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!警告!男女の絡み有り
18禁注意

「想い託す可能性へ 〜 番外編そのに 〜(GS)」

月夜 (2008-06-21 10:22/2008-06-22 18:54)
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 ※表現がぬるいかもしれませんが、18禁です。


  思い託す可能性へ 〜番外編そのに〜


 「ちょっ、待て! サクヤ! れい も゛ んむぅー!!」

 サクヤヒメは忠夫の制止の声に構いもせず、彼の唇に接吻する。

 頭を振って逃れようとする忠夫を、サクヤヒメは優しく両手で左右から押さえて舌を入れて絡める。

 忠夫は目を見開いて“なんでここまでしてくれる?”といった風な表情なのに対して、サクヤヒメは瞳を閉じて忠夫にキスを強制している筈なのに、彼女が心から唇を捧げているように見えていた。

 しばらく くちょ ぴちゃ ちゅぴ と、忠夫とサクヤヒメの間で水音が交わされた。

 ボウっと、忠夫の全身が淡く薄緑色の霊力の光に包まれたかと思えた瞬間、彼の口からサクヤヒメの口を通して、心眼を形作る霊力の塊が彼女の中へと移っていく。

 一応、心眼のみを移すよう心掛けているが、細心の注意を払う為にヒャクメがその見極めを行っていた。

 「サクヤヒメ様、そこまでです。心眼は、横島さんから貴女様に移りました」

 ヒャクメがそう言うのと、サクヤヒメが忠夫とのキスを止めたのは同時だった。

 さすがは命を司る女神だ。ヒャクメの見極めと、ピタリ一致している。

 ただ、忠夫から離れた彼女の艶やかな唇の端からは彼と交し合った唾液の一滴(ひとしずく)が伝っていて、なんともエロティックな雰囲気を醸し出していた。

 「令子ぉー 堪忍やー 縛られて拒めんかったんやー
 けど……気持ちえがったーっ!」

 忠夫は、口では令子に謝っていたが口調は棒読みで、本当はサクヤヒメとのキスが気持ち良かったらしい。

 さすがは煩悩魔人と言われるだけの事はあり、彼の霊力は異様なくらいまでに高まっていた。

 どうやら、白小袖の合わせ目から、零れそうなほどの大きさの双乳を持つ巫女装束の女性が、彼が望んだことではないとはいえディープキスをしてくれたという事で、男の悲しい性として昂っているようだ。

 「さて、これで第一段階は終わりました。横島殿、ご気分は如何ですか?」

 「確かに気持ちえがった。けどなー、せめて無理矢理は止めて欲しかったぞ(ん? 栄光の手は使えるんか)」

 サクヤヒメの質問に、多少顔を引き締めて彼女を睨む忠夫。けれど、その口元はニヤケていて締まらないのが彼らしい。

 また身体の自由は奪われているが、霊能力までは封じられていない事に忠夫は気付いた。

 けれど、小さな霊波刀で拘束を斬ろうとしたが、無理だった。それで、もう少し流れに身を任せるようにした。死ぬ事だけは無い。むしろ気持ち良いことがあるだろう。それだけは確かだから。

 ただ、望まぬ事を押し通されたという反発心という名の棘が、彼の心に小さく刺さっているのが気になるところだ。

 「時間が無いのですから、そこは我慢して頂けませんか? それに、儀式はまだ終わっていないのです。さぁ、続きですよー」

 「え? ちょっ、待てぇ! 服を脱がすなーっ!」

 いきなり上着を脱がされ始めた忠夫は、首を左右に振ってジタバタと暴れる。

 栄光の手で抵抗したいけれど、儀式の詳細が判らない為にそれもままならない。

 両手首・両足首を大の字に縛られてもいるので、その抵抗は微々たる物だ。出来る事といったら腰を浮かす事くらいか。

 そのせいか、むしろ脱がされるのを手伝っているようにも見えた。

 不思議な事に、忠夫の手足を拘束する材質不明な輪っかは、彼の服や下着を難無く通してしまうから脱がす事は、さほど難しくはないらしい。

 しかも、大の字ではどうやった所で全部を脱がす事は出来ない筈なのに、驚いた事に袖部分が腕をすり抜けていくではないか。

 すり抜けた後のジャケットの腕部分には、綻びの一つさえ無いのが不思議さに拍車を掛けていた。

 「はい、ではこちらもー」

 サクヤヒメは忠夫の上半身を裸に剥くと嬉しそうにそう言って、忠夫のベルトをシュルッと外し、スラックスの腰の辺りで下着と一緒に掴む。

 (あの時代。私はいつもこの方に、恥ずかしい思いをさせられながら脱がされていましたけど、こうやってみるとその気持ちが解る思いがします。
 横島殿の嫌がる表情を見ていると、なんだか身体の奥が熱くなります……んぅ)

 「ちょっ、それはさすがに洒落にならん! や やめー! うわぁ〜〜!!」 ビッイィィィ〜〜ン! バチン!

