第7話 和樹のホムンクルス
拝啓 お袋様。
僕は魔法回数八回の落ちこぼれでした。
それが三人の悪女達のせいで、0になり死にました。
何故か幽霊になり、その後元に戻ったらキシャー様という嫉妬の破壊神にいたぶられ、そして命を落としました。
本来なら僕は初めて死に掛けた時出会ったレナスさんにエインフェリア化しヴァルハラで第二?の人生を過ごす予定でしたがどうやら世界の意思とやらは僕の想像をはるかに超えた嫌な奴です。
なぜなら僕は、
「どうなんですか橙子さん」
「一応とまったく同じに出来ているぞ。後は微調整だけだな」
「よかったですね兄さん」
「そうですねこれでまだ現世にいられますよ。せっかく地上に来たのにフレイ達に先を越されたくないし」
上から僕、橙子さん、綾香、レナスの順で会話をします。
そう僕は何故かまた幽霊化しこの世にいます。
泣いて良いですか?
とりあえず何故こうなったかと言うと。
僕は死後レナスの手によってエインフェリアになることが決まってました。
なぜかってどうやら死ぬ直前に聞こえる僕の無念の声は彼女が聞いた中でベスト1の悲惨さだったようでかなり同情されました。
まあそれは置いといて、僕はそのままヴァルハラ行きだったのですが、世界の修正力とかご都合主義やらが僕をこの地に縛り幽霊として現世にとどまっています。
どうやら世界は死んでヴァルハラで幸せな余生?を過ごすことを許さないらしく、どうあっても現世で女難に巻き込まれ何度も死ななければいけないようだ。
一族の皆さん。
どうやら僕は、
『式森家 ジンクスその3 一度は必ず死んで生き返る』
どころか、12回以上死にます。
まさに神の試練<ゴッドハンド>です。
ぶっちゃけ世界敵です。
泣いて良いですか?
「ところで、この体は大丈夫なんですか?」
綾香が橙子さんに尋ねる。
何故こんな会話がなされているかと言うと、僕は万が一にそなえ頼んでいた代わりの肉体つまり人形の作成を頼んでいたのです。
まあ流石に僕もこんなに早く保険を使うはめになるとは思いませんでした。
代金はいままでの未納のバイト代全額です。
普通に考えると破格の値段ですが何故か納得がいきません。
何故でしょう?
「当たり前だ。人形とはいえ生前の和樹のDNAにアインツベルンのホムンクルス技術を使っているんだ問題ない」
橙子さんが断言する。
懐かしいね、アインツベルン。
前に橙子さんが、
「アインツベルンのホムンクルス技術が見たい。和樹盗んで来い」
とのお言葉を受け、盗みにいったあの日を。
正直死ぬかと思いました。
「そうなんですか」
レナスが納得する。
「そうだ。この本を参考にしたから大丈夫だ」
そう言って、橙子さんは一冊の本を見せる。
タイトル
『正しい、ホムンクルスの作り方』
ちなみに表紙は女性の裸だ。
どう見てもエロ本にしか見えないが。
そして著者、
『レザード・ヴァレス』
「・・・・・・」
レナスさんの空気が変わりました。
氷点下5度ぐらいに。
怖いですよレナスさん。無表情に鎧を着て神剣を握らないでください。
少し先の士郎の苦労が分かりました。
最近電波の受信回数増えてきたな僕。
「少し出かけてきます」
その言葉と共にレナスさんは出て行きました。
<レザード・ヴァレスの塔>
「めがね変態ロリコンいますか!!」
レナスが乱暴に入ってくる。
「おおお、ヴァルキリーやっと僕の愛が……てっその神剣はナンデスカ?」
「我と共に生きるは冷厳なる勇者いでよ」
その言葉と共にやばい人達がでてくる。
「ヴァルキリー?」
「やりなさい」
「ファイナリティブラスト!」
「イフリートキャレス!」
「レイヤーストーム」
「神技二ーべルン・ヴァレスティ!」
ずがががっがあああああん!!!!!
その日一人の錬金術師が星になった。
<伽藍の堂>
「しかし、兄さんも非常識ですね」
「そうか?」
人形の調整を見ながらそんな会話をする。
「普通二度も幽霊になりませんよ」
「そうなのかな?」
まあ僕だって好きでなりたくなかったけどね。
「和樹アレのサイズは○○だったよな」
橙子さんが爆弾を投下した。
「兄さん?」
怖いです。
神よ僕が一体なにをしたと言うのですか?
