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「それからのラジアータday's第4話〜前編〜(ラジアータ・ストーリーズ)」

でまえそば (2005-03-12 17:38)
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この「それからのラジアータday's」は最近ラジアータ・ストーリーズをクリアした、
でまえそばがエンディングが気に入らなくて書いたSSです。
あのエンディングがよかった!という方、もしくはクリアしていない方はネタバレになる
かもしれないので、読まない方がいいと思います。両方とも大丈夫!!という方は
下にスクロールどうぞー!!


        「それからのラジアータday's 第4話〜前編〜」


ここは人間と妖精族が同居しているラジアータ王国
ほんの少し前まで、人間と妖精族が激しい戦争を繰り広げていた。
しかし、今ではお互いに少しずつ、歩み寄りはじめている。
これは、そんな戦争の中心にあった、少年と少女の「それから」の物語――――



・ ・


・ ・ ・


「はっ、たぁッ!!」  

「てぇい!やっ!!」


「テアトル・ヴァンクール」二階、屋外練習場
現在、ここでは一組の男女が激しい金属音を鳴り響かせていた。

片手剣を持った、栗色の髪をした、まだ幼い顔立ちをした少年―――
―――ジャック・ラッセル

片や、斧を構え、美しい金髪をツインテールにまとめている少女―――
―――リドリー・ティンバーレイク

この二人はただ今、全力でぶつかり合ってはいるが、
別に、喧嘩中というわけではなく、一応、修行中だったりする。
最初の方は、お互い少しずつ、手を抜きあってやっていたのだが……、
二人とも極度の負けず嫌いなので、最後の方はいつも全力になってしまうのだ。

周りで練習していた人達も巻き込まれたくないのか、いつもの事なのか、
いつの間にか誰もいなくなっていた。


「ぜぇ、ぜっ、……リドリー…、さ、流石に、もう限界だろ…?足にきてるぞ?」

「ふッ…、ふぅ…、い、言ってるジャックこそ、もうフラフラじゃないか……」

「はっ…、はぁ…、リドリー?もう、諦めたらどうた?疲れただろ?」

「すぅ、はぁ…、そ、それは私のセリフだ、剣を捨てろジャック。楽になるぞ?」


ジリ…ジリ…と、距離を詰めあう二人。どちらも目がマジだ。
もう一度言っておくが、一応コレ、練習である………………………はず。

お互いが、お互いの間合いに入りかけたその時、二人の間に声が割って入った。


「そこまでにしておきなさい、ジャック、リドリー」


多少こもってはいるが、凛と強く響き渡る女性の声に、
二人の動きがピタリと止まる。そして期せずして、声がかぶった。


「「大隊長っ!?」」

「えぇ、練習中に邪魔してしまって、ごめんなさいね?」


長い角のような物を2本生やした、頭だけではなく顔全体を覆うフルフェイスの兜。
体の方も、全身を包み隠す大きな鎧で固められている、この人こそ、
ラジアータ最強との呼び声高い「テアトル・ヴァンクール」大隊長エルウェンその人だった。

意外といえば、意外な人の登場に驚いていた二人だったが、
大物なのか馬鹿なのか、ジャックがまたいつものように気軽に話しかける。


「なんだ、驚かせないでくださいよ………。
 でも、どうしたんですか?こんなとこに来るのも珍しいっすね?」

「珍しい、ですか?ふふふ……、私だって時々は練習していますよ?
 ですが、まぁ、今回はお二人に用が在ってきたんですけど……」

「?用、ですか……?」

「はい、是非お二人にやってもらいたい依頼があるのです。
 しかし、ここではなんですから、後で大隊長室まで来ていただけますか?」

「依頼っすか。はぁ、そりゃ構いませんけど……?」

「では私は先に戻ってますので、また後ほど……」


エルウェンはそう言うと、さっさと扉を開けて屋内に入っていった。
残された二人は、まだ武器を構えた姿勢でボケッとしていたが、
どちらが先にと言うでもなく武器をしまう。


「あぁっと………、とりあえずー、大隊長のとこ行くか?」

「う、うむ、そうだな。しかし……、私達二人にか……、なんなのだろうな?」


なんとも妙な間が出来てしまった二人だが、
とりあえず、気を取り戻したリドリーが、当然の疑問を口にする。


「さぁ?行ってみれば分かるだろ。んじゃ、行ってみようぜ?」

「まぁ、確かにその通りだな。それでは、早速向かうとしよう」

「………でも、ほんとなんだろーな?ひょっとしたらあれかな?
 すげぇ強いモンスターが出たっとか、そういうのかもなッ?」

「ばか者、そんなモンスターが出たのなら大隊長自ら、既に倒してるだろう」

「ちぇーッ、まっ、そうなんだけどさ………」


と、二人は冗談を言い合っている内に、4階にある大隊長室の前まで来ていた。
リドリーが軽く二度ほどノックをして、声をかける。


「「チーム・アハト」所属、ジャック・ラッセル、及びリドリー・ティンバーレイク、
 両名、参上いたしましたッ!!」


リドリーが格式ばった挨拶をすると、中からエルウェンの声が聞こえる。


「入りなさい」

「失礼しますッ!」


はきはきと答えるリドリーをジャックは後ろの方で見ながら、
こういうとこは変わんないなぁ、とかどうでもいいことを考えていた。

二人が部屋に入ると、先ほどと同じ姿でエルウェンが椅子に腰掛けている。
エルウェンは二人が自分の前まで来ると口を開いた。


「……二人とも来ましたね。来ていただいた所、早速で悪いのですが、
 依頼の説明に入らさせていただきます。
 さて、今回の依頼ですが………、実は……、人間からの物ではありません」

