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!警告!ダーク、バイオレンス有り

「闇を継ぐ者第三話の一(まぶらほ)」

sara (2005-03-03 00:58)
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闇を継ぐ者 第三話 報復1


駆除が行われる。

何の駆除かはもはや語るまでも無い、物語に記述する必要も見受けられない、当たり前に必然的に確定的に行われる駆除、言葉の通り自分達に都合の悪い生物を除去する作業。

“式森”に群がり、“式森”に害成す害獣を駆逐する。

一度でも“式森”に喧嘩を売った連中に徹頭徹尾調教する、二度とが二度と関わろうなどと思わぬように、関係しようなどとは思わぬように完全無欠に行おうと、二度と同じようなことを考え出すものがいなくなるように徹底的に見せしめになるように狩り尽くそうと。

駆除が行われる。

対象は三つ、駆除する者達も三つ、果てさて対抗は出来るのか対抗は可能なのか、そもそもが駆除というのは駆除する側が圧倒的というのが前提に立つのだが。

相手も抵抗はするだろう、抵抗は出来るだろう、抵抗する権利はあるだろう。

だが無理だろう。

害獣は知らない。

自分が手を出した何かは恐るべき何かだということを。

それさえも知らずに害成そうとしたのだから、愚かしい限りだ、自分が手を出そうという相手のことぐらいは十全に調べるものだろうに、調べた後に自分の勝利を確信して手を出すものだろうに。

だが、彼らは表層を調べただけで止めた、自分達を驕った。

その驕りからから来る無知に対してそれ相応の報いはあって然るべき、“式森”と愚かな関わりを持とうとしたことを心底恐怖し、根底から畏怖を植えつける。

それが報いだ、それが無知への報い、そして手を出した報い。

因果応報、手を出せばやり返される、理不尽を押し通そうとすれば理不尽が帰ってくる。

無論そんなものは戯言に過ぎない。

だが相手を間違えた、因果応報の名の下に残酷なる劇の開幕だ、愚かしい物語の始まりだ。

力で彩られた舞台の開演だ。

これから始まるは掃討劇、敵に対して遠慮の欠片も無い躊躇いの欠片も無い連中の仕事が始まる、どうしようもない連中の至極異常な戦いが、いや駆除は戦いですらないか。

狩りだから。


九州、神城家。

この場にてかなり大き目の客間に大勢の人間が集まり、その殆どが険しい目つきをしながらある一団を見て、いや睨みつけていた、それは敵に対する敵意を孕んだ目つき。

だが彼らにそのような目つきをする権利は無い、権利は与えない。

これからは始まる劇の端役になってもらう連中に相応しい目ではない。

だが、相応しくないというのなら相応しくなってもらうだけのこと、劇の登場人物としては相応しくなるような、登場しては物語に彩を添えるに相応しい目に変わってもらうだけのこと、今現在において彼らがどのような目を“ある一団”に向けようとそれはどうでもいいことだ、本当にどうでもいいことだ。

実に“ある一団”も自分達に向けられる敵意を気にしているそぶりは無い、まぁ、その素振りが気に入らないのか、更に敵意をあおる原因にもなっているのだろうが、端役の怒りなどどれだけ買おうと知ったことではない。

で、“ある一団”こと珍妙な数人の男女が武術集団神城家本家の客間の中にて思い思いの姿勢で立ち、自分達を取り囲むように座している有象無象、敵意の視線で睨み付けて来る神城家の剣士達や一族の纏め役となるであろう人間を睥睨している、その目は一人とて同じ種類のものが無く、一人とて同じ種類の表情も無い。

無表情、喜悦、不快、それぞれがそれぞれの表情を仮面のように貼り付けている。

そんな感じすら受けるほどに一定の表情を保っている、無論彼らは仮面を貼り付けているのではなく今現在の素直な表情を顔に表しているに過ぎなかったりするのだが。

そんな彼等の中心に転がされている物体、もとい恐らくそれが一番敵意を買っている原因。

彼等が到着しこの客間に通された時に持ち込んだズタ袋から放り出された物体、因みにその袋はこの神城の家に到着するかなり前からジタバタと暴れたり、くぐもったうなり声のようなものを響かせていたりして、物体としての扱いに戸惑いと不服を表してくれていたりするが。

まぁ、物体改め人間。

巫女服のような服を纏った小柄な少女、そんな少女が猿轡を咬まされ手足を拘束されて神城家の客間の中央に転がされている、無論のことこの少女は神城家の分家の娘神城凛なのだが、今では無様に畳の上に転がされている。