 トランクスと一緒にスラックスを一気に脱がされた為に、忠夫の如意棒はバネ仕掛けのように一瞬にして解放され、彼の下腹を叩いた。

 「まぁ、なんて立派なモノを……。キヌの半生を体験したあの時よりもご立派な……」

 忠夫の如意棒を見て、サクヤヒメは熱に浮かされた様に瞳を潤ませて、熱い吐息を漏らす。

 女華姫は部屋の隅で、顔を両手で覆って見ないようにしていた。

 ヒャクメも忠夫の如意棒に目が釘付けになって、無意識なのだろうか拳を握りながら、フトモモをこすり合わせていた。

 (お…おっきいのねー!
 み 美神さん。よくあんな……凶悪なモノを受け入れられたものなのねー!
 私、む 無理かもー……)

 声にならない驚きの声を上げて、ヒャクメは忠夫の如意棒が自分の体内に入る所を想像して、無意識に首をフルフル振っていた。

 それでも全身の目からの視線は、忠夫の如意棒から離れる事はない。

 そして、ヒャクメの意思とは裏腹に、彼女の身体は興奮していて熱を孕みだしていた。

 その証拠にツナギのような彼女の服の股間からは、お漏らしをしたかのようにジワジワと黒いシミが広がっているではないか。

 ヒャクメの女陰からは、滾々(こんこん)と熱い潤みが零れだし止らないようだ。彼女は、全身の感覚が鋭敏な為に濡れ易いからだろう。

 そんなヒャクメをよそに、サクヤヒメは儀式の次なる段階に移っていた。

 それは、忠夫の迸るほどに高められた霊力を、彼女の体内に取り入れることだ。

 「さぁ、横島殿。私の中に貴方の熱い精を注いで下さいまし」

 サクヤヒメはそう言って、忠夫の如意棒に口の中に溜めていた唾を垂らす。

 「うおぉっ、熱いヌラヌラがぁ! お おぉ! 俺の如意棒が包まれる!! こ これはたまらんっ!」

 熱い唾を垂らされていく感覚に忠夫は喜びの声を上げ、すぐに訪れた如意棒全てが温かいものに包まれる感覚に腰を跳ねさせた。

 「んふっ!? んんー! んぅー!  ぷはっ  
 (はぁはぁはぁ) んもぅ、おイタはダメですよ」

 如意棒を口に含んだ時に、いきなり腰を突き出されて喉を突かれたサクヤヒメは、エヅキを目を強くつぶって堪える。

 吐き気が治まるまでジッとしていたサクヤヒメは、ゆっくりと如意棒を口から出すと、肘をついた状態で右手人差し指を使って如意棒の先端を軽く突(つつ)いたり、つつーっと滑らせたりしながら忠夫をたしなめた。

 「そ そうは言われてもなっ。こっちの心の準備も無しにされるとほぉうっ、仕方ないっちゅうねんっ」

 「んふふふ。で・も、もう準備は……よろしいのでしょう?
 では、続きをいたしますね。 あむ」

 首だけを起こした状態で力無く抗議する忠夫に、妖艶な笑みを浮かべて言葉を返すと、サクヤヒメは彼の答えも待たずに口唇奉仕を再び行いだした。

 今度は全部を含まずに先端部分を含むだけにして、勢い良く腰を突き出されても大丈夫なようにしていた。

 その様子から、ニニギノミコトに奉仕して培った経験が豊富なのが見て取れる。

 「おおぉおー! 先端を舌のヌメリがーっ!」

 答えも聞かずに始めた彼女に眉を顰めるも、如意棒の先端周りと鈴口を丹念に舐められた忠夫は、快感にまた腰を跳ねさせた。

 しかし、今度はサクヤヒメの方に余裕があった為に、跳ねたときに如意棒の半ばまでを含むだけで済んでいた。

 忠夫の気分が昂(たかぶ)るにつれて、彼の周りに霊力の渦がいくつもの塊を作るように巻き始めだした。


 (これが美神さんが言っていた事なのかな? 美神さんの記憶じゃ霞が掛かったような光景だったけど、似ているのねー)

