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「まぶらほ そして伝説に・・・第2話(まぶらほ+オリジナル)」

くまっち (2005-03-04 20:40/2005-03-05 10:13)
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まぶらほ そして伝説に・・・


第2話


「2時間目・・・・・・確か数学だったよな」

授業の担当教師への言い訳を考えている和樹。
もっとも、このペースだと教室についたころには3時間目になっている。

「どうしようかな・・・ん?」

曲がり角を曲がると、とある部屋の前にしゃがみ込む男子の姿を発見した。
しかも見覚えがある。

「くぅ〜、結界か。しかし・・・」
「仲丸?」

和樹が声を掛けると、仲丸と呼ばれた男子はビクッと反応して後ろを振り向く。
しかし、和樹だとわかるとすぐに緊張を解いた。

「おおっ、我が友の式森和樹ではないか。どうした?」

2年B組の中心人物、仲丸由紀彦。
外見はさっぱりしたスポーツマンタイプだが、中身は『金と権力の亡者』だと認識されている和樹の悪友である。

「どうした・・・って、今授業中だろ? こんなところにいていいのか?」
「おちこぼれのくせに好学心に目覚めたか? 大体お前も遅刻だろうが」
「そう言えばそうか。それで、何やってるんだ?」
「こっちに来てみろ」

手招きする仲丸が手で四角の輪を作る。
それを覗き込めと言ったので覗き込む和樹。

(結界が張ってあるのか・・・って!)

冷静に結界の分析をしていた和樹だが、ハッとなって我に返る。
結界の内側の光景に気が付いたのだ。
定期的な魔力診断中なのだろう。
ぼやけていながらも、少女たちが無防備な姿を晒していた。

「中にいるのは生徒会から学校の理事まで操る陰の実力者、風椿玖里子だ」

自分のしていることの重大さを判っていない(彼にとっては普通の行動)仲丸。
和樹に冷静に報告している。

「冷静に何やってるんだよ!!!」

そんな仲丸を、なまじ無駄と知りながらも講義する和樹。
もちろん小声である。

「結界を破って、あられも無い姿を抑えて脅したらどうする?」

ふっふっふっ、と不敵な笑みを浮かべる仲丸。
もはや和樹の言葉など耳に入っていない。

「あのな・・・仲丸、もう何も言うまい。だが俺はお前の味方だ、がんばってくれ」

仲丸の肩に手を置き、まるで戦友を激励するかのように言う和樹。

「流石は我が親友の式森だ。話が分かるじゃないか」

自分にとって都合のいいことは聞こえるらしい。
和樹に向かってグッ! と親指を立てると、再び結界破りに集中する。

「・・・哀れ、仲丸」

仲丸に聞こえないようにそう呟くと、足早に立ち去る和樹。
もしこの呟きを仲丸が聞いていたら、あるいはこの後の事態を回避できたかもしれない。
どちらにしろもう遅い。
仲丸の運命は決まってしまった。
和樹が察知した、ある人物の手によって・・・


「さて、訴えられたらヤバいからな・・・さっさとしないと」
「何をするの?」
「だから風椿玖里子のあられもない姿を・・・って?」

後ろから掛けられた声の異変に気付いた仲丸が振り返る。
と、そこには(一方的)親友の式森和樹ではなく、
天敵である赤髪の少女がいた。
2年B組もう1人の中心人物、松田和美。
性格や考え方など全て仲丸と同じ思考をしているが、
いつも仲丸と対立している人物である。

