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「それからのラジアータday's番外編〜ミランダ〜 (ラジアータ・ストーリーズ)」

でまえそば (2005-03-09 01:48)
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この「それからのラジアータday's」は最近ラジアータ・ストーリーズをクリアした、
でまえそばがエンディングが気に入らなくて書いたSSです。
あのエンディングがよかった!という方、もしくはクリアしていない方はネタバレになる
かもしれないので、読まない方がいいと思います。両方とも大丈夫!!という方は
下にスクロールどうぞー!!


   「それからのラジアータday's 番外編〜ミランダ〜」


―――私は、彼に初めて逢った時の事を、今でも良く覚えてる―――


ラジアータ王国 神聖オラシオン教団の聖堂で、一人の少女が祈りをささげている。

長く黒い髪に、褐色の肌。
その身を、オラシオン教団の僧服で包んでいる。

静かな聖堂の中、ただ少女の祈りのみが響き渡る。

そんな空間を破壊するように突然、聖堂の扉が大きな音をたてて開かれた。


「すいませーん!誰か居ませんかぁー………。
 テアトルから来ましたジャック・ラッセルですけどー…………」


扉を開け静寂を破壊した張本人―ジャックは、少し遠慮がちに声を上げた。

今まで、祈りをささげていた少女は、祈りの時間を邪魔されたことなど、
まるで気にしない様子で、口元にほのかな笑みを浮かべ、
振り返りジャックを見やる。


「こんにちわ、ジャックさん!
 んーと………、今日は怪我、してないみたいですねー……、いい事です!」

「うわぁッ!!ミランダ………、いたんだ………」

「いたんだ………って、ひどいですよ〜、ジャックさん。
 私、教団の僧侶なんですよ? 当然いるに決まってますよー」

「あ〜……あぁ、わりぃわりぃ……、ははは………。
 えっと、そうだッ!!今日はテアトルの依頼で、来るように言われたんだけど……。
 ミランダ、何か知らないか?」

「誤魔化しましたね………。
 ん〜、でもなんでしょうか……?
 私、何も知らないんです……、ごめんなさい」


申し訳なさそうに、頭を下げるミランダ。
ジャックはそんなミランダを見て慌てて頭を振る。


「い、いや!ミランダが気にする事じゃ無いって!!
 でも、そっか、知らないか〜。どうすっかなぁ…………」


ジャックが少しの間考えて、そう口にすると、ミランダは何か思い付いたのか
突然、両手を合わせて、ジャックに声をかける。


「そうだっ!ジャックさん、お暇が出来たんなら、少し私とお話しませんか? 
 今日は天気もいいですし、お外のベンチなんか気持ちいいんですよ〜!!」


名案だ、と言わんばかりのミランダに、
ジャックは少し思案した後、


「そう…だな……、まぁ、時間も出来たし……。
 いいぜっ、そうすっか!」


頷いて了承するジャックに、ミランダは、パァッ!と笑顔になり、
今度はジャックの手を取り、外へ向かう。


「あはっ!じゃあ、行きましょうか!ジャックさん!!」

「うわぁ!!ひっぱんなって!」


ジャックの声を軽く無視するミランダにジャックは
なすがままに引きずられていく。


「あれ?そういえば今日はリドリーさんとご一緒じゃないんですね?」


外に向かう途中思い出したように、ミランダがジャックに尋ねる。


「ん……、あぁ、今日はリドリー、一人で任務に行ってるんだ」


ジャックはミランダに答えながら、朝のことを思い出す。  


『ジャック!大丈夫だッ!私にまかせろッ!
 こんな任務くらい一人でこなしてみせる!!!』


やけに張り切っていたリドリーは少し心配ではあるが、
まぁ……、大丈夫だろう。彼女はあれで、結構しっかりしてるし………。

―――完全に余談であるが、この依頼でリドリーとフラウは出会うことになる。

ジャックが思考の渦に、はまりかけた所でミランダが声をかけた。


「ジャックさん?どうかしましたか………?着きましたよ?」

「あ、あぁ、悪いな、ボーッとしてた。
 んー……、やっぱいい天気だな…………」

「ですよね〜、私ここ大好きなんですよー。
 気持ちいいですよね〜〜」


二人はベンチに並んで座り、ぼんやりと空を眺める。
やわらかい日差しが二人に注ぎ、空にはゆっくりと雲が流れる。

どのくらいそうしていたのか、突然ミランダが口を開いた。


「あの、ジャックさん………、一つ、聞いてもいいですか……?」

「え……、別にいいけど……、何?」


ミランダは、スッとジャックに視線を向けると真面目な顔で話し出した。


「ジャックさんは、この前の戦争……。なんで……、戦ったんですか?」

「………へっ? なんでって……」

「………ごめんなさい、解りにくかったですよね…。
 えっと、なんでジャックさんは、人間と妖精の戦争を止めようとしたのかなって……。
 ………やっぱり、その、リドリーさんの……為、ですか………?」