 ヒャクメは頬を染めながらも、どこか醒めたようにサクヤヒメと忠夫の睦み事を眺めていた。


 次第に、サクヤヒメの口唇奉仕に熱が入り始める。

 ん んふっ ネロルロ ちゅぷ くちゅちゅぷぷぷ

 先端部分を舐めるのを止めると、竿に舌を這わしながら半ばまで咥える。

 ぶぷっ ぷふっ ジュルジュル ぷふっ ジュル

 頭を上下に、最初はゆっくり振って、次第に速めながら口をすぼめて吸い上げる。

 んーー キュキュ コリコリ キュキュ コリコリョ

 忠夫の如意棒を根元まで受け入れると、その先端は彼女の喉奥の食道まで達した。

 けれど彼女の表情は苦しそうではなく、むしろ恍惚とした表情で喉を何回も鳴らして如意棒を締め付け、その合間合間に二つのタマタマをあやす様に軽く握ったりして転がす。

 そして、唐突にそれは訪れた。

 「お お おおぉおお、で でるっ。 うぉっ!」

 「んぐっ。 んくんくんく んんー んむんん んくんくんくんく ちゅぱ あふっ
 す 凄い量ですね。飲みきれないかと思いましたぁ」

 どこか甘えたような声で、舌足らずに忠夫の射精量を褒めるサクヤヒメ。口元から一筋の白い液体が零れ落ちる。

 「す すげー気持ちよかった。こんなのは、生まれて初めてだ。今度、令子にも教え込もう」

 「むぅっ、いけない方ですね。
 私がご奉仕しているのに……。 今は…今だけは、令子殿の事は忘れてくださいましぃ」

 忠夫の言葉に、サクヤヒメはちょっと悲しい気持ちになってしまった。けれど、新しい命を紡ぐにはまだまだ彼からの霊力が足りない。

 サクヤヒメは寂しい気持ちを押し隠して、今度は忠夫の身体のあちこちを啄ばみ始めた。

 「お? おおぅ!? こ これ これはこそばゆいっ。ちょっ、サクヤ。悪かった。だから啄ばむのは止めてくれー!」

 「いーえ、ダメです。んふふふ ここ? ココが感じるのですねー」

 ちゅぷ ちゅぴ れろ んんー かぷっ ちゅる

 わき腹辺りで、忠夫の反応が良かったのに気を良くしたサクヤヒメは、その辺りを重点的に啄ばんだり舌を這わせて舐め上げたり、軽く歯で噛んだりと責め始めた。

 「おっ おぉー!?」

 新たな快感に、忠夫の声が上がる。

 サクヤヒメは、忠夫の上半身を啄ばみながらも、白魚のような繊手(せんしゅ)の左右どちらかを使って彼の如意棒を扱くのを忘れない。

 時には片手の親指で、亀頭を摩ったり押し揉んだり。

 時には両手で包み込むように握ると、上下に扱きながらも指を流れるように強弱を付けて締め付けていたり。

 そして、忠夫が射精する時には必ず根元まで咥えて、精液を飲む。そのたびに忠夫は、腰を突き上げ快感の声を上げていた。


 忠夫がサクヤヒメの奉仕行動によって、都合7回も発射する間にヒャクメは疼く身体をよそに、冷静に観察を続けていた。

 彼の周りで渦を巻いていたいくつかの霊力の塊は、忠夫が射精する度に軽い金属音を立てて結晶し、実体化すると床にパラパラと落ちる。この現象が7回続いていた。

 コロコロと足元に転がってきたその珠達を、ヒャクメは摘み上げる。

 (これは……文珠じゃないのねー。
 物凄い霊力が篭められているけど、イワナガヒメ様の神気が篭められてるだけだし。
 文字も入ってないし、入らない。
 こっちは、サクヤヒメ様の神気が篭められてるのね。
 んー……、こっちもやっぱり字が書き込めない。
 これ、もしかして宝珠かも。これはこれで凄いんだけどな。
 でも、美神さんが言っていたような事で文珠が作られていないし……。
 どういうこと?)

 ヒャクメは、サクヤヒメが忠夫に口唇奉仕――いわゆるフェラチオという奴だ――を行っているのを、冷静に見つめていた。

 自身の身体の反応くらいで、調査モードに入っているヒャクメの思考は揺らがない。その反動なのか、全くの素の状態では、歯止め無く乱れてしまうけれども。

 調査対象が男のたびに、少なからず彼女は劣情を受けてしまう。そのたびに反応していては、調査にならない。それを克服した状態が、今の調査モードだった。


 それは、浅間大社上空から一時的に敵神族を吹っ飛ばした後に、忠夫がサクヤヒメと女華姫を呼びに行って空いた時間でのこと。

 ヒャクメは令子から、妙神山で忠夫が大量に文珠を作り出したという相談を持ちかけられた。

 話を聞いている時は、令子の惚気がダイレクトに彼女に届き、ちょっと困った事になった(ようするに濡れたのだ)。それでも、令子からもたらされた話は大いに気になった。

 (これは、悪用されたら大変なのね)

 ヒャクメと同じ懸念を令子も持ったからこそ、物凄く恥ずかしいのを堪えて伝えてきたと解った。

 令子のその思いを汲んで、彼女はこの事は神族上層部には報告しない事に決めた。ただし、検証は行っておきたい。そう思っていた時に、心眼の依代へ移す儀式が降ってわいた。

 ヒャクメは、念話でサクヤヒメから儀式内容を教えられた時から、密かに令子が言っていた現象が起きるのではと期待していた。

 しかし、サクヤヒメが口唇奉仕や手奉仕を行っている間は、一つとして文珠が出来る気配は無かった。出来るのは、文珠に似ているが膨大な霊力が篭められた、ただの桜色の珠や金色に輝く珠のみ。

 まれに真っ黒い珠が出現して、これだけはなぜか白抜きの文字で<黒>とか<魔>とか<闇>とか浮かんでいた。その珠らが放つ霊力に、ヒャクメは心から震え上がっていたけれども。

 いや、これらの珠に篭められた霊力からすれば、タダのとは言い難い霊器ではある。

 例えば桜色をした珠。

 コレ一つで1km四方の土地を浄化して、土には一年ほどの活力が与えられるだろう。豊作間違いなしの霊器具と言えた。

 他にも、サクヤヒメの神威である夫婦円満などの機能だけをもった珠が出来ていたり。ただ、その判別はヒャクメだからこそ出来るもので、外見からはどれも同じ珠にしか見えない物ばかり。

 またこの珠は、文珠のような汎用性がどの珠にも無いのだ。

 しかもこれは、神族であるサクヤヒメだからこそ起きている現象のようだ。これが人間なら、六道冥子クラスの霊力量の持ち主であっても、ただの1個ですらできないだろう。

 しかも無理にやった際には、女性側の霊力回復に一ヶ月ほどのインターバルが必要になるほどの、霊力涸渇を引き起こす可能性があった。

 なぜなら、サクヤヒメに神気を供給している女華姫が、明らかに儀式に必要な量以上の神気をサクヤヒメに与えていたからだ。

 本人は儀式のあまりにもの淫靡さに中てられて、気付いていないけれども。

 (これはどういう事なのね?
 サクヤヒメ様と美神さんの場合で、起こる現象が違うのはどういうこと?
 美神さんから聞いた時は、横島さんも美神さんもお互いが求め合って昂っていた筈なのね。
 けれど、目の前のサクヤヒメ様の場合は半ば無理やりで、横島さんが心から望んでいないみたいだし。
 もしかして押し付けがましいのは、かえってダメってこと?)

