「疲れたな・・・」
今和樹の前には変態が倒れている。
一応頭蓋骨を踏み砕いたはずなのにこの男は生きている。何故?
「萌えの力さ」
「・・・・・」
突然後から声をかけられ和樹は後を振り返って見ると、倒れている男と同じ格好をした変態がいた。
ゴス
とりあえず顔面に裏拳をぶち込む和樹。
「ぐああああ、鼻骨が!!鼻骨がああああ!!!」
仮面の男が鼻の部分を押さえて転げまわる。
ガス、ガス、ガス!!
「ぐはっ背骨が軋む!!痛いって!!!ギブギブ」
和樹は転げまわる男の背中を踏みつけながら抉る。
これぞブルー直伝『和樹の哀の踏みつけバージョン』らしい、和樹はこれで過去三回くらい、死に掛けたらしい。
そのとき世界の声や、戦女神からの勧誘があったが丁寧にお断りしたそうだ。
「ちょっとマテ!!!何故ダメージを受ける???痛いって式森和樹・・話し合おう・・・・・・もっと上を踏んで♪」
最後のほうに不吉な単語を聞いたような気がしたが、とりあえず足をどける和樹。
「ふむ。少々もったいない気もするがまあよかろう」
今更かっこつけても意味がないような気がするが、男は立ち上がり服をととのえる。
「我が『レイジングハート』のナンバー2を倒すとは中々の腕だな式森和樹
だが、このナンバー5たる私は甘くはないぞ!!」
男の拳に黒い何かが纏わりつく。
「死ね!!!式森和樹!!!!」
男は凄まじいスピードで和樹に右ストレートを放つ。
ズガン!!!
男の右ストレートが和樹の顔面に叩き込まれる・・・・・より前にカウンター気味にはなった和樹の蹴りが男の顔面に叩き込まれた。
「鼻骨がああああ!!!また鼻骨が凹んだああ!!!!」
男が鼻を押さえながら転げまわる。
「ふむ。どうやらコツさえつかめばこの変態どもにダメージを与えるのは難しくないようだな」
自分の拳を握ったり開いたりしながら確認をする和樹。
コツって何さ?
「おのれ!!、式森和樹!!どうせ蹴るなら俺のケツ蹴ってください!!」
男が和樹にケツを向ける。
「帰れ!!!お前!!!!!」
ズバ、ズガ、どがあああん!!!
和樹は闘氣刃で紅燐剣を男に放った。
レイジングハート残り三人・・・・・
まぶらほ〜神殺者〜 第十一話 変態の戦争が始まる?
<メイドの島。森の中>
「まったく・・夕菜さんは何を考えているのですか・・・」
森の中を一人散歩しながら水輝は愚痴を言う。
あの後兵力不足やら食料不足の問題もあり作戦が中々うまくいかないのが現状らしい。
そこで井戸を確保するべく、メイド達の戦線のすぐ近くにある井戸を奪うための作戦が開始されたが、水輝はいまいちやる気がしないのでこうして森の中一人散歩していた。
(こうして見ると、自然豊かでいいところですね)
そんなことを考えながら水輝は森を見る。
「大体あんなオタクもどき達ががんばったって、メイドに勝てないと思うんですけど・・・・」
ゾク
「!」
瞬間凄まじい悪寒を感じ水輝は氷の小太刀を作り構える。
(この気配は一体?)
女子高生水輝としてではなく魔術師水輝としての考えに切り替える。
がさ、がさ。
(来る!!)
水輝が意識を集中させた瞬間、影が飛び出す。
(早い!!)
