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「ある幻想の魔術師と黒の姫君   第一話  (まぶらほ+月姫系)」

REKI (2005-07-08 00:12/2005-07-08 00:44)
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「おはよう、アルト。」

着替えを終え部屋から和樹が出てくる。

「おはよう、和樹。ほらほら、早くご飯食べないとほんとに遅刻するわよ。」

冷蔵庫からお茶を取り出し湯飲みに注ぎながらそうせかす。

「うん、すぐに食べるよ。いただきま〜す。」

テーブルに着きアルトから湯飲みを受け取りそう言って食べ始める。
ちなみに朝食の献立は、ご飯に赤だし、鮭の切り身の塩焼き、それに漬物という純和食の、これぞ朝ご飯という献立だ。

「どう?塩きつくなかった?」

塩鮭を食べている和樹にアルトが尋ねる。

「ううんちょうどいいしすごく美味しいよ。いつもありがとうアルト。」

そう答えながら笑い礼を言う。

「お礼なんていいわよ。私が好きでやってるんだし。」(ほんとに美味しそうに食べてくれるから作りがいがあるしね。)

たいした事ないといった風に答えるが、頬をうすく染め目線をそらしながら言う様子は照れているのが丸解りだ。

「えへへ、うん。本当にありがとう。」

『好きでやっている』の部分に自分もじゃっかん照れながらもう一度礼を返す和樹に、アルトの頬がさらに赤みを増す。(自分で言った言葉にこちらも気づき照れているらしい。)

暫くお互いに沈黙し和樹が食べ終わるまで続く。(和樹は食べながらも終始ニコニコ笑顔でそれがアルトの顔をさらに赤くする。)

「ごちそうさま。」

どうやら食べ終わったらしく茶碗の上に箸を置き手を合わせてそう言う。

「お粗末様でした。そういえばリィゾから手紙届いてたわよ。」

「え?リィゾさんから?」

「ええ、はいこれ。」

そう言って和樹に便箋の束を渡す。

「え?こんなにあるの?」

その多さに多少驚いている和樹に、

「ああ、ごめん。それ私への報告書も一緒になってるから、和樹個人あては最後の一枚だけだったわ。」

「そっか、さすがにこんなに長々書く事なんてないよな。」

そう答え最後の一枚だけを手に取り読んでいく。

『拝啓 和樹 どうだ元気にしているだろうか?リィゾだ。こちらは特に何の問題も無い。城の者達も皆変わらずに日々を送っている。
所で和樹、近い休みにでも一度こちらに戻って来れないだろうか?
先に何も問題無いと書いておいてなんだがプライミッツマーダー殿やフィナの奴が君と姫に会いたがっていてな。
まあ主に君になのだが、私も暫くぶりに君と剣の勝負もしたい所なので戻ってきてくれると嬉しい。
こちらは何時来ても大丈夫なので早い来訪を期待している。
リィゾ・バール・シュトラウト』

「リィゾさんが近い休みにでも戻って来れないかだって。」

そう書かれている内容を簡単にアルトに伝える。

「そうなの?どうして?」

「なんかプライミッツやフィナさん達が僕らに会いたがってるんだってさ。」

理由を聞いてくるアルトにまたも書いてある通りに説明する。

「ふ〜ん、まあもう2ヶ月近く帰ってないものね。なら一回顔を出しに行く?もうすぐ連休だし。」

「うん、そうしようか。」

そう前にドイツの城に帰ったのはもう2ヶ月前になる。さすがに心配になってきたのだろうと考えアルトに賛成する。

(フィナに罰も与えないといけないしね。)

何やらアルトには他にも思惑が有るようだ。
その手には一枚の便箋が握られている、内容はというと。

『アルトルージュ様ここからは私的な事になりますが、
フィナの奴が暴走し『か〜ずきく〜ん!』と叫びながら城を飛び出し、
そちらに向かおうとしましたので、プライミッツマーダー殿にも協力していただき捕獲、
鎖で拘束し地下室に逆さ吊りにしてあります。
いまはプライミッツマーダー殿も見張りを引き受けてくれており抑えていますが、
このままではさらに暴走しかねません、いや絶対に暴走するでしょう。
何かしらの処置をするためにも一度城に戻ってきていただきたく思うのですが。』