 ヒャクメは、起きた現象から推理を進めていく。けれど、足りないピースが多すぎて、仮説と言えない仮説しか出てこない。

 「(私がやっても同じ事が起こるかな? やってみるのねー) サクヤヒメ様、交代しましょう。私が受け取った横島さんの霊力は、ちゃんと渡しますから」

 8回目の忠夫の射精をコクコクんくんくと飲んで一息吐いたサクヤヒメに、ヒャクメは交代を持ちかけた。

 少し疲れが見え始めたサクヤヒメに交代の頃合という風に持ちかけて、焦れたヒャクメは実証に取り掛かることにしたようだ。

 「あ、はい。ホントに横島殿は凄いですね。もう8回も出しているのに、まだ衰えないなんて」

 軽く肩で息をするサクヤヒメは、お腹を摩りながらそれでも頼もしそうにして、忠夫の如意棒に熱い眼差しを向ける。

 「く くぉー。こんな美女にやってもらうだけなんてー! けどっ、けどなぁーっ! 無理矢理ってのが!! くくうぅぅ、これじゃ心から満足できねぇー!!」

 (え? 横島さん、今なんて?)

 何気なく忠夫が叫んだ言葉に、ヒャクメは引っ掛かりを覚えた。

 「(もしかして、私の仮説は正しいのかも。なら、今しかないのね! 私の想いを知ってもらうのは……)
 んふふふふ、横島さん。私も混ぜて欲しいのねー」

 仮説とも言えない事が大当たりかもと考え、ならばと彼女は自分の想いをぶつけてみようと決意する。

 ヒャクメが出した仮説とは “お互いを魂から高め合う本気のまぐあい” と、いうもの。

 普通なら気恥ずかしくて、口にも出せない仮説だ。けれど、自分には彼への本気の想いがある。これは紛れも無い本当の気持ち。

 この先、打ち明ける機会が訪れないものと半ば諦めていた。その機会が今、訪れた。儀式の淫靡な雰囲気も後押ししたのだろうが、ヒャクメは忠夫への想いを打ち明ける決意を……した。

 「ちょっ、ヒャクメ? じょ 冗談 冗談だよな? お前にまでヤラれたら、さすがに洒落にならんぞ!
 令子にバレタら、俺の命が冗談抜きで無くなる!」

 ヒャクメの参加に忠夫は驚愕の眼差しで彼女を見て、その真剣な目からヒャクメの言葉が冗談ではないと覚ると、首を強く振ってイヤイヤをし始めた。

 そんな忠夫の頭の方に近寄って、しゃがむヒャクメ。彼女の目と鼻の先に、忠夫の情けなく崩れた顔があった。

 「横島さん」

 「なんだよ? いきなり真剣な声を出したりして」

 ヒャクメが本当に真剣な表情と眼差しで忠夫に話しかけ、その雰囲気に忠夫はピンク色に染まっていた思考から醒めて真面目に聞き返した。

 「あのね。貴方に……聞いて欲しい事があるのね」

 ヒャクメの言葉に、無言で先を促す忠夫。彼は、本気には本気で応える男だ。それが美女の真剣なお願いなら、尚更なこと。

 「私はね、心から頼れる友達が小竜姫しかいないのね。他はうわべだけの、真の意味で友達とは言えない関係ばかり。
 なぜなら、私の目達は世界をほぼ見通してしまうから。
 いくら神族でも、上級以上じゃなければ私の目から全てを隠す事は難しいのね。出来る事は出来るんだけど、それには普段から物々しい結界を持ち歩かなくてはならない。そんなのを持ち歩くのは、神族でも嫌なのね。
 だから私には、裏表の無い小竜姫しか友達が居ないの。神族だって、心を覗かれるのは苦痛だから。
 だから私には、男の人も近寄らないの。数百年前の私が小さい時は、友達も裏表無くて大丈夫だったんだけどね。
 年頃になってからは、小竜姫が友達になってくれるまで、私には男女共に自分から近寄ってくれる人は、もう居なかったの。
 私にとっての世界は、嫌悪という名の暗いだけのものだったのね」