「まあ、ベットで一度見ただけだからな。一応何度も見たと言う青子にも確認をとったが一応最終確認をしないとな」
「兄さん?」
「……はっはっはっ、妹よ。いまは僕の新しい肉体の完成を進めようではないか?」
「いえ、そのことに関しては私も知りたいです」
鎧と神剣にたっぷりと血を着けた、銀髪の戦乙女が来ました。
一族の皆さん。
どうやら僕は、生き返るより前に三度目の死を迎えそうです。
「ふむ、まあこんなものか」
あの後、浄化されそうになった僕を橙子さんが、
「一応人形とどうかしてもちゃんといろいろな機能が働くか分からないんだから確認をお前達ですれば良いじゃないか」
とのあまりありがたくないお言葉をいただき、三度目の死を間逃れました。
「……和樹」
橙子さんが真剣な顔で僕に尋ねてくる。
「なんですか?」
きっと重要なことだろうから僕も真剣に答える。
「ロケットパンチはいるか?」
「いりません。」
人の身体に何つける気ですか貴方は?
「私は目からビームがお勧めだがな」
「おお、それも良いな」
・・・・・・
僕は無言で右手に魔力を集中させる。
バチバチ、
「うん、魔法はいかんよ。式森君。」
「どっからわいた、マッドおおおおおお!!!」
何処からか現れたマッドを僕は雷を纏った拳で殴りました。
「しかし、和樹君災難だね」
やることの無くなった僕達はみんなでテレビを見ている。
「……人事ではありませんよ。幹也さん」
僕は昨日退院した、幹也さんにそう答える。
ちなみに彼もまた、死の境を見た男の一人だ。
三途の川の橋渡しの代金が払えず帰ってきたとのことだ。
それは笑い話ですか?
正直そこまで貧乏だと笑えません
『昨日おきた葵学園無差別破壊テロ事件の速報です』
テレビはいまどれも緊急特番をしている。
どうやら流石に表ざたになったらしい、さよならキシャーもう二度と会えないかと思うと僕は・・・・・・・
本気で嬉しいです。
おそらく人生で嬉しかったこと第一位で間違いありません。
『確認されているだけで被害は、死者一名、重軽傷者二十八万五千七百五十名、行方不明者三十五万九千四百九名に及びます。犯人は葵学園に通う十七歳の少女。彼女は相変わらず「邪魔しないでください!和樹さんに会えないじゃないですか!浮気されたらどうするんですか!」とのわけの分からない事を話しています』
事件の被害が報告される。
一体何処の自然災害だこれは?
少なくても個人がだした被害じゃないぞ?
間違いなく戦後最大にして最悪のテロリストとして教科書に載るだろう。
しかし、
「死んだのは僕だけですか?」
あれだけ被害が拡大したのに死んだのは僕だけ。
泣いて良いですか?
「と言うより死体が見つからないだけだろう。だから行方不明者=死者だろう」
と式ちゃんが言う。
キシャー地獄に落ちないかな本気で。
「ふむ。彼女も大変だな」
先ほど窓から叩き落したマッドが何事も無く姿を現す。
化け物め、
「こんなところにいて良いんですか?」
少なくとも、いまこんなところにいるようなお人じゃない。
「まあ、確かに私は、式森君のように左右から美少女に抱きつかれるような暇人ではないが、一応報告ぐらいはしとこうと思ってな」
「そうですか」
内心元に戻ったら必ず最初に殺そうと誓いながら僕はうなずく。
あと。綾香にレナス君達はどうして霊体の僕に抱きつけるのですか?
「まず、式森君の葬儀だが、参加者は身内だけになりそうだ」
何故、僕の現状を知る一族の皆さんが葬式をするのですか?
「一応、聞きますが凛ちゃんとかは参加しないのですか?」
「……遺伝子がなくなった以上どうでも良いそうだ……式森君その涙は何かね?」
「いえ、ただ現実を確認していただけです」
ふっ所詮僕の身体だけが目当てなんだね。
分かってたけど哀しいよ。
弁当も、パーティの時の気持ちも嘘だったんだね。
「まあ、他に、宮間被告の余罪、B組の犯罪。裏金に、買収、脱税、教師の性犯罪、などの学園の犯罪が明るみになって大変なのだよ」
どんだけ汚れているんだ葵学園。
間違いなく新入生0だな。
「まあ、あとはリクエストだな」
「何のですか?」
「和樹の身体のだ」
橙子さんが姿を現す。
「では、読むぞ。初めまして私はペンネーム『血と契約の支配者です』……物騒なペンネームだな」
それはペンネームではなく二つ名です。
「和樹が死んでショックを受けました。その訃報をきいて我が家の白いペットが暴走して、美少年二十人を誘拐してハーレムだ。などと言っているのを見つけ埋めたりしました」
そのままでてくるな。頼むから。
「和樹の新しい身体を作ると聞いたので、リクエストをします。この『血液』を是非和樹の身体に入れてください。お願いします。らしいがどうする」
「捨てろ。今すぐに」
マッドが持っている、輸血パックを見て僕は即答する。
「もったいない。これを使えば今より頑丈になるかも知れんぞ?」
「ややこしいことになるだろうが」
「そうか。ではこれは私が持って帰ろう。PS近いうちに会いに行きます。
さて次のはがきだが」
「マテやオイ!」
あまりに自然に流すので聞き逃すところだったぞ。
「なにかね?」
「なにかね?じゃないだろう!!!なんだその近いうちに会いに行きますって!!」
「君のファンだろう。よかったではないか。では次のはがきを読むぞ」
このマッドは絶対に殺す。
「ペンネーム『ミス・ブルー』」
「それは読まなくて良い」
突然橙子さんが言う。
「そのはがきのおくり主には私じきじきにプレゼントを贈ろうと思う。代金は命でな」
怖いです。
「そうか。以上だ」
・・・・・・・
「どうしたのかね式森君?」
いえ、僕の人生、不幸しかないんだなと確認しただけです。
そして僕は数日後新たな肉体を手に入れた。
ホムンクルスの技術も使っているので、食事も成長も排泄も、性行為も出来るらしい。
ただし、
「いろいろ細工をした。一つ目は20歳ぐらいで外見の変化が止まり死ぬまでそのままだ。後はそのうち明らかにする」
貴方は僕に死ねというんですか?