「……人間からではない……?どういうことでしょうか?」

「えぇ、つまり………、妖精族からの依頼、なのです」

「! へぇ……、妖精が人間に……?珍しい事もあるもんだなぁ……」


ジャックが驚いたように声を出す。だが、それは当然だろう。
いくら戦争が終わり、和睦を結んだとしても、戦争の傷跡は深い。
少しずつ歩み寄っているとはいえ、まだまだ両者の間には大きな溝があるのだ。


「その通りです。これは大変珍しい事です。
 王国を通した大きな物では無いとしても、こういった小さなことが、
 人間と妖精族が歩み寄っていくには大切な事だと、私は思います。
 ですので、今回は妖精族とも親交が深い、お二人にやっていただきたいのです」

「なるほど…………。
 ハッ!了解しました!「チーム・アハト」全力を以って任務を遂行しますッ!!」

「あぁ、俺も!そういう事だったら、いっちょ、やってやんぜ!」


リドリーは胸に手を当てて、姿勢を正し答える。
一方のジャックも、目を輝かせ、腕を振り上げながら答える。
エルウェンはそんな二人を見ながら微笑んで――――兜で顔が見えないが――――
微笑んだ雰囲気を出しながら、改めて説明に入った。


「では、内容を説明させていただきます。
 今回の依頼は、ミカエルというダークエルフの少年からの物です」

「……ミカエルかっ!?うわ、懐かしいなー!元気でやってるかな?あいつ」

「依頼が来た、という事は元気でやっているのだろうな。
 だが、ふむ。確かに懐かしいな………」

「お二人とも知り合いなのですか?これはまた偶然ですね……」


懐かしむ二人を前に、エルウェンは説明を続ける。


「続けますよ……?
 今回の依頼の内容は、アルガンダース城の調査、という事です。
 ジャックは以前、行ったことがありましたね?」

「げっ、あそこですか………、また異界の魔物とかが、
 暴れてるーッ、とかじゃないでしょうね……?」

「異界の魔物?……どうやら、そういうことでは、無いらしいですよ?
 なんでも、夜になるとアルガンダース城の内部から光が漏れている、とか。
 怪しい気配はしないようなのですが、気になるから調べて欲しい、との事です」

「ふーん、まぁ、調査くらいならすぐ済む……かな?」

「あぁ、そうだな。特に問題もなさそうだし、明日にでも行ってみるか?」

「………それでは、この依頼については、お二人に任せようと思います。
 後のことは、お二人で相談して決めてください。
 では、この場はこれで解散とします」

「「ハッ!!失礼します!!」」


そして、二人は大隊長室を出て、
現在は、地下二階にある「チーム・アハト」の部屋にいた。


「しっかし、アルガンダースの城かぁ、またあそこに行くとは……」

「なんだ?面倒な所なのか?」

「いや、辛気臭いっつーか、なんっつーか……」

「仕方ないだろう!そのくらい我慢しろッ!!」


ジャックはブツブツ、愚痴っていたのだが、なぜかリドリーは妙に明るい。
はて?と思いながら、ジャックは訝しげにリドリーを見る。
ジャックに見られている事などまったく気付かず、リドリーは鼻歌でも
歌いだしそうな雰囲気で荷物の準備を行っている。
………たまらず、ジャックは口を開く。


「…………なぁ、リドリー?」

「なんだ?ジャック?武器の手入れはちゃんと済んでいるのか?」

「……いや、これから…………、じゃなくてさ、なんで」

「だめだぞ?そういうことを怠るといざって時に困る事になるんだからな?」


言ってることは普段のリドリー通りなのだが、顔が違う。
なんというか……………、緩んでいる?とでもいうのだろうか。
私、幸せですっ!というオーラを周りに放出している気がする。


「…………いや、リドリー?何でそんなに嬉しそうなんだ?」


ジャックが意を決してそう尋ねると、
リドリーはジャックを、驚いたように見てピタッと動きを止める。
次の瞬間、リドリーは一気に湯気が出そうなくらい真っ赤な顔になった。
そして、段々と朱が侵食して行き、首筋まで赤くなったところで爆発を起こした。


「なっ!ななななな、なにを言ってるんだ、ジャック!!私が……、
 う、嬉しそうなどと!!そ、そんなこと無いぞッ!?まったく無いぞッ!?
 ま、まったく!ジャ、ジャックは何を見てるんだッッ!?」

