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「幻想砕きの剣 1-1(DUEL SAVIOR)」

時守 暦 (2005-06-13 17:43)
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幻想砕きの剣 第一章 一節
       うえるかむ アヴァター


「んなっ…!? こ、ここは!?」

「お、お兄ちゃん……これ、何かの冗談だよね……ね?」


 辺りは見渡す限りの黒。
 その黒が、光がないゆえの暗闇の色だと気付くのに、それほど時間はかからなかった。
 上も下もない。
 左右と前後くらいならあるが、それは自身から見た相対的な感覚でしかない。

 大河と未亜は、時空の狭間を漂っていた。
 もっとも、2人にはここが時空の狭間だとはわからないし、何が起こったのかも理解できてはいない。

 ただ、2人は離れまいと、必死に互いの手を握っていた。


「ねぇ、ねぇお兄ちゃん!
 冗談だって言ってよ!
 何でこういうイタズラとナンパにばっかり根性出すの!
 この前もあの時も、ハリウッドの世界に紛れ込んだかと思ったんだからね!
 もう十分すぎるくらいに騙されたよ!
 いつもの冗談なんでしょ、お兄ちゃん!?
 っていうか、こんなイタズラしかける暇があったら試験勉強してよお兄ちゃん!」

「…………(汗)」


 大河、お前は普段ナニをやっているんだ?

 錯乱している未亜と違って、大河にはまだ余裕があった。
 なぜなら、大河はこの空間に馴染みがあったからだ。


「お兄ちゃんっ!」

「未亜……ちょっと、黙ってくれないか…」

「! ……お、おにいちゃ…」


 拒絶とも取れる言葉にショックを受けたのも束の間、大河の目に宿る光を見て息を飲んだ。

 大河が歯を食いしばる音が聞こえる。
 大河は、思いっきり息を吸い込むと、未亜が一度として聞いた事のない声を張り上げた。


〔おいっ!
 聞こえてるか!
 こりゃどういう事だ!?〕


 まるで響き渡るイカズチのような、反射的に畏怖が込みあがるような怒声。

 未亜は思わず大河に全身で抱きついた。
 大河は未亜の頭を撫でてやりながら、なおも声を張り上げる。


〔よりにもよって未亜が居る時にとは、どういう了見だ!?
 返答によっては俺も相応の行動をとるぞ!
 “契約”の条件に、“未亜を危険に晒さない事”と明記しただろうがッ!
 何とか言え!
 どういうつもりなのかと聞いてるんだ!〕


聞いてるんだ…

…いて…んだ…

聞……るん……

…いてる………


「あ、やまびこだ…」


 大河に抱きしめられて、少しは余裕が戻ったのか、未亜は暢気な口調で呟いた。
 大河の台詞に、聞きたい事や気になる事は山ほどあったけど、今はそれよりもこの状況を突破する事が先決だった。

 大声を出しすぎたのか、肩で息をしている大河は、そのまま耳を澄ませているようだ。
 それにならって、未亜も目を閉じて耳を澄ます。
 既に山彦は聞こえないが、意外にも音がないわけではなかった。

 かろうじて聞こえるほど小さく響く“それ”はまるで、“それ”自体では何の意味も持ってなくても、幾つもの“それ”と合わさる事で無限の音を響かせるような、無視できない存在感を持っていた。

 何となく未亜がそれに聞き入っていると、別の音が聞こえてきた。


――― アニー ラツァー… ラホク シェラフェット…


「!お兄ちゃん、何か音が…ううん、声がするよ!」


――― ゲルーシュ フルバン… ゲルーシュ アツーヴ…


「わかってる……でも、この声はいつもと違う…これは一体…」


「? お兄ちゃん…? 一体何を言ってるの?」


――― ベソラー コハヴ… シェラヌ ティクヴァー…

 声は段々はっきりと聞こえてくるようになった。
 何処となく荘厳な声は、未亜と大河の緊張を少しずつ引き立てる。


――― 新たなるメサイアよ、アヴァターへと誘わん…。


 光が一筋もなかった空間に光の爆発が起こった。
 そして、もう一声…今度は別人の声で。

――― お〜いで〜ませ〜救世主♪


「そこで落とすかああぁぁぁっ!」

「え?え?お、落ちるううぅぅぅ〜っ!?」


 言うまでもないと思うが、大河の言った「落とす」と未亜の言った「落ちる」は意味が違う。

 何とも言えない脱力感と、自由落下特有の感覚に、2人は気を失った。


………………………

………………

………


大河が意識を取り戻したとき、最初に行ったのは再び瞼を閉じる事だった。

 彼の片腕には、相変わらず誰かがしがみついている感触がある。


“未亜だ。
 コイツの感触を、俺が間違うはずがない。
 …いや、俺が女の子の感触を間違うはずないんだけど”


 幸いな事に、未亜の体は大河の正面に位置しているようだ。

 うっすらと目を開けて、瞼の間からまず未亜を見て、異常がない事を確認してから周囲の観察をする。


“これは…なんだ?
 地面に描かれた、所謂魔方陣…生贄用じゃあるまいな…。
 周囲に人影は…少なくとも、俺の見える範囲には居ないな。
 取り敢えずは安全か?”


 大河は素早く起き上がり、何時でも未亜を庇える位置に立って、周囲を睥睨した。
 誰も居ない。
 もしやと思って上を見上げても、人の気配は全くない。

 目に入るのは、幾本もそそり立つ円柱と、首が痛くなるほどに高い天井。
 煌々と燃える炎が影を作り出す。
 日の光が差し込んでいるのを見ると、夜ではなさそうだ。

 周囲の確認をした大河は、とにかく未亜を魔方陣の上から退ける事にした。
 状況からして、この魔方陣が自分達を召還したと考えるのが妥当だが、用心しすぎという事にはなるまい。
 自動で生き物を呼び出し、そのまま生贄にするという事も考えられるのだから。


 お姫様だっこで未亜を抱き上げ、魔方陣を出た時に、未亜の瞼が動いた。


「ん…お、お兄ちゃん…?」

「起きたか。 体は大丈夫なのか?」


 ゆっくりと未亜を床に下ろし…未亜は名残惜しそうだったが…大河はやっと自分の体の点検を始めた。


 手足はある。
 視覚、聴覚、触覚、味覚もOK。
 未亜からリンスの匂いが漂ってきたから嗅覚も問題ない。
 男のシンボルも調子よさ気。
 オールグリーン。


「俺は大丈夫みたいだな。
 全てのシステムが正常である事を宣言しますってか」

「私も。
 それより、ここドコなの?」


 2人で周囲を見渡すと、改めて周囲の景色に圧倒された。

 とてもではないが、日本では見られそうにない形の建築物。
 一見すると、巨大な塔であろう。


「なにこれ…? こんな建物、日本にあったの?」


「俺が知る限りじゃ無いなぁ。
 幾つか案は出たらしいんだけど、その殆どが予算の都合とかで潰れたって話だし。
 そもそも、ここは日本じゃないのかも…」


「へ? じゃあドコだっていうの?
 大体、私たちは日本のコンビニ前に居たんだよ。
 空港でもないし、バミューダトライアングルみたいに人が消える場所でもないし、北○鮮に攫われたわけでもないみたいだし」