自分の家の本家の人間がいる前で、流石に現在はじたばたしておらず、自分のおかれた状況に混乱しているのか、それとも自分が何の為にここにいるのか理解できないのか視線を彷徨わせていたが、彼女がこのような扱いを受けているのは当然のこととして、この日の昼頃に起きた“式森”にとって不愉快極まりない出来事、不愉快過ぎる出来事であることが原因となっている。

何もあの騒動で明確な怒りを買ったのは宮間の女、かなり一般的に精神に問題のありそうな少女、現在死に掛け(多分)だけではない。

大体において怒りの原因は彼女達よりも彼女たちの上に存在している、彼女達に当たってもしょうがなく、当たる対象ならば相応しき害獣が他にいる。

害獣は根本から駆除しなければならない、根元が断たれていなければ同じこと、根元を担う連中に“式森”が被った不愉快の代償を支払ってもらわなければ。

それが根本的な解決だろう、効率のいい解決だろう。

よって“誰か”が彼女の意識を奪い取って、彼女の意識が回復するまでにここに手荷物宜しく輸送されたのだ、いや実際の所彼女は手荷物ならぬ手土産だったのだが、この非礼で厚顔無恥な愚かな旧家の連中に対する、皮肉の効いた手土産扱いとして持ってこられたのである。

自分がかつて飛び出し、それでいてなお理不尽な命令を自分に下した家に。

因みに彼女の意識を奪った誰かだが、誰とは言わないが緑色の液体の注射器を持ち、その中身を彼女に注入したのであるが、その謎の緑色の液体の製造者が誰で突き立てたのが誰かとは問わないが、その緑色の液体、作用と副作用は果たしてなんなのだろうか。

ただ突き立てた当人は妖しげな微笑を常に湛える女性だったが。


で、話を戻そう。

この場にいる男女合わせて三名、定義上の正確な分類を文字として表すならば女性が三名。


黒いマントの女、表情に愉悦を張りつかせた小柄な、凛とさほど変わらないのではないかと思われる体と、カラスの濡れ羽色という形容がそのままの漆黒の髪を腰まで伸ばした女。

見目は麗しいとは違いどこか悪戯好きの子供のような、それでいて狂猛な猛獣のような、そして狂った人間のような印象を他者に与える女、名は“人喰い(マンイーター)”の出夢。

“殺し名”第一位“匂宮”の一員“最高の失敗作”にて最強の“殺し屋”、彼女の属する“匂宮”の殺人美学は“頼まれれば殺す”、よってこの度も依頼のままにこの場に参上している。

依頼主は“式森”


漆黒のワンピースの少女、まさしく少女、凛より小柄で凛より幼い、どうみても中学生。

だが肌は白く唇は紅く髪は黒い、少女としての美貌を完成させたような美少女、出夢も美少女と分類できそうな外見を有してはいるが此方は儚さすら感じさせる華奢の美少女。

表情に不快を貼り付けてなお美を持つ少女、名は闇口崩子。

“殺し名”第二位“闇口”の一員、“暗殺者”たる“闇口”の一員、殺人美学は“誰かの為に殺す”その美学から“暗殺者”というよりは“奴隷”に近い、奴隷としての主は“式森和樹”、特定の主人の為に事務的に殺戮を行う闇口の一員。

実際に彼女が自分の主を自分で決め、その時の誓いは正に従属宣言。

「貴兄が乾きし時には我が血を与え、貴兄が飢えし時には我が肉を与え、貴兄の罪は我が贖い、貴兄の咎は我が償い、貴兄の業は我が背負い、貴兄の疫は我が背負い、我が誉れの全てを貴兄に献上し、我が栄えの全てを貴兄に奉納し、防壁として貴兄と共に歩き、貴兄の喜びを共に喜び、貴兄の悲しみを共に悲しみ、斥候として貴兄と共に生き、貴兄の疲弊し折りには全身でもってこれをささえ、この手は貴兄の手と為り得物を取り、この脚は貴兄の脚となり地を駆け、この目は貴兄の目となり敵を捉え、この全力をもって貴兄の情欲を満たし、この全霊をもって貴兄に奉仕し、貴兄の為に名を捨て、貴兄の為に誇りを捨て、貴兄の為に理念を捨て、貴兄を愛し、貴兄を敬い、貴兄以外の何も感じず、貴兄以外の何にもとらわれず、貴兄以外の何も望まず、貴兄以外の何も欲さず、貴兄の許し無くしては眠ることも無く貴兄の許し無くしては呼吸することも無い、ただ一言、貴兄からの言葉にのみ理由を求める、そんな惨めで情けない、貴兄にとってはまるで取るに足りない一介の下賎な奴隷になることを……ここに誓います」

