「くっ……行かなくては……!!」
メダメダ城を襲った大きな地震。
その原因を悟ったミリィは朦朧とする意識の中、どうにか地下へと急いでいた。
「早く……早く……!!」
NG騎士ラムネ&40EX’
〜アン・ドゥ・メダメダ大攻防戦!!〜
#6「大決戦!守護騎士VS最終兵器!?」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!
激震の走る地下空洞。
そして。
ズキューンッ!!
銃声。
「女王っ……は、母上ーーっ!!パスカル・ヘクト!!貴様っ!!」
「ふはははははははははははははははははははははは!!キーロよ、いやキーロ姫!貴女たちメダメダ王家の者たちには本当に世話になりましたなぁ!!」
「なにっ!?」
「どういう事だ、親父っ!!」
「ふんっ!!我が息子、アールよ!!最初からワシの目的はこのヤマモトヤマだったのよ!!」
「なんだって!?」
「メダメダ王家に仕え、これまで苦労してきたのも全ては!!ワシが全ドキドキスペースの覇者となる為!!その為に20年以上も女王を操り、時を待っておったのだ!!」
「貴様が母上を!?」
「そうよ!!そうとは知られぬよう少しずつ女王を誘導してなぁ!!その苦労が今報われるのだ!!」
「パスカル・ヘクト!!」
ようやく地下空洞に辿り着いたミリィが彼を睨みつけた。
「これはこれは、ミリィ姫ではございませんか?ご機嫌麗しゅう……」
「いいかげんになさい!!お姉様やセンチを戦士として育てさせたのも貴方なのですね!?」
「その通り!!我が手駒として使えるよう女王にそうさせたのだ!!」
「おのれ……!!では私だけを姫として育てさせたのも何か企んでの事なのですか!?」
しかし、その言葉を聞いたときだけ、この親父は口篭りなにやら頬を染めた。
正直言って気持ち悪い。
やがて彼が口を開いた。
「そ、それは……ワシは胸の無い女が好きだからだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「「「はぁ!?」」」
地下空洞に静寂が訪れた。
「ワシは……ワシは胸の無い女が好きだというのに!!キーロもセンチも無駄にでかい乳に成長しおって!!だから!!姉妹の中で一番胸の小さい貴女だけを姫として育てさせたのよ!!」
「そっ……そんな理由でアタシの青春が……!?」
あまりにしょーもない事実にキーロがわなわなと震えた。
「しかぁし!!もうミリィ姫!!貴女も必要ない!!ワシは……ワシは最高の女神を手に入れたのだからなぁ!!さぁミルク姫!!ワシと共に全ドキドキスペースに君臨しましょうぞ!!ふはははははははははははははははははははははは!!!!」
呆気に取られるミリィたちをおいて、ミルクの手を取りヤマモトヤマの中へと消えていくパスカル・ヘクト。
「あっ……ちょっと待ちなさい!!」
『さらばだ、諸君!!ここで生き埋めになるがいい!!』
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!
その言葉と共に、さらに激しい振動が地下空洞を襲ったのだった。
「くぅ…………はっ!?ここは!?……ココア!!しっかりしなよ!!ココア!!」
「あぅ〜〜?あ〜〜、お姉様〜〜、おはようございます〜〜」
「寝惚けてんじゃないよ、ココア!!って、こりゃあ一体……?」
レスカが周囲を見回してそう呟いたのも無理は無い。
辺りは一面瓦礫の山だった。
「お母様!!お母様ーーっ!!」
「ん?」
「なんでしょうか〜〜」
「さぁね、行ってみるよ、ココア!!」
「あ〜〜、待ってくださいまし〜〜」
声の聞こえた方へ向かった二人。
そこには。
「お母様!!しっかりしてください!!」
「あっ、カフェオレ姫様!!それにココア姫様も!!」
「ミリィじゃないか!どうしたんだい、こんなところで!?」
「それにこの方は〜〜?」
「実は……」
ミリィは二人に地下空洞での出来事を語った。
「なるほどね……。そのパスカル・ヘクトって奴が黒幕だったって訳か!」
「でもお姉様〜〜、ミルクが〜〜……」
「心配要らないよ、ココア!ダ・サイダーたちがきっと何とかするさ!!さぁ!!アタシたちもできる事をするよっ!!アール、だったっけ?」
「へいっ!!」
「アタシたちを攫った事は忘れてやるから、さっさと女王を病院に運ぶよ!!案内しな!!」
「へっ、へいっ!!分かりやしたっ!!」
アールたちが慌しく動き回る中、レスカはポッカリ空いた穴から空を見上げた。
(しっかりやんなよ、ダ・サイダー!!信じてるからね!!)