「それを言ったら、さっきの空間は何なんだよ。
 もしあれが異次元とか次元の狭間とか時の最果てとかだったら、何処に放り出されたっておかしくないだろ」


「そうねぇ〜ん。
 私はその空間に行ったことはないんだけど、何処に出てもおかしくないのは同感よぉ〜」


「だろ…?
 って何奴!?」


 突然会話に割り込んできた声に、大河は身構えた。
 無論、未亜の背後や上にも注意を配るのは忘れない。
 声の出所を誤魔化す方法など、原始的なものからハイテクまでいくらでもある。

 しかし、今回はその心配は不要であった。


ボイン

 とりあえず揺れる乳。


「おおうっ!?」

「お兄ちゃん?(怒+冷)」


 反射的に目をやった大河を、凍てつく波動で正気に戻す未亜。

 巨乳は…もとい巨乳の主は、2人の様子など構いもせずにボヤいている。


「聞いてないわよ〜。
 今日召喚の儀があるなんて、リコは一言も言ってないのに〜」


 間延びした口調で喋るその乳…もとい人を見て、大河は警戒心満載だった自分が滑稽に思えてきた。


(いやいや、間延びした口調だろうと、魔乳の持ち主だろうと、ヤバイ奴は容赦なくヤバイのがこの世界。
 油断は禁物…。
 しかし、でかい……)


 未亜の凍てつく波動にもめげず、油断は禁物と言いつつ油断しているバカが一人。
 ある意味集中してはいるのだが。


「ま、いいか。
 ようこそ救世主。
 根の世界、アヴァターへ♪」


未亜はその人物に……というよりも、その乳に敵愾心を抱いたようだった。
女として負けたぁ〜、と思ったのだが、それは心の棚にしまっておく。


「お兄ちゃん、この人…」

「ああ。
 さっきの空間で、最後にシリアスをぶっ壊してくれたあの声だ」

「違う……いや、違ってはいないけど。
 私が言いたいのは、この人電波っぽい…」


 未亜、容赦なし。

 冷や汗を垂らす大河を放置して、目の前の乳が喋った。


「あなた達こそは、4人目と5人目の救世主候補よ〜」

「未亜…電波だ」

「お兄ちゃん…毒電波だよ」


 恐れ戦くような二人の視線を受けて、少々傷ついたように体を揺らす。
 ……無論乳も揺れる。

 既に大河の目は釘付けで、未亜は敗北感からか目を逸らしている。


「ああん、ひどい〜。
 お嬢さん達、幾らなんでも電波は酷いわ〜。
 私は受信なんかできないわよ〜」

「む、電波にも通じるネタがあるのか。
 コミュニケーションは取れるという事だな」

「送信はできるけどね」

「できるんかいッ!」


 笑顔でのたまう乳改め電波乳に、反射的に突っ込みを入れる大河。
 裏手で突っ込みを入れる際、無意識のうちに胸を揉もうとしたのは、本人を含め誰も気付かなかった。


「具体的に言うと胸の揺れで」


 どんな電波だ。


「お兄ちゃ〜ん、やっぱりコミュニケーションなんて無理だよ〜!」

「ぬ、ぬぬぅ……さすがに危険な試みだったか」


 冷や汗を垂らす2人をよそに、乳は何故か体を上下左右に揺らしている。
 やたらと大きな乳が、体に合わせてボヨンボヨン跳ねる。

 男として嬉しい事この上ない光景だが、全体像を見ると不気味である。


“あたしはダリア。
 ここの戦技科教師をしているの。
 よろしくね”


 突然大河と未亜の脳裏に、目の前の乳の声が走った。 


「う、うおおお!?
 な、何だ今のは!?
 幻聴!?幻聴なのか!?」


「ち、違うよ!
 きっと今のが脂肪電波なんだよ!
 さっきからこの人……ええと、ダリアさんが踊ってたのはこの電波を出すためなんだよ!」


「はぁ〜い、大正解〜♪」


 ある意味悪夢のような話だ。
 見たくない物を見た、と言わんばかりに2人はジタバタ暴れている。
 もっとも、大河としてはイイ物を見た、と思っているかもしれない。


「はいはい、2人して踊ってないで、いい加減にこっちの話も聞いてちょうだ〜い。
 じゃないと、お嬢さんたちに指導と称してあんな事やこんな事をしちゃうわよ〜」


 ワキワキと指を動かし、捕食者入った目つきで2人を見る。
 同時に唇をペロリ。

 未亜の背筋に悪寒が走った。
 ついでに大河の下半身に妖しい期待がちょっと走った。
 指導とやらに興味を持ってしまい、わざとオシオキされてみようかと考える始末。


「あ、あんな事やこんな事やアレな事!?」


「アレな事は言ってないよ!
 っていうかお兄ちゃん、お兄ちゃんが手篭めにされるために私がネコになるのは御免だよ!」


「俺が手篭めにされるのはいいのか!?」


「大丈夫!
 ヘンな性癖を植えつけられても、私が愛の力で更正させてあげるから!」


 と言いつつ、何の躊躇いもなく大河を盾にする未亜。
 どうやら兄の貞操よりも、自分の性癖を守る事のほうが大事らしい。

 しかしダリアはというと、何かショッキングな事でもあったのか、いつの間にかフリーズしている。


「えーと……あの、ダリアさん?
 どうかしましたか?」


 たっぷり30秒はフリーズした後で、ようやく言葉を取り戻した。


「おにい…ちゃん?」


「そ、それがどうかしましたか。
 お兄ちゃんは私のお兄ちゃんです!」


 何やら未亜がハッスルしている。
 どうやら、ダリアが大河に興味を示したと思い、触れるなとばかりに威嚇しているようだ。
 でもやっぱり大河を盾にしている。


「おにいちゃん、で間違いないの?
 おねえちゃんじゃなくて?
 実は家のために男装の麗人として育てられたとか?」


「間違いなくお兄ちゃんです!
 ついでに言うと、お兄ちゃんにベル薔薇は似合いません!
 そもそも、どうやったらお兄ちゃんが女の子に見えるんですか!?」


「てっきり整形したか、男性ホルモンが過剰に分泌されていると…。
 まさか本当に男だったなんて…」


 何故そんな発想が出てくる。


 野生の猫ばりに威嚇する未亜。
 今にも爪を伸ばしそうだ。

 しかし、ダリアはそれ所ではないらしく、見事な程に凍っている。
 胸を叩けば、世にも珍しい音色を立てると思われる。

 ちなみに大河は、未亜の迫力にビビって置いてけぼりだ。


「……ま、まあいいわ。
 その辺は学園長に相談すればいいんだし…」


 大河と未亜は知らなかったが、要するにそれは面倒事を押し付けただけである。


「何はともあれ、お嬢さん。
 あなたはこの世界を救うメサイアの候補に選ばれたの!
 おめでとう〜!」

「興味ありません」


「ああん、超クール〜。
 っていうか、氷河期ね〜」


 未亜の冷たい言葉にもめげずに頑張るダリア。
 乳に比例して根性もあるようだ。


「えーと…そこの乳改め電波乳こと…ダリアさんだっけ。
 アンタ、いきなり何をワケのわからん事を言ってるんだ?」

「ワケわからないはないでしょ〜?
 救世主候補よ、救世主候補〜。
 年末ジャンボ宝くじで一等を当てるより難しいのよ〜。
 なんたって、全次元を合わせても、あなたを入れて4人しかいないんだもの〜」


 ダリアの視線の先には、相変わらず未亜が大河の後ろに隠れている。
 表情は、威嚇するネコから環境の変化に戸惑うハムスターに変化していた。


「え、えーっと……私、そんなにクジ運良くも悪くもないし…。
 それに、平凡な一般市民の私が救世主なんて何かの間違いですよ。
 だからチャッチャと帰らせてほしいんですけど」