とこんな様な内容が書いてあるようだ。

(まったく、あいつは毎回毎回何を考えているのやら。)

自分を本来守護するはずの二人の騎士の内の1人、白騎士フィナ・ヴラド・スヴェルデンに対し、なんとも言えない思いをいだくアルトだった。

「ところで和樹。」

「え?何アルト?」

急に声を掛けてきたアルトに、いつ行こうかと考えていた和樹はなんだろうと聞き返す。

「今日のお昼はここで食べるのでいいのよね?」

「え?今日は午後まで授業有ったと思うけど。」

午後まで授業が有るなら当然お昼は学校で食べる事になるはずだ。(どうやら普段は弁当も作ってもらっているらしい。)

「今日の午後魔力診断でしょ?どうせサボるんじゃないの?」

「あ、そうだった。」

クスクスと笑いながらそう聞いてくるアルトに、そういえばそうだったと苦笑しながら和樹が返す。

「でしょう?買い物して作っておくから早く帰ってきてね。」

ほら思った通りだというように笑いかけ、腰を屈め下から上目使いで覗き込みながらそう言ってくる。

「う、うん解った。どうせ出てもしょうがないしねサボって帰ってくるよ。」

その仕草にドギマギしながらもなんとかそう返す。

「うん、じゃあ行ってらっしゃい。」

「行ってきま〜す。」

そんなやり取りをしながらいつの間に二人とも移動していたのか玄関を開け和樹を送り出す。

「あ、いけない。」

「え?何?」

急にそう言ったアルトに何か忘れでもしたかと振り向く和樹、そこに。

ちゅ

振り向いた瞬間に顔が目の前に迫ってきたかと思うと、唇を重ねられた。

「アアア、アルト!」

「フフフ、行ってらっしゃい。」

慌てる和樹にしてやったりといった顔をするが、すぐに満面の笑みに戻し今度こそ送り出す。

「行って来ます。」(まいったな〜。アルトってたま〜にこういう事するの忘れてた。)

赤くなっているであろう顔を必死に元に戻そうとしながら寮の出口に向かう和樹だった。

一方それをしたアルトの方はというと、

「えへへへ。」

思いっきり顔を赤くしながらにやけていた。(どうやら自分でも恥ずかしかったらしい。)

「さってと、ちゃっちゃと食器洗っちゃおっと。」

ひとしきりにやけた後顔を両手で叩くと、台所の方にそんな事を言いながら向かうのだった。


和樹の方に視点を戻そう。

ちょうど寮の門を出た所のようだ、

「し〜きも〜りく〜ん。」

「あ、山瀬さんおはよ〜。」

そこに栗色の髪の毛の葵学園の女子制服に身を包んだ少女が話しかけてきた。
彼女の名前は山瀬千早、葵学園の2年生で和樹とは1年の時にクラスが同じだった女の子である。
彼女の方は入学式のある事情などにより和樹に好意を寄せているが、当の和樹本人はまったく気づいていなかったりする。

「おっはよ、式森君。何か良い事でもあったの?」

「え?なんで?」

「ん〜顔がにやけてるというか、なんか幸せそうな感じに見えたから。」

(あ、やば!)

どうやら完全に治せていなかったらしく案の定、顔に出たままだったらしい。

「あ〜うん、ちょっと懐かしい夢を見たからその所為じゃないかな?」

「懐かしい夢?」

「うん。昔のさ,まだドイツに行く寸前の夢とか、行ってすぐに友達が出来た時の夢をさ。」

そう言って慌ててごまかす。さすがに出掛けにキスされて嬉しくて緩んでましたとは言えないだろう。

「へ〜、そんな昔の夢なんだ〜。といよりよく覚えてたね〜。もう10年位前なんでしょ?確か。」

「うんそうだね〜、まあ向こうに行って始めての友達だったしさ、それでじゃないかな?」

そんな事を話している間に校門に着いたようだ。

「それじゃここで、私ちょっと寄る所があるから。」

「うんじゃあね山瀬また。」

校門で別れ下駄箱に向かう途中で、

(ん?あれって仲丸か?あそこって保健室の前だよな〜?何やってるんだ?)

仲丸由紀彦、問題児クラスと言われる2年B組の筆頭とも言われる男、
学業優秀、スポーツ万能なのだけれども、主に陰謀と金儲けにしか興味が無くそれ以外に全く頭を使っていないという、
能力の使い方を思いっきり間違えている男だ。

どうやら壁の方を見てなにやら唸っているようだが?

