「くそっなんで俺が貴重な魔法回数を使ってまで校舎を修理しなきゃいけないんだよ」
現在昼休み。午前中に壁を壊した罰として仲丸は修理をしていた。
・・・仲丸確か和樹の黒鍵で重傷じゃなかったか?
「大体壊したのは、松田じゃないか!俺は被害者だぞ!あと少しで風椿玖里子が俺のものになったのに!」
「無理に決まってるだろ」
「そうですね」
仲丸に突っ込みを入れる和樹と水輝。
現在二人は、仲良く水輝の手作り弁当を食べている。
水輝ちゃんの家事能力はかなり高い。あの『正義の味方』に匹敵するぐらいだ。
それと貧乏なのを合わせてか、和樹は朝、昼、晩と合わせて、水輝の料理をご馳走になっている。
断言しよう和樹。君は立派なヒモだ自覚したまえ!
まぶらほ〜神殺者〜 第二話日常の終わり午後の部
「式森、お前には目標がないのか!しかも俺を売りやがって!」
「・・ひっそりと平和に過ごすこと」
無理だろう。作者がそんなこと許さん。お前は『アンリミデット修羅場ワークス』でおどってもらうぞ、くっくっくっ!
「へ〜あんたの目標って覗き行為最低ね!」
「げっ松田!」
突然、現れた松田に驚く仲丸。和樹はから揚げをおいしそうに食べている。
「俺なら目標は向こうかな」
その場にいたもう一人の男浮氣は窓の外から校庭を見る。
「一年の神城凛、中々の美形だと思うがな」
浮氣の見ている先には学園の制服ではなく緑色の巫女服を着ている小柄な黒髪の子がいた。
「浮氣は年下好みか」
「・・まあ確かに、この学園はかわいい子多いよな」
和樹が何気なく呟くが、すぐに後悔したと反省する。理由は水輝が睨んだからだ。
「まあ、式森には関係ない話だけどな」
それを聞いた浮氣が嫌味たらしに言う。ちなみにそれを聞いた水輝の不機嫌指数アップ彼は数日後病院で過ごす。
「そうだ!お前は一年のアイドル水輝ちゃんと兄妹で昼も一緒に食べるなんてうらやましい生活を過ごしているんだ貴様にこれ以上女は許さん!」
水輝ちゃんは物凄い人気がある。なにしろ全学年が参加しているファンクラブまである。
もらったラブレター、告白された回数なんて数えるのも面倒なほどだ。
もっとも究極のブラコンでもある水輝は和樹以外の男は興味なし。
一生報われないだろう・・
「まあ午後の魔法診断で嫌でも現実を見るだろうがな」
「そうなのか?」
「そうですよ、兄さん」
仲丸達の嫌味を無視して和樹は水輝に尋ねる。
(めんどくさ〜眠いしあのマッドにあいたくないから帰るかな)
マッドとはこの葵学園の養護教諭でもある紅尉晴明のことだ。
彼は和樹の『英霊』の皆さんもびっくりな身体能力に興味を抱き、虎視眈々と解剖しようと狙っているのだ。
まあ、和樹に返り討ちにあい毎回死にかけるのだが何故か次の日には全回復している不思議野郎なのだ。
(よし、帰ろう)
和樹は最近、生徒を改造して人型バッタを作っている。との噂を思い出したので帰ることにする。
「何処に行くのですか?兄さん」
「かったるいから、帰る」
「そうですか。今日は食材が少なくなってきたので少し遅くなるので」
「ああ、分かった」
和樹はそう言って帰っていった。
「式森君、こんなところで何をしているんだね?」
「紅尉・・・・先生」
校庭にまで差し掛かったところで和樹は今最も会いたくない人物第五位に位置する紅尉晴明と遭遇する。
「何だね?その見るからに嫌そうな顔は」
嫌なんだよ。喉まででかかった言葉を何とか飲み込む。
「あ〜頭が痛くて、眩暈がして熱があって、ついでに紅尉にかかわりたくないんで帰ります」
「む、いかんなすぐ保健室に・・」
「お断りだ!」
今まで保健室につれられて改造されかけた回数数十回そのたびに戦闘不能にするのだが次の日には必ず復活するのでかかわりたくないのが本音だ。
「だが、君はずっと魔法診断を受けてないため正確な回数がわからないんだ、命にかかわることだから是非受けてもらいたいんだがね」
立派なことを言うマッド。どうやら作者は彼を誤解していたようだ。
「・・・・本音は?」
「Gストーンが手に入ったので是非サイボーグに」
「死ね!!」
ズガガ、ガッ!!