 ヒャクメの額と両の目は過去を思い出しているせいか、いつの間にか暗い色を湛えていた。

 「でもね、小竜姫が友達になってくれて、私の世界は少しだけ明るくなったのね。それからまた数百年経って、私は衝撃的なことに出会うの」

 少し明るくなった雰囲気で、ヒャクメは語っていく。その様子に、忠夫はただ真剣に無言で頷いて応える。

 忠夫の反応に、ヒャクメは心が温かくなるのが止められない。

 神族ですら避ける自分を、自然体で今この時ですら嫌悪感など微塵も出さずに自分の話を聞いてくれる彼に、ヒャクメの心は昂っていく。

 「それはね。私の能力を知っても恥ずかしがるだけで、それでも私に近付く事に躊躇もせず、それどころか遠慮なく触れてくる貴方に出会ったこと」

 ヒャクメの告白に、忠夫の方は拍子抜けた。

 彼にとって、美女・美少女に突撃するのは当たり前のことだ。それが心を覗く事が出来る女の子でも、美女・美少女なら変わりはしない。

 お近付きになって、仲良くなって、あわよくばその先までを心の底から望む彼からすれば、隠す事なんて無い当然の事だから。

 そんな忠夫の心が自然と流れてくるヒャクメは、嬉しくなる。どんどん彼を愛しく想う自分の昂りを、抑えられなくなる。今、この瞬間にも彼に抱きついて、想いの丈をぶつけたくなる。

 でもまだだ。まだ自分は、全てを語っていない。

 「横島さんは、たったそれだけの事と思っているけど、私にとっては奇跡に出会ったようなものなのね。
 私は嬉しかった。
 小竜姫以外、どんな人にも心の奥底では嫌悪の目で見られる私をありのまま受け止めて、なおかつ嫌悪もせずに私に触れようとしてくれたのが嬉しかった。
 例えそれが、横島さんが私の事を欲望の対象として見ている時でも、私は貴方の心のままに応えてあげたいと思ったほどに嬉しかったの。
 だから……だから、私の想いを受け取って欲しいのね。美神さんが居ても良いの。私が貴方を……忠夫様をひと時の間だけ求めるのを許してほしいのね」

 ヒャクメは潤む瞳で、忠夫を見つめ続ける。ずっといつまでもなんて、贅沢な事は言わない。それは出会ったこの奇跡を逃してしまうことだと思うから。

 ただひと時だけ、想いを重ねられる時間が得られるだけで自分には充分だから。そう思い、ヒャクメは忠夫を見つめ続ける。幼子のように、拒絶される不安を押し殺しながら。

 「正直俺は、ヒャクメがそこまで俺の事を想ってくれているなんて、考えもしなかったよ。
 ありがとう。
 ありふれたこんな言葉しか出ないけど、こんな煩悩塗れな俺をそんなに想ってくれて。
 俺で良ければなんて言わない。俺もヒャクメが欲しい。
 こんないい女。他の誰かに渡すなんて、そんなもったいないこと出来るもんか!」

 手足を大の字に縛られた情けない状態ながら、忠夫は真剣にヒャクメに応える。

 「ありがとう……なのね」

 忠夫の言葉に、ヒャクメはもう自分の想いと昂りを抑える事が出来なくなった。

 それでも彼女はゆっくりと、忠夫の唇に自分の唇を重ねる。嬉しさに涙が溢れてツツーッと、頬を伝い落ちる。

 ヒャクメにとって、本当に初めてのキス。

 それを、初めて好きになった男性に捧げる事が出来たヒャクメは、忠夫が伸ばしてきた舌を震えながら恐る恐る受け入れる。

 ちゅ くちゅ ちゅる ちゅぴ  

 「ふー、んぅ…… あむ。 ふぁ…こんなフワフワな気分初めて。    身体が熱いよう……」

 忠夫からの想いが流れ込んでくるヒャクメは、身体の裡側から溢れてくる熱さに耐えられなくなってきて、思わず顔を上げてキスを止めてしまった。

 瞳をとろとろに潤ませてキスを止めてしまったヒャクメを、忠夫は静かに待つ。

 身動きできないのはもどかしいが、それ以上に今のヒャクメの表情が見逃せないほど綺麗なのだ。

 だから彼は、ヒャクメを愛でる。身動きできないからこそ、頭の中で彼女を愛でる。心を読む彼女が身悶えるほどに、視姦してやる。

 念話の要領で頭の中で彼女の目元にキスをし、前歯の隙間から舌をこじ入れて丹念にゆっくりとかき乱す。

 じっくりとヒャクメの口の中を堪能した後に、たっぷり唾液を絡ませて無理矢理に飲ませたあと、そのままおとがいに舌を這わせてキスマークをきつめに付けていく。

 「あ ふぁ らめぇ そんな こんな事ぉ 触れてないのに 感じっ! ひぅぅ」

 ヒャクメは強制的に流れ込んでくる忠夫の情念に、涎を垂らし身体をビクビク震わせながら抗えずにいた。忠夫の妄想通りに、ヒャクメの首筋にはキスマークが浮かび上がっていく。

 忠夫はグイっと、頭の中でヒャクメの身体を自分に引き寄せた。

 それに合わせて、ヒャクメの身体が熱に浮かされた様にフラフラと、忠夫の身体に覆いかぶさる。

 忠夫は更に、ヒャクメが着ている神衣を腰の半ばほどまで剥くイメージを送りつける。

 すると、彼女の神衣は背中のジッパーがひとりでに下がっていき、上半身を顕わにして形の良い美乳をまろび出した。

 「いやぁ そんなに熱い視線で ひゃぁう! 舐めまわすように視ないでぇ」

 忠夫の考える事が筒抜けな為に、余計にそう感じてしまうヒャクメ。

 ならばと、忠夫はキスの雨をヒャクメの両乳房に浴びせるイメージと、その上に右手と左手を使って乳房や女陰の周りを愛撫するイメージを彼女に飛ばす。

 けれど、決定的な所だけは触れてやらない。

 とたんにヒャクメの身体は、敏感に跳ね上がる。けれど満たされない。触って欲しい所に触れてくれないもどかしさに、忠夫の身体に擦り付けるように身体をよじる。

 ヒャクメの身体が、いつの間にか薄い緑色の太い縄に絡め取られていた。

 なんと、忠夫の栄光の手が両手から伸びて、ヒャクメの身体を愛撫しているではないか!

