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「両儀なる瞳〜第5章〜(まぶらほ×いろいろ)」

鬼神 (2005-02-20 23:11)
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キシャーの周りを、超と言えるほど小さい億単位の刃が華麗に舞う。
その絶対的な死角なしの攻撃に、キシャーは防御魔法で防戦していた。

「この!!」

忌々しげにキシャーは中級攻撃魔法で凛を攻撃する。
だがその魔法は、千本桜の刃の盾の前に完全に防がれてしまった。

「無駄です。千本桜の真髄は360度の死角なしの全包囲攻撃。
たとえ夕菜さんでも、この包囲からは突破できません」

その言葉の通り、億単位の千本桜が少しずつだがキシャーの防御魔法を突破し始めた。
パリン、パリンとキシャーの防御魔法にヒビが入り始める。

「この小賢しい!!

キシャーがどうやら本気になったようだ。
キシャーの周りに、合計25に及ぶ上級魔法が浮かび上がる。

「マジで化け物かよ」

呆れたように和樹が呟く。
流石の千本桜とは言え、この上級魔法の25発に耐えれるとは思えない。

「やるしかないようね」

和樹の隣の立つ沙弓は愛用のグローブに魔力を込めながら呟く。

「だな」

と和樹が言った時、

「もう凛さんでも手加減しません!! 覚悟してください!!
キシャァァァァアァァァァ!!

相変わらず意味不明な叫び声を上げ、キシャーは上級魔法を発動した。
はっきり言って、着弾すればとんでもない被害が出るに違いない。
最低でも、葵学園は跡形もなく消滅するのは間違いないだろう。

「どうにかしてる」

そう言って、和樹は直死の魔眼を発動し迫り来る上級魔法のうち、10発を消滅させる。

「千本桜!!」

凛の叫びに答えるように千本桜の刃が縦横無尽に走り回り、上級魔法のうち11発を消滅させる。

「ふっ!」

同時に沙弓は両手にこめた魔力を利用して上級魔法を殴り飛ばしながら消滅させた。
その数4発。

どうして邪魔をするんですか!?
キシャァァァァァ!!!

更に怒り狂うキシャー殿。
もはや怪異扱いよろしくである。

「凛」

「なんですか、先輩?」

「一気に終わらせるぞ」

「わかりました」

そう言って和樹に天鎖斬月に、凛は千本桜景厳に魔力を込める。
それぞれの刀に変化が現れた。
天鎖斬月の刃から黒い魔力が。
千本桜が形状を変化させ和樹たちを取り囲むように千本の白い刃が出現した。

「斬式・天鎖斬月」

「殲景・千本桜景厳」

こんな小細工が通用すると思ってるんですか!? キシャァァァ!!

キシャーから大量の魔力が検出される。
その量は、圧倒的だ。

「斬っ!」

和樹は天鎖斬月を振り上げるように振るった。
その瞬間、刀身から巨大な黒い斬撃が発生しキシャーに突進する。

無駄なこ・・

キシャーが何か言っているが気にしない。
和樹は神速を遥かに超える速度でキシャーの背後に回りこむと、再度黒い巨大な斬撃を放った。
まるでキシャーを挟むかのように。
だが、それで終わらない。
まるで分身でも発生したかのように、和樹が2人現れた。

「なっ!?」

キシャーが驚くがどうでもいい。
そのまま2人の和樹は同時に天鎖斬月を振り下ろした。
振り下ろされた刀身からは黒い巨大な斬撃がキシャーに襲い掛かる。
前後左右。
逃げ道はない。

小賢しいですよ!!

キシャーは全方向に上級魔法を発動すると、黒い巨大な斬撃に当てて相殺する。
まるで何事もなかったかのように、それらは消滅した。

「油断大敵ですよ、夕菜さん」

すかさず凛が飛び込む。
その両手には白い刃が握られていた。

黙りなさい!! この時代遅れの剣士女狐が!!

・・・・・・・・・もはや夕菜じゃねぇよ。

「しゅっ!!」

二刀流となり、縦横無尽な変則的な攻撃をする凛。
だが、その攻撃はキシャーの超強力な防御魔法の前に弾き返された。

このまま蒸発させてあげます!!