「ふはーーっははははははははははははは!!さぁさぁミルク姫、もちっと傍に寄らぬか?」
「イヤーーーーッ!!イヤッ!!イヤッ!!イヤーーーーッ!!」
ベッドに乗せられたミルク。
その彼女にゴソゴソと這い寄って来るパスカル・ヘクトの好色そうな顔。
「あだっ!?おげっ!?おぶるぁっ!?えぇい、せっかく術を解いてやったと言うのに、大人しくせんか!!」
「イーーヤーーよっ!!なんでアンタみたいなオジンにっ!!イヤったら、イヤーーッ!!」
「ふんっ、わがままな娘だ。だ・が・そこがまた堪らなくイイッ!!もっとだ!!もっとワシを蹴ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「イヤーーーーーーーーッ!!変態ーーーーーーーーっ!!」
「そうだ!!もっと罵ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
何やってんだ、このオヤジは……。
その時、突然ブリッジに警報が鳴り渡った。
っていうか、なんでブリッジにベッドが?
「くそっ!!いいときに邪魔しおって!!なんだぁ?」
ブリッジから外をのぞくパスカル・ヘクトの前に、突然、アルミホエール号の勇姿が出現した。
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!??あれは、勇者ラムネスども!!何故ここに!!」
「あたたたた……いったいなぁ、もう。お〜い、タマQ〜〜、しっかりしろ〜〜?」
「う〜ん……あっ、ラムネス!ここはどこだミャー!?」
「さぁ?どこかに出たのは間違いな……いぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!??」
「う……あ〜〜、昨日飲み過ぎたか……頭ががんがんするぜ……」
「って、おい!!ダ・サイダー!!外見ろ外!!」
「あぁん?あれ、お前と一緒に飲んだんだっけ?」
「寝惚けんなよ!!あれだよ、あれ!!」
「んあ〜?ってぇ!!なんだ、ありゃあ!!??」
彼らの眼前に立ち塞がる巨大な宇宙戦艦!!
それは紛れもなくあの最終兵器、ヤマモトヤマだった。
「なんだぁ、あれは?」
「さぁ……」
その時、モニターにオッサンの顔が映った。
『おのれ、勇者ラムネスども!!まさか我がワナから脱し先回りしているとは思いもよらなかったわ!!さすが、と褒めてやろう!!』
「何言ってんだ、このオッサン?」
「我がワナとか言ってたな」
「ま、とにかく、だ」
「なんだか知らないけど」
「そ〜〜ゆ〜〜事だぁ!!はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
胸を張って笑う勇者二人。
その二人に再び通信が入る。
『ラムネスーー!!助けてーーっ!!』
「ミルクッ!!なんでそんなところに!?」
『捕まっちゃったのよ!!私だけ……キャーーーーッ!!』
『ふははははははははは!!勇者どもよ、そういう事だ!!丁度いい、貴様らをこの宇宙戦艦ヤマモトヤマの餌食第1号にしてやるわ!!』
「あ、パスカル・ヘクト!!私は!?私はどうなる!?」
目を覚ましたセンチがモニターに取りすがる。
『ぬぅ?センチか、貴様などにもう用は無いわ!!女王と同じように死ぬが良い!!』
「お母様!?貴様、お母様になにをした!!」
『用済みだったのでな、処分してやったわぃ!!ふはははははははははははははは!!!!』
「パ、パスカル・ヘクト!!貴様ぁ!!許さんぞ!!」
「そうだ!!ミルクは返してもらうぜ!!」
『やってみるがいい!!我がヤマモトヤマに適うものならなぁ!!』
「おうよっ!!なんだか知らねぇが、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁってやるぜ!!行くぞ、ラムネス!!」
「おうっ!!俺は今!!猛烈に熱血してるっ!!」
「勇者ラムネス!!」
「ん?なんだよ、えっと、センチだったっけ」
飛び出そうとするラムネスを引き止めたセンチ。
「そ、その……すまなかった!!そして、頼む!!アイツを……アイツを!!」
「分かってるって!俺に任せておけよ、それよりアルミホエール号を頼む!」
「あ、あぁ!!任せてくれ!!」
「こらーーっ!!早くしろーー、ラムネス!!」
「あぁ!!行くぞーーっ!!」
甲板に立つ勇者二人。
その手には守護騎士のタマゴが握られている。
「キングスカッシャァァァァァァァァァッ!!」
「クイーンサイダロンッッッッッッッッッ!!」
タマゴを虚空に投げると、何も無い宇宙空間に嵐と雷光が巻き起こる!!
シュッパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
ジュワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!