 イメージで愛撫され、実際にも栄光の手で愛撫され、ヒャクメは二重に昂っていく。

 忠夫とヒャクメの周りに、いくつもの霊力の塊が渦を巻きだした。それは先ほどのサクヤヒメとの睦みごとで起こった現象に良く似ていた。

 けれど、その本質はぜんぜん違う。

 忠夫がヒャクメの想いに本気で応えている事によって、彼女の想いに乗せられた霊力を彼が受け止めて、合わさった二人の霊力の圧縮度が桁外れに違っていたからだ。

 「あっ あっ ひぁぅっ! うくっ ぃきゃう  なん なんで? キスだけなのに 忠夫様の栄光の手が私を触っているだけなのにぃ  きちゃうっ おっきな波がきちゃうっ のねー!」

 身体を縛られているといっても、忠夫の栄光の手は動く。霊能力は封じられていないのだから。

 さっきサクヤヒメの奉仕を受けていて、霊能力が使える事は判っていた忠夫。だけど、意地でもやりたくはなかった。例えサクヤヒメが望んでいたとしても、無理矢理に始められたという事が引っ掛かっていたから。

 けれど、ヒャクメの本気に触れて、彼女には一緒に昂ってほしいとの想いから、忠夫は栄光の手を発動させた。

 ヒャクメは、豊かで形の良い美乳の頂を忠夫の胸にこすり合わせ始めた。

 さらに忠夫が望む自分の秘所に、彼の如意棒を神衣越しに擦り付けるようにして無意識にフトモモで挟み、彼も一緒に気持ち良くなってほしいとぎこちない動作で腰を動かし始めた。

 そんないじましい様子に、忠夫はまずヒャクメを一回イかせることに決めた。

 想いを念に篭めて、ヒャクメの大事な所をツナギの様な服の上から優しく刺激していく。

 彼の栄光の手は、神衣である筈のヒャクメの服を透過し、彼女の性感帯をダイレクトに刺激していた。

 けれどそれは、忠夫にとっても諸刃の剣だった。如意棒に感じるヒャクメのフトモモの感触が、強い圧迫感によって倍増してしまい、受ける快感が加速してしまったのだ。

 「あ あっ アッ アァッー もう とんじゃうっ (くにゅ)ひぅっ ひゃめーっ!」

 「うぉっ!」

 忠夫にクリトリスを服越しに軽く捻られたヒャクメは、とうとう登りつめてしまった。

 ヒャクメが昇りつめたその時、フトモモを強く締め付ける彼女の予想外の行動に、忠夫もまた噴水のように射精し、彼女の尻をまばらに白く染めた。

 (くぅー、ヒャクメのイキ顔を一瞬見逃したぁーっ! なんで目を瞑るんや、俺のアホー!!)

 忠夫に覆いかぶさった状態で勢い良く上半身を仰け反らせ、身体を硬直させながらもビクビクと身体を震わせるヒャクメを見ながら、彼は心の中で絶叫する。

 「んんんんぅーーーー!!」

 その忠夫の心の声にまた反応して、ヒャクメはまたイッた。強い羞恥が、思わぬ引き金になったらしい。

 彼女の秘所から大量の愛液が出たのか、お漏らしをしたようにツナギの股の部分がさらに濡れそぼる。

 「あ ひっ あ あぁ あーー はぁ はぁ はぁ すぅー  はぁ〜〜」

 アクメの余韻が続いていたのが落ち着いたのか、ヒャクメは大きく息を吸って吐き出すと、クタッと忠夫の身体の上に覆いかぶさった。

 いつのまにか、周りには20個ばかりの文珠が出来上がっていた。

 「忠夫様、ありがとう」

 忠夫の胸に横顔を付けて彼の鼓動を聞きながら、ヒャクメは呟くように、想いを受け止めてくれたお礼を言う。

 「ヒャクメ。その忠夫様っての、やめないか? なんかむず痒い」

 そう言って、忠夫は気恥ずかしさに身動ぎする。

 「んふふ、ダメなのねー。皆の前じゃ忠夫様がキツイだろうから言わないけど、二人きりの時は我侭を聞いて欲しいのね」

 「うぉっ、ちょ、ヒャクメ?」

 ヒャクメは忠夫の鼓動に耳を傾けながら、右手を萎えてしまった彼の如意棒に添えて弄り始めた。

 さっきまでいじましかった様子が嘘のような、ヒャクメの豹変振りだった。

 「ここからは儀式の続きなのね。私を受け入れてくれたお礼に、頑張るのね」

 フラつく身体を起こしながら忠夫に言ったヒャクメは、そろそろと身体を彼の下半身の方へ下げていく。

 そのせいで忠夫の如意棒は、ヒャクメの股間から下腹を経て柔らかな双乳へニュルニュルと擦り付けられて、その快感にムクムクと勢いを取り戻し、彼女の顔の前に来た時には雄々しくそそり立っていた。