そう言ってキシャーが防御魔法を解く。
これこそが、凛の狙いであり和樹の狙い。

「全白刃連続弾射(ソードバレル・フルオープン)」

その凛の言葉に引かれたかのように、全ての白刃が一斉にキシャーに向かって走り出す。
それに死角など存在しない。
当たれば、蜂の巣ならぬ剣の巣である。
そう、あたりさえすれば。

小賢しいと言ったはずです!!

キシャーは自らの人差し指を軽く引っかいて血を流すと、その血を媒介にしてあることを始めた。

来たれ、魔界を巣くう亡者たちよ、今こそこの場に姿を現せ!!

キシャーの言葉どおりに、血が魔方陣となり魔方陣から数多の亡者たちが姿を現した。
あらわすと同時に、それらはキシャーの盾となり全ての白刃をその身に受け消滅していく。

「「んなっ!?」」

これには流石の凛と沙弓は驚くしかない。
何しろ、形はどうあれ一回の17歳の少女が亡者を召喚したのだから。

「おいおい、精霊使いじゃないのかよ」

和樹は呆れているだけのようだ。

「仕方がないわね」

この場にて、初めて沙弓が動いた。

「じゃ、行くわよ」

沙弓の両手と両足に篭手のようなものが覆う。
俗に『光狼』と呼ばれるその篭手の属性は光。
そして、破壊力だけで言えば上級魔法にも匹敵する。

「ふっ!」

助走もつけた勢いとエネルギーにより、キシャーを守るように群がった亡者たちが片っ端から灰になっていく。
光狼はその性質上、闇に属するものに対して絶大な効果を発揮する。
天敵とでも、言えばいいのかもしれない。
それでも、魔方陣から次から次へと亡者が現れる。

「んのっ!」

沙弓は腰を深く落とし、右手を深く引いた。
そこから、一気に地面を蹴りながら亡者をアッパーカットで消滅させる。
それだけではなく、何体かの亡者を巻き込み、体を回転させながら多角ジャンプする。
その攻撃により、かなりの亡者が消滅した。
沙弓はまだ比較的原型をとどめている天井に足をつけると、一気に天井を蹴った。

「いっやぁ!」

そのまま体を回転させ、キシャーが立っている場所を蹴りこむ。
だが、その沙弓の一撃はキシャーの防御魔法の前に完全に防がれた。

さっさと死になさい!!

そう言ってキシャーは自分の周りに、直径2mほどの巨大な火球を作り上げた。
もう、ここまで来ると精霊たちが哀れで仕方がない。

「ちっ・・・―――天照」

和樹が両儀なる瞳の1つ『天照』でキシャーを攻撃する。
瞬時に発生した超高温の炎は、その実キシャーにダメージを与えることは出来ない。

(ったく、どれだけ化け物なんだよ)

先ほど、直死の魔眼で『死』を見てみたが、それでもまったく見えないと言っていいほどの状態だった。
確かに『死』は見えたものの、それは『線』であり、非常に細く、また存在している線の数は僅かに3本。
どれだけ、この化け物は死ににくいのだろうか。

(これは世界の嫌がらせか?)

なんて事を、和樹は本気で考えた。

「ちっくしょ・・・こんなときに、アイツがいてくれれば」

もちろん、ない物強請りは意味がない。
今、この場にいるメンバーでどうにかしなくてはいけないのだ。

「よっと!」

襲い掛かってきた亡者を殴り飛ばす沙弓。
実力はこの3人の中で一番下だが、それでも亡者如きには遅れをとるはずもない。
沙弓は呆れたように溜息を吐き、後ろから襲い掛かってきた亡者を殴り飛ばした。
そこからすかさず腰の回転を利用して反対のサイドにいた亡者を裏拳で粉砕する。

「ふっ!」

沙弓は亡者の腹を殴り、膝を突いたところを背中を踏みつけるようにして後ろへ蹴り飛ばす。
無様に壁に激突し、亡者は消滅した。
今度は左右から襲い掛かってきた亡者を沙弓は左側の奴を蹴り飛ばし、右側の奴の喉の部分に貫手の一撃を叩き込む。
そのまま亡者を持ち上げると、亡者が集まっている中心部分に投げ飛ばした。

