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「まぶらほ そして伝説に・・・第5話(まぶらほ+オリジナル)」

くまっち (2005-03-05 23:39/2005-03-05 23:42)
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まぶらほ そして伝説に・・・


第5話


「邪魔するぞ」

和樹の返事を待たずにずかずかと部屋に上がりこむ少女。

「あら、凛」
「凛さん」

新たな訪問者を見て、夕菜と玖里子の二人が同時に言った。
どうやら3人は知り合いらしい。
その凛と呼ばれた少女は和樹の前に立った。
何を言われるのかと身構える和樹。

「私の名前は神城凛。我が夫となるゆえ、貴様のことを調べさせてもらった。悪く思うな」
「・・・あ、いえ別に」

先の2人の印象が強かったため、思わず拍子抜けしてしまう和樹。
物凄く偉そうで時代錯誤な喋り方だが、前の2人と違って常識と言うものを知っているらしい。
そう考えた和樹はホッと胸を撫で下ろした。
が、それは甘かった。

「だが!!」

いきなり目を見開いて、和樹の鼻先に刀を押し当てる。
あと一ミリでも動かしたら血が出てしまう。

「調べてみてわかった。成績は悪い、運動も苦手、趣味もなければ特技もない。
 そんな男と一生を供にしなければならないなど・・・これ以上の屈辱はない!!!」
「・・・そですか」

いきなり怒り出した少女を見て、あ、やっぱりこの子も・・・と思う和樹。
だがまだ認識が甘い。

「ここで死んでもらう!!!」
「なんで~~~!!!」

鼻先に当てた刀を振り上げると、そのまま和樹の首めがけて切り下ろす。
それを見事なバックステップで避ける和樹。

「む!逃げるな!!」
「みすみす殺されてたまるか!!!」

相手が丸腰であることを忘れて切りかかる凛。
もし和樹を殺したらどうなるかなど全く考えていない。
ある意味夕菜よりも危険である。

「おっと、よっ、ほっ」

あらゆる角度から迫る凛の攻撃を常人離れした動きで回避する和樹。
周りに人がいるのも忘れ、少し本気になっているようだ。
まぁ、生命の危機に瀕しているのだから仕方がないといえば仕方がない。

「この、ちょこまかと・・・」

よほど頭に血が上っているのだろうか、和樹の動きになんら疑問を感じていない凛。
意地になってさらに刀を振り回す。

「この!この!!この!!!」
「くっ、そろそろ・・・」

避け続けている和樹だが、この部屋の広さでは動きに限界があった。
ついに壁際に追い詰められてしまった。

「これまでだな・・・」

刀を上段に構え、集中する凛。
と、緑色の光が刀を取り巻いていく。

(なんだあれは?魔法剣の一種か?)

自分の見た事のない技に思わず観察してしまう和樹。
しかしそれがまずかった。

「剣鎧護法・・・神城家800年の歴史が生み出した秘技だ。これで終わりにしてやる!!!」

技を観察している間に凛が刀を振り下ろした。
さすがに振り下ろされてからでは回避しきれない。
しかも剣鎧護法という魔法のオマケ付である。
怪我ですむかどうか。

「ちっ、こうなったら・・・」

このままではまずいと判断した和樹。
思考をめぐらせ、打開策を考える。
しかし結論は一つしかない。

(この場を何とかするにはもうアレしかない。あとは成り行き任せの出たとこ勝負だ!!!)

そう決めた和樹。
髪の色が変わらない程度に魔力を高め、
凛の刀に向かって手を・・・伸ばす必要はなかった。

 ガキィィィィン!!!

凛の刀は第三者、両腕に水の渦を巻きつけた夕菜によって防がれた。
両腕を交差させて顔の正面で受け止めている夕菜。

「いくら凛さんでも、和樹さんを傷つけるのは許しません!!!」

親の仇を見るような目で凛を睨みつける夕菜。
凛だって負けてはいない。
忌々しげに夕菜を見ると、先ほどまで和樹に対して発していた怒りを夕菜に向ける。

「邪魔をしないでください夕菜さん。私はその男を切らねばならないのです」
「そんな事許せるわけありません」
「・・・やるしかないようですね」
「・・・絶対に負けません」

受け止められた刀を戻し、再び構えなおす凛。
両腕の渦をさらに強力なものする夕菜。
2人の殺気が交じり合い、空間がゆがんでいるようにさえ感じる。
まさに一触即発。

「・・・余計面倒なことになったな」

ボソッと呟く和樹。
さっきの時点で終わらせておいたほうがよかったと少し後悔している。
そんな和樹をさらに苦しめる発言が飛び出した。

「だったらこうしましょうよ。3人で戦って勝った人が和樹を自由に出来るの」
「な、何て事言うんですか! 風椿先輩!!」

とんでもない提案をする玖里子に講義する和樹。
しかし玖里子は意味ありげな視線を浮かべて、

「何か文句あるの? 落ちこぼれのはずの和樹君」
「うっ・・・」

どうやら玖里子は気が付いたようである。
異常なまでの運動能力と、凛の攻撃を回避するために高めた魔力に。
そっちのほうに話を持っていかれてはマズイため、口を塞ぐしかない和樹。