「ファンタジーだなぁ……(俺はもう慣れたけど)。
 それに、今何気に俺を無視しなかったか?
 たしか、さっき4人目と5人目の候補者とか言ってたろ。
 なのに何で4人しかいないんだよ」


 大河改め未亜の壁は、話についていけないような顔をして、その実ダリアをこっそり観察していた。
 ……しかし、その視線はダリアの表情と乳を毎秒100GHzの速さで往復しているのであまり意味はない。


「……?
 アナタ達……アヴァターには了承して来たんじゃないの?」

「了承って……人をいきなり拉致しておいて、何を言ってるんですか!?」


 未亜の怒りが再度燃焼してきた。
 相手に話が通じる事がわかって、少しずつ強気になってきているようだ。
 相手が理屈の通じない電波人である(かもしれない)事は忘れているらしい。


「拉致って、人聞きが悪いわね〜。
 それはともかく、ひょっとして何も聞いてないの?
 救世主の事とか、アヴァターの事とか、赤の書の事とか…リコから何も聞いてない?」


「赤の書?
 やたらと分厚くて古びた赤い本なら見たぞ」


「そうそう、ソレよソレ。
 それが赤の書よ〜………で、やっぱり何も聞いてないの?」

「聞いてないも何も!」


 ようやく未亜が大河の後ろから出て、今度はダリアに詰め寄った。


「お兄ちゃんが赤い本を拾って開いたら、いきなりヘンな真っ暗闇の中に飛ばされて!
 そしたら声が聞こえて…かと思ったら、今度は何かが光って気絶したのよ!
 なんなのアレ!?
 照明弾!?
 私たち、王蟲の子供なんて連れてないわよ!」


「落ち着け」

ゴキッ

「うきゅっ!?」


 ヒートアップして錯乱しはじめた未亜を、強引にクールダウンさせる大河。
 ただし代償は未亜の首に。

 首筋をおさえて座り込んだ未亜を放っておいて、大河はダリアに向き直った。


「……とにかく、聞いた通り、俺たちは本を拾ったら唐突にヘンな空間に放り出されたんだ。
 赤の書なんて、一瞥しただけで聞いたこともないし中身も読めなかったし、救世主なんて映画と聖書の中ぐらいでしか見た事がない。
 リコなんて名前、聞いたこともないな。
 察するに可愛い女の子の名前だと思うんだが、そこんトコどうだろうジェニファー?」


「それは察してるんじゃなくて、単なるアナタの願望よ〜。
 でもイイ勘してるわよスティーブ。
 リコは無口でとっつきにくいけど、とっても可愛い女の子よん」


「ならば好し! ……未亜、足を万力のような力で締め付けるのはやめてくれ」


 ついでに貞○のような目つきで、上目遣いに睨みつけるのも勘弁してほしい。
 大河は、出てはいけない何かをちょびっと漏らしそうになった。
 ちなみに大小ではなくモツ(内臓)の事なので悪しからず。


「でもおかしいわねぇ。
 召喚するときには、リコはちゃんと報告するし…。
 いつもなら、召喚した後にも安全が確認されるまで塔の中にいるんだけど…」


「なんだかよくわからんが、俺が起きた時には誰もいなかったぞ。
 可愛い女の子はおろか、虫一匹も見当たらなかった。
 つうか、俺の疑問に答えろよ。
 最初はその…救世主候補とやらの勘定に俺も入れてたのに、なんでいきなり無視なワケ?」


「その辺りは後で話すけど……どうなってるのかしら…」


 よくわからないが、気まずい沈黙が周囲を支配した。
 ダリアは虚空に視線を投げて何か考えているし、未亜は空気を察したのか、首筋を抑えたまま動こうとしない。
 結果として、大河の胃だけが負担を被った。

 結局、ダリアの能天気な声で沈黙は破られたが…。


「え〜っと、アナタ達には黙秘権もないし基本的人権も認められていません。 
 だからこの場で洗いざらいゲロしなさい」


「弁護士を呼べぇ!
 徹底的に控訴して、賠償金を搾り取っちゃる!
 ってか、むしろその乳を搾らせろ!
 そもそも何を吐けというのか!
 液か?液なのか!?」

 液って何の。


「あっはっは、軽い異世界ジョークじゃな〜い。
 案外通じるモンねぇ。
 さて、それはともかくどうしたモノかしら…」


 ダリアは再び宙に視線を彷徨わせる。

 ちなみに、先ほどの『絞らせろ』発言により、未亜が大河の足を締め付ける力が段階的に増していっているのだがそれはスルー。


「ん、いいわ。
 とりあえず学園長室に行きましょうか。
 正直言って私じゃ判断に迷うし、どっちにしろアヴァターの事も話しておかなくちゃいけないしね。
 ついていらっしゃい」


 振り返って、外と思われる方向へ向かうダリア。
 大河達から見えなくなったその表情には、困惑がありありと浮かんでいる。
 ただし、以下の文も油性ペンで描かれていた。


(まあいいわ。
 全部学園長に押し付けるから)


 それでいいのか教職者。


「ほらほら、早くついていらっしゃ……何やってるの?」


 ダリアが催促しようとして振り返った先には、未亜の胸元に手を入れたまま、タイガーアッパーカットを喰らった大河が気絶していた。


「ほ、本格的に感じちゃうかと思ったじゃない!
 足を離してほしいなら、どうして一言謝って『離してくれ』って言わないの!」


 …どうやら、足を締め付ける力を弱めようとして胸に手をやったらしい。
 未亜はようやく、ダリアが呆れた目つきで自分達を見ているのに気がついた。


「はっ!?
 す、すいませんこんな所で破廉恥な…。
 えっと、違うんですよ、いつもはこんな事してないんですよ!?
 お兄ちゃんは先天性セクハラ中毒症ですけど、ちゃんと理性で押さえ込んでますから!
 さっきの不埒な発言は、単に環境が変ったせいで動物みたいに気が立ってるんです!
 悪気はないけど、ただ単に生まれたときからえっちいだけなんですぅ!」


 庇っているのだろうが、未亜は大河の心がデンプシーロールを喰らっているのに気付いてない。
 気絶しているというのに、体がビクビク跳ねている。
 未亜のあまりの必死さに、ダリアも居た堪れない気持ちになったのか、軽口を叩く。


「あ、あっはっはっは、わかってるわよ〜。
 それよりも、早くお兄さんの手を抜いちゃった方がいいんじゃない?
 ワキワキ動いてるわよ」


「え?
 へ、はぅん!
 ちょっとお兄ちゃん、やめて…気絶してるんだったら大人しくしてよぉ!」


 未亜の顔があっという間に赤くなり、声にも艶かしい響が入り始めた。

 なんだかよくわからない義務感に引き摺られて、ダリアは再び軽口を叩く。
 ……正直な話、このまま放っておくのも面白そうだと思ったのだが。


「あらら、お兄さんはテクニシャンねぇ。
 一人寝の夜は寂しいし、今度借りても「お任せください!僭越ながら当真大河、全力を持ってこのデカ乳をm「お兄ちゃんッ!」


ィ……イィィイ……ィイーン…………


 どっかのセクハラ少年が乗り移ったような大河に、未亜は激情のままに突撃する!
 その両手は、無意識に“ソレ”を持っているかのように開かれる。


「ちょっとアナタ、ソレは!?」


 何処からともなく集ってきた光は、とうとう未亜の手の中で形をとった。
 アーチェリーのような形の弓。
 幾つかの装飾がなされて、一見すると儀礼用にしか見えないのに、確かに戦うための武器であるとわからせる、その存在感。

 ダリアの驚愕の声もよそに、未亜はその名を口にした。


「ジャスティッ!」


 ドカン


………………………

………………

………


 やけに冷たい風が、大河の頬を撫ぜる。
 ぼんやりとした大河の意識は、心地よい冷気に包まれて徐々に覚醒し始めた。


―――風は適度に冷たくて。
    太陽の日が燦々と照りつける。
    空気は生暖かくて、二度寝に最適。
    おやすみなさい……。


 失礼、どうやら覚醒し始めたが途中で止まっているようだ。
 しかし、再び眠りの世界に入りそうな意識を引き止めたものがある。


(ぬぅッ!
 こッ、これはぁっ!?)


