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「まぶらほ そして伝説に・・・第6話(まぶらほ+オリジナル)」

くまっち (2005-03-06 21:29)
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まぶらほ  そして伝説に・・・


第6話


「えっ!?」
「な、何!?」
「これは!?」

突然強大な魔力を感じた夕菜たち3人。
その凄まじいまでの圧力に、体が硬直してしまう。

「やっと静かになったか」

魔力の発生源から聞こえる声。
聞いただけで竦みあがってしまうほどの強烈な殺気が込められている。
夕菜たちがなんとかその方向に視線を向け、そして絶句した。

「いい加減気は済んだか?」

そこにいるのは一人の男。

「か、和樹・・・さん?」
「他の誰に見えるというんだ?」

夕菜の問いかけに答える男。
その顔は全くの無表情。

「あんた、本当に・・・」
「式森、なのか・・・」

玖里子と凜も同様に問いかける。

「・・・何度も言わせるな」

言葉に込められている殺気がさらに強くなり、男の表情に一瞬怒りの感情が混じった。

「「「・・・・・・」」」

あまりの威圧感、そして異質な光景に言葉を失う少女たち。
だってそうだろう。
彼は式森和樹のはずである。
だが、彼を知っている人間がその男を見て式森和樹だと断言できるかどうか。
なぜならば、彼は金髪でもなければ背中に翼もない。
そしてこれほどの威圧感を他人に与える存在ではないのだから・・・

「部屋がメチャクチャだな」

硬直している夕菜たちを全く気にしていない和樹。
そう呟いて部屋の中心に立ち、右手をかざす。
その直後、室内を眩い光が包み込んだ。

「キャア!」
「何よ、一体!!!」
「クッ!」

あまりの眩しさに硬直が解けたのか、目を瞑ってうずくまる3人。
が、その光はすぐに消えてしまった。

「一体何な・・・」

いち早く目を開けた玖里子が固まった。
続いて凜、夕菜も同様の状態になる。
そう、先ほどまで3人の戦闘でぼろぼろになった和樹の部屋が、まるで何事もなかったかのように元通りになっていたのだ。
天井や壁などの大きな箇所はもとより、修復が困難とされている小物まで全てだ。
魔法で何かを修復したりすることは可能だが、一瞬のうちに複数の物を完全に元通りにするのは無理である。
そして、何事もなかったかのようにしている和樹。
依然として強烈な殺気を放っている。

「・・・座れ」

短い言葉。
その言葉に逆らえるだけの力を、この3人は持っていなかった。


「「「「・・・・・・・」」」」

部屋の中央にあるちゃぶ台(和樹が魔法で出した)を囲んで座っている4人。
無表情のまま茶を飲んでいる和樹。
夕菜たちを静かにさせるためだけだったのか、すでに殺気を消している。
そして未だに硬直していて微動だにしない3人。
あまりの恐怖と突発的な異常事態に思考がついていっていない。
なんとも異様な雰囲気が室内を包んでいる。

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

誰も言葉を発さない。
当然だ、誰かが喋れば和樹が答える。
和樹が一言喋るたびに強烈な威圧感に当てられるのだ。
殺気がなくなったとはいえ、耐えられたものではない。
もちろん先ほどの夕菜とは比べ物にならない。

「・・・今すぐ帰れ」
「え?」

いきなりそんな事を言う和樹。
座れといっておきながら第一声が帰れというのはどうだろう?
そう思ったのか、3人ともぽかんとしている。
が、すぐに表情が変わる。

「これ以上俺に関わっているとろくなことにならん。
 それこそ命に関わるようなことになる」
「・・・・・・」
「貴様らがここに来た目的はわかっている。
 俺の遺伝子が目当てだろ?
 だがあれは嘘だ・・・まぁ、見れば判るだろう」
「・・・・・・」

何度目かの沈黙。
ようやく冷静になってきた3人が、冷静になってきたからこそ悩んでいる。
だが答えは出ない。
彼女たちは何も知らないのだ。
ただ一つだけハッキリしていることは、
目の前にいる式森和樹という存在に、軽々しく触れてはならないということだけなのである。