魔術で肉体を強化させた自分より早いかもしれない。そんな考えを持ちながらも何とか倒す方法を考える。
「サインしてください!!」
水輝の前に姿を現したのは白い仮面に黒ずくめをした変態だった。何故か仮面の額にマジックで4と書かれているが、
「回転剣舞」
とりあえず斬ってみた。
「協会のアンケートで、魔法少女にしたい女の子ベスト1の水輝ちゃんに斬られたああああ♪」
涙を流しながら喜ぶ変態。
固有スキル『突っ込み』
相手がボケをかましたとき・・・
「それはもういいです!!!」
説明文に突っ込みを入れる、水輝流石です。
「ふふふ隊長、私はやりました。水輝ちゃんに斬られましたああああ」
天を仰ぎながら喜ぶ変態。
「帰りたい」
何故この変態は自分の名前を知っているんだろうとかそんなことを考えて見るがとにかく帰りたいという気持ちが強いようだ。そんな君にこれを送ろう。
水輝は称号『魔法少女にしてみたい人ナンバー1』を手に入れた。
「いりません!!!!」
水輝がまたまた説明文に突っ込みを入れる。
「もったいないですよ?効果はMP+10と魔防+5ですよ?」
「・・・・どっから湧いてでてきたんですか?琥珀さん?」
「人を害虫みたいに言わないでください。水輝さん」
いつの間にか割烹着の悪魔がいた・・・・
「それで、一体何のようなんですか?」
水輝は嫌そうに話しかける。
「いや〜もしかしたら義妹になるかもしれないのでご挨拶を」
ブオン!!
琥珀に向かって小太刀を振るう水輝。
「だめですよ〜そんなことしていると、どこかのナイチチ当主みたいになっちゃいますよ」
「なりません!!!いきなりなに下らない事言い出すんですか!!」
箒に乗って空に浮かんでいる琥珀に向かって水輝が反論する。
「そうですね〜じゃあ私は館に戻って和樹さんにあはっ、だしちゃえ、といいにいきますよ」
「フリーズランサー」
琥珀に向かって氷の槍が降り注ぐ。
ひょい、ひょい、ひょい。
そのすべての槍を回避しながら、琥珀はどこかに飛んでいきましたとさ。
「くっ・・・次こそは必ずしとめて見せましょう」
「そろそろ、いいか?」
パシャ、パシャ!
「・・・・・・」
水輝のメイド服姿をカメラに収めながら、男が話しかける。
「それで・・・貴方は一体何者ですか?」
「我々は、かくかくしかじかだ!」
何だよそれ?
「・・・・それでその『レイジングハート』が何のようですか?」
伝わったよ。
「ふっふっふ、式森水輝。君こそ我々の全ての遠き理想郷(アヴァロン)そういうわけで魔法少女になってくださ〜い」
「お断りします」
そう言いながら水輝は男にフリーズランサーを放つ。
ズガ、ズガ、ガン!!
男が黒い弾と体術で氷の槍を破壊する。
「なっ!?」
「仕方がない。ならば力ずくでも。なってもらうぞ!!!」
男が凄まじいスピードで水輝向かって襲い掛かる。
「くっ!」
男の体術は水輝と互角。男のパンチやキックを避けながらも水輝は男を倒す方法を考える。
(身体速度は互角。魔術はこの距離じゃ使えないならば!)
ふっ
水輝は身体を沈め男のパンチをかわし、そのまま立ちあがりざまに小太刀で男を斬りつける。
「無駄っぶ・・」
男が何か言う前に、水輝は男の顔面に回し蹴りを叩き込む。
「アイスコフィン」
水輝が距離を取って魔術を唱える。
ピキパキ
足元から男を氷付けにしてくる。
「なんと!!!」
男が驚く。『レイジングハート』は外法で半分人間をやめている。そうでもしないと人間を超えた征服戦争の参加者たちに対抗できないからだ。
ついでに魔術師や教会の代行者の相手もするが・・・・
そのせいで彼らは魔術に対してかなりの耐性を持つ。
その彼に捕獲系の魔術をかけるとは、
「流石我らの魔法少女、見事だ。だが!!」
腰の辺りまで凍らされた男は何かを唱える。
「魔法少女よ!!我らに魂の炎よ。萌える力を」
ごがあああああ
その瞬間男がピンクの炎に包まれる。そして・・・
じゅううううう
「嘘・・・・・」
男は萌える炎で氷を溶かした。
「我々『レイジングハート』は日夜闘い続ける。この程度では倒せんぞ!」
「フリーズランサー」
水輝が男に魔術を放つ。
「無駄、無駄」
男は体術やピンクの炎で防ぐ。そして
ズガ!!
「くっ」
男の蹴りを食らい吹き飛び、樹に激突する。
「がはっ」
「まだまだ、食らえブラックショット!!」
男の手から三十個の黒い弾が水輝に直撃する。
ずががががああん!!