 人肌のぬくもり。
 どうやら、自分は誰かにおんぶされているらしい。
 しかも……。


(スベスベして柔らかくて、それでいて包み込むような餅肌……。
 しかもどことなくエッチっぽい!
 間違いない、極上品であるッ!
 こんな肌を持っているのは、絶対に美人だ!
 それもきっと性格のいい美人だ!
 とくれば、漢・当真大河、やる事は一つ!)


 どうやら、意識はほぼ完全に覚醒したらしい。
 ただし偏った方向に。

 それはそれとして、大河は寝たフリを続けたまま、大胆に手を動かした。
 傍から見ると、強風に煽られて手が動いた程度にしか見えなかっただろう。
 だがしかし、大河の手は確実にターゲットを捕獲した。


          むにゅ


「あ、あぅん!?」

「へっ?」


 二つの声。
 一つは、今大河がイタズラしている……具体的にいうと胸を揉んでいる……人物の声であろう。
 もう一つの声は、聞き間違えるはずもない、慣れ親しんだ声。


「ぅんっ、くっ、あ、はぁん」


 大河を背負っている誰かが身をよじって悶えている。
 そのせいで大河を落としそうになっているが、大河はこっそりと重心を移動させて、安定した位置をキープしている。

 にもかかわらず、何やらぐらぐら揺れている気がするのは何故だろう。


(……というかヤバいんじゃないか、この状況…。
 ここが何処なのか知らんが、さっきの声は間違いなく未亜だぞ…。

 アイツは俺の寝たフリをしてても、7割くらいの確立で看破しやがるし、そもそも目の前でこんなイタズラしている所を見られたら、意識の有無に関わらず、超絶級のお仕置きが決定しちまう…。

 しかし、しかしだ!
 どっちにしろお仕置きが待っているのなら、敢えて進むのが漢の道!
 特に今回は進んだほうが気持ちいいしなッ!

 ってなワケで、さらに本格的にモミモミモミモミッ!)


 筆者としては、同じ男性として彼の判断を否定しきれない。
 倫理的な問題は置いておくとして、青少年が色に弱いのも、どっちを選んでも茨の道ならば突き進むのも、なんと言うか『賞賛5割呆れが2割残った3割は我関せず』くらいのシンパシーを感じる。
ここで全面賛同できるようになったら、漢の道の入り口に立ったと思っていい…かもしれない。


 しかし、今回ばかりはタイミングが悪かった。


「ちょっ、ちょっと待って、大河く、ああぅっ!
 しゅ、集中、がっ……あああん!」


 ぐらぐらぐらぐらぐら。


 大河が一揉みするごとに揺れが大きくなっている。
 次いで、大河は顔を肌に……多分うなじと思われる……に擦りつけ始めた。


「ちょ、ちょっと、本当にヤバイって…ああ、あうっ!
 み、未亜ちゃん!」


「はっ、はいいぃ!
 ちょっとお兄ちゃん、起きて!
 っていうか、顔を擦り付けるのと手を動かすのやめて!」


 そう言うや否や、大河の手は未亜によって引っこ抜かれた。 
 大河は眠っている筈なので、割と非力な未亜の腕にも逆らえない。
 桃源郷もここまで、と後の地獄を覚悟する。


「お、おにいちゃんっ!
 ダリアさんから離れてこっちに来て!
 この際怒らないから!
 頼むから目を開けて、自分が何処にいるのか把握してちょうだい!」


(?)


 予想していたのと少々違う内容に、大河はうっすらと目を開けた。


「ん…なんだよ…うるせーなぁ…」


 こんな時でも、『俺は寝ていた』とアピールする姿勢には感嘆するべきか。
 間違いなく無駄になる、という事は本人にも分かっているはずだけれど。


(え〜っと…未亜?
 あれ?
 怒ってない……むしろ涙目になってるぞ?
 そりゃ、目の前で他の女に手を出したのは悪かったけど、それだけならいつも通りに鉄拳が飛ぶはず…。

 そういえば、俺が胸揉んでたのは誰なんだ?
 ……あー、確かダリアこと乳…逆だっけ?
 性格のいい美人じゃなくて、いい性格した美人だったな…。

 …それはともかく、俺が今何処にいるのかだって?)


 顔を上げ、眼を開いて正面を見る。
 山と、山にかかる雲が見えた。


 左を見た。
 遙か彼方の山脈と、真っ直ぐに続く道が見えた。


 右を見た。
 ……険しい山が見える。


 後ろを見た。
 空しかない。


「……ここは何処だ」


 呆然と呟く大河に、未亜は金切り声を上げた。


「下! 前後左右はいいから下を見て!」

「?」


 ……出来のいい箱庭が見える。
 結構大きくて、小さな人間らしい物体がうろちょろしている。


(あはは〜、いい出来だな〜。
 誰がこんなの作ったんだ?

 あんな小人みたいな大きさの人形を動かして、RPGゲームみたいな街を一つ再現するなんて…。
 うん、きっとマニアに違いない。
 探し出してエロゲのキャラクターでも作ってもらおう…………って)


「は、箱庭でもなきゃパノラマでもねえーッ!?
 ってか海抜何メートルなんだここはーッ!?
 そもそもどうやって浮いてるんだーっ!」

「海抜なんて知らないよー!
 落っこちたらバラバラになる高度だとしかわからないよー!」

「それだけわかってれば十分……あんっ、しゅ、集中力が切れちゃう…。
 落ちちゃったら大河君のテクニックのせい…はぁうっ!」

「おぅわぅああっ!?」

 大混乱。


 ジタバタ暴れる大河を未亜が羽交い絞めにして、ダリアが急いで降下に入った。

 しかし、どうやら体が火照って集中が邪魔されているらしい。
 制御に少々失敗したらしく、100メートルほど自由落下して、再び止まる。
 もしこのまま落下してペチャンコにでもなろうものなら、大河はセクハラテクニックで自分の首を絞めた男として語り継がれるかもしれない。


(ヨコッチじゃあるまいし、そんな情けなさ過ぎる語られ方は御免じゃあっ!)


