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「黒い種 キラ君奮闘?物語 第23話(ガンダムSEED)」

K沢 (2005-05-01 19:42)
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黒い種  キラ君奮闘?物語


第23話  第一次スーパーケバブ大戦 (中編)


「はぁ〜、運動したらお腹がすいちゃったな〜。何か食べない?」

晴れやかな表情で提案するキラ。

「うん、いいよ・・・」
「わかったわ・・・」

そしてその言葉をウットリとした表情をしながら肯定する2人。
どうやら先の出来事は、この2人のキラに対する評価をまた一段と上げたらしい。
傍から見れば一方的な暴行でも、この2人にとっては違う。
さながら、自分を守ってくれる騎士(ナイト)の大活躍と言うところだろうか。
・・・騎士は騎士でも暗黒騎士ですけどね(笑)

「それじゃあ何食べようか? う〜んと・・・」

周囲を見渡すキラ。
と、ある飲食店の看板が目に入った。

「よし、あの店に行こう」
「うん、いいよ・・・」
「わかったわ・・・」

未だ夢心地で話を聞いていない2人を連れ、キラはその店へと向かっていった。
その場所で何が行われているとも知らずに・・・


「いらっしゃいませ〜」

店員の声に迎えられたキラ達。
が、店内には異様な空気が漂っていた。

「あれ? 他にお客さんいないのかなぁ?」

昼食時にもかかわらず、店内にはキラ達以外に客の姿はない。
外のテラスに何人かいるだけである。

(失敗したかな?)

お店の選択をミスしたのではとちょっと落ち込むキラ。
それが店中を包んでいる異様な空気の所為だとは気がつかない。
一方、夢の世界にいた2人はその空気に気がつき始めていた。

「何か変じゃない?」
「ルナもそう思う? 私も何だか・・・」
「ま、いいや。空いてるんならすぐに食べれそうだし」
「そうね♪」
「キラの言うとおりだわ♪」

キラの言葉にころっと考えを変える2人。
完全にキラ教の信者と化している。

「お客さん、お席のほうはどうなされます?」

案内役のウェイターがやってきた。
キラは少し悩んで、

「あの、オープンテラスで食べたいんですけど」
「・・・かしこまりました、こちらへどうぞ」

そう告げた。
ウェイターの答えに一瞬の間があったような気がしたが、きっと気のせいだ。
キラ達3人はウェイターに連れられ、この空気の発信源へと向かっていった。


オープンテラス。
チリVSヨーグルトの睨みあいは依然として続いていた。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

かれこれもう30分。
互いに無言で、威圧しながら立ち尽くしている。
そして各々の背後で途方にくれている男たち。
ただただ状況が変わることを願っていた。
そんな時、

「ドネルケバブってソースが2種類あるんだ」
「どっちが美味しいんだろう?」
「「!!」」

4人の背後から話し声が聞こえてきた。
その言葉に反応するチリとヨーグルト。

「そうだわ、私たち2人が別々のソースをかけて、互いに交換して食べない?」
「そうね、それで美味しかったほうのソースでキラに食べてもらいましょう」

どうやら男1人に女2人のグループらしい。
しかも、女2人のケバブだけが先に運ばれてきているようだ。

「そんな、2人とも・・・」
「いいのいいの」
「キラには少しでも美味しいほうを食べて欲しいもの」
「「・・・・・・」」

直立不動のままのチリとヨーグルト。
全神経を集中させてその会話に聞き入っていた。
更なる状況の悪化を感じ、冷や汗を流し始める連れの男たち。

「それじゃあチリソースのほうから・・・もぐもぐ・・・あ、美味しいわ♪」
「私はヨーグルトソースね・・・もぐもぐ・・・こっちも美味しいわよ」
「「・・・・・・」」

彼女たちの一言一言に細かく反応するチリとヨーグルト。
と、今度は交換して食べ始めた。

「こっちはどうかしら・・・もぐもぐ・・・あら、こっちも美味しい」
「ほんと、チリもヨーグルトも美味しいわ」
「「・・・・・・」」

息を呑む2人。
少女たちの次の言葉を待った。

「どっちも美味しいけど・・・私はチリソースのほうがいいわ」
「「!!!」」

ロングヘアーの少女の言葉。
チリが勝ち誇った表情を浮かべ、ヨーグルトはその場に崩れ落ちそうなほど落胆している。

「そうかなぁ・・・私はヨーグルトソースのほうが美味しいと思うけど」
「「!!!」」

ショートカットの少女の言葉。
落胆していたヨーグルトが一気に復活して不敵な笑みを浮かべる。
対してものすごく悔しそうな表情のチリ。
これでは勝負がつかない・・・と思いきや、
最終ジャッジの瞬間は意外と早く訪れた。

