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「転生日記2(風の聖痕+オリジナル+いろいろ)」

ハネぽん (2005-03-10 16:43/2005-03-10 16:46)
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転生日記第2話  ファーストコンタクト


神凪一族、それは炎を持って古来より日本を守護する集団である。
その炎はすべての魔を浄化するという。


「君が今日から弟子になる三咲和人君だね」
「はい」

和人の前にしっかりと両足で立っているのは、和服を着ている中年の男性だ。
その男の持つ威厳と覇気は、この一族の誰よりも優れた物だった。

「まさか宗主から炎術を学べるとは、ありがとうございます」
「三咲家の人間を弟子にできるのだ、こちらこそ光栄だよ。しかし娘の修行もあるので、言い方は悪いが、ついで、という事になるが」
「それでも光栄です。元々神凪の技は秘伝、それを片手間とはいえ宗主から学べるのですから。それよりお嬢様がいらっしゃるのですか?」
「うむ、名を綾乃と言ってな。今年で4歳になる」

そう言った神凪一族の宗主、神凪重悟の顔は何故かにやけていた。

「4歳で修行を?」
「一族の者は幼少の頃から炎術が使える。それに将来は神凪を背負うかもしれぬ娘なのでな」
「なるほど」
「さて、私は用があるので少し失礼する。修行場へはこの者に案内させよう」

重悟が合図をすると、一人の男がやって来る。
自分を絶対視し、他を見下す目を持つ男だ。

「はじめまして、大神雅行と申します」

言葉だけは丁寧だが、雅行の態度は相手への礼儀がゼロしか無いようであった。
和人が本当に弟子になるならそれでも良いであろう。しかし和人は弟子だが、正確なここでの身分は客人なのだ。
 これは神凪が外部の者を弟子に取る習慣が無いのと、和人が日本は勿論、世界でも有数の金と権力を持つ三咲家の人間だからだ。

「それでは和人君、少しの間だけ失礼するよ。修行場に着いたら、私の娘が修行をしている筈だ。その修行をよく見ておきなさい。私の用が済んだ後に本格的な修行を始めよう」
「はい、よく見て勉強させてもらいます」

この和人が言った勉強は炎術を対象としていない。和人が勉強するのは神凪一族そのものだ。
一族をよく観測し、この一族に蔓延している病が治療できるなら治療し、できないなら潰さなければならない。

和人としては潰す方を希望している。
その方が簡単だからだ。

神凪一族を潰す簡単な方法、それは神凪一族との戦争だ。
神凪一族が和人を憎みその炎を向けた時、神凪一族は滅びる。
和人は炎の精霊王の息子で、精霊王を抜かせば最上位に位置する精霊なのだ。
そして力だけなら精霊王に匹敵する。権限は当然及ばないが。

そんな和人に牙を向く。それは神凪が精霊王に牙を向けたことを意味し、彼等の持つ精霊王の加護は永遠に失われる。
 かくして最強の炎術師の一族、加護に頼りきっている神凪は滅亡するしかないのだ。

まあ精霊術が使えなくなったとしても、退魔の仕事は無理でも他の仕事があるので地上から神凪一族が消えることは無い。
 和人も潰したいのは退魔師の一族としての神凪なので、神凪一族を虐殺したい訳では無い。

退魔を止めても、今までの財産がある。それを使えば新しく商売を始められるだろう。
こう和人は考えている。
神凪一族は古来より退魔を生業とし、三咲家には及ばないがかなりの財を築いた。
これからの神凪は退魔ではない分野で活躍して欲しいと、和人は切望しているのだ。

「それでは和人様、こちらへ」
「わざわざすいません」

雅行はまた言葉だけは丁寧に、しかし行動は不誠実な態度で和人を案内して行く。
その足は一人でどんどん歩いていく。どうやら子供の足に合わせて歩く気は無いようだ。


「ふん、宗主にも困ったものだ」
「成金如きのガキに炎術を教えるとは」
「まったく、精霊王の加護を受ける我々がなぜそのような事を」
「どうせ金でも積んだんだろ。成金は金があれば何でもできると思い上がっているからな」
「我々に妖魔や悪霊から守ってもらってる分際で」
「本当なら全国民から謝礼を貰うのが当然の一族なのだぞ、我々は。それが教師の真似事をするとは」


これらが、和人が修行場に付く間に聞いた神凪一族の生の声だ。

(オマエらだって力で何でも出来ると思っているだろうが。それに元々魔を祓うのは神凪の義務だろ。その代償に父上の加護を受けているんだぞ)

そしてこれが和人の心の声である。

修行場に着いた和人は、怒りで心の中が埋め尽くされていた。
魔を祓う代価に金銭を要求するのは良い。和人も金が無くては生きていけないのは知っている。

しかし、最近の神凪一族は欲が強すぎる。

神凪はライバルが少ない事を良い事に、報酬を今までの10倍にしたのだ。
依頼者は神凪の他には退魔を行う業者を知らず、命に関わる事なので高額の報酬で依頼する他無いのである。
もっとも神凪の同業者は少ない。関東では神凪が市場を独占しているのが現状だ。

京都には幾つかの退魔を生業とする家があるが、術者の数が少なく関東まで進出できない事情もある。

さらに、今の不景気な世の中では人の心は荒れ、魔が誕生しやすいのだ。
つまり、退魔師は稼ぎ時なのだ。
当然依頼の数も多い。そこで神凪は報酬とは別に料金を取っている。
予約金と神凪では呼んでいる。これは依頼者が神凪に支払う予約金の額に応じて、退魔を行う優先度を決める為のものだ。