あちこちに小さなクレーターを作りながらも水輝はとっさに放った防御魔術で直撃を間逃れる。
だがその姿は、肩やスカートの部分が少し破れ肌が露になる。
(不味いですね。ふざけた男ですけど強い。上位魔術を使えばどうにかなるのですが詠唱に時間がかかりますし・・・)
「さあ、式森水輝我らのものになれ。そうすれば魔法少女としていろいろ楽しめるぞ」
男が水輝に死刑宣告にも似た言葉を言う。
「あいにくですが、私は身も心も兄さんのものです。貴方のような変態は指一本触れないでください・・・・私の全てに触れていいのは兄さんだけです」
少し顔を赤らめながら水輝は爆弾発言をする。
「なんだと〜〜〜〜!!!!」
男がほえた。
「あの鬼畜があああああ!!!!我ら協会のアイドル水輝ちゃんに手を出しただとおおお!!!最近ただでさえ協会の女性ファンが増えたのに!!!この鬼畜王があああああああ!!!!!うらやましすぎるぞおおおおおおおお!!!!!!」
慟哭。
男は黒い炎を噴出しながら吼えた。血の涙を流しながら・・・
トン、トン。
男の肩が叩かれる。振り向くとそこには、
上半身裸の白いマスクをつけた変態がいた。
「誰かが嫉妬に狂うときそれは嫉妬マスクを呼ぶ合図。君の嫉妬の炎に呼ばれ嫉妬マスク一号参上。さあ君の嫉妬を話したまえ」
そして二人の変態は話し出す。
「・・・・全ての氷の支配者よ。今こそ我が呼び声に答え力を貸さん」
二人の変態が話し合っている間に水輝が上位魔術の詠唱に入る。
「なんと!!式森和樹そこまでの外道とは許せん!!!まさか水島を超える鬼畜王がいたとは・・・」
「その水島とやらもかなりの外道のようだな・・・」
「「同士よ!!」」
二人の変態は抱きつく。
今式森和樹は新たな敵に命を狙われることになる。
「嫉妬マスクよまずは」
「うむ。我らの新たな敵式森和樹の妹式森水輝を」
「「捕獲する」」
二人の変態が水輝がいる方向に振り返るとそこには頭上に強大な吹雪の塊を発生させている水輝がいた。
「あの・・・水輝さん?」
「それは、流石に死ぬと思いますが・・・」
「クスッ、さよならお二人さん。『フローズンイレイザー』」
吹雪の塊を前方に下ろす。
キュド!!
そこから絶対零度のビームが変態ズに向かって迫る。
ずがあああああああああん
「・・・流石に魔力が枯渇気味ですね。・・・戻りたくないですが、戻りますか」
そう言って水輝その場を後にした。
そこには、あちこちが凍結し気温が下がった森に二つの変態ズの氷の彫像があった。
そのころの『レイジングハート』
<水銀旅団のテント>
「隊長、此処にな○はのフィギィアがあります」
「ふむ、3よ。此処は宝の宝庫だな」
白い仮面をつけ、黒い服をまとった変態がいた。
片方はただの白い仮面だが、片方は鹿のような角ををつけていた。
「隊長、他のテントも行きましょう」
普通の仮面の男は、角が着いた男に話しかける。
「ふむ。まだ集合時間までに時間がある。調べにいくか・・」
その言葉と共に二人の男が消えた。
いくつかのグッズと共に・・・・・(オイ
あとがき
まだまだ続くメイド編。
これが終わったら、賢人会議編か修学旅行編あたりをやる予定です。
レス返し>
suimin様>まあ、和樹は鬼畜ですから・・・
MAGIふぁ様>和樹は昔からいろいろやらかしていますから。彼自体少々やばい人物です。間々そういうことで勘弁してください。
D様>縁を切っても無理やり戻しそうですが・・・・
紫苑>まあ水輝にしてみれば、またですか?ですから
33様>ええそうですよ。制服戦争ならばガラドボルグあたりでヘラクレスを三回ぐらい一度に殺せます。
翁香様>和樹ハーレムは何時までも増え続けます。
らいず様>和樹の心象世界は堕とした女達の名前が刻まれていますから・・
ゆーき様>本当だ!うっかりしてました。ご指摘ありがとうございます。
BACK< >NEXT