「眠い・・・」
それが式森和樹の第一声だった。
現在、九時完全に遅刻だ。
「う・・ん」
和樹の隣から声が聞こえる。
背中まで伸ばした青みがかった黒髪、身長は百六十ほど、今は眠っているが間違いなく美少女だろう。
問題があるとすれば唯一つ・・
彼女は裸だった!!
まぶらほ〜神殺者〜第一話 日常の終わり午前の部
和樹、何をしている?
「あ・・・・」
少女が眼を覚ます。翡翠色の眼をした飛び切りの美少女だった。
「おはよう御座います。兄さん」
鬼畜ですか、貴方は?
近親相姦はまずいですよ和樹君。
「そんなこと、些細な問題です」
いや、かなり不味い気がすると思いますが?
「もう、諦めてます・・・」
オープニングのクールさは何処にいった?
一線を越えたとき遠野家長男の気持ちがわかったとか、わからなかったとか・・
「水輝、そろそろ離れてほしいんだけど・・」
「兄さんの此処はそうはいってませんよ」
水輝は後から抱きつき、和樹のモノをつかむ。
「・・・・まあ良いか」
和樹は水輝とキスをしそのまま倒れこみ行為に走る。
「兄さん///」
朝から何しているんだ和樹君。
しばらく行為に時間がかかりそうなので少し彼らの説明をしよう。
式森和樹十七歳、葵学園二年生。長い逃亡生活(主に女性から)の果てで、たどり着いた日本で何故か学園生活を送ることになる。
まあ、そこまではよかったのだが運悪く和樹を探していた女性の一人式森水輝に見つかり今に至る。
どうやって見つけたと言うと某万年金欠黒ぶち眼鏡従業員に依頼して報酬の半分を前金で直接渡したら快く引き受けたらしい。
ちなみにその事実を知った和樹が、最も得意とする剣術『飛燕剣』(PCゲーム戦女神にでてくる剣技、知っている人いますか?)で従業員をボコボコにしているときに運悪く帰ってきた両義式と、
『チキチキ第178回時間無制限殺し合い大会』をしたのは余談である。
勝敗は和樹の門限の関係で引き分けに終わったが。
「兄さん・・にいさあああん」
「くっ・・水輝!・・・」
どうやら行為が終わったようだ。
「遅刻だ・・」
あの後後に一回、口で一回やったため完璧に遅刻してしまったようだ。
人それを自業自得と言う。
水輝は先に行ったため和樹一人である。
「金もない・・バイトするかな」
此処の和樹君、某金欠貧乏黒魔術師や某煩悩GS見習いに勝るとも劣らないほどの貧乏だ。
まあ稼いだお金の大半を逃亡資金に費やしたために仕方がないといえば仕方ないのだが。
「・・あのバイトが首になったのは痛かったよな・・」
和樹の言うバイトとは黒い全身タイツを着て、『キキィィーーー』と言いながら人型のバッタもどきと戦うのだが此処の和樹君、あろうことかうっかりバッタに勝ってしまったのである。
「なんてコトをしてくれたんだあああああ!!!!!」
と首領が大激怒、その結果首になったと言う訳である。
時給千五百円やはり、怪我が耐えないため時給はいいらしい。
「ああ、どうしようかな」
流石にヒモ生活はごめんらしい。
式森和樹こなしたバイト数、百以上(『埋葬機関』も含む、何を考えている『埋葬機関』?)
「あれは仲丸だよな。何やっているんだ?」
廊下を歩いている途中に見知った人物を見かけたので声をかけて見る。
「何やっているんだ仲丸?」
「うわああああああ、・・・って我が友式森和樹じゃないか。」
(誰が、友だ)
彼の名は仲丸由紀彦。二年B組通称葵学園特別監獄のなかでも一、二を争うだめ人間だろう。
何せ彼らは人の不幸蜜の味、幸福ヒ素の味と言った迷言を持つほどの、腐っただめ人間なのだから。
「保健室を覗いて何してるんだお前?」
「違う覗きではない!」
保健室の入り口で透視魔法使っている姿を見れば誰が見ても覗きに見えるが。
「じゃあ、何だよ」
内心、無視すればよかったと後悔しながら尋ねる。
「これを見ろ」
仲丸は透視魔法を使うが、その映像は真っ白で何も見えない。
「結界で、何も見えないだろ」
「そうだな」
一瞬黒鍵で串刺しにしたろっかと、危険な考えにいたるがその考えを振り払いうなずく。
「此処には三年の風椿玖里子がいるのだ、彼女の弱み握ればくっくっく・・」
『飛燕剣』で殺すか?かなりやばい方向に行きそうになるのを何とか耐えながら仲丸との会話を続ける。
「いいか、この世で最も必要なのは魔法回数だ。お前何回だっけ?」
「・・・・七回だが」
本当は八回だが過去に一回使ったために残り七回になってしまっている。
最も、『飛燕剣』を極め、さらに黒鍵なども使える和樹にとっては魔法回数などどうでもいいことだが。
「そうだ!!勉強も普通、運動も普通、何も取り柄もないお前が学園生活を楽しむのはこれくらいしないとだめなんだ!」
(なんでだよ・・)
「というわけで手伝え式森」
「やだ(0,5秒)」
某北国の了承に迫る速さで否定する和樹。
「何故だ!式森?」
「そんな犯罪に加担したくないわ!・・後、後を見ろ仲丸」
「後?」
仲丸が後を向くと、
「な〜か〜ま〜る〜」
鬼がいました。
「まっ松田!」
「仲丸!身代わりを使ってのエスケープと覗き行為は、B組協定第三条第七項に、違反だって何度いったらわかるの!?」
と言いながら右手に光球を出現させる。
「黙れ、松田何時から権力側についた!?」
「あんたがきめたんでしょうがああああああ!!!」
ちゅどーん!!!
(なんで俺こんなところにはいったんだろう?)
保健室を後にしながら和樹は考える。
「あ、そうだ」
ある程度はなれた場所まで来た和樹は足を止め仲丸のほうを向く。その手には黒鍵が握られていた。
「死ね」
松田の魔法を食らいかなりぼろぼろになった仲丸めがけて黒鍵を投げつける。
ド、ドドドン
「ぐはあああ」
仲丸の両手両足に黒鍵が見事刺さり吹き飛ぶ。
「えっ?」
松田が突然飛んできた剣に驚き、飛んできた方向を見るが誰もいない。
「?」
疑問も残るが仲丸のお仕置きも済んだので松田も教室に戻る。そこにはところどころ黒焦げになり両手両足に剣が刺さった仲丸が残されていた。
ちなみに保険室から出てきた風椿玖里子が仲丸に刺さった剣に疑問を抱いたのは別の話。
和樹が教室に入ったのは三時間目の始まりからだった。
午後の部に続く。
あとがき
第二話です。キャラたちの紹介はちょっとづつしていきます。
レス返し
33様>そういえばそうですね。でもメロムとかシエルって本当にカトリックですかね?
シエルなんて信仰とカレーどっちか選べと言われたらカレーを選びそうですし・・・
D様>シエルについてはもう少し先で明らかにします。
カットマン様>基本はギャグです。ご都合主義です!・・・勘弁してください・・
草薙京弥様>和樹は苦労します。応援してください。
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