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「まぶらほ そして伝説に・・・第8話(まぶらほ+オリジナル)」

くまっち (2005-03-08 16:47/2005-03-08 20:22)
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まぶらほ  そして伝説に・・・


第8話


駅前繁華街。
悲鳴と爆音に包まれていたこの場所が、
徐々に静けさを取り戻しつつあった。
聞こえてくるのは瓦礫の間を吹きぬける風の音。
そして時折聞こえてくる、

 ガキィィィィン!!

凄まじい剣戟だった。

「・・・・・・」
「チッ!!」

魔力値100万を超えるSクラス級魔族同士の決闘。
それは1000年前ですら滅多に繰り広げられることの無かった激しい、そして美しい戦いだった。

 ブゥン!! ブゥン!!

空を切る双剣。
常人はおろか、達人級の腕前を持つ者でさえ捉えることが出来ない連撃を、最小限の動きだけで避けるフォード。
そのまま大剣を振りかぶり、防御体勢の整っていないフィリアへと振り下ろす。

 ガキィィィィン!!

「クッ!」

強烈な斬撃。
辛うじて双剣でブロックするも、勢いまでは完全に吸収しきれない。
そのまま吹き飛ばされ、向かいのビル壁に叩きつけられるフィリア。

「・・・・・・・」

フォードは攻撃の手を緩めない。
空いている左手に魔力を集中。
そのままビル目掛けて魔法弾、いや魔力砲を叩きこむ。

 ドゴォォォォォン!!!

着弾。
15階建てビルの10階より上が跡形も無く吹き飛ぶ。が、

「ハァァァァァ!!!」

着弾の瞬間に脱出していたんだろうか。
フォードの真上からフィリアの声。
そのままフォード目掛けて落下してくる。
そして、

 ガキィィィィィン!!!

斬撃を受け止めるフォード。
と、剣の接点を支点にしてフィリアが回転。
その勢いを利用してフォードの腹部に膝蹴りを入れる。

「グッ・・・」
「そこ!」

怯んだフォードに続けざまに蹴りを喰らわせるフィリア。
しかしやられっ放しのフォードではない。

「まだまだ!」

無表情だったフォードだが、蹴りの痛みに一瞬顔をゆがませたあと、笑みを浮かべた。
それはフィリアが和美たちと戦っていたときのものと同じ。
強い者と戦えることを喜んでいる笑みだ。

「ハァッ!」

フィリアを薙ぎ払うと、左腕に魔力を集中。
先ほどの魔力砲ではなく、漆黒の剣を作り出す。

「いくぞ!!フィリア!!!」

右手の大剣と左腕の魔力の剣。
2本を使ってフィリアに斬りかかるフォード。

「ハァァァァ!!!」

フォードが魔力の剣を作り出す間に体勢を立て直したフィリア。
それを迎え撃たんとして向かっていった。


フィリアの視点

激しい戦いの中、私は久しく感じていなかった喜びに包まれていた。

「ハァァァァ!!!」

上下左右、あらゆる角度から斬撃を放つ。
人間はおろか、同じ魔族でさえも見切れないほどの神速の斬撃。
だが、目の前の相手はそれを何でもないことのように受け流していく。

(やっぱり強い!)

自分は限界まで、いや、それ以上の力を出している。
それでもなお相手にならないほどの強さ。
命を賭けた戦いの場に生きる、戦士だけが感じられる喜びだ。
でも、

(ガルフォード様、どうして貴方が・・・)

私にはわからない。
何故ガルフォード様が魔族を裏切るような真似をするのか。
魔王軍の長にしてルシファー様にさえも匹敵すると言われていた最強の魔族。
戦場では常に先頭に立ち、立ちはだかる敵をなぎ倒す。
恐ろしくも凛々しい姿。
そのあまりの素敵さに、私は・・・

(・・・・・・ハッ!いけないいけない)

妄想の世界に行きかけたが、今は戦闘の真っ最中。
しかもその相手はガルフォード様なのだ。
油断は即敗北につながる。

(集中しなきゃ。相手はガルフォード様・・・・・・やっぱり素敵)

目の前で剣を振るっているガルフォード様を見る。(集中しなくていいのか?)
いつも見ていたクールな顔。
戦場でもそれ以外の場所でも、常にこの表情を崩さなかったガルフォード様。

(でも、私にだけは色々な表情を見せてくれたのよね)

私は目を閉じて思い出す。(あの・・・戦いは?)
私が話しかけるといつも微笑んでくれた。
私の下手な料理をおいしいって食べてくれた。
そして、一緒に寝ちゃったり・・・
キャァ〜〜〜〜〜〜!!!恥ずかしぃ〜〜〜〜〜〜!!!

(でも・・・)

そう、さっきガルフォード様はあの人間の小娘どもに笑いかけていた。
私と言うものが在りながら・・・(お〜い、戻って来〜い)
大体何よあの小娘ども!
私のガルフォード様に馴れ馴れしくしちゃって!
あんな小娘たちよりも私のほうが美人だしスタイルだっていいのに!

(・・・そういえば)

昔からガルフォード様って浮気癖があったわよね。
隙あらば女の子に話しかけていたわ。
私と話している時でさえ。
・・・・・・そう、魔族がいなくなったから今度は人間に乗り換えたんですね?
あれほど私が注意したのにまだわかってなかったんですね?

「・・・ふふふ」

わかりました。
こうなったら制裁を行うしかないですね。
浮気したガルフォード様がいけないんです。
しかも、魔族ならともかく人間に手を出すなんて。
謝ったって絶対に許しません!!!


