第三話 和樹とマッドな地下室
「そうなんですか。和樹さんも苦労してますね」
「ええ、そろそろ本気で転校を考えていますよ」
いま僕と会話をしているのは、銀髪の美女ことレナスさん。
一見外国の美女だと思いがちだが、実は彼女はヴァルキリーなのだ。
いま僕はヴァルハラにいます。
さて、何故僕が此処にいるかと言いますと、毎朝恒例の見事今年度の殺したい人第1位に選ばれたキシャー様のメイオウ攻撃で死に掛け此処にいるのですが今回はちょっと違うのよ。
まあ毎回毎回メイオウ攻撃を食らったお陰でレベルアップをしていたせいで初撃に耐え切ったのですよ。
そのせいでキシャー様は、
「どうして耐えるんですか!!!!おとなしく浮気者は死んでください!!!!」
との、頭の痛い電波を受信したらしく、イラプション→エクスプロード→ビックバンの3コンボがヒットし僕は、いまほど耐性のなかったときに橙子さんの妹の名前をうっかり呼んだとき以来の死の境をさまよっていた。
そして僕の魂はヴァルハラでお茶をし、肉体は保健室で手術を受けているんですがまず待て!!!
人がまじでで死に掛けているのに保健室ってどういうことでしょうか?病院じゃないのかよ?
しかも傷つけた張本人の夕菜は、
「どうして・・・・こんなことに・・和樹さん・・・グス」
お前のせいだ馬鹿女!!!
本気で殺してやろうと決心したよ僕は。
でも十七分割しても次の日何事もなく登校してきたら泣くね僕。
「私を殺した責任取ってよね」
とか言われたらどうしよう?
アニメ版は声も同じだしさ。
何だこれ?電波か?
「でも、転校しても追い掛けてきそうよあの子?」
「・・・やっぱりそう思います?フレイさん」
いま話しかけてきたのはフレイさん。
レナス(本人が呼び捨てにしてくれといったので)より大人のお姉さんだ。
「まあ、何とかがんばってみますよ」
「でも今回はもうこっちで生活する羽目になるかもよ」
確かに今回はまじでやばい。
何しろ三回ぐらい心臓が停止したし、ところでそろそろ夕菜捕まらないかな?
これで何事もなく生活できたら本気で訴えるよ・・・多分
「大丈夫ですよ。多分もうすぐ帰れますから」
だから後のレナスの愉快な仲間達その、
『ようこそ、ヴァルハラへ』
の横断幕ははずせ頼むから。
「・・どうやら、今回も無事乗り切ったみたいですね・・」
「・・そうですか」
「帰るんだ和樹・・」
何故目の前のお二人は悲しそうなんですか?
後もうるさいですよ?女性の皆さん?
「やっぱり保健室か・・・」
起き上がり傷の具合を見る。
・・・・完治しているよ僕、なんか怖いよ。
キシャーに鞘とか埋め込まれていないよな。
まあとにかく僕がまずすることは、
近くで嬉しそうに緑色の液体が入った注射器を持つマッド・ドクターの始末か。
「なんかないかな♪」
あの後エドゲイン君とポテンヒッターMK2の『龍追閃』で頭を砕きマッドを撃破した僕は、最近の必需品の薬を探していた。
「ポーション十個にハイポーション五個。エリクサーまであるぞ!いただこう」
最近B組より達が悪くなってきたような気もするが気のせいだ。きっと・・・おそらく・・・・多分。
「しかし、此処は何だ?」
保健室にはあるまじきものがいっぱいあるぞ。
魔道書とか、人体実験のレポートとか、輸血パックとか、
「なんだよ輸血パックって?」
思わず声を出す僕。
とりあえず、今もっている輸血パックを見ると、
<式森和樹>
と書かれていた。
どうやらこれは僕の血らしい。
「マテ」
またも声を出す僕。
こんなもん知らんぞ?
というか、あのマッドはいつの間に僕の血を抜き取っていたんだろう。
ちゃらりらり〜
マッドの殺したい人ランキングが四位から三位に上がりました。
「一体何のために使うんだろう」
僕はこの輸血パックの使い道を調べ始める。
<ヤメロ、ヤメロ、シッテハイケナイ>
僕の中の何かが警告するが調べてみる。
「これはあて先か?」
マッドの机の上にあて先が書かれている紙があった。
なに勝手に人の血液で取引してるんだこのマッド?
「え〜と住所は・・・・ドイツ?」
何だろう・・この嫌な予感は?
「受け取りの人は・・・アルト・ル・・・」
バガン!!!!
「はあ、はあ、はあ」
僕は読むのをやめポテンヒッターMK2でマッドの机を砕く。
「なんか、おかしな幻覚を見たな・・・」
そういま見たのは幻覚さ。
床に放置してある輸血パックも、空中をひらひら舞う紙も幻さ!
