<戦場付近>
「皆さん、ついにこのときが来ました」
夕菜が水銀旅団の大部隊や、メカ翡翠アストレイを引き連れて決戦に赴こうとしている。
「今までいろんなことがありました、ピンクパジャマ部隊の出会いとか」
「それさっきでしょ・・」
夕菜の演説に玖里子が突っ込みを入れる。
『ピンクパジャマ中隊』とは、元メイドで構成される精鋭部隊、と言えば聞こえはいいが実際はメイドの裏切り者らしい。
その話やら、彼女らの待遇を聞いて夕菜は涙を流し感動したらしい。
水輝達との友情?にはさらに溝が深まったが。
「思えば始まりは、ヘリオポリスで自慢の夫婦であった私と和樹さんの中に嫉妬したド腐れメイド達が、強襲し和樹さんを攫ったのが始まりでした。私はいやいやガンダムに乗り戦い、さまざまな出会いをしました。砂漠の虎、中立国の王女、ザフトの歌姫、そしてみんなの協力の下私達はいよいよメイドどもの正義の鉄槌を下すのです!!!!」
「・・・勝手にストーリーを捏造しないでください・・・」
夕菜の空想演説に水輝が突っ込む。
「待っててください、和樹さん!!!いま、メイドどもを一人残らず滅殺し妻が助けに行きます」
さすが、殺人奇キシャー言ってることが支離滅裂だ。
だが彼女は知らないその和樹がもう自力でメイドの館から脱走したことを、
そのころ和樹は・・・・・
「何処だよ此処?」
遭難していた・・・・・(オイ
まぶらほ〜神殺者〜 第十三話 愚か者達の番・・・か?
<メイドの森>
「やべえな、マジで迷った・・・」
早朝メイドの館から抜け出した和樹は見事に遭難していた。
「しかも眠いし・・」
それは、自業自得だ鬼畜王
「さっさと、水輝達と合流しないとな・・」
和樹はリーラの話で、水銀旅団は船で来ていると聞いていたので、水輝達との合流し水銀旅団の船を略奪し帰ろうと考えていた。
『道徳』『奇麗ごと』なにそれである。
「・・・・・・ですから・・・」
「しかし・・・・だぞ・・・・」
前のほうから話し声が聞こえる。
「誰かいるのか、あいつらに聞いて見るか」
和樹は話し声のする方向に向かって走り出す。
「すいませ〜ん道を聞きたいのですが・・あ」
「「何・・・あ、式森和樹!!!?」」
『レイジングハート』のお二人でした。
<戦場>
ずがあああん!!ばごおおおおん
爆音が鳴り響き次々と屍が出来上がる。
「キシャー!!!!」
そんな中キシャーは2丁拳銃で次々とメイドを殲滅していた。
流石、殺人奇キシャーその腕前はブランドン・ピートやダンテも真っ青だ。
「キシャー!キシャー!!!キシャー!!!!!」
と言うより彼女とメカ翡翠アストレイだけで戦っているようなものだ。
それに玖里子の予想よりメイドが少ない。これもキシャーが勝ち進める要因の一つだ。
<メイド司令室>
「くっ押されているか・・・」
戦況を聞きリーラが苦々しく呟く。
実際今こうなっている要因は人員不足である。
『式森和樹逃亡』
それはリーラが朝食事の用意に部屋に来たとき明らかになった。
誰もいない部屋に置き手紙がありそれにはこう書かれていた。
『帰る 和樹 』
何処の無能ひげ鬼畜外道司令官だと言いたいほど簡潔な内容だ。
そのせいで『レイジングハート』襲撃でたたでさえ減っている、人員を裂いて和樹捜索に乗り出しているのだ。
そのせいで押されている、まことにもって由々しき事態だ。
「失礼します」
どう戦況を覆そうかと思案しているリーラにメイドの一人が入ってくる。
「何事だ」
「琥珀さまからの伝言です。『フリーダム』発進準備完了しました」
「そうか、なら発進せよ」
「判りました」
メイドは一礼をし部屋から出て行く。
「これで何とかなるといいが・・」
琥珀が作った『フリーダム』の性能は折り紙付だ。これで戦況に変化が出来ると思いながら戦況を見ていた。
<戦場>
ずがん、どがあああん
閃光と共に爆音が鳴り響く。
「何ですか?一体」
後に制服愛好家達に殺人奇キシャーと呼ばれる夕菜空を見る。
「フリーダム・・・」
忌々しそうに空に浮かぶ、メカ翡翠フリーダムを睨む夕菜。
「現れましたね。私から和樹さんを奪った元凶、しかし貴方も今日が最後です。いきなさいアストレイ!!」
夕菜の命令と共にアストレイはビームライフルをフリーダムに向けて放つ。
ひょい、ひょい
フリーダムは簡単に全ての砲撃を回避して、砲身をアストレイに向けビームを放つ。
ずがああん、どごおおおん
ビームは次々とアストレイを貫き、破壊する。
「そんな!!」
夕菜は驚く。
同士?でもあるまじかるアンバーから譲り受けたアストレイが次々と破壊されていくのだから、ショックと同時に申し訳なさもあった。
まあ、まじかるアンバーにしてみれば良いデータが取れました。と言いそうだが。
アストレイを全滅させたフリーダムはそのまま地面に進み水銀旅団の戦車をビームサーベルで切り裂く。
「く、この悪魔が・・キシャー」
奇声を上げながらフリーダムに向かって2丁拳銃で撃ち続ける夕菜、しかし。
ギン、ガン、カン!
