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「黒い種 キラ君奮闘?物語 第30話(ガンダムSEED)」

K沢 (2005-05-22 23:18/2005-05-22 23:21)
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黒い種  キラ君奮闘?物語


第30話  集いし乙女達 (中編) 結ばれる絆


「キラ・・・ここ・・・どこ?」

服の袖をちょこんと摘まんで、上目遣いに問いかけるステラ。

「ここはね、モルゲンレーテの研究所だよ」

優しく微笑みながら答えるキラ。
そう、あのあと喫茶店を出た4人は、キラに連れられるままにモルゲンレーテへとやってきていた。

「キラ、どうしてここへ?」
「モビルスーツ用のOSを渡すためさ。
 それに、もう一つやらないといけないこともあってね」

カガリの言葉に意味深な笑みを浮かべるキラ。

「カガリ、悪いんだけどこれをエリカ・シモンズ主任に渡してきてくれないかな?」

データディスクを手渡すキラ。

「ああ、別にいいけど・・・なんでエリカ・シモンズ主任を知っているんだ?」

ディスクを受け取りながらも、頭に疑問符を浮かべるカガリ。
当然のことだ。
すると、一瞬だけ笑みを消してキラが呟いた。

「・・・色々あるんだよ、色々とね」
「・・・・・・そ、そうなのか」

その口調に言い知れぬ迫力を感じたカガリはそれ以上の言及を避けた。
と言うよりも、それ以上聞ける雰囲気ではなくなってしまった。

「それじゃあ任せたよ、カガリ。フレイとルナも一緒に行ってね。
 僕達は別のところにいけないといけないんだ。ステラ」
「あ・・・うん・・・」

ステラの手を引き、研究所内に入っていこうとするキラ。

「ちょ、ちょっと待ってよキラ君、私も一緒に行くわ」
「私も行くわよ、キラ」

それを見て慌てて自分たちもと主張するフレイとルナマリア。
だが、それをやんわりと断るキラ。

「ごめん、ちょっと大事な用事なんだ。終わったらすぐにそっちに行くからさ」

普通なら駄々をこねるところだが、
キラの表情がいつに無く真剣だったためにしぶしぶ諦める2人。

「あ、でも多分3時間くらいはかかると思うからさ。
 もしあれだったら先に戻ってていいからね」

そう告げて、キラ達は研究所内へと入っていった。
そして残された3人も研究所へ向かおうとしたそのとき、

「あ、お姉ちゃん!」
「見つけたわよ、フレイ!」
「よかったですわ」
「え?」
「あ!」
「・・・誰だ?」

メンバーの一足先の再会だった。


「ステラ、ここに横になって」
「うん・・・」

先に研究所に入ったキラは、その最奥にある研究室へとやって来ていた。

「キラ・・・何、するの・・・?」

寝台の上に寝かされたステラ。
不安げな表情でキラに問いかける。

「大丈夫だよステラ。目を閉じて、楽にしていて」
「キラ・・・うん・・・わかった」

すでにキラに全面的な信頼を置いているステラ。
まだ不安が残っているはずだが、それでもキラを信じ、目を閉じる。

「いい子だ、ステラ・・・」

そっとステラの髪を撫で、ステラを安心させる。
そしてころあいを見計らい麻酔を当てた。

「さぁ、始めるか」

麻酔が完全に回ったことを確認したキラ。
室内にある全ての機械を作動させ、そして作業に入った。


〜 30分後 〜

「・・・やっぱり、ステラはエクステンデットだったんだ」


『エクステンデット』

それは地球連合軍が有する薬物等で強化された兵士の通称。
ブルーコスモス系列の地球連合軍がコーディネイターに対抗して造り上げた強化人間である。
この処置を施された者はコーディネーターに匹敵する能力を持つことが出来るが、現在の科学力ではそれによる副作用も多く、何かしらの障害を抱えることがほとんどである。


「噂には聞いていたけど・・・まさかこれほどとは」

目の前の事実に驚きを隠せないキラ。
だが、それと同時に強烈な怒りがこみ上げてくる。

「何が青き正常なる世界のために、だ・・・反吐が出る

ブルーコスモスと連合軍の、あまりにも非人道的な行為。
人を人とは思わないその狂気。
その事実が、キラにかつて無いほどの憎しみを与えていた。
自身の生い立ちがなおのことそれを増幅させる。

