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「Fate/capture night7(Fate+CCさくら)」

SK (2005-02-03 11:46/2005-02-03 21:34)
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<Interlude>

その声は、“食事”の最中に聞こえた
他のマスターを欺くため、仮のマスターに使えるこの身では、魔力の供給が足らない
勿論、本来のマスターともラインを繋いでいるので最低限の供給は受けているのだが、私の宝具が魔力を多大に食うものである以上、それだけでは心もとない
そのための食事であり、魔力補給だ

<ライダー!今すぐ、先輩を助けに行って!サーヴァントに襲われているらしいの!!場所は今から教えるから!>

切羽つまったサクラの声
先輩とは、彼女ら兄妹の話によく出てくる“エミヤ”という男性で間違いあるまい
そう判断すると、先ほどまでの“食事”の相手に声をかける

「シンジ、サクラから連絡が入りました。“先輩がサーヴァントに襲われているから、助けに行って”と」

「な・・・・・に・・・・衛宮が!?」

先ほどまで私が“食事”をしていたのに、それも忘れて大声で叫んだからか、よろめく

「落ち着いてください、シンジ。あなたは、連日私に血を提供しているのですよ?いつ倒れてもおかしくない」

「っ、のんきに倒れられる場合じゃない。仮の主としての命令だ。今すぐ、現場に向かって衛宮を助けろ。一刻を争う、ペガサスを使っていけ」

意識を保っているのもやっとな状態なのに、強気な姿勢を崩さないのはいっそ見事だ

「正体がばれる可能性もありますが?」

「ペガサスだけなら、問題ないだろう。それに、正体がばれたからといって、必ずしも負けるわけじゃない。多少不利になるだけだ。そんなことより、衛宮の命のが優先。ライダー、今すぐ、全力で助けろ。・・・・・・あいつなしに、桜の幸せは成り立たない」

言い終えると、彼は貧血で倒れた

「了解しました、マスター」

私の可愛い“仔”を呼び出すと、私は桜に指示された現場に向かった


そして今、私は鉛色の巨人と対峙している

「へえ、なめられたものね、ライダー。貴方一人で、私のバーサーカーにかなうとでも?」

マスターであろう、白い少女が轟然と言い放つ

「勝つのは難しいかもしれませんね。ですが、私とてこの戦争に呼ばれた身。負けはしません」

心からの笑みを浮かべて、私は言い返した
実際、私もそろそろ戦いをしたかった
マスターの方針は、罠を仕掛けて待つ、と言うものである
しかも、他のマスターやサーヴァントが罠にかかってくれても、一般人がいる可能性の時刻だと、罠を発動させることが出来ない
一度、ちょうどいい時刻に引っかかってくれたものの、行く前に敵は離脱してしまい、結局戦うことはできなかった
戦闘狂と言うわけではないが、せっかくこうして呼ばれたからには、技を競い合いたい気分もある

「・・・いったわね。やっちゃえ、バーサーカー」

暴風が襲ってくる
私は、笑みを浮かべたまま“仔”の手綱を握った

ライダーの操る白いペガサスがさまざまな角度からバーサーカーを攻め立てる
一方、バーサーカーは、剣を振り回す動きだけで、ライダーを寄せ付けない

釘剣が不可思議なうねりを持ってイリヤを襲うが、それはことごとくバーサーカーに弾かれる
一方のバーサーカーも、上空を思うままに飛び回るライダーに、攻撃を加えられない

「ペガサスを駆る英雄・・・まさかペルセウス!?でも、それとも違うような」

イリヤは、目の前の敵の正体を見極めようと必死に自らの知識を探る

その間にも、二体のサーヴァントの攻防は続く

ライダーがペガサスを駆り、バーサーカーに近づけば斧剣がペガサスごと切り裂こうと唸りを上げ
バーサーカーがライダーの胴を薙ごうとすれば、ライダーは上空へとひらりと逃げる

「伝承なんだから、女である可能性もなくはないけど・・・待って、女で、ペガサス?」

イリヤが、何かに気づいたそのとき
バーサーカーの巨躯が、ほんの少しイリヤとライダーの戦場からそれた
それこそが、ライダーの待っていた好機

ライダーの眼帯が外される
眼帯の下にあったのは、キュベレイ
見たものを石に変える魔眼

「・・・・・・っ!」

とっさに防御壁を張るも、完全には影響を殺せない
すぐさまバーサーカーがライダーの視線から主を庇うが、そのころにはもう完全に動きの自由を奪われていた

「今の私ですから、完全には石にならないでしょうが、早く処置をしないと、その限りではありませんよ?」

嫣然と笑い、ペガサスを駆り黒の騎兵は去っていく

後に残されたのは、バーサーカーとそのマスターたる少女

「・・・・・っ、はあっ、バーサーカー、私を連れて、城に戻りなさい」

鉛色の巨時はそっと少女を抱え上げ、静かにその場を去っていた

(この借りは、必ず返すわ・・・・・・・メデューサ)