「そんな!!」
銃弾が全て弾かれ驚く夕菜。
残念ながら『フェイズシフト装甲』を持つフリーダムに実弾は効かない。
「くそ、この、何で効かないんですか!!!!生意気ですよ!!鉄くずの癖に!!!」
ひたすら撃ち続けるが、効果はない。
魔法を使えば別だが頭に血が昇っている夕菜には思いつきそうにないようだ。
このままビームサーベルで夕菜を切り裂くと思われた瞬間。
「みずち」
蛇のごとくうごめく衝撃波がフリーダムに直撃し吹き飛ばす。
「燐酸!」
「字が違います!!!!」
この台詞を聞き内心夕菜さんを斬ってから攻撃すればよかったと思いながら近づく。
「どうして此処に・・・」
夕菜が驚くのも無理はない。
凛は水輝、玖里子のやる気ゼロコンビと同じで後方で待機していたはずなのだから。
「あのフリーダムには、借りがあるので「盗る気ですか!!」・・はい?」
凛の台詞を遮り夕菜が凛につかみかかる。
「やっぱり盗る気なんですね!!!最近影が薄いからすっかり油断していたけどやっぱりですねこの泥棒猫!!!!渡しませんよ、和樹さんは私だけのものですから!!!!」
なおも凛を揺さぶる夕菜。
そんな二人のアホ漫才を尻目に起き上がったフリーダムが二人に向かって全弾発射をする。
それにいち早く気づいた凛ちゃんは、夕菜の腕をつかみ背負い投げの要領で、ビームの前に投げる。
「なにするんですか!!」
夕菜はわめくが気がついていない。凛ちゃんのこめかみに青筋が立っていたのを、ひょっとして怒っていますか凛ちゃん?
ずがああん。
ビームは夕菜に直撃し夕菜を吹き飛ばす。
幸い?凛は夕菜盾のお陰で無傷だ。
そしてフリーダムはそのまま凛に向かって、距離を詰めビームサーベルで横払いの一撃を放つが、凛はそれをしゃがんでかわし、胴に一撃を入れるが効いていない。
「くっ!」
フリーダムは凛の頭上からビームサーベルを突き刺そうとするが、凛はバックステップで避けそのまま頭上に上げた刀を振り下ろす。
「みずち」
衝撃波がフリーダムに直撃する。
「やったか?」
不意打ちじゃない完全なみずち。
破壊できなくても無傷じゃないだろうと予想した。
煙から盾が見えるまで。
「!」
とっさに危険を感じて横に飛ぶ。
ずぎゅん、どん!
先ほどまでいた場所に向かってビームが撃たれる。
煙から姿を現したフリーダムは左手に所々傷がついた盾をもち、右手には先ほど撃ったビームライフルを持っていた。
<司令室>
「これでどうにかなるか・・・」
戦況を見ていたリーラは安心する。
フリーダムが投入されてからは押されていた戦況がこちら側が有利になってきた。
「後は、琥珀達が和樹様を見つければ全てうまくいく」
彼女は知らない。
琥珀は獅子身中の虫だということを。
<????>
「おやすみなさ〜い」
琥珀さんがそう言うと、琥珀をのぞいた全てのメイドが眠りについた。
「残念ですけど、メイドの皆さんは此処で退場ですよ♪」
メイド服ではなく、いつの間にか割烹着を着た琥珀さんが嬉しそうに言う。
「此処からは私の時間ですからね」
嬉しそうに言いながらビニールカバーをかぶせてある何かに近づく。
「さあ、和樹さんゲットのための出番ですよ」
カバーを取るとそこから二対のメカ翡翠がいた。
一つは全体的大きく色は赤く角がついていて右腕にステークがついている。
もう一つは白く細いが背中に槍のような青い銃がついている。
「今こそ目覚めなさい。メカ翡翠『アルト・アイゼン』、『ヴァイス・リッター』!!」
なに、作っているんだあんたは・・・
<メイドの森>
そこには三人の漢がいた。
黒ずくめの二人は、魔法少女のため、残りの一人は館から出ようと、メイドの心は捨てていない。
だから闘うのだ、おのれの全てをかけて、それが『制服戦争』・・・・ではない。
「帰りたいんだが、攻撃をやめてくれんか?」
和樹はナンバー3と呼ばれる男の呪術弾を避けながら尋ねる。
「それは無理だ!!我らRRRはメイドとは相容れん。なにより・・・もてる貴様はてきだあああああ!!!!!」
血の涙を流しながら男が吼える。
目的かわっとるがな・・・
「・・・・・・そうか?」
和樹は疑問に思う。
黒い姫に血を吸われかけたり、赤い魔女には魔法で殺されかけたり、頭の痛いデビルキシャーのストーカーはきついだろうとか考え始めていた。
「黙れ!!そして聞け!!元々貴様は危険分子。のはずなのに最近じゃあ協会でそんな事言ってみろ。協会の女子からシカトされ、しばらくたつと言った張本人や、参加しようとした奴が行方不明になるんだぞ!!!怖いわ!!」
「そうなのか?」
だから最近誰も襲ってこないのかと考えていたり、教会がおとなしいのも同じ理由だったりしてとか、考えていた。
実は正解だけど・・・
ちなみに教会で同じ事を言うと『神に会えるらしい』怖っ!
あとがき
最初は、後二、三話で終わる予定ですがもしかしたら延びるかもしれません。
もう、メイド編いいよ・・・と言う人もいるかもしれませんが勘弁してください。
レス返し>
555様> 外見は良い男ですが、中身はアホですよ。だから自国ではいろいろ言われていたし。
33様>まあ、和樹は敏捷Aですから、逃げ足は一流です。
紫苑様>和樹にも限界は・・・・・あるのか?
D様>千人は無理でしょう。百人ぐらいなら可能ですが(オイ
ゆーき様>メイドは並大抵の度胸では不可能です。まあ『トラブルメーカーEX』は主人公の宿命かと・・
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