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「第三の帝王4(まぶらほ+仮面ライダー555)」

555 (2005-02-06 00:08)
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第三の帝王
  4話  『電波な転校生と少年の秘密』


2-B・・・『4.8割守銭奴5割陰謀、残りの0.2割は得体の知れないクルクルパー』と言われており、和樹と涼、沙弓、来花はこのクラスである。沙弓はクルクルパーに分類され(つまり、まとも)、涼と来花は陰謀、和樹は合法な商売には手を貸し、非合法な商売は無視する不安定要素(和樹が手を貸すと儲けが倍以上になると言われている)。

和樹がクラスに入ると、いつになく騒がしかった。

「松田、この騒ぎは何?」

「今日、転校生がくるそうなのよ。それでその転校生が男か女かを賭けてたってわけ」

「なるほど・・・女に50万円!!」

和樹のカンの良さを知るクラスメイト達は次々と女の方に賭け、既に男に賭けてしまった者は払い戻しを要求し始めた。

「式君、いいの?もし、男だったら殺されるわよ」

「大丈夫だよ。俺のカンの良さ、松田だって知ってるだろ?」

「そうね。じゃ、私も女に賭けてこよっと」

そう言うと松田和美は教壇の方へ行ってしまった。


――――――――


担任の伊庭かおりが珍しくチャイム通りに教室に入ってきた。

「どうせ、すでに知っていると思うが、転校生がきた。仲良くしてやれよ。じゃ、入ってこい」

教室に入ってきた少女を女に賭け者の歓声と男に賭けた者(払い戻しは出来なかったらしい)の落胆の声に出迎えられた。

「宮間、自己紹介、手短に」

「はい、初めまして、式森夕菜です。よろしくお願いします」

クラスの全員が和樹の方を向いた。

「質問、夕菜ちゃんもやっぱり、式森の妹なの?」

「いいえ、妻です!」

夕菜が爆弾を投下した。

「ちょっと!馬鹿なこと言い触らさないで!」

沙弓が立ち上がり・・・

「和樹にはちゃんと許嫁がいるんだから!」

ただの爆弾を核にかえた。

「和樹、私も許嫁にしてってば」

「この鬼畜め刀の錆にしてくれる」

「和樹、遊びに来たぞ」

授業中にもかかわらず、玖里子、凛、エリザベートが入ってきた。

「し〜き〜も〜り〜!!なんで、おまえなんかがモテるんだよ!魔法回数8のおちこぼれが!!」

中丸が和樹に飛びかかるが沙弓の裏拳とどこからか飛んできた手裏剣であえなく撃沈した。

「和樹はね、あんたなんかよりも強いし、すごいのよ」

「どうすごいんだよ!!」

浮氣が嫉妬をこめて怒鳴る。

「そのことは私が説明しよう」

学園一謎な男、紅尉晴明が立っていた。

「説明?」

「そうだ、式森君の実家は隠れ名家で神城君と杜崎君の家の親戚なのだ」

「私はこんな軟弱者を親戚にもった覚えなどない!」

紅尉の言葉を凛が否定する。

「神城も杜崎もついでに山瀬も式森の分家よ」

沙弓が「こんなことも知らないの」と言わんばかりにいう。

「さらに彼はある企業の次期社長でもあるのだ」

これにはクラスメイト達も驚いた。

「どうせ、小さな企業だろ?」

復活した中丸の発言に何人かがうなずいた。直後、再びどこからか飛んできた手裏剣が中丸に刺さった。

「いや、諸君等もよく知っているはずだ。あの『SMART BRIN』だからな」

「嘘ぉぉ!!!!!」

クラスメイト達が同時に叫んだ。

「本当よ。和樹、『SMART BRIN』主催のパーティーのときに次期社長って紹介されてただし」

風椿の娘の証言では信じるしかない。

「なるほど、式森が美女たちとなぜ、知り合いなのかはわかった。しかし!今の話の中で夕菜ちゃんの名前は一度も出てこなかったぞ。式森!夕菜ちゃんとまさか本当に夫婦なのか!?」