「これ以上深入りする前にさっさと・・・ん!?」

不意に和樹の言葉が止まる。
先ほどまでの無表情から一変、目を見開き、驚きに染まっていた。

「・・・和樹さん?」

和樹の変化に気がついた夕菜が声をかける。
しかし和樹は何も答えず、ブツブツと何かを呟いている。

「まさか・・・Aクラス・・・他は・・・だが・・・」
「ちょっと、どうしたのよ」
「何とか言ったらどうだ、式森」

玖里子や凜の声にも反応しない。
と、突然和樹の体が光り始めた。

「キャア!」
「また!?」
「何を!?」

先ほど部屋を直したときと同じ光。
だが、先ほどとは決定的に違う。
感じられる魔力の桁が・・・
そして光が消え、室内に静寂が戻った。

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

目を開ける3人。
その時彼女たちは何を思っただろう。
それは驚きか、恐怖か、それともそれ意外の何かか。

「・・・・・・」

視線の先に立っている一人の男。
その名は式森和樹。
だがもはや、その名前が当てはまる存在ではなかった。
180センチを超える長身。
服の上からでもわかる鍛えられた体。
そして伸びた髪の毛と、端正な顔立ち。
共通点といえば、髪の色と漆黒の翼のみ。
何よりも恐ろしいのは全身から放たれている強大な魔力。
先ほどの比ではない。

「・・・ま、まさか」
「・・・あんたの・・・正体は」
「・・・そんな・・・」

3人の思考は完全に停止した。
これまでのことは認められたとしても、これを現実として認めることなど出来るはずがない。
だってそうだろう。
この世に生を受けた人間なら誰でも知っている。
『ジェネラルテンペスト』の異名を持つ最悪最強の魔族、『ガルフォード』が目の前にいるのだから。

「・・・・・・」

無言のまま立っている和樹・・・いや、ガルフォード。
窓に向かって歩いてゆく。
そのまま翼を広げ、大空へ飛び去って行った。

「・・・これが俺の正体だ」

その一言と、深い沈黙だけを残して・・・


同時刻 駅前繁華街

本来ならば大勢の人が行き交うにぎやかな場所。
だが今、この場所は地獄と化していた。

「キャァァァァァ!!!」

響き渡る悲鳴。

 ドカァァァァァン!!!

鳴り響く爆音。
繁華街は全く相応しくないBGMで包まれていた。
その中心にいる2人の少女。

「沙弓、大丈夫?」
「和美こそ、人の心配してる余裕あるの?」

葵学園2年B組の松田和美と杜崎沙弓。
制服ではなく普段着を着ているが、所々破けている。
そして、人間では考えられないほどの強大な魔力を放っている。
そして2人と対峙している女。
背丈は沙弓よりも少し高いくらい。
顔もハッキリ言って美人である。
左右の手にそれぞれ赤、青色の刃の長剣を持っている。
極めつけは背中にある黒い翼。
そう、この女は紛れもない、本物の魔族なのだ。

「和美、相手の魔力は?たぶん全力出してるはずだから」
「ちょっと待って・・・」

沙弓に言われ、右腕にしている腕時計を覗き込む和美。
しかしそれは腕時計ではない。
和樹が開発した魔力測定装置である。
和美がボタンを押すと、ディスプレイに表示された数字が激しく変動。
数秒の後に停止した。
表示された数値は789150だった。

「・・・80万ってとこね」
「私たち2人を足したくらいってわけね」

それを聞いてさらに集中する沙弓。
負けじと和美も集中し、魔力を高める。
やがて限界値に達したのか、二人の魔力が安定した。

「この時代に貴方たちみたいな人間がいたなんて・・・驚いたわ」

そんな2人をゾッとするような微笑みを浮かべて見ている女魔族。
強い相手と戦えることが嬉しいのだろう。
彼女も魔力を安定させ、剣を構える。

「・・・貴方たち、私に勝てると思う?」

女魔族の言葉。

「やってみないとわからないわ」
「でも、負ける気で戦ったりはしないわよ」

和美、沙弓の言葉。
見る見るうちに高まっていく3人の殺気。
そして互いの殺気がぶつかり合い、

 バチン!!!

火花が飛び散ったような音がした。
それが合図だったのか、3人の姿が消えていた。


あとがき


自分で書いておきながら、「これ、何?」と思ってしまうほど変わってしまいました。
まぶらほはどこいったんだ〜って感じです。
あと3,4話はこんな感じでいくと思います。
和樹の目的、和美と沙弓についての謎もすぐにわかります。
・・・見捨てないでください。

追伸


オリジナルといっておきながらとある作品にだいぶ影響されてるところがありました。
『ジェネラルテンペスト』とか・・・


レス返しです


D,様

 書いている本人もどうか判らない出来になってしまいました。
 何だか文の書き方も変わってる気がするし・・・


たーんあっぷ様

 キシャー化は当分ありません。
 和樹たちの領域に夕菜たちが入ってくれば・・・ってな感じです。
 でも必ずやります。
 ・・・キシャーが一人だといいですけどね。

mon様

 的確な指摘ありがとうございました。
 なにぶん目が悪いもので・・・って言い訳ですね。
 全く情けない限りです。

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