ここは魔界の小さな集落。
それを取り囲むように泥がむっくりと盛り上がると、その泥は中途半端な人の形を模した姿に変わる。
デモラの尖兵たる泥人形だ。
やがて泥は次々と盛り上がり、その全てが泥人形と化していく。
ざっと200といったところか。
「殺スヒツヨウハナイガ魔力ヲモツモノハ全テ捕ラエ、トリコメ」
デモラの全面攻勢が遂に始まったのだ。
やや薄暗い、魔界王宮の一室。
床には面妖な木の絵が、天井には三角形に目が七つ付いた絵が描かれていた。
その中央のテ−ブルに両の肘をつき、眼前で手を組んでいるティオの姿がある。
当然アヤシゲなサングラスをかけている。
「いいかしら、サル」
「キキッ」びくりと怯えるモモン。変なヘッドギアをつけている。
「貴方が頭にはめているその『ケミカルボルト』、
清麿に頼んで作ってもらった特別製でね、発動すればあんたの心は作り変えられる」
「キキキィ・・・」
「あんたの精神はそのままで、ものスゴいエロが男へのエロに変えられるのよ。
女が好きなのに男の下着や男へのセクハラをせずにはいられない、そんな体になるわ」
「キキッ!」
「それが嫌ならきちんと働きなさい」
「キゥゥゥゥ・・・・」
「ピッピコピッ!動きがあったぞティオ陛下!」
魔界の地図が描かれた机の上に、そばにいたコ−ラルQが駒を置いていく。
耳を回転させ始めたモモンも一緒になって置き始める。
「これは・・・恐れていた通りね」
「御意」何故か白髪のかつらをかぶって横に立っていたパム−ンがつぶやく。
「魔界全土に対する一斉攻撃。何処に仕掛けてくるか分からないから戦力をばら撒かねばなりません」
「その結果一箇所の総合戦闘力が低下し、破れた地の住民と戦士がヤツらの手に落ちる」
「そしてその者たちから奪った魔力で戦力を充実させ、さらに戦力の低下した私たちを攻撃する というワケね」
「奇を衒わぬ正道。故に対処は無理、とは言わずとも難しいのは事実です」
「しかし、その手を最も恐れてたが故に、対処の方法も練ってあるのよ。
想定の範囲内ね。あるいは」
組んだ手の影になっている口を歪めて、ニヤリと笑うティオ。
「シナリオ通りだわ」
二千を超えるであろう泥人形たちの先頭に立つのは、17,8の少女。
いや以前コルルを取り込み、進化パワ−アップした泥人形だ。
「コリアと呼ブガイい」コリア?
「マスタ−ガそウ名乗るノを許してクダさッた」さいですか。
そんな訳でコリアに率いられた二千の軍勢はこの近隣で最大の町を包囲していた。
「千ホドの住民をトラえれば魔力もかナり補充できヨウ。カカレ!」
一斉に動き出した泥人形達の一部が突然の輝きに吹き飛ばされる。
「ナニ?」
「フン・・・まったく、この美しいビクトリ−ム様が何故に醜いキサマと組まねばならんのだ」
「それはこちらの台詞だ」忌々しげに葉巻に火をつける。
「お前のようなブサイクは側によるな」
「キサマァ・・・この私をブサイクだとぉ!この美しきVにかけて取り消せぃ!」ビシッ
「フン」鼻で笑い、意識を敵に向ける。
たかがあの程度数を集めた所で、この私にかかればどうということはない。ここは一曲歌うとするか。
「♪チャ−ラ−チャ−チャチャチャ−!スチャラカチャチャチャ−チャ−」
「お、おのれ・・・負けんぞ!♪キャッチマイハ−!ベリ−メロン!(ベリ−メロン)」
「(ぬう!)チャチャチャ−チャ−テンドン−カツドン−オヤコドン−ナン−デモアリマス−!」
「ワンツ−ワンツ−ベリ−メロン!(ベリ−メロン)」
「親衛騎団が戦闘を開始したようです」
「このまま飽和攻撃を続けることで力の強い戦士を特定し、かつ戦士たちを消耗させる。しかも・・・」
「一石二鳥どころか三鳥の作戦ですね」
ガッシュは横で彼らの会話が理解できず、悶絶している。
「少し早いけどアレを使うわ。消耗戦はこちらに不利よ」「御意」
ども、おひさしぶりですシンペイです。
ようやくエンジンかかって再投稿です。
・・・いえ、このコンビが大好きなんですよ。
本編でも出て欲しいなぁ・・・
しかし本編、ガッシュの影薄い薄い。ンでもって清麿が格好良過ぎるぜ!
また話飛びますがアニメスタッフは原作エピソ−ドを磨くのは上手いのにオリジナルはなんでああもヘポコいのでしょうか。
マエストロ編てでんでん駄目でしたし。
あとやっぱヒロインは恵だねっ!
あのエピソ−ド、アニメになってほんと鈴芽嬢のポイント下がった・・・