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「鬼畜将ランス〜第二十一話 動き始めた一つの『真実』〜(鬼畜王ランス)」

B-クレス (2005-04-24 13:41/2005-04-24 13:43)
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 ガンジー一行を加えたランス達は、近くの町であるログBに無事たどり着いた

 ログBは、軍事緊張が高まってるせいか入国審査が厳しめになっていたが

 ランスが負傷しているというと、『負傷者の審査は後で構わない』というレリューコフの命令があった為に

 ランス達は、特に衝突も、疑われることも無く宿屋へとたどり着いた


 宿屋へと着いたランス一行は、三人部屋を二つ借り、ランス達の部屋に全員集まった

 因みに部屋割りは、ランス、カオス、ガンジーと、カオル、ウィチタ、ジルの三人ずつである


 「さて・・・無事にヘルマンに入れたわけですが

  ランス殿、これからどうするおつもりですかな?」

 ジルにヒーリングをかけてもらっているランスに、ガンジーが話しかける

 「そうだな・・・レリューコフ相手に迂闊な行動は取れない

  まして、ヘルマンはAL教の影響が根強いからな、その点でも行動しにくい

  しかもレリューコフは謀反の疑いをかけられている、その点を考えると・・」


 ランスはそういいながら、袋の中から地図を出し、それを広げた

 「アークグラードを通り、古代遺跡を探索する道と

  ログA、ウラジオストック、ゴーラクを通り、第五軍拠点地であるローザスグラードに入る道

  ボルゴZに侵入し、不当な理由で捕えられた優秀な人材を確保する道

  この三つがまず思いつくな」

 「ふむ・・・一つ目は確実にいけるでしょうが、探索しても得る物は少ないでしょう

  二つ目は・・・かなり遠回りになりますが、これもまたいいでしょうな

  しかし三つ目・・・何故囚人を解放するのですかな?

