第十一話裏 明かされた真実、和樹が異世界に逝った訳
※これは遠野家の惨劇後の話です。
「なんで生きてるんだろう?僕」
どうも、昼間に遠野志貴君と第一回チキチキ月姫ヒロインズと殴り合いをしましょう、で見事にボロボロにされました。
やはりパートナーが『七夜志貴』でないのが敗因でしょうか?
「悪かったな……」
志貴君が文句を言う。
どうやら彼も気がついたみたいだ。
中々の不死身ぶりをほこっているな彼も、
「そんなことないよ。まあもう少しがんばってほしかったけど」
「和樹……ただの人間がアルクェイドの攻撃に三分も耐えたんだぞ。もうこれは人間の限界を超えたで賞をあげても良いくらいだと思うが」
志貴君が言うが、まだ甘い。
僕は三分三十二秒耐えた。
だから今回は僕の勝ちだ。
「威張るなよ」
「だけど、毎日毎日こんなことは勘弁してほしいよな。秋葉とか加減知らないし」
志貴君が愚痴りだす。
毎日しているのかこんな事を?
僕が言うのもなんだけどよく死なないな彼。
だって今回久々に、ヴァルハラに逝ったぞ。
フレイさんは何か企んでいたけどまあ良いや。
「良く、死にませんね。確か貧血もちじゃありませんでしたっけ?」
少なくても去年のあの『事件』の時はそうだったはずだ。
「ああ、アレは前よりよくなったよ。『ロア』を倒したお陰で」
志貴君が言う。
「ロアですか?」
「そう」
僕達は二人庭で仰向けになりながら話し出す。
「ロアって確か白髪にブラコンストーカーの秋葉ちゃんの兄を乗っ取ってたアルクェイドさんのストーカーでしたっけ?」
詳しい話は違うが大まかは合っているはずだ。
「……見もふたもない言い方だな」
志貴君が苦笑する。
「まあ、『あの事件』がなければアルクェイドにも会えなかったから微妙なんだけどね」
志貴君が昔を思い出すけど、確か二人の出会いって……
「確か志貴君がアルクェイドさんの後をストーキングしてマンションでやっちゃったんですよね」
僕は二人から聞いた話を思い出す。
「ちょっとマテ!!確かに合っているが誤解を招くような言い方をやめろ!!」
志貴君が否定するけど……
全員と関係持ってる時点で誤解じゃない気がする。
何だろう近いうちに紫の髪をした女の人とかかわって吸血鬼と戦いそうな気がするのは?
「はあ、」
志貴君がため息をつく。
「どうしました?」
「いや、毎日毎日こんな目にあってたらからだがもたない気がしてきたよ」
まあ、普通の人間なら間違いなく命を落とすし、それどころか原型すらなくなっている気もするが。
まあ、遠野志貴は間違いなく僕と同類なんだろうな。
『幸せな不幸』
本当の不幸な人に比べれば天国。
そう考えると生きる気力がわいてきたかも。
胃の痛みは治まらないけど。
ちなみに作者はこんな人生絶対に歩みたくないそうだ。
<当たり前です>by作者。
「まあアレですよ。生きてるんですから、幸せなんですよきっと」
僕は志貴君に言ってみる。
「そうかもしれないが毎日毎日こんな目にあったらもたないぞ」
確かに。
僕達は不死身じゃない。(限りなくそれに近いけど)
志貴君は一回、僕は二回死んでる。
どんな人生だよ?
