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「黒い種 キラ君奮闘?物語 第48話(ガンダムSEED)」

K沢 (2005-07-17 21:04/2005-07-17 22:16)
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黒い種  キラ君奮闘?物語


第48話  企業マン VS 黒き女神  勝利者は誰?


『皆さん初めまして、オーブ軍臨時総司令官のカリダ・ヤマトです』

突然モニターに現れた女性は、天真爛漫な笑みと共にそう告げた。

「な、何なんだ一体!」
「通信回線に無理矢理介入されています!」
「他の艦艇、MSでも同様な現象が起こっています!!」

慌しくなる旗艦、ドミニオンのブリッジ。
いきなりの、しかも突拍子もない出来事に皆パニックに陥っていた。
が、その中でも冷静を保っている人物がいた。

「一体何の真似でしょう?」
「さぁ?・・・でも何か引っかかるのよね」

ドミニオン艦長のマリュー、そして副長のナタル。
もっとも、この2人もパニックに陥っていないだけで状況を把握しかねていた。

「あ、ああ、あああ、ああああ・・・・・・」

そして、ただ1人状況を完璧に把握している人物。
声にならない声を上げ、全身を震え上がらせている。
その名はムルタ・アズラエル。
ブルーコスモスの盟主として連合に強い影響力を持つ男であった。

『早速ですけど、皆様に連絡があります。
 その内容は・・・あ、メイリンちゃん。連合の旗艦にちゃんと回線つなげてくれるかしら?
 双方でちゃんと会話できるように』
『はい、わかりました』

カリダに言われ、メイリンが作業に入る。
程なくして回線が開いた。

『あ、繋がったわ。メイリンちゃん、ありがとう。
 コホン、それでは話の続きを・・・・・・あら?』

再び話し始めたカリダだったが、何かを発見したのかセリフが止まった。
そして、

『アズラエルさんじゃないですか、お久しぶりですねぇ〜』

 ビクッ!

カリダの放った一言にブリッジクルーの視線が一点に集中する。

「・・・あ、あはは、こちらこそ、ヤマト女史」

その視線の中、少々引き攣りながらも返事をするアズラエル。
・・・立ち位置が微妙にドアに近づいている気がするが。

『ほんとにお久しぶりですわ。
 研究所で方針転換をお願いしたとき以来ですわねぇ』
「そ、そうですね・・・僕は二度と会いたく無かったよ
『そんな『二度と会いたくなかったよ』なんて仰らないでください。
 私は久しぶりでとても嬉しいんですから』
「・・・・・・」

ボソッと呟いたアズラエルの小言を堂々と答えるカリダ。
アズラエルの顔が凍りついた。

『でもアズラエルさんがいらっしゃるならちょうどいいですわ。
 アズラエルさん、申し訳ないんですけれど連合軍を今すぐ撤退させていただけませんか?』

何がちょうどいいのかは言及しないが、カリダが本題を切り出してきた。
しかしまたなんとも大胆な要求を。

ヤマト女史!?い、いくらなんでもそれは・・・」
「ふざけるのもいい加減にしろ!!!」

言いよどむアズラエルをかき消すかのように響く怒声。
見ると、怒りを漲らせたナタルが仁王の如く立っていた。
しかしカリダは全く慌てていない。

「あら、あなたはナタル・バジルール大尉ね」
「!何故私の名前を・・・」

突然名前を言われ驚くナタル。
が、カリダは動揺を見逃さず、追い討ちをかけるように続けた。

「でも驚いたわねぇ、貴女みたいな人が年下趣味だったなんて。
 私の子供達(オルガら5人の事)を随分可愛がってくれたんでしょ?
 ね、ナタルお・ね・い・さ・ま?
「!?!?!?!?!?」

カリダのセリフが言い終わらぬうちに、顔が真っ赤に染まるナタル。
ワナワナと振るえ、恐怖に満ちた表情でカリダを見ている。
どうやらあの5人が更生したのはナタルの様々な指導のおかげらしい。
・・・しかしカリダ、何故知っている?

「息子に出来る事が私に出来ないなんて事はありませんわ。
 あ、私の息子っていうのはキラ・ヤマトのことですからね?
 皆さんならご存知かしら?」
「「「!!!」」」

そのセリフでマリューの表情も凍りつく。
考えていた最悪の展開になってしまったようだ。

「それで、私の要求は受け入れていただけるのかしら?」

もはや完全なる脅迫である。
しかし、この状況でなおカリダの恐怖がわかっていない人物がいた。

「申し訳ないがその要求を受け入れるわけにはいかない」

(名目上)連合軍艦隊司令官ウィリアム・サザーランド大佐。
彼はカリダの恐怖もキラの恐怖も知らなかった(笑)。
と、毅然と答えたサザーランド目掛けて、

 ドカッ! バスッ!! ゴギャ!!!