「ラムネス、他の守護騎士も呼ぶミャー!!あれだけでっかいと二体だけじゃきついかも知れないミャー!!」
「よぉっし!!みんな出て来いっ!!」
キングスカッシャーの頭部から6つの光が飛び出す!!
『ティィィィィィィィィィパックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!』
『コーチャッチャァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
『モチペッタァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!』
『アンコロリィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!』
『『カンパッカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!』』
『セイローム、アッサーム、シルコーン、ゼンザイン、ブルマン、キリマン!!アイツの動きを止めてくれっ!!その間に俺がミルクを助け出すっ!!』
『よぉーし!!てめぇら!!俺様に続けぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
『『『『『『おうっ!!』』』』』』
クイーンサイダロンに続き、守護騎士たちがヤマモトヤマに向かう!!
『いっくぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!おらおらおらおらおらおらおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
ズガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
クイーンサイダロンの胸に内蔵されたクイーンシューターが小型の砲塔を潰す!!
『ハァァァァァァァァァッ!!セイッ!!』
『チェェェェェェェェェェェェストォッ!!』
ズガァッ!!
ドゴォッ!!
セイロームとアッサームの槍が外壁を貫く!!
『てやんでぇ、べらぼうめぇっ!!』
『ほな、いきまっせぇぇぇぇっ!!』
ドゴォン!!
バゴォン!!
シルコーンとゼンザインの大砲が艦底に大穴を穿つ!!
『『ビルドインッ!!ブレンドンッ!!』』
『ブェェェェェェェェレンドォォォォォォォォォォン!!おおおおおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!』
バギィッ!!
メキメキメキッバギャァッ!!
ブルマンとキリマンの合体したブレンドンが主砲をへし折った!!
「うげげげげげげげげっ!!??まずいっ!!このままじゃまずいぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
「キャッホーーッ!!いけいけ、みんなぁ!!イエーーイ♪」
「えぇい、くそっ!!黙らんかぁっ!!」
パスカル・ヘクトがミルクに手を上げようとした時!!
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!
『ミルクーーーーッ!!』
キングスカッシャーが外壁を破り、その姿を現した!!
「ラムネスッ!!」
ミルクが駆け寄ると、その姿はキングスカッシャーの中に消えた。
「おっ、おのれ、勇者どもめ!!」
「ラムネスゥ!!」
「ミルクッ!!」
コクピット内に現れたミルクをしっかりとラムネスが抱きとめる。
「もう大丈夫だよ、ミルク。怖くなかったか?」
「うぅん……ラムネスが助けてくれるって信じてたから……」
「ミルク…………」
『おのれおのれおのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!』
ラブコメに突入しようとした二人をダミ声が邪魔した。
「なによぉ、いいとこだったのにぃ!」
キングスカッシャーの目の前で、パスカル・ヘクトが狂ったように叫び続けていた。
『おのれ、勇者ども!!こうなったら我がヤマモトヤマが最終兵器と呼ばれる所以を見せてやるぞっ!!そうだ、見せてやるっ!!ふははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!』
「ラムネス、なんか嫌な予感がするミャー!!ここは……」
「あぁ!俺もそんな気がする。みんなと合流しよう!!」
艦橋から離れるキングスカッシャー。
『ラムネスッ、ミルクッ、無事か!?』
『大丈夫ですか、キングスカッシャー!』
『若っ!怪我はねぇかぃ!?』
その周りに守護騎士たちが集まった。
そして。
『見るがいいっ!!これがヤマモトヤマ最大の兵器!!”波・アン・ドゥ砲”だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!
轟音と共に、光の奔流が守護騎士たちを飲み込んだのだった。
つづく。
ついにベールを脱いだ最終兵器の最大兵器!!
ラムネスやミルク、そしてダ・サイダーの運命は!?
んでもって、ちゃんと次回終わるのか、このSS!?
大団円になることを願いつつ、待て、次回っ!!
あとがき
キャラ多いよ……。
守護騎士全部は失敗だったかな〜、とか思う今日この頃。
蛇足なキャラ情報〜〜♪
キーロ・メーテル:Dカップ♪
センチ・メーテル:Eカップ♪
ミリィ・メーテル:Bカップ♪
レス返しっス!!
>ATK51様
ミリィだけまとも(?)な理由はこんな感じで……^^;
どんでん返しあるんでしょうか?(ヲぃ)
>らでぃ様
欺く、というか、本物を知らないラムネスだからこそ騙せたような気も……笑
あとがきでも書きましたが、守護騎士全部はきついっス^^;
>柳野雫様
声優ネタって程でも無いですが……笑
どうもあんな呪文しか思いつかなかったもんで^^;