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「クロノFate 8話(Fate+クロノクルセイド)」

柿の種 (2005-03-05 20:33/2005-03-06 19:26)
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「衛宮君、ちょっといいでしょうか?」

学校での猫かぶりモードになって、凛は士郎のクラスに入り彼を呼びかけた。

「あ、いいけど。けど、昼休み、もうあんまり時間無いぞ。後じゃ駄目なのか?」

「急ぎの用ですので。」

士郎の対応に内心いらいらとしながら表面上は笑顔で答える凛。
学校では優等生で通っている彼女にとって、サボリを犯す事などなかなかできない。
午後は早退と言う事にするとして、その前に話を終えておかなければならないのだ。

「ああ、わかった。」

そこで、士郎が頷き、二人は他に人気の無い屋上へと移動した。


「さてと、時間が無いから簡潔に説明するわよ。」

屋上に着くと猫かぶりを取った凛は事のあらましを話し始める。
それを聞いて、驚いた顔をする士郎。

「慎二の奴が学校にそんな最悪な結界を張ったっていうのか!?」

聞かされた親友の蛮行に対し、思わず叫び声に近い声をあげる士郎に対し、あっさりと頷き答える凛。

「ええ、そうよ。私はそれを解除させる為に今からアイツをぶっ飛ばしに行ってくるわ。」

「俺も行く!!」

その言葉に士郎は直ぐにそう発言する。
それに対し、凛はやっぱりと、半ばその言葉を予想していたようで、優しい(生温かい)表情を浮かべながら子供を言い含めるよう言った。

「いいえ、あなたには別の事を頼みたいの。私達が慎二を追っている間にアイツは入れ違いで学校に戻ってくるかもしれない。結界を発動させて、力を蓄える為にね。もし、そうなった時はセイバーにライダーを倒してもらいたいの。」

「で、でも、だったら、セイバーだけ学校に残せばいいんじゃないのか?」

凛の言葉の正当性を理解しつつ、そう反論してくる士郎に対し、今度こそ心底呆れたと、溜息をつく凛。

「はあ、馬鹿だ、お人よしだ、とは思ってたけどまさかここまでとはね。セイバーに同情するわ。いい? 私とあなたは本来、敵同士なのよ? にも関わらず、サーヴァントも連れずに同行するなんて正気の沙汰じゃないわ。そもそも、あなた一人ついてきて、何ができるって言うの? 足手まといになるのが落ちよ。」

「うっ。」

流石に自分が凛等に対し、比べるのもおこがましい程、未熟である事は理解しているので反論できない士郎。
それを、見て凛が軽く咳払いをして言った。

「とはいえ、さっきも言ったように私達は本来敵同士である以上、あなたの行動を制限する権利は無いわ。さっきの頼み事だって、この件に関してはお互いの利害が一致してると思ったからこそだけど、あなたにそれを受ける義務は無いし、それを断る事もできるわけだけど。でっ、どうするの? 私の頼み事、聞いてもらえるのかしら?」

「あ、ああ、わかった、任せてくれ!!」

確認の言葉に士郎は一瞬だけ考えて答えた。

「ええ、まかせたわよ。」

その答えに凛は笑顔で頷いた。


「ねえ、凛、あのライダーの魔眼、厄介だけどどう対処する?」

「それなんだけどね。シスター、パートナー、あなた達ライダーの真名気付いてる?」

「えっ? もしかして凛わかったの!?」

間桐邸に向かう途中、話しかけた凛から返って来た言葉に対し、驚くロゼット。そして凛は頷いて答えた。

「まあ、推測でしかないけどね。あなた達の動きを止めた魔眼、あれ石化よね?石化の能力を持ってるのなんて伝承には一杯いるけど、“石化”の“魔眼”で、“女性“っとなると一番の有名どころとしてすぐにおもいつくのが一人いるでしょ?」

「あっ!」

凛の説明を受けてロゼットは気付く。確かにその条件を満たしているのは一人だ。

「メドゥーサ・・・だね。」

「ええ、多分ね。」

クロノの言葉に凛は頷き、そして続けて問いかけるように言う。

「だとすると、彼女のクラスライダーでの乗機は・・・・・・」

「えっと、何かな・・・?」

だが、ロゼットは顔にはてなマークを浮かべてさっぱりとわからないと言った答えを示す。
それを見て呆れた表情をする凛と苦笑するクロノ。

「ペガサスだよ。神話でペガサスは彼女の血から生まれたと言われているんだ。」

「へえっ、そうなんだ。」

初めて知ったというように本気で感心した表情をするロゼットにいままで呆れ顔だった凛は訝しげな顔に変わる。

「ねえ、あなた達ってそういう知識を聖杯から得るんじゃないの?」

「えっ、ま、まあ、個人差があるから。」

英霊達の生きていた時代、環境を考えれば生前、他の英霊に関しての知識など無い事の方が多い。
しかし、そう言った知識は聖杯から与えられる。
とはいえ、無限の知識が与えられる筈もそれを記憶しておける訳でもなし、情報に関しては生前の性格その他によって取捨選択が取り行われるのである。

「そ、それはそうと、彼女がメドゥーサだとしたら、鏡で反射して逆に石化させられるんじゃないの?」

そこで誤魔化すように言うロゼット。
だが、言ってからいいアイディアだと思ったのか自信気な表情になる。
けれど、それに対して凛の表情は思わしくなかった。

「正直、その話はあまり当てにならないわ。確かに後期の話ではそういうパターンもあるけど、元々は鏡に映した相手の位置を確認する事で魔眼を見ることなく倒したって話らしいから。つまり、鏡で反射した姿を見ても石化する、しないで話が完全に逆転しちゃってるのよ。それに、私から言っておいてなんだけど、彼女がメドゥーサだって言うのはあくまで私の推測。あまり、当てにしすぎない方がいいわ。」

「そっかあ、でも、それじゃあ、あの石化の魔眼は結局防ぐ手段は無いって事?」

その答えにがっかりしたような表情を浮かべ、それから改めて問い直す。
それに対し、凛は自信あり気に答えた。

「そうでもないわ。あの手の魔眼は目を閉じれば多少の抵抗はできる。神話のメドゥーサでもそれはどのパターンの神話にも共通してることだしね。最もその程度じゃ一瞬が限度でしょうけど、相手が宝具を解放する隙とその一瞬を合わせて、その間にクロノの封印を解きましょう。」

「!!」

「封印を解いたクロノなら魔力抵抗もあがって、短時間であのサーヴァント相手にもかなり優勢に戦える筈。そうしたら、相手の注意も外れ魔眼の効力から逃れられる。そうしたらあなたも加勢に加われるから、時間をかけずに倒せる筈よ。」

「・・・・・わかったわ。」

しばらくの沈黙の後、ロゼットが頷く。
そして、一言付け足す。

「けど、私達は相手が魔眼を使ってくる前に倒すつもりで行くわよ。」

「ええ、勿論それができればそれにこした事ないわ。期待してるわよ。」

その答えに凛は満足そうな笑顔で答える。
そして、その後、直ぐに引き締めた表情に変わる。

「もう直ぐ間桐の家に辿りつくわ。警戒よろしくね。」

「了解。」

「わかったわ。」

二人が答え、そして間桐の家へとたどり着いた。


(後書き)
えー、ちょっと今回アンケートをお願いしたく思います。今後の展開に関して、ただ一度だけ皆様のご意見をお聞かせくださればありがたいです。よろしければ希望する方を選択してください。

@ライダーを仲間に引き入れる。
Aライダーは倒す。

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