黒い種 キラ君奮闘?物語
第13話 組織拡大計画 新たなる参入者編
無事アルテミスに帰還したキラ。
格納庫にストライクを移動させ、自身は宇宙船ドックに向かっていた。
先の戦闘(一方的暴行)によって獲得(略奪)したミネルバが入港するからである。
「あ、ルナ、ミリィ」
ドックに到着したキラは、その場にいたミリアリア、ルナマリアに声をかける。
ストレスが発散されたためか、元の状態に戻っている。
「キラ、早かったのね」
「お疲れ様、キラ君(//////)」
キラの存在を見つけて嬉しそうな顔をする2人。
特にキラの呼び方が先ほどのままであることに気がついたルナマリアは、ものすごく嬉しいようだ。
「ミネルバ、入港したみたいだね?」
キラの視線の先にはザフト新造艦ミネルバ。
すでにエンジンは切れており、タラップが設置され始めている。
「キラ、結局誰を指名したの?」
「そうそう。あの後通信が切れちゃってわからなかったのよね」
ルナマリアの言うとおり、キラは途中で通信および映像を切ったのだ。
勿論4人にあの惨劇を見せないためである。
そのため、事前に聞かされていた段階の計画しか知らない彼女達は、
キラの言動や行動などその大半を知らないのである。
「指名したのは3人だよ。もっとも、1人は自分から仲間になってくれたけどね」
「ふ〜ん・・・あ、タラップの設置が終わったみたいだよ」
ミリアリアの言葉に、3人の視線がミネルバのハッチへと向けられる。
と、ハッチが開いて中から人が出てきた。
「メイリン!?」
「お姉ちゃん!?」
それが、ホーク姉妹再会の第一声だった。
「お姉ちゃん、無事だったんだね。
私、お姉ちゃんがMIAになったって聞いて・・・それで・・・」
「ごめんね、メイリン・・・」
目に涙を浮かべているメイリン。
それを優しく抱きしめるルナマリア。
感動の再会である。
「・・・いいね、こういうのって」
「・・・うん、そうだね」
それを少し離れたところで見守っているキラとミリアリア。
色々としなければならないことがあるのだが、
この2人に水を差すような野暮な真似は2人にはできなかった。
そう、2人には・・・
「キラさ〜ん!」
大声を上げながらタラップから降りてくる少年。
先ほどキラの忠誠を誓ったシン・アスカである。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
近づいてくる配慮無しの馬鹿をジト目で睨むキラとミリアリア。
しかし、シンは何の事かわからないようで首をかしげる。
「どうしたんですか?」
「・・・相変わらずね、シン」
シンによってすっかり雰囲気を乱されたルナマリアがやってきた。
ちょっと機嫌が悪くなっている。
「あ、ルナ! 無事だったんだな!」
そんなルナマリアの雰囲気に気が付いていないシン。
そんなシンにハァ、とため息をつくルナマリア。
「ルナも、一体どうしたんだ?」
「アンタねぇ・・・そんなんだからマユちゃんと喧嘩なんかして大ッ嫌い!なんて言われるのよ」
「グオッ!!!!!!」
シン撃沈。
力なく座り込み、小刻みに震えている。
が、
「マユゥゥゥゥゥ!!!どうして解ってくれないんだぁぁぁぁぁ!!!
お兄ちゃんはただ、ただオマエが心配なだけなんだぁぁぁぁ!!!!!!
マユゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!」
再び絶叫。
その音量はさきほどの比ではない。
「ねぇルナ、この人っていつもこうなの?」
「ええ、アカデミー時代から有名なの。
これが無ければ結構モテたはずなのに」
ミリアリアの言葉に昔を思い出すようにして答えるルナマリア。
そのことを知らないキラたちでさえその光景がハッキリと脳裏に浮かんでくる。
「・・・とりあえず、静かにさせようか?」
そう言って錯乱するシンの背後に回るキラ。
2人も無言で頷く。
そして、
バシッ!!!
