黒い種 キラ君奮闘?物語
第39話 会議を開こう ~最後の晩餐~
「皆、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」
それは食事が始まってから少し経ったころ。
唐突に告げるキラ。
皆食事の手を止め、キラに視線を向ける。
「この一ヶ月間で戦力の補強も終わった。
よってこれから本格的に活動を開始しようと思うんだ」
「!」
全員の顔に緊張が走る。
誰かが生唾を飲み込んだ。
「シンとアスランにはもう話したんだけど、部隊を3つに分けることにしたんだ」
「3つに・・・ですか?」
「ああ。それぞれアルテミス駐在、オーブの防衛、
そしてブルーコスモスへの攻撃という役割があるんだ」
そこまで言って咳払いを一つ。
「それじゃあ、今から編成を発表するね」
キラの言葉によって一気に緊張感が高まった。
と言っても、まともな意味での緊張感に包まれているのはシンとアスランのみ。
その他女性陣(マユ、ステラは除く)は別の意味で緊張していた。
(マズイ、マズイですわ)
その中で一際焦っているのがキラハーレムリーダーのラクス・クラインであった。
(何故彼女がリーダーかと言いますと、単純に言い出しっぺだからです)
(先ほどの会議では結局有効な解決策は浮かびませんでした。
おそらく今度の部隊編成でもキラ様とステラさんは同じになるでしょう。
そうなってしまえばもう打つ手がありません。
これ以上キラ様とステラさんの中が進展してしまえば・・・・・・
ああ!そんなのイヤです!
だからと言ってキラ様に抗議など出来ませんわ。
キラ様が考えられたことに不満など言えません。一体どうすれば・・・)
などと様々な感情が入り乱れている様子。
よく見ると、他のメンバーも似たような状況になっている。
(こうなったら2人と同じ部隊になった方に頑張ってもらうしかないですわ。
あとでもう一度作戦会議を開いておかないと・・・)
と、彼女の中でとりあえずの結論が出たところで、
「・・・・・・え?」
彼女の思考は停止した。
それは、彼女の愛するキラの言葉によって・・・
「第一部隊、アスラン、ルナ、フレイ、ステラ。4人にはアルテミス防衛。
第二部隊、シン、カガリ、マユちゃん、ミリィ。この4人はオーブの防衛。
そして第三部隊が僕とラクスとメイリン。ブルーコスモス攻撃部隊ね」
そう告げたキラは全員の顔を見渡す。
シン、アスランは事前に知っていたために問題なし。
マユちゃんは地球に降りられることになって嬉しそう。
ステラはキラと別々でちょっぴり不満そう。
そして残った女性陣は・・・・・・
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
放心したかのように呆然とキラを見つめていた。
「皆、どうかしたの?何か不都合でもある?」
「・・・・・・え!?あ、いえ、別に」
「な、何でもないよ!」
「そうそう!」
「ただちょっと驚いたと言うか・・・」
「意外だったと言うか・・・」
「とにかく何でもありませんわ!」
キラの言葉に代わる代わる答える6人。
何故動揺しているのか解らず、首をかしげるキラ。
もっとも、彼女たちが内心、
((((((やったーーーーーーー!))))))
と狂喜乱舞していることなど知る由もなかった。
それから20分。
皆食事を終え、食後の談笑を楽しんでいた。
「それじゃあ出発は明日だから、今日はゆっくり休んでね」
あんまり夜更かししないように、と付け加えて食堂を後にするキラ。
それに続くようにしてアスラン、シンが席を立ち、
マユとステラが洗い物をするためにキッチンへと入っていった。
そして残された6人は・・・
「予想外の展開でしたけど、こちらにとっては好都合ですわね」
「そうね、この機会を利用してステラに鉄則を教え込まないと」
「頑張ってね、フレイ、ルナ」
「「ふふふふふ・・・・・・任せといて(じゅるっ)」」
見る者の不安を掻き立てるような笑みを浮かべる2人。
今涎を拭ったのはきっと幻覚だろう。
「・・・そろそろお開きにいたしましょう。
明日からは忙しい日々が始まりますし、キラ様の言うとおり休んでおいたほうがいいでしょう」
「そうね、そうしましょうか」
「それじゃあ皆、明日から頑張りましょうね」
「「「「「お~~~!」」」」」
掛け声かけて、席を立つ6人。
と、
「フレイ、ちょっといい」
「ルナ、どうかしたの?」
食堂を出て行こうとしたフレイを呼び止めるルナマリア。
「このあと私の部屋に来てくれない?ちょっと相談したい事があるの」
「相談?」
「ええ、とっっっっても大事な相談なの」
先ほどと同じ笑みを見せるルナマリア。
その笑みに感じるものがあったのか、ニヤッと口元を歪める。
「・・・わかったわ、行きましょう」
「・・・色々と準備しないといけないものね」
「何がいるかしら?」
「そうねぇ・・・・・・首輪とか?」
・・・お願いですから法に触れる事はしないでくださいね。
「(ビクッ!)」
ガシャン!