  不当な理由で捕えられたのは確かに許せませんが、迂闊に行動すれば・・・」

 ランスの言葉に、ガンジーが一つ一つの道について考え、三つ目に付いて問い返す

 ランスはその言葉を聞くと、軽く頷いたあと、口を開いた

 「確かに、迂闊に動けば目をつけられ、最悪軍との戦いになるだろう

  だが、ボルゴZの囚人達は、何も罪を犯したくて犯したものばかりじゃあない

  喰う為にやむを得ず犯したものもいれば、不当な理由で捕えられたものの方が多いんだ

  特に、ヘルマンはステッセルが宰相になって以降意味の無い法律が多くできている

  そのお陰で、かなりの知恵者がボルゴZに入れられる事になったんだ

  恐らく、レリューコフも考えているだろう、ボルゴZの囚人達を兵として動かす事を

  団結力が無ければ軍としての価値は低いが、数がいれば脅威にはなる

  囚人達の多くはさっきも言ったとおり止むを得ず罪を犯したものが多い

  そういった者達は家族の身の安全と、傭兵としての職を与えれば、そう簡単に反旗は翻さないものだよ

  この方法は過去何度か使われてきたある種の戦術であってね

  不足する人手を補うには一番簡単で、即効性がある方法なんだ

  つまり、彼らを動かしさえすれば・・・・」


 「ヘルマンにおける冷戦状態が終わり、その期を突いてリーザスが侵攻出来る、という事ですな?」

 ガンジーの言葉に、ランスは深く頷いた

 「ガンジー殿には受け入れ難いとは思いますが、リーザスにとっては雪辱戦なのです

  攻められるときに攻めねば、リーザスが見くびられてしまう

  そうなれば、またヘルマンがリーザスに攻撃を仕掛けてくるでしょう   
  リーザス安泰の為にも、避けられぬ戦だということは理解してください」

 ランスの言葉に、ガンジーはやや躊躇いながら頷いた

 「しかし・・・なんだったのかしら、あの審査は・・・・

  わざわざ過去にヘルマンにいたかどうかまで聞くなんて・・・」

 話が終わったとみたジルが、気になっていた事を呟いた

 「それには理由があるのですよ、ジル殿」

 「理由?」

 そんなジルの言葉に答えたのは、カオルだった

 「はい、ヘルマン第一軍の総司令であるレリューコフ将軍は、14、5年ほど前にいなくなった

  当時五歳の嫡男を、いまだに探しているのです」

 「14、5年前?・・・あんまり言いたくは無いが、死んでるんじゃないかの?」

 カオルの言葉に、剣状態のカオスが反応する

 「いえ、レリューコフ将軍は御嫡男の生存に確信を持っているそうです

  なんでも、御嫡男は死なぬ限り手元から離れないある物を持っているらしく

  それを通じる事で、生存確認ができるそうなのです」

 「手元から離れないって・・・呪いの品か?」

 ランスの疑問に答えたのは、魔法国家ゼス国王である、ガンジーだった

 「いえ、暗示魔法と生命探知魔法を重複させた物でしょう

  暗示魔法で『決して捨てたりせず、離さない』という暗示をかければ死なぬ限り離れませぬし

  生命探知魔法がかかっておれば、ある一定の距離内ならその所持者の生存を確認する事は可能です

  恐らくレリューコフ殿はそのアイテムと同じ物か、対をなす物を持っているはずです

  そしてそれを通して、生存を確認しているのでしょう」

 「ふむ・・・・じゃあ何で今まで見つかってないんだ?」

 「生命探知魔法はあくまで生存しているかどうかしか判明できぬ物でしてな

  その者の生死はわかっても、居場所までは判明しないのです

  まぁ、レリューコフ殿が持っている物は近くにいれば居場所までわかるものだそうですが・・・

  それよりも、なんだか外が騒がしいですな・・・」

  ランスに話し終えた後、ガンジーは慌しい外の様子を見にいこうとしたが・・


 「お客さん!!早く逃げな、魔物が、魔物が攻めてきたんだよ!!」

 宿屋のおかみさんが先に部屋に来て、とんでもない事を伝えてきた

 「魔物・・・!?規模はどれくらいですか」

 その言葉を聞いて一番早くに反応したのはガンジーだった

 「数はそう多くはないらしいんだけど・・・魔人が二人も攻めてきたらしいんだよ!!