この言葉が奴隷の誓い、彼女は和樹の言葉以外に従わず、和樹の言葉にはまるで疑義をはさまず反論しない、言葉のままに行動し、言葉のままに殺戮する、“暗殺者”。

もしくは“殺戮兵”


そして一番三人では大柄といっても年齢も一番上であろうし、標準的な体の大きさだろうが、彼女も美人と評していいだろう、上記の二人と違って子供のようなでは無く完全な大人としての美貌。

そして彼女だけが日本人ではない、漆黒のスーツに身を包み、銀色の髪をアップで纏めている欧米人、徹底した無表情を貫き、腕を組んで立つ姿は美貌を際立たせる、名はリーラ・伊庭、無論のこと伊庭かおりと同じ一族に属する“猟師”たる彼女。

だが一番いやな目をした彼女、大きなトランクを抱えてこの場に存在している。

神城にこの日襲った悲劇で喜劇はこの“猟師”から始まった。


「本日の無礼に対しての謝罪を聞きに参りました。御頭首にお取次ぎを。“杜崎”の遣いといえばよろしいので」

これが彼女がこの屋敷に通された時、入り口で応対に出た女性に話した言葉で、そのままこの敵意漲る部屋に通され、通された途端に神城凛が猿轡を咬まされて放り出される。

無論のこと敵意は高まったが、彼等“神城”と本拠を近くし仲の悪い“杜崎”の遣いだとされ“無礼に対しての謝罪”問い彼らにしてみればみに覚えの無いことを言われたのだから、敵意がどれほど増幅してくれようと構うまい。

相手が正常な判断を見誤るまでに敵意を漲らせればそれはそれで十全なのだろうから。

そしてそろそろ物語を加速させよう。

悲惨な物語を。


銀髪の美女は無表情に口を開く、黒衣の女は愉悦に、黒い少女は不快気に黙して語らず。

リーラがこの場を取り仕切る。


「さて。神城の頭首殿。お初にお会いいたしますリーラと申します。この度の不始末些か当方としては看過しがたく謝罪頂きたく此方から参上させていただきました」

滑らかな流暢な日本語、慇懃で敵意ある相手に対しても臆することなく言葉を紡ぎだしている、まぁ、それぐらいの度胸は持ち合わせていなければ困り果てるのだが。

対して神城側、何のことを言われているのか訳がわからないのだろうか、敵意は隠そうともせず、それなりに奥まった位置にいる初老の男が言葉を返す。

「杜崎の遣いとのことだが。言い掛かりはやめてもらおうか。此方は其方に何もしておらん。逆にそのようなことをきせられるは此方が謝罪して貰いたいほどだ」

「正確には杜崎経由の非礼となります。退魔守護一族“守前(もりさき。前を守る盾の意。向こうには言葉なので字面の意味は伝わっていないでしょうが)”が仕える式森一族に対する無礼。アナタ方が私達の手土産としお持ちいたしました下賎の女に無礼を働くように命じたのでしょう」

慇懃無礼、だが礼を尽くす相手でもない殴りかかられたから殴り返しにきたのだ。

無礼には無礼を、非礼には非礼を、無表情のリーラだが内実はかおりと似た気性を持つ。

いや彼女は“闇口”に近い気質を保有し“和樹”に仕えている、主人への冒涜は溶岩のような怒りと氷河のような憤怒を持たせるには十全過ぎる。

彼女は“和樹”が自分の親友を殺せと命じたら躊躇わずに殺す、“猟師”である“射庭(主のテリトリーに踏み込んだ愚者を射殺する飛び道具系の特化一族)”の中では忠誠という天であれば右に出るものはいない(かおりは戦闘特化)。

だが“闇口”同様常軌を逸してしまった忠誠心(その忠誠心が功を奏したのか殺し名最悪の零崎の次に最悪なのが闇口とされている)ほど恐ろしいものは他に無い、主の為の一言で笑って死地に行ける連中はどいつもこいつも狂って逸して達して壊れて逝ってしまえる人種ほど怖いものなど他に無い、これよりその怖さが顕現し顕在し具現する。