ちゃらりらりら〜
マッドの殺したい人ランキングが三位から二位に上がりました。
「なんでこれ?」
あの後、気絶しているマッドに『龍巣閃』を食らわせ僕は明らかに色が違う壁を見つける。
凄いねジャ○プで読んだ飛天○剣流は。
「とりあえず押してみましょう」
ごごごご
僕が壁を押すと床から隠し階段が現れる。
学校になに作っているんだこのマッドは?
「降りて見るか」
そう言って僕は階段を下りる。
こうなったらこのマッドの犯罪の証拠をつかもうではないか。
<和樹が地下に降りて五分後>
「紅尉先生、和樹さんの・・・きやああああああああああああああああ!!!!!」
「どうしたの夕菜ちゃん」
「大変です。紅尉先生が頭が砕かれ、腹から骨が飛び出している状態で、メスでキリストのように貼り付けにされています!!!!!」
さよならマッド・・・
<葵学園地下一階>
「此処は何処だよ?」
いま僕は見たことのない樹やら植物がいっぱいのジャングルにいます。
「あのマッドは本気で何がしたいんだ?」
少なくとも公共施設の地下にこんな得体も知れないようなものを作るなよ。
「しかも、何だよ地下一階って」
まだあるんか?
此処から魔界にいけるとか言われても信じるぞ多分。
「・・・帰るか?」
なんかこれ以上踏み込んだら不味いことになりそうだし僕は階段に戻ろうとしたら、
「ぐるううううう」
Tレックスがいましたよ?
「うわああああああああああ」
拝啓式森家の皆さん。
僕は現在絶滅したはずの恐竜ティラノザウルスに追われています。
泣いて良いですか?
とりあえずキシャー達から逃げ続けていたお陰で敏捷Aぐらいになった逃げ足で逃げているんですがぶっちゃけ追いつかれそうです。
ティラノの足は人間の全力疾走さほど変わらないと聞いたような気がしますがアレは僕の勘違いでしょうか?
このままでは式森家初の一人身で生涯を終えそうです。
これで式森家のジンクス、男は必ず妻が複数存在するといった、法律を無視したジンクスから逃れられそうです。
「って、死んでたまるかああああああ」
そうまだ僕は死ぬわけにはいかない。
キシャーとその一味の抹殺やB組の外道の始末もしていない。
なにより、
「がんばった子は幸せになる資格があるんじゃないのかあああ!!!」
恐竜に向かってエドゲイン君を放つ僕。
「ぐあああああああああ」
ちょうどすねあたりにあたったらしく、怒りのゲージが上がったようだ。
「事態悪化ああああああああああああ」
先ほどよりも速い速度で追い掛けてくる恐竜。
『和樹貴方はいまとても軽率なことをしたのよ』
「うっさいぼけえええええええ!!!!!!!」
突然頭の中から話しかけてくる紅い魔女。
そんな台詞は夕菜に雪を降らしたときに言ってください。
「考えろ和樹!!!僕に出来ることは巧く闘うことだけだろうが!!」
追いかけられながらも僕は考える。
「こうなったら」
僕は横にある巨大な樹に向かって飛ぶ、そして
がっ!!!
三角とびの要領で恐竜の頭上近くまで飛ぶ。
「食らえ!!必殺ボンバー君『龍追閃』!!」
懐から取り出した三十センチ位のロッドで恐竜の頭を殴りつける。
かっ!!!
凄まじい閃光があたりを包み込み、
ずがああああああああああん
爆風で僕は吹き飛ばされる。
「いたたたたあ・・・」
身体を少し打ちながらも起き上がるとそこには、
「火力多すぎたか?」
恐竜さんが消し飛んでいました。
「すごいなボンバー君シリーズの威力は」
これなら夕菜に対抗できるかもしれないと考えながらも僕は、
「帰ろう・・・」
正直これ以上此処に居たくないので帰ることにした。
次の日
マッドは何故か完治していた。
何故?
あとがき
第三話です。
そろそろ他作品のキャラと和樹をからませようと思います。
式森のジンクスの為に。
レス返し>
suimin様>二人とも女難EXとか持っているんでどっこいどっこいかと・・・
いますがり様>おそらく中年のサラリーマンよりひどいような気も・・
ザイン様>代わりの胃どころか身体ごと交換するはめになりそうな気もしますが。
33様>あの地獄のほうがましの和樹の日常って・・・
沙耶様>実家に逃げても妻ですからとか言って堂々と不法侵入してきそうな気もしますが。
紫苑様>信じていた人にすら裏切られるのが和樹君です。
黄金盗虫様>藤のんや殺人貴に頼んでも、しつこく追い掛けてきそうですが、
nacky様>まあ原作でも好き勝手言っているし。
ゼフィ様>まあ負けたらバッドENDなのでがんばりますよ。和樹君は、
星領様>キシャーと結婚したらマキリの百倍はつらい目にあうのは間違いありませんから、しないと思いますよ。
MIGA様>他のパターンと言うと暴行や傷害罪で逮捕とかですか?そうなったら和樹君は間違いなく自殺しそうですが?