 「いや、もう、この生殺し状態をどうにかしてくれー!」

 「だぁめ。忠夫様の自由にさせたら、私なんてあっという間に果てちゃうのね。
 それじゃ、いただきま〜す。  あむ」

 忠夫の懇願を柔らかく拒否して、ヒャクメは嫣然と微笑んでから彼の如意棒を浅く含む。気になるのは彼の栄光の手だが、なぜか発動していない。

 ま、いっか。と、ヒャクメは流して口唇奉仕に没頭し始める。火照りに火照った彼女の身体の疼きが、考えるのを放棄させたようだ。

 ちゅる んちゅうー じゅちゅるちゅりゅぅ じゅろじゅるっ ぶじゅりゅりゅ!

 「おひょっ。うぉぅ す すげっ ヒャクメの舌の動き、俺のツボを知っているかのようだっ おぅっ」

 如意棒を含まれたとたんに物凄い快感に襲われて、忠夫は激しく腰を突き上げてしまった。

 サクヤヒメの口唇奉仕の仕方を見ていたヒャクメは、その激しい突き上げにぎこちなく対応してみせる。

 それでも何回か喉を突かれてしまい、時々吐き気を堪える為に動きが止まってしまうけど、吐き出すことはしないところに彼女の想いの深さが表れていた。

 「(んんんぅー はぁ)だって私はヒャクメなのね。
 忠夫様の感じる所なんて、一目瞭然なのねー(んちゅ)はむ」

 ぬろーっと、如意棒を吸い上げながら口から出したヒャクメは、忠夫の疑問に答えてからまた口唇奉仕に戻る。ちょっと楽しそうだ。

 自分の愛撫で、忠夫が喜ぶのが嬉しいのだろう。

 「うぉぉおおー、すごっ こ これはヤバイ」

 「もう、二人だけで楽しむなんてズルイですよ。私も混ぜて下さい」

 いきなりサクヤヒメが、忠夫の頭の上から話しかけてきた。

 「サクヤヒメ様も、忠夫様を喜ばせるのねー(今はこれだけで私は充分。貴方を私の中に受け入れるのは、もう少し待ってほしいのね。恐いから)」

 参加してきたサクヤヒメに微笑むと、ヒャクメは如意棒への口唇奉仕を激しくしていく。せめて、受け入れられない代わりにという意味を篭めて。

 「むぅお んちゅ ちゅるっ(いやーっ! 自分のモノがー!!)」

 サクヤヒメのキスで、自分の精液の風味が彼女の唾液と一緒に流れてくるのにジタバタする忠夫。でも、サクヤヒメは容赦はしなかった。

 キスを止めたサクヤヒメは、その豊かな双乳を忠夫の顔に乗せてパフパフしだす。

 「むぉー!(うぉぉー、弾力がたまらんー!)」

 美女二柱による忠夫への奉仕は続く。

 女華姫はそんな光景に赤面し、顔を覆いながらも指の隙間から目が離せないでいた。

 どんどんサクヤヒメに女華姫の神気が流れ込んでいくのだが、そんな事を気にしている余裕なんて彼女には無く、いつの間にか仮の姿から真の姿に戻っていた。

 その頃になると、忠夫の目は虚ろになっていてかなり搾り取られていたのだけれど、彼の如意棒だけは衰えずに屹立している。

 その光景に、ただ凄いという思いだけが女華姫の脳裏に焼きついていた。


 ヒャクメは、サクヤヒメが行うこの儀式が、心眼を現世に生まれさせるには必要なことと理解している。だから申し訳ないと思いつつも、彼からの霊力採取を止める事はできなかった。

 受精卵を子宮に着床させる事によって人間は、命に肉体を与える。これはもう世界の理だ。

 だがサクヤヒメは、その存在自体が世界に命を生み出す女神と、世界に定義付けられている。なので命が生み出せるほどの霊力があれば、受精による子宮への着床は必要ない。

 しかし、それでもこの日本では、男神と女神が協力して子を生み出さなければならないと、日本人全ての祖神であるイザナギノミコト・イザナミノミコトの時代から、クニ生みの儀によって決められている。

 今、サクヤヒメが行っているのは、ヒルコ神(現代の大黒様の大本)が生まれた時に酷似しているが、肉体となる依代はあるので問題は無い。

 ヒルコ神が生まれた時は、女神であるイザナミノミコトが先に男神であるイザナギノミコトに愛の言葉を告げた事から、四肢のない身体で生まれてしまったという神話が残されている。この時は、女神の体内で上手く二柱の霊力が混ざらなかった為だった。

 けれど今回は、逆に肉体が作られては困るのだ。

 現世に留めておくには依代があれば充分であり、人型や武器の形に変身するには固定された肉体は要らない。

 その為にサクヤヒメにとっては心苦しくも、忠夫の意思を無視した形で儀式を進めねばならなかったのである。

 上気して桜色に火照った身体を、サクヤヒメはゆっくりと起こした。どうやら、忠夫の如意棒から充分な量の霊力を受け取ったようだ。

 儀式を始めた最初の頃に、彼を昂らせる為に彼の身体の至る所を啄ばみ、舐め転がしたりしていたサクヤヒメ様。

 けれど、忠夫は真の意味で昂っていたわけではなかったらしく、彼女が思っていたよりは精液に含まれる霊力が少なかった。

 (それが私が本気の告白をしてからは、忠夫様の霊力の密度が数百倍にまで濃縮されて、必要な霊力がすぐに溜まっていったのねー)

