第十話 和樹と黒姫と変態
僕は別に力などほしくなかった。
そうただ僕は素敵にだらけきった平穏がほしかっただけなんだ……
だからマッド、毎朝僕が寝ている隙になんだか緑っぽい液体の入った注射を刺そうとするのは勘弁してください。
「毎朝、毎朝僕が寝ているときに解剖とかするのはやめてください」
僕は、マッドの注射を持っている手をつかみながら話す。
「簡単なことだよ式森君。最近の君は手強いから寝ている隙に、宮間被告に使った麻酔薬を使おうとしただけだが?」
そんなものを撃たれたら間違いなく死ねます。
やはりこういった変態を駆逐するには力も必要ということでしょうか?
「マッド……消えろ」
僕はマッドの腹に蹴りを叩き込み、ベットから起き上がる。
そしてそのまま腹を押さえているマッドに向かって止めを刺すべく近づくが、
ビシュ!
「うわっ」
左手にいつの間にか握られていたメスで僕に向かって突くが、それを身を捻りぎりぎりで避ける。
「ちっ、はずしたか。式森君。今日こそ解剖をしようではないか」
そう言いながらマッドは、メスでひたすら突きまくる。
「待ってください!!と言うかマテ、マッド!!」
僕はメスを避けつづけながら叫ぶ。
これが、僕の最近の朝の日常です。
ちなみに同居人のお二人は、最初のころは止めくれていたけど、最近ではいつものことと言って朝ごはんの準備をしています。
少しだけ哀しくなりました。
戦いの結果は僕が放った衝撃波がマッドに命中してマッドが十階から転落して決着がついた。
<アーネンエルぺ>
今日も今日とて僕はバイトをしています。
どこかの貧乏金貸し黒魔術師のような生活はやだしね。
「しかし、何故、女難殿は同僚達から嫌われているのでしょうか?」
それは君達変態が僕に取り付いているからさ。
「なんで此処に、変態理不尽執事さんが此処にいるのでしょうか?」
僕はいつの間にか後で紅茶を飲んでいるキースさんに文句を言う。
「簡単なことです。それは類は友を呼ぶと言う……」
「誤解を招くようなことを言うなあああ!!!」
僕は右手を突き出し衝撃波をキースに向かって放つ。
「はっはっは、照れてはいけませんぞ女難殿」
傷どころか、服に汚れ一つなく立ち上がる変態。
「帰ってくれ頼むから……」
最近同僚の僕を見る目が腫れ物を見る目になりつつあるんだよ。
結構心にきます。
泣いて良いですか?
「それより、女難殿、貴方に紹介したい人達がいるのですが」
「しなくて良い。帰れ」
「では、お入りください」
頼むから聞いてください。僕の話を、本気でお願いします。
「貴様が式森和樹か」
入ってきたのは胴着に、真剣を持っている銃刀法違反者五人。
取り締まってください、国家権力の皆さん。
お願いですから……
「1234円になります」
とりあえず、会計をする僕。
もう、当たり前の僕専用のお客案内をとっととしろ、とここにいる全ての人間が軽蔑しきった冷たい目で見る。
なんで、そんな目で見るのですか?
僕がなんかしましたか?
最近作者がレナスとかに裏切られるシナリオを考えているみたいですがそんな事されたら、間違いなく自殺します。
正直今の状態ですら苦痛です。
胃が痛いです。
この前病院で前の担任の中村先生と再会しました。
前より悪化していましたよ。
頬はやせこけて借金で通院している始末。
理解者は僕以外いない。
まあ、それは今関係ないので省くけど。
いい加減、現実を直視しないと、話が進まないので進めよう。
「それで、貴方達は?」
「我々は神城のものだ」
神城……僕の遺伝子を狙っただけではなく初対面の僕に、刀を突きつけ殺す宣言した、危ない女を送った家。
そして僕に言葉による心の傷と料理と言う名の生物化学兵器で胃の痛みを残したのは記憶に新しい。
「何のようですか?」
正直ほっといてほしいのですが?