 大河の叫びが天に届いたか、残り50メートルくらいまでは問題なく降下できた。
 ちなみにヨコッチとは、大河のバイト中に知り合ったスケベ仲間である。
 言うまでもなく、あの煩悩小僧だ。

 しかし。


「も、もうダメ……集中力が…」

「ええっ!?」

「ど、どうにかならないんですか!?
 っていうかお兄ちゃん!
 いったいどんな事までしたの!?」

「ああああああああ未亜怖いぞ」

「ちょ、ちょっと静かにしてよ…。
 3人抱えてちゃ地上まで保たないわ……。
 せめて2人程度なら…」


 一拍置いて、未亜とダリアは大河を見た。


「くっ、やはりそうくるか…」

「ごめんねぇ大河君……でも、そもそもの原因はアナタだし…」

「お兄ちゃんなら、きっと大丈夫だよね?
 大丈夫、ちゃんと看病してあげるから」


 はっきり言って、選択の余地はない。
 コメディ風味ではあるが、実際はとても切羽詰っている。

 ダリアは既に限界。

 人数を一人減らすのは、即ちその人物を見捨てるという事。

 術者のダリアを外すのは論外。
 残った大河と未亜だが、大河としては最愛の妹を見捨てるわけにはいかない。
 未亜としても、この世界よりも大切な大河が死ぬような事でもあれば、ほぼ確実に後を追う。

 一見するとコメディでも、その実シリアス極まりない。
 ……素面に戻らず勢いのまま突っ切れば即解決だったかもしれないが、戻ってしまったものは仕方がない。


「……わかった。
 俺が外れる。
 未亜を頼んだ」


「……勝算はあるのね?」


「おう。
 十分だ」


「お兄ちゃん……大丈夫だよね」


 不安げな光を目に宿す未亜の頭を撫でて、大河は言った。


「心配するな。
 俺はここから自由落下したって生き残る自信があるぜ。
 ま、それはちょっと痛いからなぁ…。
 じゃ、下で会おう」


 ダリアは既に目を瞑り、周囲の雑音すら聞こえなくなる程に集中している。

 大河は未亜を一瞥して、勢いよく宙に飛び出した。 
 空中でどうやって姿勢の制御やら勢いをつけるための助走やらをやったかというと、未亜の手と肩を踏み台にして飛び出したのだ。


(お兄ちゃんっ!)


 ぎゅっと目を瞑って一瞬だけ祈り、すぐに目を開いて大河の姿を焼き付けた。

 未だ宙を舞っている大河の進行方向には、巨大な建築物………先ほど未亜と大河が召喚された、召喚の塔が聳え立つ!
 太陽を背に、追い風を受けて宙を駆ける大河の姿は、まるで神話を描いた一枚の絵のようだった。

 ………ただし、彼のセクハラが原因で大ピンチに陥った事を考慮に入れなければ、だが。


(とどいて…とどいて………届いた!)


 未亜の視線の先で、大河は召喚の塔に見事取り付いた。
 そのまま、空いている窓(?)から塔に入っていく。


(よかった………お仕置きするまで死んじゃだめだからね、お兄ちゃん)


 塔を駆け下り、未亜達の降下地点に向かおうとした大河の背中に、最大級の悪寒が走った。

 結局ダリアと未亜は無事に着地した。

 未亜は走ってきた大河を捕獲して、お仕置きにジャスティの実験台になる事を命じ、今度ばかりは大河も大人しく受け入れた……ただし、ジャスティなるものがなんなのか知らなかった大河は心底後悔したが。


「お、怒らないって言ったやないか…」


「怒ってないでしょ。
 お仕置きしただけで」


 ダリアはというと、「濡れちゃった…」と呟いて、何処かに走り去ってしまった。
 着替えとか色々して来るから待っているように、とのことである。


………………………

………………

………


「………何かあったのですか?」


学園長のミュリエルは、珍しく困惑顔だった。

リコからの報告にない救世主候補の出現には、少なからず戸惑った。

 しかし救世主候補以外にも、召喚や逆召喚は無いわけではない。
 リコが召喚術を使って戦うように、何者かを遠方や別の次元から引きずり出す術も幾つかある。
 その際に術者の力量が足りなければ、次元を越える際に、時間のズレに嵌まり込み、長い長い時間を越える事も(低確率ではあるが)有り得るのだ。

 恐らく何処かで行使された召喚術が失敗し、偶然それに巻き込まれた人間が、召喚の塔にある魔方陣に引っかかってしまったのだろう。
 自分ながら無理のある解釈だと思ったが、報告によると別段不審な点も見られないそうなので、取り敢えずはそれで納得しておくことにした。

 ともあれ理由はわからないが、召喚の際にリコが唱える呪文を耳にしているそうだから、救世主候補には違いあるまい。

 ダリアからの伝令で、アヴァターの事を説明しながら学園町室に向かう、と伝えられたのが1時間前。
 どんなにゆっくり歩き、詳しく話しても、30分もあれば学園長室には到着する。

 ダリアがアバウトなのは何時もの事だが、これは少々度が過ぎる。 
 叱責しようと思ったが、ダリアが連れてきた2人を見てその考えは吹き飛んだ。

 ダリアの顔が赤いのはともかくとして、少年……たしか当真大河だったか……がボロボロになっているのはどう云う訳か。
 その大河を支えるというか、引き摺ってきた少女…当真未亜と名乗った…は、明らかに拗ねている。


(一体何があったのかしら……)


 なにやら自分の知らない所で、ドラマチックというか面白い事があったようだ。
 その場に居なかったのが少々悔やまれる。
 ミュリエル・シアフィールド、厳格かつ公平な学園長ではあるが、女としてゴシップには結構反応する。


「ええと……ダリアから、アヴァターの事は聞いたかしら?」

「は、はい!
 私達の住んでいた世界じゃないって事も理解しました!」


 基本的な説明は済んでいると聞いて、ミュリエルは内心胸を撫で下ろした。

 納得していない人にとっては、これからする話はどう考えても絵空事でしかない。
 もしそうならば、実際に街を見せたりして現実を突きつけなければならないのだが、これがまた面倒臭い。

 私情を殺せるミュリエルといえども、面倒臭いものは面倒臭い。


「この世界は、常に生産と破壊の間を揺れ動いています。
 破壊がなければ新たな生産は行われないし、生産が行われなければすぐにでも死滅するのは…あらためて説明するまでもないわね?」

「……」

「……」


 大河と未亜は沈黙したままだ。
 未亜がコメントに困っているのに対して、大河は単に口を開くのがしんどいだけだ。
 どうやらジャスティの破壊力は、大河にとっても少々キツかったらしい。


「世界のシステムは、もっとも単純なこの2つの力の均衡で保たれています。
 そして、その2つの力の均衡を生み出している世界が、この根の世界アヴァターなのです」


「……」
「……」


「少し…難しかったかしら?
 というか、大河君……生きてる?」


「ウーイ……息してマース」

(……本当に大丈夫かしら……)


 未亜とミュリエルの顔が、期せずして同時に引きつった。
 何があったのか、ダリアに目で問いかけるが、こちらは虚ろな笑いで返された。


「……ま、まぁ無理もないわね。
 事前説明もなしにいきなり召喚しちゃったみたいだし。
 ダリア、リコからは何か聞いてないの?」

「それがぜぇ〜んぜん。
 今日は姿も見てませんよ」


 どうやら、ミュリエルは不思議空間を勢いで突破することにしたようだ。
 深入りしないのは賢明な選択だろう。


 あうあう呻いている大河を放っておいて、未亜は状況の把握に乗り出した。
 単にジャスティの威力が予想外に強かったため、自らが生み出した惨劇から目を逸らしたとも言う。


「あ、あの……ここは、私達の住んでいる世界とは別の世界なんですね?」

「あなた達の世界でもあり……また別の世界の姿でもある。
 そうね……宇宙の真の姿は、1つの人間の体みたいなものだと考えてちょうだい。
 人間の体は、無数の細胞で出来上がっているけれど、あなた達が住んでいる世界はその細胞の一つにすぎない……」