ガルフォードの視点

(何だか、フィリアの雰囲気がおかしくなってきたぞ)

最初はまともな戦いだったのに、途中からだんだんおかしくなってきやがった。
人の顔じっと見つめだすし、
いきなり目を閉じるし、
顔を真っ赤にして恥ずかしがり出すし、
・・・それでも攻撃してくるので油断できないが。

(俺と手合わせするといつもこうだったな)

昔を思い返してみる。(アンタも集中しろよ!)
コイツは全然変わってない。
剣の腕は一流。
魔力も申し分ない。
数少ない俺の直属の部下だった。

「・・・・・・」

だが性格がヤバイ。
ハッキリ言って精神異常をきたしているんじゃないかと思うほどだった。
とにかく俺に付きまとってくる。
コイツが話しかけてくるときは、わざわざ露骨に嫌そうな顔をしていたのに全く気にしなかった。
兵器に転用したら物凄い成果を挙げそう劇薬を無理矢理食わされたこともあった。
アレはさすがにやばかったな。
それに一日中追い掛け回されてそのまま力尽きたこともあったな。
気が付いたらなぜかベットにぐるぐる巻きに縛られていて、その隣であいつが寝ていたな。

(止めよう、思い出したらきりがない)

何だか涙が出てきそうだ。
なんたってあのルシファーに恐怖を感じさせた女だからな。
いろんな意味で・・・

(しかしなんだか・・・)

先ほどから妙な威圧感を感じる。
コイツがこれを発するときは、

「ガルフォード様〜〜〜〜!!制裁です〜〜〜〜!!」

とか言って襲い掛かってくるときだ。
俺が他の奴と話していると必ずこう叫んでいた。
重要な連絡事項を伝えていただけで、何で制裁だとか言われないといけないんだ?
さっぱり理由がわからん。

「・・・とりあえず何とかしないと」

コイツがこの雰囲気を出してくると、なぜかいつも勝てなくなるんだよな。
魔力は変わってないのに攻撃の重さもスピードも数倍に跳ね上がるし。
とりあえず、やられる前にケリをつけないとな。


「・・・ねえ、沙弓」
「・・・うん」

戦闘を眺めていた和美と沙弓。
2人は戸惑っていた。
フォードとフィリアの戦いが始まってからすでに20分。
フォードのほうが優勢だったのが、いつの間にかフィリアが巻き返してきた。
いや、すでにフォードは防戦一方になっており、フィリアが絶対的優位にたっている。

「フォードさん、あの魔族の2倍の魔力を出してるんだよ」
「・・・わかってるわ」

現在のところ、フォードの魔力値は350万。
対するフィリアの魔力値は186万。
2人の知っている限界値をさらに超えた魔力を出しているフォード。
それでも攻撃力、防御力、スピードとあらゆる面でフィリアが上回っている。

「このままじゃやばいかも・・・」
「・・・・・そうね、あ!?」

 ガキィィィィン!!!

沙弓たちの心配が的中。
フィリアの斬撃を防ぎきれず、フォードの大剣が弾き飛ばされた。
そのまま大剣は落下し、地面に突き刺さる。
左腕の魔力の剣もすでに消されている。

「ガルフォード様!覚悟です!!」
「ちっ、仕方ない・・・!!!」
「「フォードさん!!!」」

危ない笑みを浮かべ、フォードに迫るフィリア。
届かぬと知りつつも叫ぶ2人。
そしてフォードは・・・

 抱きっ!!!

・・・フィリアに抱きついた。

「「「・・・・・え?」」」 

突然の事態についていけない女性陣3人。
それを気にすることなく、フィリアの耳元でそっとささやくフォール。

「フィリア・・・すまなかった」
「ガル・・・フォ、ド・・・様」

驚いた表情を浮かべたのも一瞬、見る見るうちに顔が蕩け、フォードのなすがままになるフィリア。

「フィリア・・・」

左手をフィリアの頭に持っていき、優しく撫でる。
もちろん瞳を見つめたまま。
これをされて落ちない女性がいるだろうか?
と言うくらいの凄まじい攻撃である

「フィリア、目を閉じてくれないか?」
「え・・・ガルフォード様、何を・・・」
「言わなけりゃわからないか?」
「!?・・・い、いいえ」

まるで魔法にでも掛かっているかのようなフィリア。
すでに首まで真っ赤になっている。

「フォード様・・・」

フォードの言葉に従い、目を閉じるフィリア。
そんなフィリアにフォードは顔を近づけ・・・

 ドゴンッ!!!

強烈なボディーブローがフィリアの鳩尾にヒットする。。
さらに、

 バシッ!!!

フィリアの延髄に手刀を叩き込む。

「「・・・・・・」」

他の女とキスシーン。
ボディーブローと手刀のコンボ。
あまりにもかけ離れた組み合わせに脳が処理しきれないのか、
普段なら怒り狂う場面でもただただ呆然としている2人
そんな2人も元へフォードが降りてきた。
幸せそうな顔のまま気絶しているフィリアを抱えて。
そして、

「とりあえず・・・部屋に戻るか?」

呑気にそう言うフォードだった。


あとがき

こんなんでいいの?と言う感じの第8話でした。
夕菜がキシャー化しない代わりに、とりあえず一名壊れてもらうことにしました。まだまだ壊れが足りないですけど・・・

とりあえず早く一日目を終わらせないと。
というわけで、いよいよフォードの目的が明らかに。
夕菜たちはどう絡む?フィリアはどうなる?・・・な次回です。


追伸

次回で一区切りできそうです。
元ネタが一つ追加されるかも・・・


レス返しです

D,様

 次回でいよいよフォードたちの過去が・・・
 まぁ、フィリアに関する過去はもう必要ないと思いますが・・・


ていん様

 同名で出すことはありませんが、似たようなのが出るかもしれません。
 それと、現状の設定では主人公に兄弟はいません。
 今のところは・・・ですけど。

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