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「黒い種 キラ君奮闘?物語 第35話(ガンダムSEED)」

K沢 (2005-05-28 23:21/2005-05-29 01:09)
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黒い種  キラ君奮闘?物語


第35話  シスコン魂、散る


「みんな、そろそろアルテミスに到着するよ〜」
「「「「「「は〜い♪」」」」」」

まるで小学校の遠足のような風景。
だが、ここにいるのは同世代の少年少女である。

「でも、久しぶりよね」
「ホント、ずいぶん長い間帰ってない気がするわ〜」

フレイとルナマリアがしみじみと語る。

「そこが本拠地なのか?」
「知らない場所・・・恐い・・・」

それに引き換え初めてアルテミスに行くカガリとステラ。
カガリは興味深そうに、そしてステラは少し怯えている。

「もともと連合の拠点だったんだけどね、まだ仲間が3人いるんだ。
 それからステラ、他の3人も良い人だし僕達もいるから大丈夫だよ」

カガリの疑問に答え、ステラを安心させるキラ。
その言葉にステラの表情が少しだが安心さが戻る。

「ふふふっ・・・さぁ、アルテミスが見えてきたぞ」

正面モニターに映し出された小惑星。
周囲に突き出たパラボナアンテナを持つそれは、
まぎれもなく彼らの故郷であった。


「お帰り、キラ」
「ご無事で何よりですよ、キラさん」
「お帰りなさい、キラさん」

宇宙船ドックに着いたシャトルを出迎える3人。
アスラン、シン、マユの3人である。

「ただいま、3人とも留守番ご苦労様」
「いや、こっちはそうでもなかったよ」
「でもすみません。ラクスさんたちを・・・」
「お姉ちゃんたち、絶対行くんだって言い張って・・・」

ラクス達3人が地球へ行ってしまった事に対して謝罪するシン達。
しかし、キラはその事を笑って許した。

「気にしなくていいよ。目的は果たせたしね。
 それより、3人に紹介したい子達がいるんだ」

シャトルの出口に視線を向けるキラ。
そこにはフレイ達に押されるようにして2人の少女が立っていた。
カガリとステラである。

「キラ、彼女らが?」
「ああ。カガリ、ステラ、こっちに来て」

キラが呼ぶと、ステラが急いで駆け寄ってきた。
そのままキラにしがみつく。
その後カガリがゆっくりと歩いてきた。

「ちょっと、ステラ」
「・・・・・・」

しがみついたステラは少し震えている。
どうやらアスランたちに対して少し恐怖感があるようだ。

「大丈夫だよ、ステラ・・・カガリ」
「ああ、私はカガリ、カガリ・ユラ・アスハだ、よろしく」

キラに促され、先に自己紹介をするカガリ。
さすがに一国の姫君だけあってその度胸は大したものだ。
いくら仲間とはいえ、初対面の相手に全く物怖じしていない。

「ほら、ステラも」
「・・・・・・うん」

キラの背に隠れたまま、ちょこっと顔だけ出すステラ。

「・・・ステラ・・・ステラ・ルーシェ・・・」

聞き取れるかどうかというか細い声でボソッと告げた。
その行動に苦笑するキラ。

「あはは・・・ごめんね、ステラはちょっと事情があるんだ」
「気にしてないさ、俺はアスラン、アスラン・ザラだ」
「私はマユ・アスカです。カガリお姉ちゃん、ステラお姉ちゃん、よろしくお願いします」

そんなステラの態度など気にする事などなく、笑顔で答えるアスランとマユ。
その笑顔にステラもつられて微笑む。
だが、

 ビクッ!

一瞬ステラの体が一瞬硬直する。
そしてものすごい勢いでキラの背中に隠れ、ぶるぶると震えだした。

「ど、どうしたんだステラ!?」
「ステラ、どうしたの?!」

キラのみならず、フレイ達もステラに駆け寄る。
だがステラは依然として震え続けている。
その様子はまるでキラ達と始めて会ったときのようだ。

「あ・・・ああ・・・ああ・・・」
「ステラ、一体・・・・・・ん?」

ステラの肩を抱いて落ち着かせようとするキラ。
と、何か不思議な感覚を感じ、その方向を向いた。

「・・・・・・」

そして言葉を無くしてしまった。


シン・アスカ、15歳
士官学校を首席で卒業し、かつてはザフトのエースの証である赤服を身に纏っていた少年。
そして宇宙中探しても稀に見るシスコンであり、妹のマユちゃんを神の如く崇め、可愛がっている。
そんなシンに、今とある変化が訪れていた。

「・・・・・・」

今の彼の瞳に映っているもの、それはキラ・・・もとい、キラの後に隠れているステラだった。

(ステラ・・・ステラ・・・ステラ・・・ステラ、ああ・・・なんて可愛いんだ!
 あの髪、顔、体、手、足、そして儚げで弱々しげな雰囲気・・・
 すべてが最高だ!
 今すぐこの胸に抱きしめて思いっきり頭をナデナデしたい!!!
 お兄ちゃんって呼ばせて上目遣いで見上げて欲しい!!!

シンの脳内はすでに爆走中であった。
どうやらステラが所持している妹&小動物&娘(新たに取得)の3つのスキルが
彼の心にジャストフィット!!!したらしい。

「・・・・・・ステラ」

 ビクッ!

ステラの震えが一段と酷くなる。
だがそんな事に気がついていないシンは、
うわ言のようにステラの名を呼びながら一歩ずつ近づいていく。

「・・・ステラ・・・ステラ」

 ビクッ! ビクッ!