<Interlude out>


夢を見ている

それは、みんなの幸せを願った少女の夢

それは、みんなの幸せのために、“人”から、ただ一つの“機能”になった少女の夢

そして、願いの果てに聖杯を求めた少女のユメ――

夢の中で、紅玉と聖緑が混じる

その中で、一つの剣がこの目に灼きついた


「セイバー、気づいたようだよ」

「大丈夫ですか?マスター」

心配げに覗きこむ二人の顔

意識が、はっきりしていく

「セイバー、バゼットさん?」

「よし、頭ははっきりしているようだな」

頭にもやがかかっている
昨日、いったい何が――

どくん

心臓が、いやな感じに高鳴る
耳の奥でノイズが聞こえる

バゼットさんの方に向かった破片
見た瞬間、体が反射的に動いて

「え、あれ?何で生きてるんだ、俺」

その言葉に、セイバーとバゼットさんが頭を抱え込む

「それは、私達が聞きたいくらいです」

「はあ、とりあえず、気分はどうだい?違和感は?」

「いや、どこも。バゼットさんが治療してくれたのか?」

それくらいしか、思い当たる節がない

「いいや。私が治療する前に、君の体が勝手に再生したんだよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「は?」

再生ってそんな、吸血鬼みたいな

「てっきり君が何かの蘇生術をかけたのかと思ったのだが、違うのか?」

「いや、そんなの俺使えない。俺が使えるのは、せいぜい投影と強化くらいだ」

「ふむ、となると後はセイバーの影響か何かかな?」

考え込んでいると、ふと、眠り込んでいるさくらを見つけた

「さくら!?」

「ああ、君が目覚めるまで看病すると言ってな。先ほどまでずっとおきていた。君の意識が戻ったから、安心して力が抜けたんだろう。君の意識が覚醒するのと入れ違いに寝たぞ」

とたんに、罪悪感が沸いてくる
昨日の今日で、また心配をかけてしまった
見れば、“鏡”がカード化してさくらの手に握られていた

「あの後、どうなったんだ?」

「君が意識を失った後、バーサーカーが狂化してな。苦戦していたところを、ライダーに助けられた」

「ライダー?ってほかのサーヴァントか?」

「知らないのか?私は、彼女のマスターが君の知り合いなのではないかと思ったのだが」

彼女、ということは遠坂のサーヴァントではないだろう
それに、遠坂のサーヴァントはアーチャーだったはず

「いや、心当たりは・・・」

ない、と言いかけ、ふっと、慎二の姿を思い出す
しばらく、学校にこれないと言った
それが、もしこの戦争に関わっているからだとしたら
そこまで考えて、首を振る
まだ、結論を出すには早い
分かっていないことが多すぎるのだから

「まあ、詮索はしないがね。どうも君のことを気にかけているようだったから。それにしても」

と、さくらの方を見る

「まさか、あの小さなレディがかの有名な“クロウ・カード”で、君の妹がそのマスターとはね」

その言葉に、体をこわばらせる
“クロウ・カード”は、魔術師の中では伝説とも言えるほど有名だと、ケルベロスに聞いていたのに

「本来なら、封印指定物だ。“クロウ・カード”のマスターとなれるほどの魔術師など、それだけで希少だしね。だが」

バゼットさんは、いたずらっぽい笑みを浮かべる

「君には借りもあることだし、この戦争において、彼女の力はかなりの武器となるだろう。君が私と不可侵条約を結んでくれるなら、どうにか誤魔化してあげよう」

その言葉に、ほっとしつつ、気になることがあった

「不可侵?協力じゃあ、なくて?」

「ああ、私の目的は最初に言ったようにある男に復讐することだからね。他に叶えたい望みもないし、君とは別行動をとることになると思う。ああ、でも君がそう言ってくれるんなら、宿を貸してもらえるとありがたいな。やはり、信頼が出来て事情を知ってる人間のところなら、こっちも安心して泊まれる」

信頼、というところで紅くなる士郎
その表情を、かわいいなあ、等と思いつつ見るバゼット

「のんきなものですね。貴女は裏切られてランサーを奪われたのでしょう?なのに、自分のサーヴァントも連れず、他のマスターの家に泊まるなどと・・・」

そんなセイバーに、バゼットは笑みを浮かべる

「うん、そんな忠告をわざわざしてくれるサーヴァントと、他のマスターを命の危険まで犯して庇うようなお人よしのマスターなら信じてもいいかなって。あんな奴のせいで、誰も信じられなくなるなんてごめんだし」