最後のほうは俯いて話すミランダに、
ジャックは再び空を見上げて話し出した。


「なんで………か。
 あー………、なんでだろ……?」

「な、なんでだろって………、わかんないんですかッ!?」

「なんで、なんだろうな? ……あぁ、もちろんリドリーの為ってのもある。
 好きな女くらい護らないと………、とかさ?
 ほかには………、なんて言うんだろうな。
 例えば、人間にも、エルフにも、ダークエルフにも、ドワーフにも、ゴブリンにも、
 ………まぁ、オークにも、いい奴っているだろ?
 俺はそいつらと居ると楽しいし、おもしろい。だから………なんだろうな、結局の所。
 だから、えっとー……、うぅむ、やっぱりよくわかんないな……。
 …………あぁ、もう!結局さ!!みんな仲良くした方がいいだろ?
 うん、つまり、まぁ、そういうこと!!」

「………そ、そういうことって………、ジャックさん………。
 …………………フ、フフフ、あはははは………!!」


呆然としていたミランダだがその内、肩を震わせ、大きな声で笑い始めた。
ミランダの様子に驚いたジャックだが、憮然として文句を言い出す。


「そ、そんなに笑うなッ!
 しょうがないだろ!!俺、頭わりぃんだから!!」

「ハァー、ハー……ご、ごめんなさいぃ……、フフフ……。
 ジャックさんはそういう人だったなぁって……。
 私はそういうとこ、大好きですよ?」

「へ?……まっ、まぁ、いいんだけど……」


大好きと言われて赤くなるジャックに、ミランダは軽く微笑む。


「みんな仲良く、ですかぁ……。素晴らしい事、だと思います」

「そ、そうかな?ははは………」

「フフフ、はい、とても素敵です」


二人が笑いあっていると、どこからかジャックを呼ぶ声が聞こえてきた。
二人が声に気付き辺りを見渡す。


「おぉ、ジャック!ここに居たか!
 カイン様が中でおまちになっている。来てもらえるか?」

「アキレスのおっさん!依頼ってあんたらからかよ?
 ったく!今まで、どこ行ってたんだよ?」

「いや、すまんな!カイン様がどうしても出かけたいとおっしゃってな、ワハハ!!」


まったく申し訳なさなど無いように、大きな体を揺らすアキレス。
ジャックはそんなアキレスに軽く溜息をついて、ミランダに向き直る。


「っと、わるいな、おれ仕事やんないと………」

「いえ、気にしないでください。私はとっても楽しかったですから」

「ぬっ?ミランダも居たのか。すまんな、話を邪魔してしまったか?」

「構いませんよ、アキレス様。さっ!!二人ともお仕事があるのでしょう?
 のんびりしてて、いいんですか?」

「おぉ、そうだ、そうだ!ジャック、行くぞ!」

「あぁ、もう、うっせいなぁ!行くってば!!
 じゃな!ミランダ、また今度なー!!」


そう言って走り去っていく二人―――というかジャックを、
ミランダは見つめていた。

みんなが仲良くしたら………、真剣にそう言ったジャックの顔を思い出すと、
頬が熱を持ち、動悸が早くなるのを感じる。

うぅ、やはりこれは恋なのだろうか…………、
だとすれば、我ながら不毛な恋をしてる、とミランダは思う。

この恋が叶うことなど無いかもしれない、いや、無いんだろう。
彼には世界を敵にまわしかけてまで護った、リドリーという恋人がいる。
でも、それでも、好きになってしまったものはしょうがない。
諦めるというのは、好きじゃないのだ…………、ならばやる事などただ一つ。


「よしッ!ジャックさん!!私、頑張ります!!」


さしあたっては、ゴドウィン様に相談を―――

ラジアータの街をミランダは颯爽と走り抜ける―――


――――――『はじめまして!私、ミランダといいます!
       その怪我……どうなさったんですか?』

      『よっ!おれはジャック!よろしくな!
       いや、そこで喧嘩の仲裁をしたら………な』

      『あら、災難でしたねー、どれどれ、診せてください。
       でもなんで、そんなに嬉しそうなんですか?』

      『嬉しそう、かな?いやさ、喧嘩してた連中がさ、
       仲直りした時、俺に礼を言ったんだ。それ聞くと、な?
       やっぱみんな仲良く!が一番だよなー、とか思ってね?』