シンがその名を呼ぶ度、一歩ずつ近づく度にステラの震えが増していく。
無論これ以上ステラを怯えさせておくキラではない。
ステラをフレイ達に任せると、シンの正面に立ち強烈なプレッシャーを放つ。
それに反応したのか、シンの足が止まる。

「・・・・・・どうしたんですか、キラさん」

ニイッ、と口の端だけ歪めて笑う。
それはまさに悪魔の微笑み。
何か企んでいるときのキラがよく見せる笑顔だった。

「・・・悪いが、これ以上近づかせるわけにはいかない」

キラも本気モードである。
いくら仲間内であっても、ステラを恐がらせるなど決して許されるわけはない。
キレた時と同様か、それ以上の殺気をシンに向けて放っている。

「・・・邪魔しないでくださいよ、僕はステラに自己紹介するだけなんですから」

そんなキラの殺気を直に受けながらまるで堪えないシン。
それどころか、主従を誓った筈のキラに対して従おうとさえしていない。
それを見たキラは溜息を一つ、そして腰を落とし構える。

「ならば・・・・・・実力行使だ!

言葉と同時にキラの姿が消える。
凄まじい力で地を蹴り、一気にシンの懐へと飛び込んだ。
そのまま左足を軸にして勢いと腰の回転、
そして全体重を乗せた掌底をシンの腹部へと叩き込む。
しかし、その一撃はシンに命中する事はなかった。
シンの体に触れる事無く伸びきるキラの腕。

「!!!」

驚愕に包まれるキラ。
だがそれと同時に感じる強烈な圧迫感。
躊躇する事無く後に飛び退く。

 ズドンッ!!!

正に一瞬の差。
その差でキラのいた場所に大穴が開いた。

「クククッ・・・さすがキラさんだ」

不気味な笑みを浮かべながらめり込んだ拳を引き抜くシン。
拳に血がにじんでいるが、本人は全く気にしていない。

「邪魔しないでくださいよ・・・ただ自己紹介するだけなんだから」
(そんでもって一杯ナデナデしてやるんだ。
 俺の心ゆくまで・・・ふっふっふっ

もはや完全に我を忘れているシン。
今の彼を突き動かすのはステラに対する己のゆがんだ欲望のみ。
シスコン魂と相まって凄まじいエネルギーを生み出している。

「チッ・・・シンの奴」

それを忌々しそうに睨み返すキラ。
さっきの攻防で今のシンの実力を把握したのだ。
戦闘力は互角。
しかも、シンの方はキラに対し一切の遠慮がない。
その点まで考えるとシンのほうが若干だが有利となる。

「ふふふふふ・・・・・・」

なおも笑みを浮かべてキラに近づくシン。
今度こそ決める気なのであろう。
と、キラの呼吸に合わせてシンの姿が消えた。
予期せぬ攻撃に一瞬反応が遅れるキラ。
が、その一瞬が命取りだった。

「ガハッ!」

苦悶の声を洩らすキラ。
シンの右膝が、キラの鳩尾へ深々と突き刺さっていたのである。
あまりの激痛にその場に崩れ落ちてしまう。

「ふふふ・・・これで邪魔者は片付いたな」

未だかつて、一撃でキラを地べたに這い蹲らせた者がいただろうか。
デュランダル、バルトフェルドでさえも成しえなかった事だ。
それをたった15歳の少年がやってのけたのだ。
勝ち誇った表情でキラを見下すシン。

「さてと・・・・・・あれ?」

キラから視線を外し、ステラ達の方を向くシン。
するとそこには・・・

「・・・・・・」
「・・・・・・」

無言でシンを睨みつける2人の少女。
1人はマユ、そしてもう一人は怯えきっていたはずのステラであった。

「・・・な、何で睨んでるの?」

これだけやれば当然だと思うが、思考が鈍っているためにそれがわからないシン。
おそらく魂が反応したのだろう。
逆に怯んでしまう。
だがそんなシンに更なる地獄が襲い掛かる。
いや、それは地獄などを遥かに凌駕していた。

「酷いことするお兄ちゃんなんか・・・・・・」
「キラ、虐めた・・・シンなんか・・・」
「「大ッ嫌い!!!」」

それは、世のシスコン達にとっては禁断の一言。
死の宣告とも言える言葉だった。

「・・・・・・」

その瞬間、シンの頭脳は完全に停止した。
驚愕に染まったその表情のまま、真っ白な灰になってしまった。


「・・・・・・お掃除しましょう」

誰かがそう呟き、どこからともなく掃除機を取り出した。
そして一切の容赦なく灰を吸い込んでしまった。

こうして、アルテミスに戻った彼らを襲った悲劇はその幕を閉じた。
彼らは皆すぐに落ち着きを取り戻し、そしてまたいつもどおりの日常が始まった。
たった一人、

「ヤアミナサンオハヨウゴザイマス」

数日間、このような喋り方しか出来なくなった少年を除いて・・・


あとがき

本来番外編3話をいれずに続く予定だった話です。
とりあえずステラに狂うシンが見たかったので。
狂ったシンの戦闘能力はキラをも凌駕する・・・なんて。
まぁ、キラと違って致命的な弱点があるのでそんなに脅威ではないんですけど。
とりあえず、シンとステラはこんな感じです。
次回以降はマユステの絡みも。
ちなみにアスカガはどうでもいいと思っとります。

次回、いよいよ本格的に戦闘に介入していく『女神の使徒』
そして続々登場する彼等の愛機。
一体何を出そうかな?


お知らせ

この話はもともと書いていたので、この早い段階でUPさせていただきました。
そして、おそらく次回はすこしUPが遅れると思います。


レス返しは今回まで無しにします。

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