「ふも、ふもっふ!!(こんな姿で、どうすりゃいいんだー!!)」
短くなってしまった手足をバタバタさせながら慌てふためく俺、そして、その間にナデシコのディストーションフィールドはますます薄くなり、ミサイルが振りそそぐ。
「ふもっふー!!(死ぬー!!)」
そして、叫んだ瞬間だった。赤い壁が生まれ、そのミサイルを全て防ぎきったのだ。
『お前もわかっているんだろ?ATフィールドは誰もが持っている心の壁なんだよ。』
その瞬間、頭の中にそんな事を言ってアルカイックスマイルを浮かべる親父の姿が思い浮かんだ。
“って、ふもっふだったら、ラムダ・ドライバじゃないのか?”
っと、それに対し、我ながらどこかピントのずれた突っ込みを入れると、今度はお袋が
『そんな、細かい事を気にしてはいけないわ。』
そう言ってきた。
・・・って、どこからだ?
そして、最後にこう付け加えてくる。
『ATフィールドでもディストーションフィールドと同じようにボソンジャンプに耐えられるようになっているわ。それでナデシコを包んで帰っていらっしゃい。』
こ、こうなったら、やけだ!!
「ふもっふ!!!!(俺の心の壁よ!!!!)」
そして、俺の張ったATフィールドがナデシコを包み込む。
全ての攻撃を遮断する絶対領域。
「ふもーっふ!!!(ボソンジャーンプ!!)」
<その頃、地球では・・・・・・・・>
「うん、こんなこともあろうかとアキトの頭に埋め込んでおいた通信機、役にたったみたいね。」
そんな事を言う、マッド夫婦の姿があった。
そして・・・・・・・・俺達は地球に跳んだ。
「ふもっふ・・・・・・。」
ジャンプした先は地球のビックバリアーの直ぐ近くだった。
そして、ナデシコ艦内の中に戻った俺は意味すらなくそう呟く。
親父達の言ったように、俺は元の姿に戻れなくなっていた。
その姿のまま、みんなの前に立つ。
すると・・・・・・・。
ボフッ
驚いた事にルリちゃんが俺に抱きついてきた。
そして・・・・・・・・。
「かわいいです!!もふもふしてます!!気持ちいいです!!」
「ふ、ふもっ!?(ル、ルリちゃん!?)」
そのあまりにいつもと違う態度に俺は呆気に取られる。みると、周りの人達も同じようだ。
「テンカワさん、私いままで“かわいい”っていう感覚がわかりませんでした。けど、今のテンカワさんの姿を見てわかったんです。ああ、これが“かわいい”っていいう感覚なんだって。」
「ふ、ふも。(そ、そう。)」
俺の腹に顔をうずめていたルリちゃんは俺を見上げ、目をキラキラ光らせてくる。
俺は・・・・彼女のこの変化を喜ぶべきなのだろうか?
「ね、ねえ、アキト君、私もちょっと触ってもいいかしら?」
すると、ルリちゃんがあまりに気持ちよさそうにしているだろうか、ミナトさんがそう言ってきた。俺はちょっと驚きながらも答える。
「ふもっふ(いいですけど)」
「・・・・ごめん、何て言ってるのかわからないんだけど・・・・」
ミナトさんは申し訳なさそうにそう言う。
そこで、コミュニケのメール機能を使おうとするが・・・・・指が太くてキーが押せなった。
「ふむ、それではこれを使ってください。」
そこで、プロスさんがこの時代ではあまり使われない紙とペンを貸してくれる。
俺はそこに書き込んだ。
《どうぞ。》
「それじゃあ・・・・・。」
それを読んだミナトさんはおずおずと手を伸ばし、そして俺に触れる。
「うわあああ。」
そしてうっとりとした表情になった。
自分ではわからないが、俺の身体はそんなに気持ちいいのだろうか?
『世界最高級の手触りよ。』
・・・・また、頭の中でお袋の声が聞こえた。もう、気にしない事にしよう。
「な、なあ、あたしも触れていいか?」
それをみていたスバルさんがそう言ってくる。
俺はそこで頷く。
「あ、あたしも。」
ヒカルさんもそう言ってくる。そして二人とも触れてみた。
「うおっ。」
「うわっ。気持ちいい。癖になりそう。」
二人とも凄く驚いた顔をしている。
両親は何を考えていたのだろう?まったく無駄な所にこる人達である。
「お、俺も触ってもいいか?」
そこで、ゴートさんまでそう言ってきた。答えは勿論決まっている。
《いやです。》
男に触れられるのなんて嫌に決まっている。俺はきっぱりと断った。
「そ、そうか。」
凄く残念そうな顔をする。
「ねえ、メグミちゃんも触ってみない?凄く気持ちいいわよ。」
ミナトさんがそう言ってオペレータの人(間違い、通信士の人)を誘う。
ミナトさん・・・・・どうでもいいですけど、俺の事、ちゃんと人間扱いしてくれてます?嫌、もう、人間とは言えないかもしれませんけど。
「え、あの、確かにかわいいですけど。その、中身があれだと思うと、何か、中におじさんがはいっているのをみてしまった着ぐるみみたいというか。」
「うっ。」
「あっ。」
通信士の人はミナトさんの誘いに対してそう答えた。
それを聞いてスバルさんとヒカルさんも反射的に離れる。
思わずへこみ、その場にしゃがみこんでしまう。
「もう、メグミちゃん、そんなこといっちゃあ駄目よ。」
「あー、かわいいですー!!かわいいです。かわいいです。かわいいですー!!」
それに対し、彼女をしかりつけるミナトさん。
一人大興奮のルリちゃん。
あー、人生ってつらいなあ・・・・・・・・・。
その頃、ゴキブリ男こと黒アキトは忘れられたまま一人戦い続けていた・・・・・・
「くそっ!!ジャンプする隙がーーーー!!!!」
彼の悲しい叫び声が火星に響き渡る・・・・・・。
(後書き)
ルリちゃん壊れる・・・・・。
レス返しです。
>アンスリウムさん
黒アキトには文字通りのダークヒーローとして今後も頑張っていただきますw
>ていんさん
きっと今の方がしあわせですよw
>皇 翠輝
>ふっも〜〜!(これで一気に人気者だぜ!)
ふもっふー(そう、上手くはいきませんでしたー)
>AIZAさん
ゴキブリマン、彼に幸せは来るのでしょうか・・・・・
>柳野雫さん
ガイは再改造でもしない限りすべてにおいて中途半端ですからなあ。副長あたりは逆にそれが味なんですが。
>無謀の仮面さん
残念!!人気逆転とまではいきませんでした。
>ATK51さん
6倍ではG3にも劣ります。
あと、555系はG3−Xと基本スペックは互角ぐらいみたいです。
>hiroさん
大ゲットしましたw