「ウッ!!!」
キラの全力の手刀(と言うよりもチョップ)がシンの後頭部にヒット。
苦悶の声を上げて気絶するシン。
ようやく静かになった。
「・・・あの」
そんな騒動がひと段落したころ、すっかり忘れ去られていたメイリンがやってきた。
「あ、ごめんなさい。メイリンさん・・・ですよね?(ニッコリ)」
「え!?・・・・・・は、ハイ(//////)」
キラに話しかけられてビクッと震えるメイリン。
どうやら先程の光景を見せられてかなり恐怖を抱いているようだ。
しかし、キラの優しい笑顔を見た瞬間一気に顔を紅潮させてしまう。
「顔が赤いよ? 大丈夫?」
メイリンの顔を覗き込むキラ。
ますますメイリンの顔が赤くなる。
「だ、大丈夫ですから」
「ホントに?」
そして、
コツッ
「!!!!!!!!!!」
「う〜ん・・・熱は無いみたいだな」
おでこを引っ付けるキラ。
もはやメイリンの顔はトマトのように真っ赤である。
「大丈夫みたいだね。でも、無理はしないでね?」
「(ポ〜〜〜〜)・・・・・・ハイ(//////////)」
鼻先数センチの位置でキラの顔を見たメイリン。
もはや彼女は完全に落ちてしまった。
ゴォォォォォォォ!!!×2
そのとき、キラの背後で炎が二つ燃え上がった。
先程のキラに負けず劣らず、ある種キラ以上の威圧感を備えた炎が。
ゾクッ!
悪寒を感じ、ゆっくりと振り向くキラ。
その視線の先には・・・
「「・・・・・・」」
無言で仁王立ちしている、2人の修羅がいた。
それから20分後・・・
「さてと、とりあえずラクスたちのところに行こう」
「そうね」
「そうしましょうか」
「ハイ♪」
右腕と左足、及び両頬に損傷が見られるが、何とか修羅を封印することに成功したキラ。
すっかり機嫌の直った2人にメイリンを交えて状況を説明。
今後のことを協議するため、ラクスたちのところに移動することになった。
「シン、いつまで気絶してるんだ? 早く起きてくれ〜」
自分がやっておいてなんだが、移動するのでシンを起こそうとするキラ。
が、気絶しているシンは目を覚まさない。
そんなシンの耳元で、
「マユちゃんのことを話し・・・」
「何ッ!?マユ!?」
小声にもかかわらず一気に起き上がるシン。
そんなシンにため息をつきつつも状況を説明する。
「わかりました、それじゃあ行きましょ・・・あ、そうだキラさん」
「ん、どうしたんだ、シン」
「例の物体、どうします?」
「ああ、アレか。悪いけど運んできてくれないか?」
「わかりました」
急に声のトーンが下がる2人。
そしてミネルバに戻って行くシン。
「あれ? シン、どうしたの?」
シンの行動に疑問を持つルナマリア。
「ああ、ちょっと荷物運びを頼んだんだ(ニヤリ)」
「そうなんだ」
「さ、行こう」
そして格納庫を後にする3人。
それに少し遅れ、真っ黒な何かを運ぶシンがキラたちの後を追って行った。
あとがき+レス返し
またキラが黒くない(涙)
何だか無駄に長くなってしまった13話です。
私自身何故こんな話になったのかよくわかりません。
とりあえず(現時点で)本作ナンバーワングダグダ話でごめんなさい。
次回はついにレジスタンスの名前が発表されます。
そして、今後の行動が決定されます。
そういう意味では組織拡大編は終わりかな?
とりあえずシンにはこのまま頑張ってもらいます。
何とか影が薄くならないように・・・
モビルスーツとかの情報も次回に書きたいと思います。
勿論マユについても次回です。
イワッペ様・にゃんこそば!!様・SUKIGT様・D,様・覇王様・nagi様・再様・yuuki様・reida-様
レスありがとうございました。