  レリューコフ将軍達がこの街にいらっしゃってたから何とかなるとは思うけど・・

  お客さんも早く逃げな、日が落ちるまでは気をつけなよ!!」

 おかみさんはそういうと、他の客にも魔物襲撃について伝えて回った

 「魔人・・・か、ランス殿は負傷しているし・・・私では傷を負わせられない・・・」

 ガンジーは、こぶしを強く握り締めながら、自分の非力さを感じていた

 「・・・・ジル、強化魔法をかけてくれ、できるだけ長く続く奴を頼む」

 「・・・・・わかりましたマスター、ですが、以前のような真似だけはしないでください」

 ランスは、ジルに強化魔法をかけるように頼み、ジルも、そのランスの言葉に従い、強化魔法をかける

 「なっ!!ランス殿、まさか・・・!!」

 その言葉に真っ先に反応したのは、やはりガンジーだった

 「あぁ、魔人を斬れるのは今この場所においては俺しかいない

  それに、こんなところに魔人が二人も攻めてきたのも気になる・・・

  もし、俺達が引き寄せたんだったら、この地に住む人のためにも、迎撃しなきゃいけないからな」

 「しかし・・・今のランス殿の身体は・・・!!」

 「わかっている、だから、速攻で決着をつける

  話を聞いた限り、司令官はレリューコフ、遅れはとっていないはず

  俺達は魔人軍のわき腹から切り込み、敵を混乱させる

  俺の突撃の支援を・・・ガンジー殿とカオルさん、そしてジル、頼む

  ウィチタさんはレリューコフと何とか連絡を取ってくれ

  レリューコフの事だから心配いらないとは思うが、万が一もある

  俺達が切り込んで敵が戸惑ったら即座に突撃をかけるようにレリューコフに伝えてくれ

  傭兵志望者の一団だといえば何とか取り合ってくれるはずだ

  それじゃあ・・・・いくぞ!!」

 ランスが全員に命令を伝え終わると、即座に立ち上がり、宿屋から、戦場へと向かっていった・・・


 ログB付近

 そこで、レリューコフ率いる第一軍と魔物の軍が衝突していた


 「右翼を中央に展開、左翼はそのまま押し返せ

  中央は右翼と合流し次第左翼を援護せよ!!」

 「行きますよ皆さん!!何としても民を護るのです!!」

 レリューコフの命令と共に、ヘルマン軍は陣を一切崩さぬまま次々と魔物軍へと攻撃を仕掛け

 特に、女性の将軍が率いている左翼軍は、完全に魔物の軍を圧倒しきっていた

 「くっ・・・何とか有利には進めておるが・・・数が多すぎる・・・!!」

 レリューコフは、現在戦闘している魔軍の奥を見ながら、そう忌々しげに呟いていた

 そう、戦術的には有利に進めているが、戦略的には不利なままなのだ

 ログB滞在のヘルマン軍約3500に対し、魔物の軍は8000もの大軍

 しかも有利に進めているのは、あくまで魔人達と、その直属軍が動いてないからである

 もし魔人たちが動き出せば・・・・

 レリューコフの脳裏には、最悪のイメージしか沸いてこなかった・・・

 だが、ずっと魔軍を睨み続けていたレリューコフは、異変に気付いた

 「ん・・・?誰か、望遠鏡はないか?」

 レリューコフの言葉に、近くにいた兵が手に持っていた望遠鏡を渡した

 「すまんな、・・・・・・・なっ!!」

 望遠鏡でのぞいた先に写っていたのは、魔軍相手に少数で果敢に突撃をかける一団の姿であった

 「レリューコフ将軍、傭兵志望者と名乗る者が将軍との面会を希望しておりますが・・・」

 レリューコフがその一団を認めるのと同時に、伝達兵がレリューコフに対して報告をする

 「ふっ・・・何の用件かは理解できた、その者に伝えよ、

  我らは直ちに突撃に移る、そちらの一団にその旨と、合流するように伝えてくれとな」

 レリューコフの言葉に、伝達兵は深く頷きながら傭兵志望者と名乗る者、ウィチタに伝達に向かった

 「我が軍はこれより敵軍の掃討戦に移る!!

  敵の動揺が収まらぬうちに徹底的に殲滅せよ!!

  左翼のアミランに伝えよ、先に突っ込んだ一団への道を何としても切り開けとな!!

  勇敢なる者達を死なせるな!!全軍・・・・突撃!!」

 レリューコフの言葉と共に、全兵はその重厚な鎧の重みを感じさせぬ素早さで突撃を仕掛けていった

 特に、アミラン・・・レリューコフの娘である、アミラン・バーコフが指揮する左翼はもの凄い勢いであった

 魔軍はその勢いを止める事が出来ず、次々と撃破されていった・・・


 ログB付近 ランス一団VS魔軍


 「おっ・・・どうやらレリューコフが動き出したな・・・」

 近くに寄ってくる魔物を次々と切り伏せながら、ランスは突撃してくる軍の動きを認識していた

 「そのようですな、では・・こちらも仕上げといきますかな?」

 カオルに護られているガンジーが、凄まじい量の魔力をその手のひらに集めていた

 「早く終わらせましょう、強化魔法もそろそろきれる時間が近づいてきてるから・・・」

 こちらはランスに護られているジルが、ガンジー同様魔力をてに集めていた

 「よし・・・二人とも、やれ!!」

 ランスの言葉と共に、ジルとガンジーは一斉に魔法を放った

 「破邪覇王光!!」

 「黒色破壊光線!!」

 両者の魔法が、魔軍を一瞬で貫き、その道筋にいた魔物は全て消滅していた

 「よし・・・いくぞ!!」

 ランスが、ガンジーのあけた道へと突っ込み、それにガンジーが続く

 それと同時に、ジルとカオルが、ジルがあけた道へと突っ込んでいった

 何故そういう分担になったかというと、単純に云えば被害の差なのだ

 本来、破邪覇王光に比べれば、火力で劣るはずの黒色破壊光線なのだが

 ジルの魔力もあってか、破邪覇王光よりもより大きな被害をもたらしているのだ

 その為、戦力的に劣るジルとカオルが、そちら側へと突撃を仕掛けていったのだ

 まぁ、それ以上に魔人に対する事ができるのが、

 元魔王であったために、魔人の攻撃をあらかた理解しているジルとカオス所持者のランスくらいな為

 あえて分散させる事となったのだ


 そして、ランスとジルは、お互いに、狙い通りに魔人接触に成功した

 ランスと接触した魔人は・・・・

 「ふむ・・・本当にいましたか、いやはや、半信半疑だったのですがね・・・」

 ナメクジのような魔人、ジークであった


 そして、ジルと接触した魔人は・・・・

 「・・・その魔力の波動・・・間違いない、なぜ、何故貴女が・・・ジル様、何故なのです!!」

 魔人四天王が一人、ドラゴンの魔人であるカミーラだった


 ランスVSジーク

 「やれやれ、儂はナメクジを切る為にこうなったわけじゃあないんじゃがのう」

 「ぼやくなカオス、一応あいては魔人だ」

 「・・・・挑発ですか?くだらない真似を・・・」

 キン キャン キィィン カリィン!!