 未亜の話に、ミュリエルはこれ幸いと乗ってきた。

 乗られた未亜は、流れ込んでくる電波に目を白黒させていたが、何とか自分なりに情報を整理した。


「根源の世界……だから、根の世界…?」

「そう。
 だから、あなた達の世界にないモノもある。
 例えば魔法……あなた達の世界にはないんですって?」

「は、はい。
 それっぽいものは、超能力とか怪しげな宗教の“奇跡”とかくらいです」


 魔法と言われて、『怪しいぞ〜』と言わんばかりの例を出す未亜。  
 彼女が怪しむ理由も何となくわかるので、ミュリエルは苦笑した。


「そ、それはまた別物だと思うけど…。
 あなた達の世界は、科学技術の方により大きく発展した世界なのね」

「科学と、宗教…じゃなかった、魔法…」

「勿論、この世界にも科学技術はあるわよ。
 科学と魔法の両輪を組み合わせることにより発展した世界なの」

「質問!」

((ビクッ!))


 今までアンデッドのように脱力していた大河が、急に動き出した。

 完全に大河の存在を忘れ去っていたミュリエルと未亜は、思わず肩を跳ね上げる。
 ボロボロだった服まで完全回復しているのを見て、彼は本当に人間なのか不思議に思う。


「今ちょっと気になることが聞こえたんだけど。
 (コイツら……俺のこと忘れてやがったな)」

「な、何かしら?
 (あぁビックリした…)」


「魔法と科学の両方で発展した世界なんだろ?
 それにしては、生活が質素というか……郷愁っつーかノスタルジーを感じさせるんだけど。
 この世界の生活水準って、見た限りじゃ俺たちの世界の数百年前くらいだぞ」


 魔法と科学。

 その両方があり、尚且つ大河達の世界にあったものが全てこの世界にあるなら、自分達の世界よりも技術はずっと進歩しているはずだ。
 魔法の力が如何程かは知らないが、先ほどの空中浮遊の例もある事だし、決して小さい訳ではない筈。


「それは……文明の力が極みに立つ度に、何処からともなく表れる破滅の軍団に滅ぼされてしまうから…」


「破滅の」

「軍団…?」


 疑わしげな大河と未亜の脳裏には、骸骨のような鎧をつけた軍隊が浮かんでいる。
 きっと終始無言か、さもなくば目を光らせつつ「ウシャシャシャシャ」なんて声を上げて笑うに違いない。


「い、今時流行らないネーミングだな」

「ほっといてちょうだい。
 名づけられたのは何千年も前なのよ」


 安直なネーミングに関しては、自身も少々含むところがあるらしい。
 どうも彼には調子を狂わされると思いながら、ミュリエルは説明を続ける。


「さっき、この世界のバランスは生産と破壊の2つの力のバランスで動いているといったでしょう?」

「言ったのか、未亜?」

「言ったの。
 お兄ちゃんは黙ってて」


 妹に冷たくされて沈む大河を見て、ようやく自分のペースに持ち込めると内心安堵の息をつくミュリエル。


「私たちアヴァターの文明が極みに達すると、それに反発する謎の軍団がどこからともなく現れて文明を滅ぼすのよ。
 だからアヴァターの文明全てを含みながら、細胞になることはできない。永遠に、血液のまま」

「でも、それじゃあ今ここに生きている人たちは…」

「だから、それを守るのが私達が待ち望んでいる救世主(メサイア)ってワケ」

「あ、居たんだダリアさん」

「ひ、ひっどぉ〜い」


 全く会話に交わらずすっかり忘れ去られていたダリアは、大河からの悪意なき一撃によって沈んだ。
 結局大河と一緒に、部屋の隅で拗ね拗ね空間を作り出している。

 ダリアまで……と、頭を抱えるミュリエル・シアフィールド、苦労人である。


「と、とにかく、アナタはその救世主の候補に選ばれたの。当真未亜さん」

「へ?
 え、ええっ?
 わ、私がぁ!?」


 今までの会話から予測がつきそうなものだが、未亜は本気で驚いている。
 どうやら、情報の処理だけで手一杯だったらしい。
 未亜がとうとうフリーズしたので、今度は大河が会話に参加した。


「ちょっと待ってくれ。
 今までの話を整理するから…。
 間違った所があったら指摘してくれ」

「えぇ、わかったわ」


 内心ビクビクしているのだが、若造に負けてなるものかと、学園長の威厳を取り繕う。


「ここ、アヴァターでは一定周期で『破滅の軍団』こと賽の河原の鬼が現れて、文明を破壊する。
 それに対抗するにはアヴァター自身が選んだ『救世主』の力を借りるしかない。OK?」

「賽の河原の鬼が何かは知りませんが、その通りです」

「けど、その『救世主』とやらは、どこの世界に現れるのか全くわからない上に、覚醒するまでその人が『救世主』だとわからないとナイナイ尽くし」

「はい」

「それでも過去の記録を調べるうちに、『救世主』の共通点というか…『救世主』になり得る者の素質が分かってきて、それを呼び寄せるためのエサがあの赤い本なんだよな?」

「釣りみたいな言い方をされているのはともかく……おおむねその通りです。
 短い説明でよく理解できましたね」


「お兄ちゃんすごーい」


 ミュリエルは素直に感心した……ただし大河が理解した事ではなく、大河が相手のペースを崩さずに話が出来る事に対して。

 未亜は素直に感心している。
 珍しくストレートに褒められて、大河は鼻が2センチくらい伸びた。
 昔懐かし、ハナターカダカってやつである。


「ふっ、新参者とはいえ伊達に何度も世か……ゲフンゲフン、もといラノベ読者を舐めるなよ」

「? 世か……何?」

「なんでもないなんでもない、気にするな」

「?」


(ダリア)

(了解)


 未亜は素直に誤魔化されたが、ミュリエルとダリアはそうはいかなかった。
 大河達のいた世界の事はわからないが、それでも結構調べられる事はある。
 具体的にいうと、召喚者のリコに聞くということなのだが。

 もっとも、今回のケースはリコを通さないイレギュラーなので、どれくらいリコが把握しているかは疑問である。


(何を言い淀んだのか知りませんが、隠すということは何かしら後ろめたい意味があるのでしょう)

(その本音は?)