無数の黒鍵を紅尉に刺す和樹。
やっぱりマッドはマッドだった・・・
「式森さん、お帰りですか」
「ええまあ」
寮の入り口で竹箒で掃除をしていた喪服を着た眼鏡の似合う美人の『彩雲寮』の管理人でもある尋崎華怜が答える。
「そうですか、お帰りなさい」
「はあ、ただいま」
「よくできました、えらいえらい」
頭を撫でられる和樹。
「はあ・・」
あの後少し会話をした後和樹は何か考え事をしながら自分の部屋に向かう。
「やっぱり、あの竹箒は仕込刀なのかな?」
何を考えている和樹?
彼女は、悪名高い割烹着の悪魔と違うんだぞ!!
そんなことあるわけがない!!
(あはは〜そんなこと言う人はお注射ですよ)
「・・・・なんだ、今の幻聴は?」
背中に物凄い悪寒が走りながらも和樹は自分の部屋の前で立ち止まる。
「なんだ、この嫌な感じは?」
入るな。ニゲロ、ニゲロと和樹の固有スキルの一つでもある直感A(女難に関しては回避不可)が警報を鳴らす。
(逃げるか?)
そんな考えが頭をよぎるが、水輝が帰ってきた時自分がいなかったら何されるか分からないのでしかたがないので入る。
ガチャ
「なんで鍵が開いているんだ?」
確か今朝かけたはずなのに。そんな考えが頭をよぎりながらも、部屋に入ると女の子がいた。
ピンク?のツインテールをした美少女で、清純な雰囲気をかもし出している。
ただし何故か下着姿で、
「き・・」
バタン!
和樹は無言でドアを閉める。
和樹の部屋は完全な防音なっているため(外道め)彼女の叫びは外に漏れることはない。
「落ち着け、落ち着けよ和樹」
どこかの小部隊の隊長みたいなことを言いながら、自分の心を落ち着かせる。
(此処は間違いなく俺の部屋だよな)
確認するが間違いないようだ。
(じゃあアレは何だ?俺の居場所がばれたのか?・・・まさか仲丸か誰かの嫌がらせか!)
軽い現実逃避を始めた和樹君眼を覚ませ。
(くそ、こんなのが水輝にばれたらスペシャルな魔術をプレゼントされてしまう)
かなりあせっている和樹。大丈夫か?
(ふふふ、上等、戦ってやる。たとえどんな困難が待ち受けようと、味方が居なくなろうと、俺の信念が続く限り戦い抜いてやる。見てろよ!絶対に平穏を手に入れてやるからな!)
無理だって。
ガチャ
和樹は意を決して部屋に入り込む。
すると先ほどの美少女が、服を着て正座をし三つ指を突いて頭を下げている。
「お帰りなさい、和樹さん」
「・・・・」
和樹は真っ直ぐ自分のベットに向かう。
「あの、お疲れになっていますよね」
和樹はベットの下に隠してある、長さ八十センチほどのロングソードを取り出し腰につける。
(これから、何が起きるか分からないからな。何時でも『飛燕剣』を使えるようにしないとな)
和樹とことん戦い抜くつもりのようだ。帯剣許可書とかどうするんだろう?
(偽造すればいいし♪)
人間の屑ですね此処の和樹君。
「お風呂にします、それともご飯にしますか?」
(なるほど、そういう事か)
和樹はようやく合点が言ったと納得する。
ちなみに和樹、此処の不法侵入女事宮間夕菜とは一度も会話していない。
これぞ、必殺『ナチュラルシカト』ごく自然に相手を無視する凶悪な技だ。
何故使っているかというと、彼女から危険な気配、『奴と会話をするな!』
との警報が鳴っているためである。
(まあ、そのおかげで彼女の目的が分かったしな)
そう言って和樹は結論を出す。よくこれだけで結婚を迫ってきたと分かるな?
(そう彼女の目的は、毒殺だ!!)
・・・・・・盛大な勘違いだった・・・・
「和樹さんどうして黙ってるんですか?」
無言でお茶を汲みながら、夕菜の話をシカトする和樹。
「夫婦なんですよ何とか言ってください!!!」
(・・・やばいこの人、サイコだ・・)
ようやく気がついたようだ。
「和樹さん!!私達は夫婦なんですよ!!会話が大事なんですよ!」
(これとコンタクトを取れと・・・無理だろう)
「和樹さん早く誓ってください。でないとておくれに」
(逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ!!!)
和樹はいまだ妄想を口にしているサイコさん(和樹は夕菜の名前を知らない)に命の危険を感じ、某決戦兵器パイロットと逆の台詞をいいながら部屋から逃げ出そうとするが、
ポヨン!
何かやわらかい感触がし立ち止まる。それが胸の感触だと気づくのに少しばかり時間がかかった。
(大きいな・・・)
最初に考えることがそれか外道。
「あら、意外と積極的なのねじゃしましょう」
「・・・・・・」
和樹の目の前にいる金髪のモデル並みのプロポ−ションを持つ美女が何か言う。
(やばい、増援か!気をつけろ和樹、敵は強大だぞ!)