既に片鱗は出始めているのだが彼らは、駆除対象は、加害者達は気付かない、気付かないうちならまだいいが、気付けないうちならまだいいが、はてさて。

駆除対象のほうは今のリーラの言で凛を一瞥し。

「そのことがどうして無礼にあたる、名も知れない血のものを我が一族に加えてやろうというのだ。無礼どころか感謝して欲しいぐらいのものだが。その家のものにとって光栄に当たることを無礼とは」

再び初老の男が口を開いた、どうやらこの男が話を進める役割を担っているようだがそのようなことはどうでもいい。

こちらはやはり、自分達の行動がどれほど浅ましく、どれほど愚かで、どれ程他人を侮辱しているのかを理解していない、それに加えての自分の血族に対する、一族に対する至上主義、八百年の永きに渡る一族らしいが、時間は人間を腐りきらすには十分すぎたのだろう、更に続く妄言暴言篭言。

「大体において何故杜崎の泥臭い連中が出てくるか。これは神城の問題。神城が力も無いただの種馬を飼いならそうとしただけのこと。貴様らに言われる筋のことではない。それに加えて分家筋とはいえ神城の人間をそのように扱いおって。無事にここから出られるとでも思っているのか。其方が許しを請うのならば無事に出してやるわ」

腐っている、人間として腐っている“種馬”、人間を、もし普通の学生の一人だとしても人間一人を種馬扱い、貴様は何様だ、何処にそんな権利が何処にそんな理不尽を許容する玉を持っている。

それに加えての彼女らへの暴言、頭が悪いのか。

因みに凛は老人の余りの発言に自分の家のことながら怒りを覚えていたりするが、彼女はそれを諭されたばかりで、それに加えて元々は家の傲慢さは然程持ち合わせてはいない。

だが、頭の悪い、いや人間として腐った腐人間相手に人間扱いも同じ人間として腹立たしい、知恵の遅れた生物相手のたわ言に付き合うのも之まで、ここからは猟師の狩猟の時間。

「では謝罪は致さないと」

リーラは最後通牒のように。

「其方が謝罪してしかるべきだろうが・・・・・・・」

だが、老人の言葉は遮られ、遮られるほどの大声で、遮られるほどの騒々しさで黒いマントの少女が喋りだす。

「ぎゃははははははははっ!!!!おい、おい、おい。もういいだろう、もういいだろう、もう手前も我慢の限界だろう“エル・ブエロ・ガザ・デ・フローレンシア(フローレンシアの猟犬)”。お仕事の時間だぜ、お仕事の始まりだぜ、依頼達成条件にうまいこと符合している頃合だと僕は思うんだがね。終焉だ。この茶番劇も終焉だ。このお嬢チャンも我慢の限界みたいだし、それならお前はもっと限界だろう、もっともっと限界だろう。いいんじゃねぇの、いいんじゃないか。お前はお前らしく“狂った狩猟”を始めようや“僕の殺戮の一時間”本日はまだ一分一秒消費していないぜぇ」

ハイテンションな声、喋るというより叫ぶ、叫ぶというよりは歓声、そんな声が出、そしてその表情は喜悦、この愚かで馬鹿で救いようの無い連中に対する嘲り。

「大体、情状酌量の余地なんてはなっから無かったのにこいつらものの見事に、あんたの温情を蹴ったんだからいいじゃねぇか。身の程も弁えない田舎侍がしゃしゃり出てるんだ。いつものようにいつものように始末しちまおうや。僕としてはどっちでもいいんだが。まどろっこしいのはイライラするもう決まってんだろうあんたの腹は」

その叫びに答えるのは崩子、闇口の奴隷、“殺戮狂戦士”。

「お兄ちゃんへの侮辱はもう許容の範囲を過ぎました」

冷徹な不快を表さずに冷徹冷酷冷淡冷戦な少女の言、“奴隷”としての我慢は通り過ぎ、仕事をこなす“暗殺者”の顔を呈する。

リーラは無表情な顔を上げ。

「では謝罪を頂けないようならば。我が一族に歯向かったとみなし敵対したと認識し駆除します」

そこで一泊、いやほんの一瞬置き、呟く様に。

「出夢、崩子、殺戮を許可します」


其処からの光景は地獄の一言に尽きる、武芸を収める一族が紙屑の様に殺される風景だ。

愚かな生物が殺され続ける風景だ、殺され続けるしかなかった風景。


出夢はマントを脱ぎ捨て、その肢体革のパンツに上半身はタンクトップのようなものを一枚着た姿で、手近にいた若い二人の男目掛けて、その男達が反応するよりも早く踏み込み。