 「挑発どころか事実じゃろうが」

 「・・・・まぁいいでしょう、その身をもって思い知りなさい、魔人の力を!!」

 ガキン カン カン キィィン!!

 互いに言葉を交わしながら(どっちかというとカオスが挑発しているのだが)剣をぶつけ合っていた

 剣技自体はランスの方が勝っているのだが、肉体的ポテンシャルでは、ジークがランスに勝っていた

 しかもお互いに超接近戦を続けている為、ガンジーも乱入できなかった

 その為に、お互いに決定打が出ず、長期戦の様子を見せ始めていた・・・


 ジルVSカミーラ

 両者は、戦いらしい戦いはせず、話を続けているだけだった

 「手紙にも書いたでしょう、私には、譲れない物ができたと」

 「えぇ、ちゃんと見ました・・・だからこそ、納得できない!!

  なぜ、なぜジル様が人間などを・・・!!」

 「訂正なさいカミーラ、マスターを侮辱する事は許さない」

 「くっ・・・認め・・られるものかぁ・・・!!」

 ジルの殺気混じりの言葉に、カミーラはジルが本気でランスに懸想していることを悟ったが

 その事を、魔王としてのジルを知るカミーラには認めることなどできず

 癇癪を起こしたように叫び、出鱈目に攻撃を繰り広げていた・・・・


 ランスVSジーク

 「・・・・!?」

 キィン カン ギャリィィン

 「どうしたランス・・・ん?」

 ランスとジークが打ち合っていると、ふと、目に入ったものがあった

 それは・・・・鳥のような、純白の、透明感のある羽だった

 「・・・・は・・ね・・?」

 ランスは、思わず動きを止め、その羽に魅入っていた

 ランスにとって、その羽は、何か、懐かしい感覚がしていたのだ

 そう、過去に、その羽を見たような、その羽に包まれていたような感覚が・・・

 「余所見とは・・・・死になさい!!」

 羽に魅入っているランスに、ジークは一切の躊躇も無く斬りかかった

 だが、ランスはその斬撃をあっさり受け流すと凄まじいほどの気と共に、ジークを薙ぎ払う

 「オオオォォオオ!!」

 シュパァァァァアアア…

 「ガッ・・・・見事・・・です」

 その薙ぎ払いを受けたジークは、胴体が二つに別れ、その場で魔血塊へと戻ったが

 その魔血塊すらも、ひび割れ、砂に変わり、消滅していった

 それは、ランスの持つダークキングの特性によるものであった

 つまり、魔人の座が、また一つ、ランスによって奪われたのだ

 しかし、ランスはその事を一切気にしていなかった

 ランスは、自分が『何故か』放った『無意識』による必殺技によって生じた

 先ほどと同じ、純白で、透明感のある羽に魅入っていたのだ・・・・


 ジークの戦死により、魔軍は一瞬で崩壊した

 なにせ、カミーラもジーク戦死の報告を聞くと即座に飛び去ってしまったのだ

 そしてランスは、ジルたち全員が集まっても、その羽が完全に消えるまで、魅入り続けていた


 そんなランス達の様子を見ていた老齢の男性と女性が、話をしていた

 リィィィィン………

 「小さくだが・・・共鳴しておる、間違い・・ないようじゃな」

 「えぇ・・・そうでなければ、あの技の、理由が説明できませんよ、御父様」

 その二人は・・・レリューコフと、アミランであった

 「そうじゃな、今日はもう遅い、明日、話すとしよう」

 「えぇ・・・・やっと、やっと帰ってきてくれましたね・・・兄様」

 レリューコフとアミランは、そう言うと街へと戻っていった


 ついに動き始めた『過去』という名の真実

 その真実が証明された時に、動きはじめるのはどのような歴史だろうか?

 もはや神すら解らない未来の歴史

 全ては、主役の活躍のままに・・・・・・・


 あとがき

はい・・・バイト疲れで遅れました、申し訳ない
今回はインターミッションみたいな物です(その割には魔人死にましたが(ぉ))
次回、ついに真実が動き始めます
それにより歴史が大きく動き始めます
多分次も遅くなりますが・・・ご了承ください

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