そして僕は今、レナスと何故か意気投合した綾香と三人でレナスのマンションに住んでいる。
理由は今僕は死亡扱いで戸籍がないのと、身体の機能をいろいろ馴らすためだ。
最近レナスと綾香が女ぽくなったとか、色気が増したとの話を聞くが何があったかは秘密です。
あとがき
レス数35と以外と反響な和樹の死。
正直作者も予想外の数にこの展開に不安を感じます。
それはさておき、
あっさり生き返った和樹君。
まあ死んだままでは話が進まないので勘弁を。
次回から和樹はキシャーの呪縛からとかれ、トラブルの呪縛に縛られます。
レス返し>
本様>まあ死んだら終わりですし。
陣八様>どちらにもなりません。聖杯戦争に参加するならマスターとしてでてサーヴァントを堕としまくりますよ。
魔女とか蛇女とか、
いますがり様>当たり前です。だってこれギャグですし。
33様>あっさり生き返った和樹はやはり、化け物ですか?
紫苑様>少年院。どうでしょうか?
とおりすがり様>ありがとうございます。和樹もやすらかに眠れるでしょう
(オイ
555様そう甘くありません。それにたとえヴァルハラにいってもフレイや女エインフェリアがいるので分かりません。
suimin様>まああれだけ魔法を乱射して、騒ぎにならないのはひとえにマッドのお陰です。
クロウド様>もし英霊になりマスターが夕菜なら勝つ気0でしょう。
夜偽様>キャスターでも和樹だと勝ち目ありますか?
皇 翠輝様>夕菜の不幸はこれからです。
星領様>所詮キシャーはこうなる運命なのです。
草薙様>確かにそうですね。もしかしたら夕菜と結婚して人生を犠牲にして暴走を止めてたら世界に認められ契約したかも(笑
あと夕菜がまともなSSはほとんどありませんね。
私も見かけませんし。
菅根様>はい、オレンジのお陰で何とかなりました。キシャーについてはそのうちやります。
銘菓様>宮間はもう終わりです。風椿は葵学園の不祥事でえらいことになってます。
鳳麻様>式森のジンクスは我々の予想をはるかに超えています。ですからこの程度普通なのです。
まあキシャーは行き過ぎてしまいましたが。
D・K様>『英霊 キシャー』和樹と会うためだけに世界と契約した人。
嫌すぎる。もしそんなのが出てきたら和樹に安息がなくなるではないか。
福庵様>まあそれに近い状況になったいますがいかがですか?
ザイン様>葬式は親族以外誰も来ません。
黄金盗虫様>残念ながら死んだのは和樹です。仲丸はメラゾーマで生死の境をさまよっています。
D様>和樹だってやるときはやります。夕菜やB組どころか学校全体がしょっぴかれてます。
ブルガ様>原作でも和樹の意見を無視していますし。
日本製のチャイナオレンジ様>期待にこたえられるようにがんばります。
SUKIGT様>自分で書いてなんですが確かに今迄で一番凶悪ですね。此処のキシャー。
ビーン様>キシャーの呪縛がとかれ、厄介ごとに巻き込まれます。
ゼフィ様>王大人様ですか。だけど彼は和樹並に女難の持ち主ですよ。赤木キャプテンそっくりの女とか。キシャーとどっちが良いのかな?
鬼神様>いままでのツケが来ただけですし。
版じゃ民様>当たり前です。夕菜は不幸になり和樹も幸福に・・・・・・・なるか?
nacky様>残念ですが世界は和樹を手放すつもりはありません。
にゃんこそば!!様>まあ夕菜はそれ相応の報いを受けさせます。
fool様>流石に無理でした。サテライトキャノン一発なら耐えられますが(オイ
AZC様>私も同意見です。
タカちゃん様>完全消滅はしませんが魂レベルで苦しみます。だって今後キシャーの出番は……
柳野雫様>もちろん夕菜不幸。和樹幸福の予定です。
BACK< >NEXT