明るく笑うバゼット
その言葉に、初めて士郎は気づく

「そう言えば、キャスターさんはどこに?」

「ああ、何かきになることがあると言って、調べに行ったよ。私も、少々気になっていたのでね」


<Interlude>

「長い階段ですわね」

実体化し、普通の服装をしたキャスターは石段を見上げる
腕には、彼女の道具作成のスキルで作った魔力殺しをつけている
生半な魔術師では、彼女がサーヴァントであるとは見破れないだろう
加えて、彼女は探知能力にも優れている
周囲に魔力の糸をめぐらせている今なら、サーヴァントの接近も感知できる
もし来たのなら、見つかる前に、転移して逃げればいいだけだ

「マスターには、セイバーとセイバーのマスターがついてますし」

セイバーの実力と、セイバーのマスターの人格は信用に値する
昨日のアレを見せられれば、そう判断せざるを得ないだろう

「悪くないものですね」

“裏切り”の魔女と呼ばれた自分が、誰かを信じる日が来るなんて
信じるということに、どこかくすぐったさを覚えつつ、彼女は石段を登る

そして登りきったそこには

「・・・・・・」

「・・・・・・」

見知らぬ男がいた
神代の魔女である彼女の感覚に引っかからなかったのだから、この男は普通の人間だろう
まとう雰囲気は普通ではないが、あまたの英雄を見てきた彼女の目から判断するに、この男が何らかの武芸を修めているからだろう
しかし、今はまだ日も登ってはいない時間である
こんな時間に、一般人に会うとは思っていなかった彼女は硬直する

「この寺に用だろうか。今はまだこんな時間なので、寺に入れる事は出来ぬのだが」

「い、いえ!あの、たまたま迷い込んできただけですので・・・」

言ってから気づく
こんな時間に、寺にどうやって迷い込むというのか
混乱していたにしろ、拙すぎるだろう
だが、男は

「ふむ、こんな夜中に女性を一人で歩かせるわけにもな。どこへ行きたいのだ?送っていくが」

(うそ、信じた・・・!?)

「えっと、衛宮という方の家に・・・」

とりあえず、セイバーのマスターの名を出すことにする

「それなら知っている。送っていこう」

迷っているうちに、さっさと歩き出される

「暗いからな、足元には気をつけるように」

「え、えーっと、貴方はなんでこんな時間に・・・?」

内心、かなり動揺しつつ、疑問をぶつけてみる

「見回りだ」

簡潔な答えが返ってくる
そのまま、沈黙が降りた

(ど、どうすればいいのかしら、こういう場合)

女神に恋心を植えつけられ、男に運命を翻弄された魔女は、こういった事態に出会ったことは皆無だった
こういうタイプの男も初めてなら、こんな親切を施されるのも初めてなのだ
だから、彼女は石段をおり、衛宮家に向かって歩き初めてしばらくしてからやっと

「さ、寒くありませんか?」

と言えただけだった
まあ、これでも彼女にしては上出来なほうであろう

「寒いのか」

そう言うなり、おもむろに懐から水筒を取り出すと、茶を注いだ

「温まる。飲め」

とだけ言って、キャスターに手渡す

「あ、あの、その・・・・・・あ、ありがとうございます」

真っ赤になって、消え入りそうな声でキャスターは言った
そのとき飲んだお茶は、生前飲んだどの飲み物より、美味しい気がした

<Interlude out>


To be continued

お久しぶりのキャプチャーナイトです
ライダーさんとか、キャスターさんとか、性格変わりすぎです
そして、葛キャス好きの血が騒ぎました
今回力入ってるのは、間違いなくこのカップルです 
元々、キャスターさんとバゼットを組ませたのは、このカップルに幸せになってもらいたかったからなんです
マスターとサーヴァントだから、不幸になるなら、それ以外の出会いをすればいいのでは?という考えで
ちなみにエルフ耳は、魔術で誤魔化してます
しかし、インタールードが多いな、この話

一応、ライダーさんは原作よりマシとはいえ、慎二がマスターなので、石化の魔眼のランクも落ちてます
なので、イリヤは城に帰るまでどうにか持たせて、城で解呪しました
バゼットさんに関しては、兄貴のマスターなんで、器が大きいというか、結構あっさり人を信用できるタイプじゃないかなと

kurage様>いや、自分が細かいところ気になるたちなんで、つい。まあ、無視しなきゃならない細かいとこもいっぱいあるんですが。萌えを入れないわけではなく、燃えが表現できるかも分からないんですが。それでも、やっぱりメインは燃え方面ですね。特に中盤辺り。最後は、ちょっとシリアス目にするんで、燃えともまた違うかもですが。個人的には、バトルよりも台詞に熱いのが多いと思います

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