何時でも『飛燕剣』を使える準備をし油断なく構える。
こんな狭い空間では黒鍵は役に立たないし、何より和樹の最も得意とするのは接近戦での剣術だ。
そのため何時でも相手を倒せる準備をする。
「さあ、しましょう」
そう言って飛び掛る二号(風椿玖里子だが和樹は知らない)それを和樹は、
避けた
びたああん!!!!
盛大な音をたてて二号がこける。
「なんで避けるのよ!!!」
いきなり飛び掛られたら誰でも避けると思うが?
「玖里子さんいきなり何するんですか!!」
二号の行為に突然怒り出す一号。
「夕菜いいじゃない。私の次にさせてあげるから」
「変なこと、言わないでください!、そういうのはもっと純粋な、・・その・・心の底愛し合った人と・・じゃないとだめなんです」
「愛がなくてもできるわよ」
(誰か、助けて(涙))
一号、二号の会話についていけず助けを求める和樹。
突然、軽いノックが聞こえる。
(またか、流石に三人は無理です・・)
半分諦めのの境地に達した和樹が出迎えようとするが、
「失礼する」
そこに入ってきたのは、昼に話題があった神城凛だった。
「あっ、神城凛」
「凛さん」
先ほどまで言い争っていた、一号、二号が同時に気づく。
「凛ちゃん!助かった〜(涙)」
日本刀を構えた凛ちゃんに話しかける和樹。
「え、あっ、し、式森?」
和樹の態度にうろたえる凛ちゃん。ていうか和樹、凛ちゃん攻略済みですか?
「助かったよ〜ところで凛ちゃん、何のよう?アポなしで来るなんて初めてじゃない?」
「ああ、多分困ってるだろうと思って、来てみたのだが・・」
「ちょっと待ってください!!!」
普通に会話している二人に黙ってられないのが一号さん。
「なんで私を無視して凛さんと楽しそうに会話してるんですか!!」
「いや、あの落ち着いてください、夕菜さん」
「そもそも、凛さんは和樹さんの命を奪うのが最初のポジションでしょうが!!!何で駿司さんやお弁当イベントを飛ばしてるんですか!!!」
(あかん、この人毒電波まで受信しているもう無理だ・・)
和樹は勝負を決めるために構える。
「盗る気ですね。私の和樹さんをこの泥棒猫が!!!」
「あっあの・・」
「ちょっと、夕菜ちゃん落ち着いてよ」
三人が一箇所に固まる。和樹は剣を抜き人が知覚できないほどの速度で攻撃を仕掛ける。
「飛燕剣 円舞 円舞剣」
ずがあああん!!
『円舞剣』肉体速度最大まで高め高速体技によって突撃し複数の敵を切り刻む技だ。
「終わった・・・」
「式森、これはやりすぎだろう・・」
和樹の円舞剣で一号、と二号は気絶する。何で生きているんだろう?
和樹は軽い痛みに耐えながらも凛ちゃんに話しかける。
「凛ちゃんありがとう。おかげで助かったよ」
「私は何もしていないが・・」
和樹は一号、二号を窓から捨てながら答える。
「そんなことないよ、ありがとう」
夕菜の作った毒物(料理だけど和樹はそう思っている)を窓から捨てながら
微笑を浮かべ答える。
「あっいや、////・・えっとその」
和樹スマイルで完全に参っている凛ちゃん和樹君。鬼畜ですね。絶倫魔人です。
「でも本当にどうしたの?」
「えっと、家の命令・・っじゃなくて、あっでも私は・・・かまわないんだが・・・式森が・・・杜崎を倒すのに時間がかかって遅くなって」
何があった凛ちゃん?
「まあ、もうすぐ水輝も帰ってくるからお茶でも飲んでゆっくりしてよ」
「ああ、頼む」
その後水輝が帰ってくるまで二人は待ったりとした時間を過ごし、凛ちゃんは夕飯までご馳走になる。
その日、明かりは一晩中消えることはなく、和樹の部屋から出てった人はいなかったとか・・・
ちなみに和樹は一号、二号の問題を放っていたことは次の日死ぬほど後悔することになる。
あとがき
二話です。
作者が好きなまぶらほキャラは 一位リーラ 二位ディステル 三位神城凛
の三人です。
好きなキャラは優遇しますがそうでもないキャラは扱いが悪いです(キシャー)とか。
そういうのが嫌な人ごめんなさい。
レス返し>
33様>対決はそのとうりですね。いくら『飛燕剣』をつかえたとしても、『直死の魔眼』相手に接近戦は自殺行為ですからね。
セイム様>ありがとうございます。期待を裏切らないようにがんばります。
D様>開き直った人間は強いのです!