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「その誓いに・・・ 第壱話(Fate+月姫+いろいろ)」

くろの (2004-12-30 11:35/2004-12-30 11:40)
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このお話は主人公最強及び至上主義である作者によって作成されております。
また、原作の設定と著しく異なることがございます。

そういうのがお嫌いな方は読まないことをお勧めいたします。

見苦しい所が多々あると思いますがご容赦ください。
(ご指導よろしくお願い致します)


荘厳な門の前で二人の少年が語り合っている。

一人は衛宮士郎。

そして、もう一人は眼鏡を掛け、実直そうな面構えをしている少年だった。
彼こそが自他共に認める士郎の親友である柳洞一成である。

「今日はすまなかったな、衛宮」

顔に感謝の色を浮かべ、一成は士郎に向かって片手を拝むように持ち上げた。

「いや、別に感謝する必要は無いぞ。俺も楽しかったからな」

対する士郎は気恥ずかしげに頬を掻く。

そう、今日士郎は一成に頼まれて、
柳洞寺の修行僧達に精進料理の極意を叩き込んだのだ。

「いや、感謝してもし切れるものではないぞ。
今日だけで修行僧達の腕が段違いだ。善哉善哉。
俺もがんばらねばな。喝っ!」

士郎の指導のおかげで修行僧達の腕が、
一段どころか三段ほど上がったことは一成含む柳洞寺一同にとってはうれしいことに違いない。

うれしそうに自らに喝を入れる一成を、
士郎はうれしそうに眺めている。

「この礼は必ずする」

「いいって。みんなと料理できてうれしかったんだから・・・気にするな」

「だがな」

尚も食い下がろうとする一成を士郎は掌を向けて制する。

「みんなが喜んで、俺が楽しんで、それだけで十分だ」

「むぅ・・・分かった。衛宮がそう言うのであればそれで良いか・・・」

数瞬考え込んだ一成は士郎の言葉に納得した。

「そうそう。それでいいんだよ」

難しい顔をした一成は不意に士郎の目を真っ直ぐと見つめる。

「だがな、何か困ったことがあったら相談しろ。
衛宮は何でも自分で抱え込んでしまうのだからな・・・」

「ああ、ありがとう」

親友の忠告を聞いて、
感謝の言葉と共に士郎は破顔する。

それは男女隔てなく作用する最強の一であった。
これに堕とされた男女は数知れず、
密かに学園で恐れられながらも見たがる者が後を絶たない。
最早、それは‘魔法’に到達しているのかもしれない。

学園生たちは誰もが士郎を‘世界一の人誑し’と呼んでいる。
(その認識は誤ってはいないことが後に判明する)

だが、前述した通り士郎は自分の笑顔の威力に全く気付いていない。
その鈍感さは犯罪だろう。

「あっ、当たり前だっ! 親友なのだからな!」

士郎の笑顔の直撃を受けた一成は、
案の定、顔を赤くしてそっぽを向いた。

「??? ・・・じゃあ、今日はもう遅いし、帰るとするか」

やはり分かっていない士郎は頭に?マークを浮かべると、
小山の山頂付近にある柳洞寺の門から麓まで続く石段を降り始める。

彼の言った通り、太陽は隠れ月が天より大地を見渡している。

「すまんな。麓まででも送っていきたいのだが、これから座禅が始まるのでな」

すまなそうにする一成に士郎は振り返る。

「分かってるって。それより座禅が始まっちまうぞ。
早く戻った方がいいんじゃないか」

「いかん! もう時間がないな。すまんな、衛宮。
また明日学校でな」

「ああ」

士郎の返事を聞いた一成は急いで本堂へと走り出した。

その後姿が本堂へと消えるまで見送った士郎は再び足を進める。

(こんな穏やかな日々を遅れるとは、あの頃じゃあ考え付かなかったな・・・)

内心の幸せを噛み締め階段を中ほどまで降った時、
辺りを士郎がかつて慣れ親しんだ空気が満たす。

それを敏感に感じ取った士郎は素早く石段に伏せる。

(・・・血臭と・・・これは魔力か!)