「いけ、千本桜よ」

凛の命令に下がい、千本桜の刃が一斉に亡者の集まった場所に飛んでいく。
ちょうどその時、沙弓によって投げ飛ばされた亡者が亡者の集まった場所に飛んできた。
そして激突。
なんとタイミングのいいこと。
突然のことに亡者たちは反応できなかったのか、飛んできた亡者に激突し身動きが出来ないところで千本桜によって串刺しの状態になった。

「おおぉ!!」

和樹は天鎖斬月を振りまくり、片っ端から亡者を解体していく。
華麗にして大胆。
直情的であり変則的。
それこそが和樹の戦い方だ。
和樹は様々な2つ名を持つ。
『漆黒の剣聖』、『絶望の覇者』、『破滅の足音』、『七つ目のラッパ』、『黒き翼の剣』。
だが、もっとも有名な2つ名は『両儀なる瞳』。

「しゅっ!」

瞬時に和樹は亡者の両足を切り伏せた。
重力を支える要を失い、無様に倒れこむ亡者。
その倒れこんだ亡者の上に、和樹は何の躊躇もなく乗った。

「■■■―――!?」

理解できない悲鳴を上げる亡者。
そんな亡者を見て、和樹は嗤う。
和樹は嗤いながら、床を蹴った。
まるで亡者をスノーボードの変わりのようにして亡者の群れの中に突っ込んできる。
まさに亡者の群れとぶつかると言うところで、和樹は亡者から飛び降りた。
突っ込んできた亡者にぶつかり倒れていく亡者。
当然、和樹に躊躇はない。
一気に和樹は斬り込んだ。
直死の魔眼も発動し、片っ端か亡者を解体していく。
斬り。
刺突き。
薙ぎ払い。
穿つ。
ただただ、それの繰り返し。
キシャーから発動する上級クラスの魔法も殺しながら、和樹はキシャーに近づく。
だが、どんなに近づいても亡者に邪魔をされてしまう。

「鬱陶しい・・・」

和樹は手前にいた亡者の首を跳ね飛ばしながら呟く。
本当に、なんて鬱陶しい。

「手前の顔なんか見飽きたんだよ、一昨日にでも来な」

そう言って、和樹は亡者を脳天から一刀両断した。
状況は圧倒的に和樹の有利。
と、普通なら見えるだろう。
だが、実はそうではない。

「駄目です先輩、効果がありません」

先ほどから凛は千本桜で何度もキシャーに攻撃するものの、全て亡者に阻まれて攻撃が届かない。
千本桜は全包囲攻撃という死角0の攻撃を真髄としている。
だが、それ故に1つ1つの刃の威力が小さく敵に確実に致命傷を当たえるには至らないことが多い。
そこで、凛はその弱点を補うために敵が隙を見せれば全ての白刃を敵に叩き込むと言う戦法で弱点を補っていた。
だが、その攻撃もまた亡者たちによって阻まれてしまっている。
もちろん、突破する手があると言えばあるのだが、それはあくまで最終手段だ。

「駄目ね、私の攻撃も届かないわ」

一度後退した沙弓が忌々しげに呟く。
本当に、どれだけ化け物なのだろうか。

どうしたんですか、それで終わりですか?
所詮、偽者は偽者ですね、本当の和樹さんならこの程度のはずがありません。
そして、その強い和樹さんは私に絶対に愛を語ってくれるはずです。
力馬鹿の女と、私を裏切った時代遅れのクソ剣術女と一緒にいるから弱いんですよ偽者!!

もはや人徳と言う面も無視し始めた怪異デビルキシャー。
いいから、お前は黙れ。
お前の父親が泣いているぞ・・・

「・・・・・・・・・()」

で、当然このキシャーの言葉にキレれる凛。

「千本桜景厳」

その言葉に沙弓は完全にあせった。
どうやら、ある種の禁句をキシャーは言ってしまったらしい。
先ほどまでは、凛は少しだけ自制心が働いていた。
だからこそ、本気とまでは行かないまでも、7割程度の力でキシャーを相手していたのだ。
だが、本当に完全にキレた時の凛のやばさを知っている沙弓としては、今すぐにでもこの場から逃げ出したい気分だ。