「お〜い仲丸何やってるんだよ?」

「うお、なんだ驚かせるなよ。我が友式森和樹ではないか。」

思いっきり飛び上がりこっちを見た後にそう言って来る仲丸に対して和樹は。

「何が我が友だよまったく。で、何してたのさ?」

「これを見るといい。」

質問にそう答え壁の方を指差す仲丸。

「これって、別に結界で何も見えないけど。」

「そうだな、その通りだ。だがしかし!」

和樹の当然の返答にうなずき同意するが、すぐに声を張り上げ喋りだす。

「この中には、三年の風椿玖里子がいるはずなのだ。此処で弱みを握れば・・・クックック・・・。」

「はあ。」

なんというか、いかにも仲丸らしい答えに溜息が出てしまった様だ。

(まあ、仲丸らしいと言えばらしいけど。どうせ次に出る言葉は。}

「という訳で手伝え式森。」

(はあ、やっぱり。)「嫌だよ。」

「な、何故だ?何故だ式森!」

想像通りの事を言って来た仲丸に即答で拒否するが食い下がってくる。

「何故って、そんな事で捕まりたくないし・・・何より後ろ見てみろよ。」

「後ろ?」

そう答える和樹の言葉に後ろを振り向く仲丸が見たものは、

「な〜か〜ま〜る〜!」

「まままま、松田!何故ここに!」

炎をせに立つ松田さんの姿だった。

「何故じゃないわよ!仲丸!身代わりを使ってのエスケープ行為と覗き行為は、B組協定第三条第七項に違反だって何度言ったらわかるわけ!?」

「ままま、待て松田、お前いつから権力側についた!?」

「あんたが決めたんでしょうが〜〜〜〜〜〜!!」

「うぎゃ〜〜〜〜〜!!!!」

後ろで聞こえる爆発音を聞きつつ、ちゃっかり安全圏へ移動し教室へと向かう。

(さてと、四時間目まで時間つぶしてさっさと帰ろうっと。)

そんな事を考えつつ、教室へ着くまでに適当な早退理由を考える和樹だった。


━後書き━
はい、こんばんわREKIです。
ある幻想の魔術師と黒の姫君第一話お送りしました〜。
いや〜こんなに早く書けるとは思わなかった(汗
さてさてやっと物語が動き出しました、次回はあの三人娘が来襲いたします。
あの三人にたいする和樹のそしてアルトの対応はどうなるのでしょうか?
それは私にも解りませんw

あと補足説明ですがこの話のアルトは結構純情です。
はい僕のオリジナル設定ですね完璧に。
いや〜お姫様だし身持ちは固くてもおかしくない!という持論の元
こういう設定にさせていただきました(大汗
原作と全然違うじゃないかこのやろ〜!と言う方はいると思いますが、ご都合主義という事で^^;
もともとあの世界に生涯魔術回数なんて物は無いわけですし、
よくにたパラレルワールドとでも思ってくれるとありがたいです^^;
では言い訳の様な補足説明が終わった所でレス返しさせていただきます。

D,様
レス第一号ありがとうございます。
記憶の改編はないと思います。キシャー化はあまりさせるつもり無いですし。
なったらなったでアルトと全面衝突に絶対なりますんで^^;
和樹はアルトを傷つける相手を、アルトは和樹を傷つける相手を許しませんので。
(よっぽどの理由がなければですが。キシャーの嫉妬じゃ絶対許しませんがね^^;)
千早は今出てきたような仲の良い友達(千早からの片思い)状態です。
他の方々には近々少しづつ文中で語ってもらう予定なので待っていてくださいね。

皇 翠輝様
はじめましてREKIといいます。
まぶらほSSに月姫系SSともに初めてですががんばりますのでよろしくお願いします。

ケルベロス様
そうですね〜エロゲーの主人公でもないファンタジー物でここまで不幸な奴は居ないでしょうからね〜。
大丈夫ですアルトは基本的には和樹第一主義なので、色々がんばってくれるでしょうw
さてさてこの先どうなるか作者であるREKIですら解ってませんが、
なるだけがんばるつもりなのでよろしくお願いします。

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