「貴様が起こしたあの事件のせいで、神城凛は行方不明、さらに脱税などでトップが捕まり、すっかり廃れてしまった。その罪命で償え」
どうしてですか?
僕は関係ありませんよ。
「はっはっは、女難殿は、鬼畜ですな。やはり死んだほうが良いのでは」
この執事は殺す。
「死ねえええ」
男達が僕に向かって刀を振り下ろす。
「お前らが死ね」
僕は衝撃波で五人の銃刀法違反者を吹き飛ばす。
「見事です。流石は女難殿……」
「お前も死ねええええええ!!!!!」
僕の放った衝撃波が変態を吹き飛ばした。
もうやだ……
どこか遠くに行きたいです。
「ならば異世界などに行ってはいかがですか?お勧めはゼノギアスやら戦女神の世界など……ぶぐう」
僕は無言で倒れている執事を踏みつけ、懐から兜の形をしたニューアイテム、『有害変態頭蓋骨粉砕機』を取り出しキースの頭蓋骨を粉砕した。
行きませんよ。異世界には。
<帰り道>
ハイ皆さん。
こんばんわ、最近本気で世界で一番の不幸者と名乗って良いのではないかと思いつつある式森和樹です
今僕は死者に襲われています。
何だろう。
この物凄い嫌な予感は。
「いい加減、神経性胃炎とかになりそうなんですよね僕」
胃を押さえながら、衝撃波を撃ったり、ポテンMK3で吹き飛ばしたりして死者どもをなぎ倒す。
倒すのに五分かかりました。
「……どこか旅行に行こうかな。レナスと綾香の三人で」
温泉とかで疲れを取りたいな。
「か〜ず〜き〜く〜ん」
後から白い何かが僕に飛び掛ってくる。
「撃墜のカウンター」
僕はそれの顔面にパンチを入れる。
「死徒か」
なおも僕に襲い掛かる死徒。
「和樹君いきなりひどいじゃないかぶべっ」
ポテンMK3でその死徒の顔面を殴り飛ばす。
死徒はそのまま壁に激突する。
「死んだか?」
「痛いよ和樹君。これが愛なんだね」
誰か助けて。
僕にこの変態死徒こと、フィナ=ヴラド・スヴァルテンという吸血鬼を倒す力を……
「ふっふっふ、ようやくこのときが来たんだね」
神様、別に今更死徒に襲われるのはどうでも良いです。
でも今僕は押し倒されています。
腕を押さえられ上着を脱がされて、犯されそうです。
多分今まで一番ピンチです。この変態と一線越えたら多分立ち直れません。
最終回です。
えっ何押さえつけられているんだって?
今日は朝から変態の相手で疲れているんだよ。
と言うより死徒と力比べして勝てるわけありません。
勝つには工夫しないと無理です。
「なんで、此処にいるんですか?」
「それはね、和樹君。姫様の極秘来日の隙を縫って抜け駆けしただけだよ」
護衛はどうしたこの変態。
「だったら、こんなことはやめたほうが良いよ」
「和樹君は、受けと攻めどっちが良い」
聞けよ、人の話。
「さあ、僕と新しい世界に行こう」
行きたくないです。
「思えば長かった。君の血液をアルト様に黙って飲んだりしたよ」
何だろう?この全身を駆け巡る悪寒とこのどす黒い胸のもやもやは?