「誰があんな電波と夫婦になるもんか」

「ひどいです!和樹さん!昨日、あんなに私に愛している、て言ってくれたのに!」

「何、寝ぼけたこと言ってるのよ!あなたは部屋をめちゃくちゃにしただけじゃない!!あの後の片付けどれだけ大変だったと思ってんのよ!!」

涼が勝手な妄想をしゃべる夕菜にくってかかる。

「義姉に向かってなんですか。その言い方は」

「誰が義姉よ。誰が!」

このまま、二人は大乱闘を紅尉がいつの間にか作った結果内で始めた。


「神城の当主は何やっているのよ。そういえば、式森に顔もださなくなってたし」

「そんなことはどうでもいい、なぜ、私がこんな軟弱者の家の分家で許嫁でなければならんのだ」

「言っておくけど和樹はあんたや私よりも、はるかに強いわよ」

「信じられん」

頑として和樹が強いことを認めない凛に手裏剣が飛んでくる。

「何度もくらうか!」

最小限の動きで回避した凛に今度は大量の針が降ってくる。

「やめて欲しかったら、和樹を馬鹿にしたことを謝るのよ〜」

ちゃっかり安全圏まで下がった沙弓の声に耳をかす余裕もなく、必死によけ続ける凛と人影からバレないようにしながら凶器を投げ続ける来花がいた。(凛が避けた凶器は何故かすべて、中丸に命中した)


「エリザベート、和樹の許嫁にはどうしたらなれるか、知らない?」

「・・・知らん方がいいとだけ言っておくぞ。玖里子」


「式森、これに投資してみないか?」

「式森君、あの・・・」

「式森・・・」

「式森・・・」

欲望に正直な、B組のメンバーが和樹に詰め寄る。

「みんな!式君に詰め寄るより先に確実にお金が手に入れることを忘れてない?転校生の性別当ての賭けで勝ったのに私たちはまだお金もらってないのよ!」

和美のこの言葉にクラスメイト達の標的が窓から逃げようとしていた中丸へとうつった。金欲と言う名の感情で一つにまとまったB組を中丸一人でどうこうできるはずもなく…

「やめろ!!お前ら、うわぁぁ!!た〜す〜け〜て〜」

「中丸よ。成仏してくれ」

和樹は手をあわせて祈った。

「式君」

「何?松田」

「何で教えてくれなかったの?」

「ん〜、特別視されたくなかったから」

和樹の手が和美の頬を撫でる。

「私はそんなことしないわよ」

和美が和樹の手をとる。

「説得力ないなぁ」

「デート一回で許してあげる」

「じゃ、来週にでも」

「忘れてないでよ」

和美は中丸リンチに参加しに行った。

「お前をただの式森和樹として見てくれる娘がいてよかったな」

「かおりは式森和樹の前に何がつくんだ?」

「ご馳走」

後ろから抱きついてくるかおりの舌が和樹の首筋を舐めた。

「人がいない所でならいいよ」

「いっただきま〜す♪」

和樹とかおりが誰にも気づかれることなく教室からいなくなった。


あとがき&解説


式森(SMART BRIN)・・・オルフェノクと人間の共存を目的としている。政府を納得させるためにオルフェノクの仲間を集めることを便宜上『保護』(一話で和樹が「保護対象外」というのは仲間にするべきでない者にだけ言う言葉でありそうでない者には『保護』などと言う言葉は使わない)と言っている。オルフェノクだけでなく孤児や異能者も受け入れている。『ファイズ』『カイザL・C・R』『サイガ』『オーガ』のベルトを持っていた。

賢者会議・・・人類を全て(適合者のみ)オルフェノクにすることを目的としている。『ファイズ』『カイザL・R』『サイガ』を式森がら奪取した。

松田和美・・・和樹の恋人(和樹に許嫁達がいることを知っている)。和樹との肉体的関係はない。和樹を和樹と見ていた唯一の少女。

式森舞穂・・・魔力略奪という特殊な能力を持っていたため捨てられたところを和樹に拾われた。感知能力を持ち、オルフェノクに敏感に反応する。和樹の父、峡児の手違いで戸籍上は和樹の娘になっている(母親の欄は空欄)。


では

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