      『みんな仲良く、ですか……、フフ、素敵ですね。
       …………なぜか、みんなには、笑われるんですけど、
       実は私、この手で全ての人を癒せられる、そう思ってるんです』

      『へぇ、そっか。すげぇなぁ、ミランダ。
       こんなに治癒の術が上手いミランダなら出来そうな気がするな。
       ………あぁ、きっといつかできるよ。頑張れよな?』

      『……っ!はいっ!ありがとうございます!!』――――――――


 蛇足、やっぱり、蛇足…………………以下、会話文のみでお楽しみください。


「ん?リドリーじゃんか。俺の家の前でなにやってんだ?
 あぁ、そういや、依頼のほうは上手くいったのか?」

「依頼………、依頼か。あぁ、それなら、なんとか、上手くいった」

「そっか!よかったなっ!………って、なんでそんなに暗いんだよ?」

「なぁ、ジャック?知っているとは思うが……、私は嘘が嫌いだ……。
 それを踏まえて、答えろ。今日一日お前は、何をしていた?」

「何って……、普通に依頼こなしてたぞ?
 …………待った、なんで斧を構えるんだ?なんで振りかぶる?」

「ジャック、私は悲しい……。この手で恋人を切ることになろうとは……」

「ぬぉ!?あぶないだろっ!?なにすんだよッ!!」

「ちッ!避けるか、ジャック!
 知ってるんだぞ!今日お前が、ミランダと一日中、い、一緒にいたって!」

「うぉ!ちょっ……待てって!!
 何だそりゃ!?ってか一日中もいてないし、何もしてねぇ!!」

「一緒だったのは認めるんだな!!この浮気者ぉ!!」

「ひぇッ!浮気って、少し話してただけだろッ!?
 だ、だいたい、誰に聞いたんだよ!?そんなデマ!!」

「このっ!おとなしくしろ!!
 タナトスが、詳しく、教えてくれたぞっ!!!」

「あ、あの、おやじ〜!!ぜってぇ、ぶっ飛ばす!!…………………あ」

「これでとどめだ!ワイルドピッチィッ!!!」


翌朝、ジャックが怪我を治すためミランダのところに行った事がリドリーにばれて、
街中を、追いかけまわされるはめになったのは、また別の話――――――


                 落ちる、落ちれば、落ちるとき(意味不明


   あとがき

もし、待ってた方がいたら、お待たせしてごめんなさい!!
でまえそばでございますー。
最近やたら忙しかったり、続編のデータぶっ飛んだりしてましたー、うぅぅ………。
ちょっと書き直すのが大変なので、前書いてた小話を一つお送りしました。
しかし、これ……どうなんでしょ?これこそ需要の問題がありそうな……。
ま、まぁ、読んでいただけたのなら幸いです!!
今度はリドリー出していきたいと思いますので、もちっと待ってくださいー。
こういう風に格キャラの話もそのうちに………多分。

                       でわっ!でまえそばでした!!


   レスレス返し

>クロスさん
はい!やっぱりジャックはみんなと共に、が一番ですよね!!
ジルオールですか……、やった事無いですね、おもしろいのならぜひ私も!!

>佐々木重信さん
し、幸せだなんて、ど、どうもありがとうございます!!
エアデールは悩んだんですが、出してよかった、かな?まだまだがんばります!

>ユピテルさん
楽しんでいただいてよかったです!!逆……確かに…。
まぁ、リドリーですから!!これからもジャックの苦労は増えていく〜、フフフ。

>墜犬さん
誤字チェックありがとうございます!!うぅ、また素でケインかと……。
リドリーに関してはですね、ジャスネの親ばかです。家督を剥奪して、家を追放しても
なにか親子の証という物を、形だけでも残しておきたかったのです。
ちなみに、リドリーのティンバーレイク姓には、もはやなんの力もありません。
しかし、墜犬さんの仰る事のほうがおもしろいかも………、変えよっかな、設定。

>PYMさん
戦闘よかったですか!!とてもうれしいです〜!!安心しました!
エアデールの態度はまぁ、後々?(あの二人は反則レベルですからねー、強すぎです

>サイモンさん
楽しんでいただけたのならこれ以上嬉しい事はありませんー!!
あの二人は勢いがつくともはや止められないのです!!突っ走りますよー!!

>サイコロさん
はじめまして!初めての書き込みが私ですか!?あ、ありがとうございますー!!
これからもガンガンがんばりますので、もっと食い入ってくださいねー!!!

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