ナニやら湯上りのさっぱりした風情の一同(除三人娘)は、廊下を歩いて自分らの泊まる部屋へと向かっていた。
「とにかく、ある程度敵の情報は集まっているんだ。
あの三人娘が寝た後 −必要とあれば少々お酒を飲ませてもいいだろう。薬の類よりマシ− 打ち合わせだ」
「『ある程度』かい?根掘り葉掘り問い詰めたんじゃないのか?」
「(・・・根を掘るってのはともかく葉を掘るってどうやるんだろう・・・)
いや、どうも『こっち』にくる際ある程度思考制御というか精神操作を行っているみたいだ」
「敵に情報が渡る可能性を最小限に、か。ある意味正道だな」
そこに正面から浴衣を羽織った二人の女性がやってくる。
一人はなんというか・・・アクセサリ−も化粧も無いのに・・・派手だ。
もう一人は質素にして清楚。しかしどちらも特上の美人であることは間違い無い。
「あら、清麿クンじゃない」
「薬師寺さん?室町さんも」
「知り合い?また美人ね」
「警視庁参事官の薬師寺涼子警部と室町由紀子警部だよ。以前ロ−マでとある事件に巻き込まれた際知り合ってね」
「とある事件?」
「ああ、『真実の口』地下に眠る『柱の男』事件ってね。
一応機密事項なんで詳しい話は出来ないけどあの騒ぎのおかげでスピ−ドワゴン財団にもコネ出来たんだ」
「・・・・よく判らないけど聞かないほうがいいのかしら」
「出来れば。ところでお涼さん、何故に室町警視と一緒に温泉に?」
「いやね、もうこの際だからコイツと泉田クン共有することにしたのよ」
「共有ですか」
「あたしは魂が結ばれてるならケイシキなんかどうでもいいからお由紀がいちおう結婚して三人で暮らす、という感じね」
「肝心の泉田さんの意思は?」
「そんなの関係ないわ」
「ないんですか・・・なんつ−か・・・多分数年後には警察を支配してるであろう二つの一族がひとつにまとまるんですね」
「その時はあなたのライバル冤罪で陥れてあげるわよ」
「・・・それはまたその時に・・・」
一方高嶺家の地下室
「ぐううううう」
清麿を襲い、返り討ちにあったデモラの一人 −そういやコイツ名前すら出てないな− がもがき、うめいていた。
「くうう、何なんだこの液体モドキは・・・一度這い出したらにょろっと伸びて引きずり込みやがるし・・・」
とその時、地下室に人間の雌が二人入ってきた。
人間というのはどいつもコイツも目が二つに鼻が一つに、と個体の区別がつきにくいがこのふたつの雌は全く見分けがつかない。
おもちゃ
「あはは−、貴方が清麿さんの言ってた実験材料ですね」
「実験材料・・・だと?」
「はい、清麿さんからさっき『地下室にちょっとやそっとじゃ壊れない、いい実験材料があるから持っていって』
と言われましてね。
あの方が鍵を置きそうな場所なら想像つきますし」
「貴方が姉さんの相手をして下さればわたしや志貴さまの被害が減るので」
「や・・・やめろぉ・・・」
「おや、これが噂に伝え聞く『甘くないアレ』ですか。少々分けて貰っていきましょう」
「あなたで 生贄です」
続きます
最近スランプだぁ・・・
テンション低すぎるぅ・・・・