 手札を増やしておいて損はない、と目で語るミュリエル。
 そして本音引き出すダリア。


(ペースを乱されっぱなしでは悔しいので、何かしら対策を練っておきたいな…と)


 ミュリエル学園長は、存外子供っぽいようだ。


「とにかく、そのようにして釣り上げた……もとい呼び寄せた救世主候補は、その真の資質が目覚めるまで、この学園で暮らして、力と技を磨いていただいています。
 取り合えず貴方達もこの学園の学生という扱いにさせていただきます」

「ちょ、ちょっと待ってください!
 何でそうなるんですか!?
 私たちが呼び出されたのは事故みたいなものなんでしょう!?
 私たちは元々住んでいた世界に帰りたいんです!」


 幾らなんでも横暴だ、と未亜がミュリエルに食って掛かった。
 拉致同然に連れて来られた上に、勝手に処遇を決められてはたまらない。


「召喚自体は事故……というより前例がありませんが、当真未亜さん、アナタは確かに救世主候補です。
 私としても、帰してあげたいのは山々なのですが…」

「前例がないって言ったでしょ〜?
 安全に帰してあげられるかどうか、確証がないのよ〜。
 一度に二重召喚なんて事自体が初めてだし、それにオマケもくっついて来ちゃってるものね〜」

「誰がグリコの付属品か!
 グリコの付属品はグリコ本体よりも価値があるんだぞ…。
 というか、最初は救世主候補扱いで、今度はオナベ。
 終いにはオマケとは、俺の価値を何処まで貶めれば気が済むんだ?
 つーか、俺が救世主候補とやらから外された理由も聞いてないんだが」 


 ようやくダリアが拗ね拗ね空間から復帰してきた。
 ついでに、一人で拗ねているのに飽きたのか、大河も会話に参加しだした。

 ……茶化しているとも言うかもしれない。

 ちなみにオナベとは、オカマの女性バージョンだ。


「そもそも、赤の書が救世主候補以外の存在を召喚するはずがないのです。
 それに加えて2人同時に召喚など、前代未聞と言っても過言ではありません。
 基本的に、複数の存在を召喚する場合は不特定多数を対象にするしかありませんから……。

 それは置いておきますが、歴代の救世主候補には、一つだけわかりやすい共通点があったのです。
 それは……性別が女性であること。
 過去数万年に渡って、赤の書が男性を召還したことは一度たりともなかったのです」


「だから俺は救世主候補から外されたのか…。
 っつーか、元々違ったのをそこの乳びんダリアが勘違いしただけだけど。

……って事は、今揃っている救世主候補は、みんな女の子なんだな?


 重要なのはそこか。
 目の色が変っている大河を見て、未亜の機嫌が急降下し始めた。


「帰ります!
 お兄ちゃん帰るわよ!
 一刻も早く!」


 女好きの大河と、ブラコンの未亜。
 分かりやすい関係になんとなく癒されながら、ミュリエルは説明を続けた。


「落ち着いてください未亜さん。
 前代未聞だと言ったでしょう。
 逆召喚して送り返そうにも、不確定要素が多すぎるのです。
 無理に送り返そうとしても、最悪の場合、次元の狭間を永遠に漂うことになりかねません」


「なりかねません、じゃありません!
 幾らなんでも勝手すぎます!
 どうにかならないんですか!」


 どんどんヒートアップしていく未亜と、本当に状況を理解しているのか泰然と構えている大河。
 二人揃ってヒステリーを起こさないのは有難いが、ミュリエルとしては、大河が何を考えているのか全く読めない分、むしろこっちの方が厄介だったりする。


「少々時間がかかると思いますが、我々としても、なんとか貴方達が帰還できるように全力を尽くします。
 可及的速やかに原因を追究しますが、何せ事が事なのでどれほどの時間がかかるかわかりません。

 ですから、貴方方の衣食住をこちらから提供させていただこうと思ったのです。
 幸い、この学園には大きな寮があります。
 寝食はそこでしていただいて結構ですが、学園長の私としては、生徒でもない人間を学生寮に入れるわけにはいきません。

 ですから、この世界に逗留する期間だけでも、この学園の生徒という扱いにしようと思ったのですが…。
 受け入れてはもらえませんか?
 正直な話、学園の長という立場をとっている私としては、最大限の譲歩なのですが」


 受けられなければ放り出すしか残っていない、という最後通牒である。

 未亜は判断に迷って、大河に視線をやった。
 傍観に徹するかと思われた大河だが、未亜の問いかけに応えて、ミュリエルに話しかけた。


「それで、未亜が救世主候補である証拠は何なんだ?」

「大河君も見たでしょ〜?
 ホラ、未亜ちゃんが大河君に向けて撃ちまくってたあの弓よ〜。
 アレは召喚器っていってね〜、救世主候補だけが呼び出せる、すっごい武器なのよ〜。
 だから、それを呼び出せた未亜ちゃんは救世主候補の素質十分ってわけ。

 ま、お兄ちゃんへのヤキモチで召喚するとは思わなかったけどね〜」


 そんな理由で召喚したのか。

 ミュリエルは、召喚器を召喚し、使いこなすのにどれだけの努力を必要とされるのか思い出して、少々鬱が入ってしまった。
 召喚器を初めて呼び出すには、大抵の場合命の危機に晒されなければならない。
 生存本能を刺激しまくって、火事場の馬鹿力で呼び出すのが基本である。
 考えてみれば、えらく非効率的だ。
 あの子達の苦労は一体……。

 心中項垂れるミュリエルに向かって、大河は構わず話を続けた。


「それで、学園っつーからには学科があるんだろう?
 俺達はどんな学科に入れられるんだ?
 特に未亜は救世主候補なんだよな?
 何か特別な授業とか受けさせる必要があるんじゃないのか」


「ええ、その通りです。
 未亜さんには『救世主クラス』に入ってもらいます。
 優遇されますよ。
 ……事前に言っておきますが、ネーミングに関しての意見は受けません」

「チッ」

「……大河君、貴方は………戦いには関係のない学科がいいと思うのだけど…。
 後で学校案内を渡しておくから、それを見て決めてちょうだい。
 それで、了承したと受け取ってもいいのね?」


 大河とミュリエルの視線が交錯する。
 双方とも、何処となく不穏なオーラを漂わせて火花を散らしていた。


“2人には悪いけど、未亜さんを放置しておく訳にはいかない…。
 もし彼女が     ならば、早急に送り返すなり、相応の対応をなさなければならないけど、それが不可能な以上はこちらで手綱を取っておくべき。

 それに     であろうとなかろうと、戦力は多い方がいい。
 未亜さんは大河君にベッタリみたいだがら、彼を確保しておけばまず逆らわないでしょう。
 召喚器を持つ未亜さんよりも、彼の方が戦闘力は低い。
 抑えるなら彼の方ね。
 心苦しいけれど、アヴァターの平和を保つためなら私は手段を選ばないわ”


“何を考えてるのか知らんが、このねーちゃん…もとい熟女、俺を人質にするつもりか…?
 俺一人なら山篭りくらいどうって事はないが、未亜がいるんじゃなぁ……。
 未亜を欲しがるのは救世主候補だからか?
 言葉巧みに誤魔化しちゃいるが、明らかに俺達を確保したがってる。
 救世主クラスとやらに入れてしまえば、後はなし崩しに取り込めると思ってるんだろうが…。
 俺の生活確保を恩に着せて、未亜を戦わせることができるしな。
 最大限の譲歩、とほざいたのも後で恩を着せやすくするためだ…。

 後がないのはあちらも同じか…。
 となれば、逆に俺の行動で主導権を握れるか?
 未亜が取り込まれても、俺が出て行くといえば付いてくるだろからな。
 恩? 打算で押し付けられた恩なんぞ、踏み倒しても良心は痛まん”

 
 黒い。

 普段頭を使わない大河も、生意気に黒い。

 本質が黒よりピンクな大河のクセに。


 邪悪なオーラがひしひしと感じられる。
 お互いに、相手を信用せず、利用する事のみを大前提としている時点で黒い
 2人の間に、善意とか友愛とかいう言葉は無い。

 ダリアですらも無意識に後退していた。
 2人が発する雰囲気に耐えかねて、未亜がとうとう暴走した。


「あ、あああああの!
 わ、私はそれでいいです!