近くの藪へと這いずりながら素早く状況を判断すると、
制服のボタンを外し、胸へと手を差し込んだ。

胸から引き出された手が握っているのは、
金属光沢を消す処理を施された黒い拳銃であった。

べレッタM92F

九ミリパラベラムを使用する米軍の正式拳銃である。

(ちっ! 魔術師相手には心もとないな)

装弾数と携帯性を考えて士郎が、
常時携帯している護身用の拳銃である。

並みの強盗や暗殺者であれば十分ではあるが、
魔術師相手となると威力には不安が残る。

(弾種は・・・あちゃ〜・・・対魔用弾は無いんだった)

更に間の悪いことに、かさ張るという理由で
近頃は滅多に使用しない弾装は携帯していない。

頭の中では不利な状況下での戦闘を避けろと経験が忠告を発していたが、
ここは柳洞寺の目と鼻の先である。
一成たちに危険が及ぶ可能性に思い当たり、その忠告を押さえ込む。

(さて行くか・・・)

ゆっくりとした動作でスライドを引いて初弾を薬室へと送り込むと、
士郎は素早く地面から起き上がり、身体を屈み込ませる。

注意深く周囲を見回し、安全確認を行うと、
屈みながら極力音を立てないように次々と木の陰へと素早く移動する。

魔力の発生源の近くの木陰へと身を潜ませると、
木に背を付けゆっくりと覗き込んだ。

そこにいたのは妖しげなマントを着た人影だった。
胸の盛り上がりから女性である事は解るが、
フードを深く被っているために顔を確認することはできない。
深手を負っているのだろうか、吐く息は荒い。

こっちに気付いていないことを確認した士郎は、
ゆっくりと木陰から人影へと歩み寄る。
銃口は人影の頭へ向けられて、いつでも撃てるように指はトリガーに掛けられている。

「動くな・・・」

静かに、しかし、威圧感を以って士郎は人影へと警告する。

士郎の言葉に人影はびくりと身を震わせると、
彼に俯いていた顔を向ける。

そこにあったのは人外の美。
そのあまりの美しさに士郎の思考は停まった。

「誰?」

「衛宮士郎。人間だ」

女性からの問いに士郎は余分な雑念を振り払うと、
簡潔に自分の名と正体を答える。
(簡潔すぎるが答えは答えである)

「君は・・・人間か?」

士郎の問いは彼女の人間離れした存在感の無さから出されたものだった。

「・・・いいえ、サーヴァントよ」

士郎の問いの意味を正確に理解した女性はこれまた簡潔に答える。

「サーヴァント・・・奴隷・・・・・・聖杯戦争か!?
聖杯は既に破壊されたはずだぞ!」

驚きと心の奥底に尚も燃えつづける憤怒に声を荒げる。

「そんなことは知らないわ。
私の知っていることは私が召喚され、聖杯戦争が始まろうとしていることだけよ。
それよりも、聖杯戦争を知っているということは、貴方、魔術師ね」

そう士郎に問い掛ける女性の顔に浮かぶのは絶望と諦観だった。

     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ああ、魔術師でもある」

女性の表情に気が付いた士郎はゆっくりと頷いて答える。

「どういうこと?」

               ・ ・ ・ ・
「他にも魔術師は単なる副業と手段に過ぎない」

明確な答えを士郎は当り障りの無い言葉ではぐらかす。

「まあ・・・どうでもいいわ。私は結局、利用され尽くされるのね・・・」

「何を言っているんだ?」

女性の諦めに色づけられた言葉に、
士郎は訝しげに聞き返す。

「どうもこうも無い! 私は死んでも生きていても利用されるのよ!!
どうせ貴方も私を利用しよとしているんでしょう!!!」

泣き叫ぶ女性に士郎は銃を仕舞うと、
彼女の頭を胸に抱えるように優しく抱きしめた。

「なっ!」

驚きの声を上げる女性の背中を撫でるように擦る。

「俺は君を利用する気は無い。今ここで誓うよ。
‘今後一切、衛宮士郎は貴女を利用しないことを誓う’」

それは魔力も込められていないし、
何の拘束力も無い言葉ではなかったが、
女性の胸に優しく暖かく染み渡っていった。

「うっ・・・うぅ・・・」

女性は顔を士郎の胸に押し付け、
その暖かさに思わず溢れ出そうになるのを懸命に我慢している。

「我慢しなくても良いんだよ」

自分より年下の少年の優しい言葉に、
彼女はとうとう彼の背中に手を廻して声を出して泣き始めた。

士郎も優しくポンポンと彼女の背中を叩く。

その見たものを恍惚とさせるような美しい抱擁は、
木々と月を観客にしてしばらくの間続いた。


あとがき

初めまして、Fateメインの二次創作を書かせて頂いているくろのです。

二次創作の作成は初めてです。
初心者中の初心者です。恐らく、至らない点が多々有るかと思いますが、どうかご指導をよろしくお願い致します。

レス返し

Pr.K様>レスが頂けるとは思いませんでした。
    ご指導、本当にありがとうございました。
    どうか、この未熟者を見捨てずにいてやってください。

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