全身を使い、両腕を振り上げ、凄まじい勢いで振り下ろした。

そしてあっけなく、本当にあっけなく、頭蓋が吹き飛び胴体が破壊された二体の肉が生産される、彼女、人格的には彼の最強の、人類としても最高クラスの一撃“一喰い”。

彼女を最強たらしめる一撃技、欠点は加減が出来ないこと、確実に全力ではなってしまうこと、それ以外を除けば完璧すぎる攻撃力、そして彼女はその攻撃力のままに“一日一時間”の“殺戮”を開始した。

触れるものから喰らい尽くす猛獣のように、害獣が振るう刀を巧みによけ、腕で脚で“一喰い”を食らわせる、一撃で致命傷たる一撃を。

哄笑を挙げながら喜悦の声を上げながら、笑いの声を挙げながら、殺戮を為す。

仕事、それを理由に殺戮する。


“殺戮兵”は無常に無感情に無機質に無表情に殺戮を開始していた、神速という速度で踏み込み、両手に構えたナイフで的確に人を殺害していく、踊るように舞うように跳ねるように伏せるように淡々と淡々と冷淡に冷淡に殺戮を繰り返していく、声も上げず、感情も宿らせず、ただ主人の侮辱に対する報復を。

それだけを理由に殺戮する。


そして実は一番怒り狂っていた“猟師”こと“猟犬”。

彼女はトランクを開け放ち中身をぶちまけ、そのうちの二つを手に取り使用した。

手にしたのは二丁の拳銃、右手にベレッタ92F、左手にグロック17、手にした瞬間に彼女は正面にいる老人に向けて発砲した、容赦の欠片も無く一人三発ずつ、的確に。

弾が尽きると更に違う銃を蹴り上げて手に取り発砲する、今度はイングラムM10、サブマシンガンが弾をばら撒き一瞬で撃ちつくし次はSIGP226の二挺、次はM3ショットガン。

使い捨てのように銃を取替え乱れうち、人を的確確実に殺戮する。

そんな彼女は射撃の間一つの詩を歌っていた、流暢で滑らかな、レクイエムともなりうる歌を。

Una vendician por los vivos 生者の為に施しを

Una rama de flor por los muertos 死者の為に花束を

Con una espada por la justisia 正義の為に剣を持ち

Un castigo de muerte para los malvados 悪漢共には死の制裁を

Asi llegaremos en el altar de los santos しかして我ら聖者の列に加わらん

サンタ マリアの名に誓い、全ての不義に鉄槌を


その歌の通りに全ての有象無象に鉛の弾丸は刃向かう愚者に鉄槌を


この日この時この場所で神城は殺戮された。

たった三人の女によって。


後書き、報復編前編

リーラを首魁とする制裁部隊、圧倒的な連中ですが、リーラはメイド繫がりでブラックラグーンのあのメイドさんを絡ませて見ました。

二人の狂える忠誠心と一人の殺戮請負人、彼女達を止められる面子など早々にはいないでしょう。

次は宮間、ミス・バラライカ(予定)、もしくはかおり、トゥーハンド。


ではレス返しです。

>IZEA様
かなりに血みどろですし、かなりの最悪の連中が揃い踏みです

>D,様
リーラはMMMを出す気が無いので伊庭の一員として組み込んでみました
ディステルは考慮中です。テリトリーを管理するのも伊庭ですしリーラは主にそっち。
サポートのほうは別に考えています。

>皇 翠輝
なんだか大絶賛で嬉しい限りですが、そうでしたかアレに明確なダメージを与えたのってアイアンメイデンが初めてだったのかなぁ(自覚無し)、今回は完膚無きまでに徹底的ダーク路線で行こうかと思っていましたから容赦がないんですが。
かおりは次回辺りに

>ttt様
主人公至上主義っていうなら作者の作品の中でも最高の至上主義でしょうね

>mon様
まぁ、法律論はここまでで、気分的には断罪したくなりますよね。

>冬秋様
出ましたよー、理澄ちゃんはまだですけど。
人類最強の赤色は何処で出そうか、報復編にはでませんねぇ。

>鳳麻様
原作どころか殆どオリジナル調に進めていく予定ですね。
今度書こうと思っているオリジナルの下地になってたりもしますが。

>goo様
率直で。

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