「ステラお姉ちゃん、どうしたの!」
突然体が硬直し、持っていた皿を落としてしまうステラ。
慌てて駆け寄るマユ。
「うん・・・大丈夫だよ・・・マユ」
「ホントに?」
「ちょっと・・・寒気がしただけ・・・大丈夫」
そう言うと、また何事もなく皿を洗い始めるステラ。
・・・本能的に危険を感じ取ったようですな。
でももう手遅れ?
~ 翌日、プラント最高評議会にて ~
『それでは、オペレーション・スピットブレイクは一時凍結ということでよろしいですね』
「・・・・・・デュランダル君」
『何でしょうか、クライン議長』
「・・・・・・いや、何でもない」
『そうですか、それでは私はこれで・・・』
モニターからデュランダルの顔が消える。
残されたのは疲弊しきった議員たち。
「・・・・・・シーゲル」
「・・・・・・何だパトリック」
「・・・・・・議会、必要ないのではないか」
「・・・・・・私もそう思う」
哀愁漂う悲しきオッサン2人組であった。
~ 同日、デュランダルの執務室にて ~
「・・・・・・ああ、あの計画は凍結させた。
それでは任せるぞ、タリア。クルーゼにもよろしく」
通信を切るデュランダル。
その口元には笑みが浮かんでいる。
「彼の事だ。こちらに向かってくる事はないだろう
・・・せいぜい上手く立ち回ってくれよ、フェイスの諸君」
~ 同日、連合軍月基地にて ~
「ラミアス艦長、いよいよ出発ですね」
「ええ、解っているわ、ナタル」
「アークエンジェル級二番艦ドミニオン。これで彼らに勝てるのでしょうか?」
「わからないわ・・・でも、やるしかない」
「ええ、そうですね」
マリューに同意し、シートに座るナタル。
それを確認し、咳払いを一つするマリュー。
「ドニミオン、発進!」
~ 同日、地球軍パナマ基地にて ~
「こら、5人とも真面目に聞かんか!」
「「「「「・・・・・・」」」」」
怒鳴り声にもまるで反応せず、ゲームやら音楽やらに熱中する少年たち。
(何で俺がこんな目に・・・まぁ、ラミアス少佐やバジルール大尉と合流するまでの辛抱か)
一人ため息を洩らす金髪の男。
「おい、オッサン。さっさと終わらせてくれよ」
「オッサンじゃない!俺はまだ20代だ!」
あとがき
かなり強引な展開&半端な終わりになってしまいましたが、とりあえず本格始動です。
今回キラとステラは別行動です。
それによって色々犯罪っぽい事が行われるかもしれませんが、
その辺は見逃してください。
とりあえず主体はキラ君で、時々他のメンバー達の方にもっていこうと思います。
例えば百合話とか・・・
レス返し
スロバ様
・ステさん死んじゃって、ますますゼータのフォウみた・・・こほん。
とりあえず彼女の一人舞台はそろそろ終わりです。
全てはルナとフレイの働き次第?
D,様
・仲間と言いますか手篭めと言いますか・・・微妙なラインですね。
・マユについてはハーレムメンバーに入る事はないと思います。
一応良心キャラを残しておかないと
スロバ様
・この流れで行くとそうなりますね。
というかそうならないほうがおかしい!!!って訳でただ今執筆中。
文・ジュウ様
・私も書きたくないんですよ。
だって文章力の問題があるんですもん、エロ系は。
ああ!!言葉とは裏腹に指が勝手にキーボードを・・・
シマニク様
・確かにイメージ作りやすいですよね。
もし・・・の設定はどうとでも出来ますから。特に人間味を帯びてきたら。
煌く凶星j様
・まだまだですよ(ニヤリ)
先は長いですしね・・・ふっふっふっ