「いや、慌てすぎ、慌てすぎ。落ち着けって、リドリー。なっ?
 だからな……、おれはこの依頼のどこがそんなに楽しいのかを………」


予想外に慌てるリドリーに、ジャックは逆に冷静になりながら、
とりあえず、落ち着かせようとするが、リドリーはなぜか余計にテンパり、
目をぐるぐると渦巻き状にしながら喚き散らす。


「にゃ、にゃにぃ!?わ、わたしのどこが楽しそうだというのだッ!!
 あ、いや、別に楽しくないというわけではないんだぞッ!?
 だっ!だが、任務に浮ついた気持ちなど持ってはいない!
 久々に二人きりでの任務だぁー、などとまったく考えていないぞッ!?
 これは、ある種のデートではなかろうか、なんて以ての外っ………………あれ?」


結果、自爆した。そりゃ、もう盛大に自爆した。

静止した時の中、ジャックの顔が、にやぁ〜と笑う。
リドリーは顔から、太ももまで真っ赤にさせて顔を伏せる。
そして、ジャックが、ニヤニヤしたまま、口を開いた。


「そっかぁ〜、リドリーはおれとデートしたかったのかー、へぇ〜」

「あ、あう、あうぅ…………」

「なるほどなぁ〜、そうならそうと言ってくれればいつでも行ったんだけどなぁ〜」

「うぅ、ぅぅ、ぁぅ……」


妙な笑顔のままズイズイと近寄っていくジャックに、
声も出せず、ますます顔を伏せていくリドリー。


「……っ!……………ぅ!!」

「んー?聞こえませんよー、リードリーさーん?」


小さな声でもごもご言うリドリーに、ジャックが近づく。と、


「う………、うぅ〜〜〜!!悪いかッッ!!
 だいたい、お前が最近、どこにも連れて行ってくれないのが悪いんだぞッ!!
 わ、私だって、普通の女の子らしく、こ、恋人とデートくらいしたいんだッ!!」


本日、二度目の爆発。というより、キレた、と言ったほうが正しいのか。
涙目で、うがーと叫ぶかのような、リドリー。
流石にこのカミング・アウトには、ジャックもひるむ。


「「………………………………」」


お互い真っ赤になって黙り込む二人。
目線もあっちにいったり、こっちに来たりしている。
少しの間、そうしていたが、まだ赤い顔のままジャックが口を開いた。


「えぇっ……と、その、ゴメンな……。気付かなくって……。
 でも、そういうのも………言ってくれると嬉しいか、な……はは」

「…………………?」

「えっ?明日?あ、あぁ、そうだな。
 んじゃ、ちょっとデートがてら行くとするかぁ!!」

「…………………!」

「へっ?弁当?リドリーが作んの?……………できるのか?
 あっ!いや、そういう意味じゃなくて……、あー!!楽しみだなー!!
 リドリーのおべんとー!!!」

「…………………!!」

「は……、はは……、あんまり張り切らないでいーから………」


俯いたまま、ぽそぽそ話すリドリーと、
今まで、激戦を戦い抜いてきた戦士の感か、
すごい勢いで脳内の警報が鳴り響いているジャック。

なんだかんだでも、二人は幸せそうだった――――――――


                         ――――後編に続く?――――


   あとがき

まぁ、やっぱり二人はバカップルってな話。
どうも、でまえそばでございますー。
この前、ぶっ飛んだデータをそのままに、また新しいのを書いちゃいましたー。
つい、です、つい。テヘ。(かわいくない
ちょっと長くなりそうなんで、分けました。後編もそのうちに……。
今回、蛇足抜いてみたんですけど、みなさんにお聞きしたいんですが、
あれ、読みたいですかね?今回のは「リドリー、料理を頑張る」
的な話だったんですけど……。
蛇足が好きだぁ!!てな人がいらっしゃったら、
次のときにでも、書かせていただきますね。い、いるのかな………?


                       でわっ!!でまえそばでしたッ!!


   レスレス返し

>けるぴーさん
まず、レスがあったことに今まで気付かず、申し訳ありませんでした。
たまたま、今までのを見ていたら、あった事に気付きまして……、ほんとごめんなさい。
では、読んでくださって、ありがとうございますッ!!
そうですよね、共存ルート欲しかったですよね〜……。
ちなみに、わたしはデート、アーシュラでした。結構好きなんですが、
この小説にはあんまりでてきません。………あれ?ほんとなんでだろ??

>サイコロさん
一番おめでとーございます!!いや、まぁ、なんもないんですが……。
楽しんでいただけて、よかったです!ふふ、ミランダの恐ろしさはこれからさ……

>クロスさん
いやいや、こちらこそ楽しんでいただいてかたじけないですっ!!!
ジルオール、おもしろそう…。PS2版出たら買おうかなぁ………。

>ブローくんさん
お久しぶりですッ!!お仕事頑張ってくださいね!!
基本ほのぼのが一番ですからっ!ジャックは最強で最弱なのです、特に女性関係では。

>サイモンさん
読んでいただいてありがとうございますッ!!ミランダの話は、
実は、出そうか迷ったんですよ〜。でも楽しんでいただけたのなら、幸いです!!

>墜犬さん
そうですね、とりあえずの和解は成立しているんです。
これからが大変なんですが。ジャックの周りにはいい大人が沢山いましたから!! 

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