「ダメです!和樹さんは誰にも渡しません!!!」

玖里子と違って全く気がついていない(というか気にしていない)夕菜。
玖里子の提案を却下する。
思わず(この場に限って)彼女を応援したくなる和樹。
だが、応援するととんでもない事になりそうなので何も言わない。

「別に夕菜ちゃんのものって訳じゃないでしょ?
 それとも自信ないの?好きな人を賭けた戦いを放棄しちゃうんだ?」
「な!?そんな事ありません!!誰が相手だろうと絶対負けません!!!」

玖里子の誘導に載せられた夕菜。
おもわず同意してしまった。
意外と単純である。

「凛は?」
「私はそれで構いません。この男を切れればそれでいいのですから!!」

切れれば、というところが妙に力が篭っている凛。
殺る気・・・ヤル気満々である。

「よし、それじゃあ行くわよ」
「あの~、せめて外で・・・」
「はじめ!!!」
「いざ!!!」
「いきます!!!」

和樹に意思など関係ないらしい。
玖里子の言葉を合図に三つ巴の闘いが始まった。

それぞれの戦い方をみると、

夕菜:精霊召喚を用いた万能型
玖里子:霊符を用いた遠距離型
凛:剣鎧護法を用いた接近戦型

となり、綺麗に分かれている。
戦い方が全く違うため、簡単に勝負はつかないだろう。
まして彼女たちはこの時代でトップクラスに入れるだけの魔力を持っているのだ・・・などと冷静に分析している場合ではない。
一番の問題は、この戦いが和樹の部屋の中で行われている点である。
何度も言うがここは寮の一室である。
そのためそんなに広くない。
そんな場所で強大な魔力がぶつかり合えば・・・

 ドカァァァァァン!!!!!

室内の被害が甚大になってしまうのである。


「いい加減にしてくれ~」

何とか止めさせようと必死に叫ぶ和樹だが、3人には聞こえていない。
それどころか戦いの余波が和樹を襲ってくる。

「いい加減に、うわ!!!・・・しないと、どわぁ!!・・・ねぇ、聞いて、ゴワッ!!!」

説得はおろか、この場にいることさえ困難になってきた。
なんとか攻撃を避けてはいるが、このままではどうしようもない。。

 ドカァン!! ドカァァン!!! ドカァァァン!!!!

次々に破壊されていく和樹の部屋。

「このままじゃ部屋が・・・」

そのとき、

 ガシャン!!!

何かが壊れる音がした。
その瞬間、

「っっっ!!!!!」

突然うずくまってしまう和樹。
全身から汗が噴きだし、呼吸も荒くなる。

「な、なんだ・・・ま、まさか!」

うずくまったまま、渾身の力を振り絞って机のほうに首を向ける和樹。
そして凍りついた。
和樹の視線の先にはガラスのようなものの破片が散らばっている。
おそらく机から落ちたのだろう。

「・・・どうなっても・・・知らないから・・・な」

そして、和樹は意識を失った。


あとがき

ようやく凛ちゃんまで出せました。
本筋の流れはここで終わりです。
次回からいよいよオリジナルの部分に入っていきます。
実力がバレ始めた和樹君。
今後の動向にご注目してください。

文章力が乏しい自分がオリジナル要素を強くしてどこまでいけるか不安でいっぱいです。


追伸

連続投稿してしまいましたが、あらかじめ書いておいた物を手直しして投稿したためです。今後は一日毎あるいは一日おきに更新するつもりです。


レス返しです


mon様

 自分で書いているとどうも長さの感覚がわからなくて・・・申し訳ありません。
 あとがきのとおり、この後はまぶらほよりもオリジナルのほうが強くなってしまいます。設定などあってないような物になってしまいます。
 それでも読んでいただけたら幸いです。

ていん様

 そのまま伝説にしてしまおうかとも考えたんですが、それでは和樹君がかわいそうで・・・
 一応真面目?な意味で伝説になってもらうつもりです。

D,様

 キシャーさんの独壇場もこれで終わります。
 和樹の謎も含めて次回で明らかにする予定です。
 また強引な話になってしまうかもしれませんが・・・

File-001様

 申し訳ありません。
 追伸に書いたとおり、もともと書いてあったやつを早めに投稿しておきたかったので・・・ホントにすみません。
 拙い駄文ではありますがこれに懲りず、これからも読んで下さい。
 ご意見ありがとうございました。
 

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