「な〜か〜ま〜る〜!!」

和美の全身から怒りのオーラが漂っている。

「げっ! ま、松田!!」
「身代わり魔法を使っての授業エスケープ、並びに覗き行為。
 B組協定違反者がどうなるか、わかってるわよね!!!」

今にも攻撃魔法を放ちそうな和美。
それを見て、必死に言い訳を述べる仲丸。

「ま、待て松田!! 俺にも弁解の余地がある!! なっ、式森」

と助けを求める目で振り返るが誰も居ない。

「あ、あの野郎・・・逃げやがったな!!」

既にそこにはいない和樹に怒りを露にする仲丸。
しかし、この場でその言葉だけは言ってはいけなかった。

「・・・仲丸、今式森って言ったわよね。どういう事?」

先ほどまで全身から怒りのオーラを放っていた和美だが、
『式森』という単語を聞いてそのオーラを消した。

「しまっ!!!・・・ま、松田、い、今のはその」

突然パニックに陥る仲丸。
さっきのセリフを何とか誤魔化そうとしている。
彼がここまで動揺することは極めて稀である。

「仲丸、さっさと言いなさい」

動揺する仲丸をドスの聞いた声で黙らせる和美。
依然としてオーラは消えているが、怒りのオーラを出していたときの何倍も恐ろしい。

「わ、わかった・・・」

あまりの迫力の和美に屈する仲丸。
結局、先ほどの和樹とのやり取りを説明した。


「・・・と、言うわけだ」
「・・・・・・」

話を終えた後、和美は黙ったまま立っている。
俯いているので表情は読み取れない。

「そ、それじゃあ俺はこの辺で」

今のうちにと逃走を企てる仲丸
回れ右をして、一歩を・・・

「待ちなさい、仲丸」

踏み出せなかった。
和美の言葉に固まる仲丸。
空中に漂っている右足が虚しい。

「仲丸、あんたはB組協定第3条第7項の違反よ」

ゆっくりと仲丸に近づく和美。

「でもね、もうそんなことどうでもいいわ」

近づくにしたがって、徐々にオーラを放ち始める和美。
もっとも、最初に放っていたものとは桁違いの怒り、もとい殺意である。

「よりにもよって和樹君に罪を擦り付けようなんて・・・」

仲丸の真後ろで立ち止まる和美。
いつの間にか、彼女の右手には直径1mはあろうかという特大魔法弾が作られていた。

「ま、松田、俺はそんな・・・」

最後の足掻きとばかりに講義しようとする仲丸。
しかし、

「黙りなさい!!!」

仲丸の弁解を怒声で遮り、顔を上げる和美。
その顔は美少女のものではなく、戦いに飢えた修羅のそれだった。

「地獄で・・・反省しなさぁぁぁぁぁぁい!!!」

大きな声で怒鳴りながら魔法弾を仲丸目掛けて放つ。

 ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!!

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

仲丸の絶叫が辺りに響き渡った。


仲丸虐殺ショ−が行われている最中、教室へと到着した和樹。
既に3時間目に突入している時間なのだが、
このクラスの担任でもある伊庭かおり(3時間目担当)が本日欠席、
加えて養護教諭の紅尉晴明(4時間目担当)も研究のため不在、
よって3、4時間目が休講になったのだ。

「おはよう。今日も遅いんだね、和樹君」

席へと座った和樹にロングヘアーの少女が話しかける。
彼女は杜崎沙弓。
この国では結構名の知れた名家の娘で、いわゆるお嬢様である。
少々キツイ感じがするがかなりの美人である。
またB組にしては珍しく、金にも権力にも興味を示さないクールな性格である。

「うん。でも、自習だったんなら来る必要なかったかも」

和樹の言うとおり、本日は昼までで授業が終わるのである。
清掃もないため、ここで帰ったとしても何の問題もない。

「そんな事ないわ。貴方が来てくれないと寂しいじゃない」

言葉に甘い響きを持たせる沙弓。
少々顔が赤い。

「ははは・・・」

それに気付く和樹。
沙弓の意図がわかったのか、こちらも顔を赤くしている。
本来、こういった甘い行為が行われれば即制裁が加えられるB組。
しかし和樹と沙弓、そしてここにいない・・・

「は〜、疲れた。あ、ちょっと沙弓!何やってるのよ!」

・・・今教室に戻ってきた和美に関してのみ制裁は行われない。
以前、制裁を加えようとした男子がどうにかなったとかならなかったとかが理由である。

「何って、和樹君と話しているだけよ」
「じゃあ何で二人とも顔が赤いわけ?」
「え、それは・・・」

和美の鋭い指摘にたじろぐ沙弓。
その仕草に、和美が再び修羅へと変わっていく。

「別に変なことはしてないよ、松田さん」

沙弓に助け舟を出す和樹。
仲丸が戻ってきていないことを深く考慮しての判断だ。

「・・・和樹君がそう言うなら」

急に借りてきた猫のようになる和美。
指をいじいじさせ、俯きながら上目遣いで和樹を見る。

「・・・ははは」

再び照れる和樹。
その様を見て、沙弓、和美の二人も笑みをこぼす。
何故沙弓と和美が和樹に対してこんな反応を見せるのか。
それは追々語るとしよう。


あとがき

本編と言いつつすでに違うじゃねえか!
ごめんなさい。
個人的に2人とも気に入ってるので、本編に絡む役どころに持っていこうとしたらこうなってしまいました。
でも、安直にハーレムにはしません。(今のところ)
次回はいよいよ魔王登場!?


レス返しです


D,様

 一応絡めておこうと思いまして、かなり話が強引になってしまいました。
 キシャーさんについては・・・まぁ、そのうちに

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