「はっはっは、しかしアルト様も残念でしたですな。和樹君の写真を抱いて寝たりすることは出来ても、和樹君を抱くことは出来ないのだから」
「そうなの?」
「そうですとも。残念ですな。アルト様」
「そうね。残念だわ。フィナ貴方がそんなことをしているなんて」
変態が脂汗をかきながら、後ろを向く。
そこには、大きい犬と、無表情な黒騎士と、こめかみに青筋を立てている腰まである黒い髪にナイスバディーな紅い目をした美女がいた。
美少女ではありませんよ。
「何故此処に?」
「和樹の家に向かう途中何故か空港で姿を消した。貴方に会うのはなんでかしら?」
黒の姫は白い変態の首筋をつかむ。
「あの姫様?」
「さよならフィナ」
ズバッ!!
「アルト様?いきなり真っ二つは」
グシャッ!!
「アルト様?何故僕の息子を?」
ズドッ…グワッシャアア!!!!
「アルト様!!いくらなんでも内臓を取り出しつぶ…ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!」
ズガ、グシャ、ベキ、ずどおおおおおん!!
ただいまグロテスクな出来事が発生しています。
しばらくお待ちください。
「久しぶりね和樹」
身体のあちこちに血をつけた美少女ことアルトルージュ・ブリュンスタッドが僕に挨拶する。
後のほうにモザイクがかかった紅い何かがあるが無視しよう。
気にしたら間違いなく肉が食べられなくなる。
「なんで、此処にいるんですか?アルトさん」
「遊びに来た」
・・・・・・気にしたら負けだ。
いろんな意味で。
「そうなんだ。じゃあ今晩は家に泊まります?」
「初めからそのつもりよ」
「では行きましょう」
そして僕達は、家に向かった。
一つの肉の塊を残して。
<今日のキシャー>
「最近、おとなしいなあの女?」
「そうだな」
牢屋に、黒い何かが動き回る。
少女は、それの動きをよく見ながら、拳を打ち込む。
「まだまだですね」
何とか倒したが、狙いが少しずれたようだ。
「待っててください和樹さん。必ず貴方の元に行きますから」
腕立て伏せをしながら、キシャーは今日も脱獄の下準備をしていた。
あとがき
黒姫が来ました。
やはり和樹と共に、白姫に会いに行ったほうが良いのか、和樹は普通に不幸に巻き込まれ、彼女達だけが会いに行くのが良いのか悩みどころです。
レス返し>
柿の種様>キシャーは天敵ではなく死神、自然災害扱いです。
33様>仲丸の出番はまだありますよ。
紫苑様>夕菜がこのままおとなしくするはずが……
suimin様>キシャーの消滅。それはありません。
ユピテル様>少しはありますよ。頭は痛いですが。
ビーン様>まあ、キシャーは妄想と虚言で生きてますから。
本様>和樹にも心のオアシスを与えないと間違いなく壊れますし。
D・K様>まあ確かにそうですが、和樹の相手はもっぱら変態ですから大丈夫でしょう。
皇 翠輝様>キシャーが反省したら世界がえらいことになりますよ。
D様>アンリミデット・トラブル・ワークス、一体それが何の役に立つのか……それよりアンリミデット・不幸・ワークスのほうが当てはまりそうな気が……
黄金盗虫様>まああの執事ですから濁って当たり前です。
福庵様>まあだからこそ、あのB組の連中は学園生活をかろうじて、送っているのでしょう。
ぜフィ様>中村先生、彼がいれば和樹はこんなことにならなかったのでは?
星領様>別にそういうわけではないのですが、もしそうなら士郎はアーチャー化が早まるんじゃないですか。いろんな意味で。
クロウド様>多分二十万きったんじゃないですか?
泉様>その通りです。魔法では無理なのです。
鬼神様>所詮一桁ではバーサーカーを倒すのに何万回斬らなければいけないのでしょうか?
柳野雫様>B組は半分ぐらいです。
鳳麻様>候補はフレイ、あと女性エインフェリア多数が予定です。
狼餓様>キースは何でもありのキャラですし。
日本製チャイナオレンジ様>入団しても対して変わらないので意味はないかと。
カイ様>もしそうだとしても、アレだけやって事件にならないのはいくらつぎ込んでいるのか分かりませんね。