「か、和樹、あんたも凛を・・・」

と言ったところで沙弓は気付いた。
和樹が怒っている。
そりゃもう、完全無欠に怒っている。
この状態ほど、和樹がやばいと感じたことはない。
この状態の和樹の戦闘能力は、死徒27祖の上位クラスに匹敵する。
いや、場合によってはそれ以上かもしれない。

「天鎖斬月」

和樹が天鎖斬月に膨大な魔力を込める。
同様に、凛は千本桜に膨大な魔力を込める。
そして、二つの刀に変化が現れた。
天鎖斬月から真っ黒な魔力が発生し、まるで黒い翼のような形を作り上げる。
まるで和樹の天鎖斬月を持っている手の肘から巨大な黒い両翼の翼が生えているかのように。
一方、凛の方はまるで天使。
彼女の背中あたりから真っ白な翼が発生し、その翼の第一関節らしき部分から大き目の輪がある。
その翼から伸びたものは凛の手に集まり1本の刀を作り上げていた。
まるで、翼と刀が凛を守るかのように。

「終景・白帝剣」

「終式・黒翼剣」

黒き翼と白き翼を従え、和樹と凛はキシャーに踏み込んだ。
この終わりの型は1撃しか放てない。
だが、その一撃は何者にも勝る一撃となる。

「ふ、無駄なこと」

だが、その言葉は途中で終わりを告げた。
作り上げた防御魔法が、一瞬のうちに貫かれる。
驚愕の表情を作り上げるキシャー。
作り上げた瞬間、あたりを灰色の閃光が包み込んだ。
この日、葵学園は一瞬にして、半壊した。


あとがき
さて、実は一部のシーンを『デビルメイクライ3』から拝借させていただきました。
何処だかわかりましたか?
私はつい先日、クリアしました。
いやいや、かなり面白かったですよ。
ぜひ一度はプレイしてみてください。
アクション好きの方にはたまらない作品です。


foolさんへ。
そりゃ、キシャーですから。
それしか言えません。


西さんへ。
ええ、キシャーには罰を受けてもらいます。
ただ、それで彼女が答えるかどうかは別の問題ですが。


suiminさんへ。
>もしかしなくてもキシャーです。
その通りです、彼女はキシャーです。
>このまま家がつぶれるかも。
その辺は、和樹の気分しだいですね。(ぇ
>原因は某殺人貴の女性関係で。そういえば凛ちゃんって知り合いなのでしょうか?
その辺は、後程と言うことで。
ネタばれになりますから。


ア(以下省略さんへ
それはあれですあれ。
和樹は平穏の似合わない男ですから。(ぉ


紫苑さんへ。
たぶん、庇わないんじゃないでしょうか。
黒桜とキシャーが対決したら、私的にはキシャーが勝っちゃいそうで怖いです・・・(ぁ


そらさんへ。
そりゃまぁ、キシャーですからね。
自衛隊とか屁でもないでしょう・・・・キシャー怖い・・・

ていんさんへ。
死なない理由はキシャーだからです。
なんか、この一言で全てが終わりそうだなぁ・・・て考える今日この頃です。


D,さんへ。
人狼さん、そもそも出るかなぁ〜
たぶん、出ないんじゃないでしょうか?
だって出る理由ないし・・・(ぇ


コロ介さんへ。
キシャーの弾けっぷりに感動していただいてありがとうございます。
正直言って、ここまでやったのは初めてです。
それから遠坂の呪いについては、なしと言う方向で。
たぶん、他の血によって打ち勝ったとかそういうことで。


たーんあっぷさんへ。
『天照』の能力は、基本的に『NARUTO』に出てくる『万華鏡写輪眼』の『天照』と同じです。
そちらの方を参照にしていただければうれしいです。
まぁ、細くしますと、基本的に睨んだ場所に超高温の炎を着弾させると言うものです。
それでも、炎の発生時間は僅か1秒かそこらですが。


さて、随分とギャグっぽくなってきたでしょうか?
ぶっちゃけ、ギャグSSを書くのはこれが初めてですから・・・(汗
さて、今回はさりげなくFateネタも出てきました。
どこだかわかりましたか?
さて、本当にテスト期間に入りましたので、しばらくは更新できないかもしれません。
息抜き代わり程度に投稿するかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。

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