「やはり最初に潰すのは連合、そしてブルーコスモスだな。
 あの野郎とケリをつけるのはその後だ」

そこまで言って深呼吸を一つ。
それまで渦巻いていた憎悪を離散させる。

「とりあえず今は・・・ステラを助けることが大事だな」

未だ麻酔で眠り続けているステラに笑みを向け、今度は別の作業を始めるキラ。
そこにはすでに憎悪は無く、ただ目の前の少女を救いたいという強い意志があった。


〜 2時間後 〜

「ん、んん・・・・・・」
「あ、ステラ。おはよう」
「ん・・・・・キラ?」

ゆっくりとまぶたを開くステラ。
まだはっきりとしないままで、目の前のキラをじっと見ている。

「起きれるかい?」
「・・・うん・・・あっ」

ゆっくりと体を起こすステラ。
しかし、寝台から降りて足をついたところでふらついてしまう。

「おっと・・・」

それをさっと手を出して支えるキラ。
そのまま抱き寄せる。

「・・・キ・・・ラ」

驚くステラ。
しかし、その表情はすぐに嬉しさが満ちていく。
そんなステラを見つめるキラの視線。
それは慈愛に満ちたものだった。

「もう大丈夫だよ、ステラ。
 僕がずっと一緒にいてあげる。
 そして、君を守るよ」
「ずっと・・・いっしょ・・・守る?」
「うん。ずっと一緒だよ」

少し力を入れて、ギュッと抱きしめる。
そして、ステラの瞳から涙がこぼれる。

「ホント、に・・・守って・・・くれ、るの?」
「ああ、僕が守るよ。ステラを虐める奴は、全部僕が追っ払ってやる」
「もう・・・1人じゃ・・・ない?」
「ああ、これからはずっと一緒だ。寂しい思いなんかさせない」
「う、うう・・・私・・・うれ、しい」

そこから先、ステラの口から言葉が紡がれる事は無かった。
ただ、それまで耐えていたものを吐き出すような泣き声だけが聞こえてきた。


〜 さらに10分後 〜

「もう大丈夫だね、ステラ」
「うん・・・キラ・・・ありがとう」

涙も収まり、ようやく笑みを浮かべたステラ。
そこにあるのは弱々しい笑みではなく、喜びに満ちた満面の笑顔だった。
頬が少し染まっているところがとってもイイ!

「キラ・・・これ・・・何?」

そうキラに言って、手を差し出すステラ。
その指には指輪がはめられていた。

「あ、これはね、ステラを守ってくれるお守りの指輪なんだ」
「・・・お守り?」
「そうだよ。だからずっとつけててね?」
「・・・うん・・・キラがくれた・・・大事なもの・・・うれしい」
「ふふっ・・・じゃあ、行こうか」
「・・・うん・・・キラ・・・大好き♪」
「僕もだよ、ステラ」

そのままキラの胸に飛び込むステラ。
それを抱きとめ、優しく微笑むキラ。
そのまま2人の顔は近づき、そして・・・

結局、2人が研究室を後にしたのはそれから30分後のことだった。


と、ここで話が終わるほど甘くは無い。
皆さん考えてください。
左手の薬指に指輪をはめた女性と一緒にやってくる想い人。
それを見た、想い人を愛する女性たちがどういう行動に出るのかを・・・

嵐の前の静けさ・・・後編に続く


あとがき

記念の30話は初めて壊れキャラの注釈を取りました。
あえて多くは語りません。
しかし一言述べるとしたならば・・・

ステラの1人勝ち♪

でしょうか?

キラ君が渡した指輪には特殊カプセル(本編でステラたちが眠っている場所)と同じ効果があります。
つまり、この指輪をしている限りステラがどうにかなってしまうと言うことはありません。
どういう構造なんだ!とか言うのは勘弁してください。
ご都合主義って事で(笑)

そんな訳で、次回はうって変わった超修羅場。
集結したハーレムメンバーを敵に回してしまうキラ。
一体どうやって切り抜けるのか?
次回をお楽しみに。


今回はレス返しは無しとさせていただきます。
後編のときに同時に書かせていただきます。
更新期間が短かったですし。

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