ブリッジにいる某3名から強烈な攻撃が喰らわされた。
あまりの痛みに声を上げる間もなく気絶するサザーランド。

「わかりましたカリダさん。今すぐ撤退します!」
「連合軍は今後一切オーブには侵略はいたしません!!」
「ブルーコスモスも一切手を出さないと誓います!!!」

そして彼に必殺の一撃を見舞った3名が慌てて取り繕う。
誰がやったのかはご想像にお任せします。

『そう、それはよかったわ』

そしてそんな光景など一切気にする事無く、嬉しそうな笑顔をするカリダ。
・・・やっぱりあんたスゲェよ。

「それでは私達はこれで!」
「全艦に通達!迅速にこの場から撤収する!!」
「ではカリダ女史、失礼します!」

『ええ、それじゃあね』

最後の言葉を交わし、カリダは通信を切った。
そしてそれから10分後。
オーブ領海から全ての連合軍艦隊が消え去った。

こうしてオーブを巡る争いはたった一人の女性の手によって終わりを迎えた。
これ以降、カリダは『漆黒の女帝』として広く語られる事になった。


連合軍艦隊との戦闘から2日。
カリダがオーブを発つ日がやってきた。

「母さん、色々とありがとう」
「いえ、私も貴方に会えて楽しかったわ、キラ」

シャトルのタラップ前で言葉を交わす母と子。
そしてそれを遠くから見守る少年、少女達。

「僕、まだまだ未熟だったんだ。今回のことでよくわかったよ。
 母さんがここに来たもの、僕にそれを教えるためだったんでしょ?」
「・・・・・・」
「あの時ラクスたちをけしかけて僕を病院送りにしたのも、
 連合との戦闘前に電子戦闘用の装備をはずしたのもそのためだったんだよね」
「・・・・・・何でもできる能力があっても、それを状況に応じて使えるとは限らない。
 何らかの理由で情報が誤っていた場合、最大の武器が使えなかった場合、
 それを切り抜けるためにどうしなければならないのか・・・今回で言えばそういうことね」
「僕、もっと強くなるよ。そして今度会ったときは母さんをビックリさせるからね」
「うふっ・・・期待してるわよ♪」

互いに笑みを浮かべる。
どちらも本当に綺麗な笑顔である。

「それじゃあキラ、私はもう行くわ。
 アスラン君やステラちゃん、それにルナマリアちゃんとフレイちゃんだったかしら?
 皆によろしくね」
「うん、母さんも元気で。父さんによろしくね!」

タラップを上がり、シャトルに乗り込むカリダ。
最後にキラに振り向き、最高の笑みを浮かべたのだった。


オマケ@

「・・・お行きになられたのですね」
「・・・うん」

発進したシャトルを見送るキラに声をかけるラクス。

「・・・寂しくなりますね」
「でも平気さ、また会える。それまでにもっと成長しておかないと。
 今度会ったときには絶対母さんを驚かせてやるんだから」
「うふふっ・・・頑張ってくださいね、キラ様」

優しい笑みをキラに向けるラクス。
そして微笑を返すキラ。

「・・・ところでキラ様、一つお聞きしたい事があるんですが」
「ん、なんだい?」
「カガリ様からお聞きした事の真意を説明していただきたいのです」

 ビシッ!!!

思い当たる節がすぐにわかったらしく、体を硬直させるキラ。

「今すぐにとは言いませんわ・・・そうですね、皆のところに戻ってから聞かせていただきますわ」
「は、はは、はははっ・・・・・・ハァ」

包帯の巻かれた右腕をさするキラ。
せっかく病院送りにならずに済んだと思っていたのに・・・やはり運命には逆らえなかったらしい。


オマケA

「うふふ・・・キラ、まずは女性の扱い方を学ばないとダメね」

遠く離れた飛行場を見つつ呟くカリダ。
・・・って、あんた目の良さいくつやねん!

 ピロロロロロロ〜

「あら?電話かしら?」

バックの中から携帯電話を取り出すカリダ。
そして通話ボタンを押した。

「はい、もしもし・・・あら、デュランダルさん?お久しぶりです。
 はい、元気でやっています。はい、はい・・・まぁ、そうなんですか?大変ですねぇ。
 私ですか?今、キラに会いにオーブへ来ていたんです。
 あの子もまだまだ子供で・・・え、デュランダルさんのところにもですか?
 まぁ〜、あの子ッたら・・・ええ、ええ、わかりました。では後日お会いしましょう。
 はい、はい、それでは失礼いたします」

仲の良いご近所との電話のようにしか聞こえない。
・・・・・・もはや突っ込むことは何もない。

女帝、万歳!!!


あとがき

と言うわけでオーブバトル編完結です。
キラとかアズラエルとか差し置いて、全編カリダさんの独壇場でした。
しかも彼との交流まであるなんて・・・一体貴女は何者ですか!(笑)
しかし予定通りに進まない。
自身の力の無さにかなり凹み気味です。

カリダのおかげでキラ君も新たに奮起。
これまで以上に自身を磨くべく本気で鍛錬に取り組みます。
ますます強くなるキラ君。
今度はどうなる?

オーブ編も区切りがついたところで、そろそろあちらのほうに戻る事にしましょう。
そう、本拠地アルテミスに残った4人組。
特にステラに対し不埒な考えを持つフレイとルナマリア。
彼女達は一体どう出る?
ステラは操を守れるのか?
そしてアスランの出番はあるのか?
次回、久しぶりのアルテミス編へと続く。


この3話は一日おきに投稿となりましたが、
ここからまた更新ペースが元に戻ります。
平均して3日で1話のペースでいきたいと思います。

D,様・空様・イワッペ様・スロバ様
レスありがとうございました。

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