどうだったでしょうか?w
プラ犬登場はしばしお待ちを、しばらく本編にそってやった後ドイツの城編で過去回想話しが始まる予定です。
和樹の妹の性格・・・半々かな?(ナニ
多分次々回当たりに登場予定w
ナナシ様
お~ありがとうございます、勉強になりました。
ケルベロス様
やぶ蛇ですw見事にやぶ蛇ですw
ゼル爺はアルトと別に仲は悪くないですよ~。真祖狩り反対の一派筆頭ですし、一応姉ですしね。
和樹とアルクの前だとただの爺バカに(ア
口調も変わったりしますw
化無為様
おお~ありがとうございます。
キシャーですか僕もあんまり好きではないので^^;
出たとしてもそう頻繁ではないですよw
なまけもの様
そうですね~。もともと聡明な子供だったらしいので。
本誌でも実際頭いいですしね。
キシャー化しなければこんな感じの娘ですねw
いろいろと改訂させていただきました。主に本文中のゼルレッチとアルトの会話です。
あと魔眼に使用条件を追加しました。
魔力量に関してですが、原作で幽霊から戻った後魔術回数が計測不能になりましたが、これって一回の場合もあるが無限に使えるって事でもあると思うんですよ。
したがって体の中の魔力の量も無限と。
人には強すぎるうえに多すぎて、使いこなせないだけだと思うんですよREKIとしては。
巨大な人さんの意見の通り、余波だけで異常気象やらなにやら起こしてる事実もあるので、あながち言いすぎじゃないと思うのですが?どうなのでしょうか?
復活前でも全力で破壊に力を使った場合、大き目の都市をまるごと一つ吹き飛ばせるなんて話も聞いた事がありますし^^;
とりあえずこのまま行こうと思います。
あと魔眼二つ持ってるのはいいのか?という事なのですが、完全なイレギュラー・例外だと思って納得してください、お願いします(泣
この二つの魔眼が和樹の強くなろうと決心する場面でかなり重要な要素なんですよ(大汗
これを変えると色々と最初から書き直しに・・・。