「こうなったら道は一つですよ。」
「何だ?」
僕の意見に志貴君が尋ねる。
「謝るんです。ただひたすら。たとえ自分が悪くなくても素直にごめんなさいと言えるようになれば君はきっと十年後には卑屈な男の子になっているはずです」
夕菜には効果なかったけど。
後、ブルーも。
あの女何が、
「素直にごめんなさいを言える君なら素敵な男の子になれる」
だ。
謝っても、殺すくせに。
断言してやる、お前は一生一人身だ。
ああ、面と向かって言いたい。
「どこかで聞いた台詞なんだけど。後和樹何故泣く?」
いや、素敵な男の子になったらこんな目にあっている事を再確認しただけです。
「だけどそれ効果あるのか?」
志貴君が僕の示した道に疑問を抱く。
「……まったくない」
少なくても僕は一度も効果は無かった。
「駄目じゃん」
「そうですね」
受け入れるしかないのかもしれないな。
「どこか遠くに行きたいな和樹」
志貴君がとんでもない爆弾発言をする。
「志貴!!」
僕はまだ痛む体を無理やり立たせ志貴君の顔面を殴る。
「和樹?」
「志貴君。君は今とても軽率な事を言ったのよ」
僕は志貴君を叱る。
もし、変態執事や、割烹着の悪魔が聞いていたらどうするんだ!!。
「志貴君。僕を憎んでもかまわない。確かにどこか遠く異世界辺りに行きたいとは思う。だけどもしそんな事を言ったら君はきっと取り返しの着かない場所に飛ばされる。だから今こうやって叱らないといけないんだよ」
「……いやお前だろ。取り返しのつかない事を言ってるのは?先生の台詞までパクって」
志貴君が半眼で睨む。
「いやまあ、そうだけど」
<和樹後でお仕置きよ>
うわっ、なんだ今聞こえた赤い魔女の念話は?
「和樹顔色が悪いけどどうした?」
「……しょせん僕たちは僕達なんだって事を理解しただけさ」
今度こそ死ぬな僕。
そして僕ら二人は夜空に浮かぶ月を見る。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
どうせ明日も今日のような目にあうんだ。
腹をくくるか。
僕達二人はお互いの顔を見てから再び月を見るそして、
「「ああ、今夜はこんなにも月が綺麗だ」」
泣いて良いですか?
<???>
「和樹は波乱万丈な日常ね」
とある秘密の場所、此処でアルトはあるビデオを見ていた。
タイトル
『式森和樹の不幸日常変』
を見ていた。
「う〜ん、確かにおもしろいけど足りないわね」
アルトはビデオを見終え感想を言う。
「それは一体?」
何故か此処にいるキースが聞く。
「バトルよ。男の魅力が最大に発揮できるものそれはバトルよ。このビデオにはそれが足りないわ」
アルトは握りこぶしを作りながら立ち上がり高々に宣言する。
「しか、此処では死徒との戦いぐらいしかないのでは?」
自称『式森和樹研究会会長』紅尉晴明が言う。
何してんだあんた?
「駄目よ。死徒ネタはまだ早いわ」
そんな理由で良いのかよ。
「ならば異世界にでも飛ばしたらいかがでしょうか?そこでなら此処とは違った成果が上げられるはずです」
キースが無表情に言う。
「異世界ね、確かにそこならおもしろそうね」
「確かに。どうせこのままでは彼の魔力の影響で封じられた『魔物』などが復活してしまう。いやこの前の『事件』で封印に影響が出ている、此処で彼を離ししかるべき処置を施してから戦わせたほうがおもしろそうだ」
そんな理由で戦わせるのかよ。
まあこのマッド、実際和樹が死んだ時かなりあせったようだ。
彼曰く、
「せっかく今まで生きてきた中で最高のモルモットが・・・」
和樹哀れ。
「では、女難殿を異世界に送ると言う方向で本人も望んでいるようですし」
「そうね。ビデオは最優先で私にお願い」
「では執事。早速彼をどこかに送ろう」
こうして和樹は本人の知らないところで、どうでも良い理由で異世界に飛ばされた。
一つだけ救いがあるなら彼はこの事実を知らない。
救いか?
あとがき
十一話裏です。
一応この話から和樹は異世界に飛ばされました。
一応本編も書きますが、時間軸は異世界に飛ばされてから一ヵ月後になります。
その間にいろいろあります。
まあ(ネタバレ?)になりますから詳しくは本編で。
レス返し>
D様>ネルは普通の人なのでつらいです。いろんな意味で。
suimin様>クリムゾンブレイド。此処のSSでまともを期待しないでください。
33様>赤毛の密偵は今のところ常識人です。
ですので彼女もまた胃薬の世話になります。
ユピテル様>こんな和樹ですが一応世界でも上位レベルの魔力の持ち主です。
そう簡単にはMPなくなりませんよ。
柿の種様>なるほど彼はまだまだ未熟ですか。
ではこれからは三千世界でもしかしたら不幸かもしれない男と名乗ります。
すいません。
紫苑様>ネルは苦労します。クレアの性格は……アリアスにつくまでお待ちください。
D・K様>残念ながら市販品では効果がありません。
せいぜい痛みを数分間弱めるぐらいです。
名前間違ったましたか?直しておきますので不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。