 お、お兄ちゃん!
 いつも私が養ってもらってるんだから、今くらいは私が養ってあげるから!」


(チィッ、未亜が暴走しちまった…計算外だ)

(この子の事、すっかり忘れてたわ…。
 計算外だったわね……まあいいわ、むしろ有難い。
 これで言質は取った……このまま暴走してくれれば、大河君も確保できるでしょう)


「ジャスティって結構強いみたいだから、大抵の事はどうにかなるよ!
 それに帰れるようになるまででしょ?
 学校なんだから、いきなり大怪我しちゃうような訓練はしないと思うし!」


 2人の心の声をよそに、未亜は暴走を続けていた。


「ほら、前に一度でいいからヒモみたいな生活してみたいって言ってたでしょ!
 救世主クラスって優遇されてるみたいだから、お兄ちゃん一人くらいならなんとか養えるんじゃない!?
 あっ、そうするとお兄ちゃんの生殺与奪の権利は私に?
 大丈夫だよ、ちゃんと囲ってあげるから!」


 この空気を払拭できるなら、この際何でもいいらしい。
 普段言わない本音だか願望だかをギャグ風味に乱発して、この黒い空気を払おうとしているようだ。
 途中から微妙にトリップ入った未亜は、大河が了承するまで帰ってこなかった。
 多分、現実逃避の為に。




 こんにちわ、超特急で第2話を書き上げました。
 さて、授業中に一眠りしようか…。
 デュエルセイバー好きな人って、結構多いんですね。

 都合のいい事に課題も少ない土日だったので、一気に書き上げてみました。
 その分色々と矛盾があるかもしれませんが…。


 まさか舞台移動と状況説明のために2話も使うとは…。
 元々あるシナリオにデコレートしまくってるだけなので、書く事自体は簡単なのですが、全く話が進展しない…。
 とにかく、もう暫くはシナリオ通りに進めるつもりです。

 単純に計算すると、完結まで(行けるとして)………ヘタすると50話超えそうなんですが(汗)。
 うう……ジャスティの発売までは最低限続ける気でいます。
 そっからどうなるかは……まぁ、ハーレムルートで明らかになる真実次第で…多分続けると思いますけど。

 次は戦闘シーンです。
 次の日曜くらいには投稿できると思います。
 乞う、ご期待と寛大な態度を!

 それではレス返しです


1.>k2様
 読んでくださってありがとうございます!
 初めてレスとか感想貰った〜!(感涙)
 嬉しいもんですねぇ。
 ゾンビ娘は……どうしようかなぁ…ル○○スは好きだけど、ナ○○が消えるのは…。
 いっその事上と下に……いやいやナンデモアリマセンヨ。

2.>竜神帝様
 あれってチェニックだったんですか…。
 私はてっきり「赤いちゃんちゃんこ着せましょか?」とかやってるものだと…お化けネコだし。
 初めてガンパレで見たときは、「なんじゃこの赤いドテラ着たネコは」と思ったもんです。

3.>ユン様
 いえいえ、大河も結構やってくれますよ?
 ハーレムルートが待ち遠しいですねー。
 ぢつを言うとワタクシ、まだ未亜ルートやってないんですよね。
 ダメじゃん俺!Σ(-_-;)

4.>干将・莫耶様
 あー、最初に書いておくべきでしたか…。
 これは逆行モノの類ではなくて、再構成モノです。
 よって大河も未亜もアヴァターの事なんぞ欠片も知りません。
 ま、実を言うと約一名がちょっとばかり知っている部分もありますけど…。
 未亜とくっついてるのは、単に私の趣味です。

5.>水城様
 すみません、未亜を大河とくっつけたのは、突っ込み役になる未亜の妬き餅を正当化してみようと思っただけなんです。
 未亜の役割はおろか、メインヒロインすら決まっておりません(汗
 ヘタをすると、大河の周囲をうろつくだけのチョイキャラみたくなるかも。
 多分ハーレムエンドです。

6.>キリアス様
 ええ、それは面白いですよ〜。
 単純故に嵌まり込むシステムも、個性豊かなキャラ達も大好きです。
 ジャスティまで待たず、今すぐ買うのをお勧めします(笑)

7.>ATK51様
 私も彼女は好きですよ〜。
 なのに公式HPの人気投票は最下位……出番少なかったからなぁ…。
 この話の未亜は割と安定した性格なので、カタストロフは……意外とノリで呼ぶかもしれません…。


 管理人さんの米田鷹雄さんから、元ネタ不明記とご指摘を受けたので、再投稿シマス。
 レスをいただいたので、この際レス返ししちゃいます。


1.
お返事サンクス(・ω・)ノシ
DSは中身詰まってても矛盾が元々多いですから問題ないですよ〜。


大河が意味深な発言・・・自分では思いつかないですが
なんだかこんな世界をすでに体験してるっぽいですねぇ〜。
原作のようにただ流されるだけじゃなく思考しながら
進んでいく大河がカッコいいですw


ベリオ自分も好きなんですけどね、シナリオの中身が少ないというか
ラストバトルが呆気なく終わりそのままEDって感じだったので
キャラは好きだけどシナリオは×って感じで。(未亜もあの顔嫌いw


キリアスさんへ。
ジャスティスだと8000円かかりますけど
サントラ無しでよかったら2000円〜3000円ほどで手に入るので
テレカが無くていいんならDS+コレクションDISC推奨。

{ユン(2005-06-13 09:35)}


>ユン様
 中身詰まってても矛盾が多い……大河の言うラノベそのものですね。
 ちょっと設定魔が顔を出しちゃったもので、あんまり意味のなさそうな設定が転がってるんです。
 大河の体験は、それに基づいています。
 ま、それはちょっと先の話で…。


2.

 無粋な突っ込みですみませんが、ブータニアス卿のアレはちゃんちゃんこで正しいです。
 ユリウス・カエサルに貰った真紅のマントを、熊本の原住民が勝手に縫い直したモノの筈ですので、今では名前の知られていない古いタイプの服である可能性は否めませんが、少なくともチュニックではありえません。

{十八(2005-06-13 09:51)}


>十八様
 そうだったんですか?
 もう面倒くさいから「赤い服」で統一しちゃいません?
 無粋と言われると反論のしようがありませんが……。


3.
元ネタが記入されていません。
お手数ですが、元ネタを記入の上、再投稿していただけるようお願いいたします。

{米田鷹雄(管理人)(2005-06-13 10:18)}

>米田鷹雄(管理人)様
 見ての通り、再投稿いたしました。
 今後は気をつけます。
 申し訳ありませんでした。<(_ _)>


4.
今回の話しを読んでいてたら大河のバイトは某不幸学生と同じくア●●●●ト女史の使いぱっしりなのかと思いました。DSは多少やったレベルですが暴走ばかりしている未亜、原作と違って結構余裕のある大河はどの様な終わりを迎えるのか…次の更新を待ってます。

{震電(2005-06-13 15:24)}

>震電様
 え……ア●●●●ト女史?
 も、元ネタなんでしたっけ………前に読んだような記憶はあるのですが。


5.
DUEL SAVIORのSSは逆行以外みたことがなかったので、この先の展開が楽しみです。
それにしてもこの大河、妙に黒いですね。なんか大河といえば横島とおなじくピンクなのが多いんで、いい味出してます。
なんか異世界に何度かいったことがあるようなこと言ってるけど、戦闘力を持っているのかな?
それでは。

{reo(2005-06-13 16:45)}


>reo様
 大河の真っ向から戦った時の戦闘力は、一般人以上・専門職以下です。
 大河が異世界に行った時の主な活動内容は、戦闘ではないんですよ。

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