「あ、キラのがきたわ」
「ねぇ、キラ君。どっちのソースで食べる?」
「え! う〜ん・・・」

どうやら少年の分が運ばれたようだ。
そして、2人は同時に動いた。


「ええっと、どっちにしようかな・・・」
チリソースだ」
「「「え?」」」

突然聞きなれない声が聞こえてきた。
一斉に振り返る3人。
と、そこにはチリソースを持った金髪の女の子が立っていた。
少し気が強そうだが、なかなか可愛い子である。

「あ! ヘリオポリスにいた子だよね? 無事だったんだ」

基本的に一度会った女の子の事は忘れないキラ。
泣いていた彼女を慰め、シェルターに連れて行った記憶が瞬時に思い出される。
しかし少女、カガリ・ユラ・アスハの反応は冷たい。

「そんな事はどうでもいい、ケバブにはチリソースだ」

キラの笑顔を一刀両断の如く無視し、キラにチリソースで食べることを薦める(強制する)カガリ。
その迫力にちょっと引いてしまうキラ。
その態度が癪に障ったのか、フレイとルナマリアの表情が変化する。

「・・・ま、まあいいや、チリソース、だね」

少女の言葉のまま、チリソースに手を伸ばすキラ。
しかし、

「少年、ケバブにはヨーグルトソースだ」

反対側から再び聞きなれない声。
振り向く3人。
そこに立っていたのはアロハにサングラスの怪しい男。
こちらもヨーグルトソースを持っている。

(コイツ!!!)

瞬間、キラの顔が一瞬こわばった。
それもそのはず。
この男は今回キラがここにやってきた第一の目的に大きく関わっている人物だったのだ。
すぐに動揺を抑え、この状況が理解できなくて困惑した表情を(意図的に)浮かべるキラ。

「・・・・・・」

この男、アンドリュー・バルトフェルドからも無言のプレッシャーを受ける。
本来男から威圧を受けるなどありえないキラなのだが、
デュランダルとはまた違った独特な力がある。

「ええっと・・・」

両者の顔を交互に見て、少し思案するキラ。
が、結論はすぐに出た。

「チリソースで・・・」

どうやらカガリも守備範囲だったらしいキラ。
躊躇う事無くチリソースに手を伸ばした。
今度こそ勝ち誇った表情を見せるチリ、もといカガリ。
しかし、これで終わらなかった。

「良いのかい少年? せっかく君の彼女がヨーグルトソースを薦めてくれたのに」

そう言ってルナマリアに視線を送るヨーグルト、もといバルトフェルド。
視線を向けられたルナマリアはキョトンとしていたが、
言葉の意味を理解して顔を真っ赤にさせた。

「そ、そんな! か、彼女だなんて、そんな」

ものすごく動揺しているルナマリア。
しかし全身から『嬉』オーラを出して喜んでいる。
そして上目遣いにキラを見た。

「キラ君・・・ヨーグルトソース、美味しいよ?」
「!!!」
「・・・(ニヤリ)」

その言葉と表情に大きく心動かされるキラ。
いくらカガリが守備範囲であるといっても、ルナマリアとは一線を越えた特別な関係である。
女の子に特別扱いはないキラだが、この場合でどちらを優先するかは明らかであった。
狙い通りの展開に笑みを浮かべるバルトフェルド。
さすがは砂漠の虎である。
・・・こんなことに頭使うなよ。

「や、やっぱりヨーグルトソースに・・・」
「ちょっと、キラ!」
「うっ」

手を伸ばしかけた瞬間、今度はフレイから苛立たしげな声が発せられた。
手を止め、彼女の顔を見るキラ。
案の定、彼女の表情はかなり悪くなっている。
考えてみれば至極当然である。
彼女もまたルナマリアと同じ関係なのである。
しかも付き合いの長さでいけばルナマリアよりも長い。
にもかかわらずルナマリアの意見を重視されるというのは我慢ならないらしい。

※ この時点でフレイの頭には、当初の『キラに美味しいものを食べて欲しい』という考えは消え、
  『キラに私を選んで欲しい』と言うものに変わっていた。

「キラ・・・私とルナ、どっちを選ぶの?」
「キラ君・・・」
「え、いや、あの・・・(話が噛み合ってないから)」
「チリソースだ」
「ヨーグルトソースだ」
「だから、その・・・(一体どうすればいいんだよ!)」

話の噛み合っていない2組に責められ、いつに無くパニクっているキラ。
作戦目標が一つ増えたこの戦い。
ますます混迷を深めていった・・・


その後では、

「・・・アンタも大変だな」
「・・・お互い様ですよ」
「「うんうん・・・」」

アフメドとダコスタが、涙を流しながら仲間意識を高めていた。


あとがき(短い・・・)

まだまだ続くケバブ大戦。
フレイ、ルナマリアも加わってますます泥沼化!
どうする、キラ!?

次回、この戦いについに決着が。
チリとヨーグルト、そしてルナマリアとフレイ。
勝者はどっち?
そして、基地にいる3人は?
キラが砂漠に来た目的は?


今回はレス返しは無しとさせて頂きます。

イワッペ様・D,様・スロバ様・覇王様・SUKIGT様・こうの様
レスありがとうございました。

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