すなわち、多く払えば払うほど速やかに退魔が行われる。逆に払わなければ、依頼して退魔が行われるまで2週間程の時間がかかるのだ。

和人の祖父も多額の予約金を支払った結果、依頼した次の日に神凪による退魔が行われた。


「・・・誰もいない」


和人が現実に目を向けると、そこには誰もいなかった。
案内をした雅行も、修行をしている筈の綾乃もいなかった。

余談だが、この時雅行が和人を案内したのは第二修行場と呼ばれる場所だった。綾乃が修行しているのはココでは無く、別の第一修行場なのだ。


そして雅行のこの行為が、和人に運命の出会いをもたらす事になる。


辺りを見回していた和人は、草むらにしゃがんでいる子供を発見した。

年齢は和人と同じ位だろうか。
そして目を引くのはその髪型だった。まるで素人が適当に切ったような奇妙な髪形だ。

和人は近づいてみると、その子供は頭を手で隠すように抱え泣いている事に気が付いた。

「誰?また僕をいじめるの?」

泣いている子供も近づいてきた和人に気づき、顔を上げて怯えながら和人を見つめる。
その顔と声で、和人はこの子供が可愛い少女だという事を認識する。

「大丈夫、俺は君をいじめたりしない」
「ホント?」
「本当だよ。俺は三咲和人、君の名前は?」

少女を安心させる為に、和人は精一杯の笑顔を見せる。
その笑顔を見て少し安心したのか、ぎこちなく笑顔を見せる。

「僕は神凪和美・・・」

そう、これが炎の王子と後に風の巫女と呼ばれる二人の出会いであった。


おまけ その頃の父上

「赦してよ、夕菜」
「和樹さん!私達を愛していると何時も言っているのに、どうして浮気するんです!」

ある世界で、和樹は妻の一人である夕菜に追い詰められていた。

そう、和樹は四人の女性と結婚しているのだ。もちろんそれは夕菜、玖里子、凛、舞穂の四人である。
この四人と和樹は関係を持ってしまったのだ。一人だけは年齢的にキスまでであったが。
唯一の救いは、四人と関係を持っている事を知っているのは当初和樹だけだったという事だ。

ある日精霊王としての記憶を取り戻した和樹は、この関係がばれる前に精霊界に逃げる事にした。

しかし彼女達は和樹が他の女性と関係を持っていることに気が付いていた。なにせ和樹と関係を持った女性は皆、同じ家に住んでいるので簡単に分かってしまうのだ。

それを知った彼女達はそれほど慌てなかった。一人を除いては・・・
その一人も凛の妊娠という事実の前に、その矛を収めるしかなかった。

こうして和樹は知らぬ間にハーレムの主となった。
彼等五人は、互いを家族と認識しており誰からも不満がでる事はなかったのだ。
外野からは非難の嵐だったが。

和樹が精霊界に逃げる時も、4人で和樹を実力で捕まえそのまま精霊界に移住してしまったのだ。これは精霊界なら人間界の法律は意味を成さないからだった。

こうして和樹は4人の花嫁と、精霊界で暮らす事となる。


もっとも彼女達の性格が変わる事は無かった。

夕菜は当然の如く和樹の浮気を許さなかった。和樹と家族以外の女性との接触は、夕菜にとってはすべて浮気なのだ・・・

「だから誤解だって」
「・・・私見たんです、和樹さんがあの女とキスするの。私達を愛しているのに、どうして浮気をするんです!」
「僕は心から夕菜を、夕菜達を愛してる、本当だよ。
・・・でも、これはこれ、それはそれって・・・」

思わず言ってしまった和樹の本音に、夕菜は沈黙する。

「ウガー」

その沈黙も長くは続かなかった。

「それを浮気と言うんです!」

そして夕菜は黒こげになった和樹を引きずり、家族が待つ家へと帰っていく。

うう、ただの遊びだったのに・・・

と、これは黒こげになった和樹の心の中の声。彼は夕菜達と暮らしていくなかで、しだいに夕菜の父である健太郎に似てきたのは、おそらく同じ境遇で生活してきた為だろう。


あとがき

風の聖痕のキャラがやっと登場です。
一人だけ性別変わってますけど。

これから彼女の性格がどのように成長するかは、次の4つを考えています。
 1 原作の和麻のような性格
 2 大和撫子な性格
 3 キシャーな性格
 4 もう許して御主人様・・・な性格

原作の時間軸まで予定ではまだまだあるので、気長に考えていきます。
自分的には3が本命で、4が大穴ですかね・・・


レス返しです

かのん様

>まぶらほ大好きなので楽しみですね
すいません、まぶらほは和樹とキシャーがゲスト出演するのみなんです
できるだけ、楽しんでもらえるよう頑張ります


アイギス様
三つ目はヒントと言うよりまだ伏線の状態ですね
ヒントトは天界と三男坊です
このキャラとの絡みで主人公を三男にしました。
最大のヒントは作品は三つでも作者は二人、です

それと一応
和樹は15で捕まっては無いですよ
キシャーは主人公の精霊時の母なんで

>愛し合ってるのか?
和樹とキシャーは愛し合ってますよ。二人は、付きませんが。


ルファー様
>キシャー様も理不尽なことでは怒らなくなったのだろうか?
理不尽な事ですぐ怒ります。例外が3人できただけで、キシャーはキシャーです。

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