 霊力が意志によって左右されるという、良い見本のよう。

 そんなことを、つらつらと考えるヒャクメ。そんな彼女は、エクトプラズムを吐いて呆ける忠夫に罪悪感一杯で、現実逃避を行っている模様。

 忠夫が呆けているうちに、サクヤヒメの儀式は進む。

 それでも念の為ということで、ヒャクメとサクヤヒメがキスをしてヒャクメの中に溜まっている忠夫の霊力を受け渡す事を最後に、儀式の第二段階が終了した。

 残りは、最終段階だけだ。

 火照る身体をそのままに、サクヤヒメは表情を引き結ぶ。

 「我が身に宿る心眼なる者よ  我が良人の霊力により我が霊力から形作られる器に入りて  現世に生まれ給え」

 サクヤヒメがそう詔を唱えて、自らの神気で作られた巫女装束を全て脱ぎ、体内に居る心眼を忠夫の霊力を触媒にしてその巫女装束に移していく。

 巫女装束に心眼を形作る全ての霊力が篭められると、サクヤヒメは次なる詔を唱える。

 「人の形を取りし時は我が身を纏っていた装束を
 武器の形と成りし時は良人の霊力満つる神剣を
 されどそなたには定まる姿は必要無し
 そなたの望む姿を世界に現せ!」

 左手に持っていた依代とする神剣と、心眼が篭められた巫女装束を空中に浮かべたサクヤヒメは、詔が進むにつれて形を失った二つの依代を気合を篭めて融合させた。

 融合した二つの依代が一瞬眩く光り輝いたかと思った次の瞬間、そこには10歳くらいの女の子が立っていた。

 「どうやら成功したようですね。……あら? あれ? なんだか必要以上に、姉さまの神気が篭められているような……」

 この世に生まれ出でた心眼を見て、冷や汗を流すサクヤヒメ。

 そう。サクヤヒメが感じたとおり、イワナガヒメである女華姫の神気は彼女が腰砕けるほどに心眼に注がれていた。

 おかげで心眼は武器化した時、イワナガヒメの恩恵に与ってその強度と粘りは、数々の伝説に登場する神剣らと並ぶほどの物にまで高められていた。

 なぜなら、イワナガヒメの世界に定義された意味は、悠久の不変であり不偏。

 どんなに小さな砂粒になっても、遍(あまね)く存在する事だからだ。その事を以って、サクヤヒメとニニギノミコトに降りかかる穢れを、地に還すとしていたのだから。

 ここに新しい破邪の神剣が誕生した事に気付いているのは、サクヤヒメとヒャクメの二柱のみだった。

 それを振るう主である忠夫はエクトプラズムを吐きながら呆け、岩のように永久(とこしえ)に在る媛(ひめ)は、腰砕けながらも熱き瞳で彼から視線を離せないでいる。


 彼女の自覚の無い熱き視線に、忠夫が気付くのはいつになるやら。


 こうして心眼は、この世界を自由に見聞きできて感じる事のできる身体を手に入れた。

 命育む女神の神気や穢れを受け止め浄化する女神の神気と、世界を見通す女神の神気に鍛え上げられて。


 本編へ続く


 おはようございます、月夜です。想い託す可能性へ 〜 番外編そのに 〜 を、ここにお届けします。
 私事でモチベーションが下がってしまい、仕事が続けられなくなって出勤拒否という事態。時間はあるのに書く気力が湧きません。
 仕方なく、以前に書き上げていた番外編をお届けします。
 本編については、7月中に投稿できればとも思いますが、未定です。

 では、レス返しです。

 〜ソウシさま〜
 いつもレスの書き込み有難うございます。
>横島の謎がいくつか判明……
 ルシオラが一撃で戦闘不能になるような強化されたベスパの攻撃を、人間にしては高いとはいえ彼女より防御霊力の劣る横島が、即死しない理由は? と、考えていたら心眼が居ました。
 彼女は健気にも、残った力の残滓で抵抗を続けていました。
>心眼大人ver暴露ですね
 レスを見た時は、予想されやすい物語なんだなーと、実感したものです(笑)
 まぁ、心眼の大人Ver.は時間制限付きなので、一昔前の変身魔法少女みたいなんですけどね(ハハハ)
>横島の前でやるとは……
 とりあえず、自分の能力を主である忠夫に知ってほしいという考えからやったんです。だけど、自分の容姿にさえ無頓着でもあったので、飛び掛られるとは夢にも思っていなかったようです。
 思わず撃墜できた理由は、散々令子に迎撃されていた主の経験が彼女の身体を動かしたんですよ。おかげで迎撃タイミングはバッチリでした。
 まぁ心眼の事ですから、次回からは自分で迎撃できる事でしょう(笑)
>最後にワルQ達……
 彼女たちも、何とかしないといけませんねー。
 今回のお話が、楽しんでいただけるものでありますように。


 〜読石さま〜
 いつもレスの書き込み有難うございます。
>本当に心眼は……
 本当に主思いですよね。そんな彼女に、女華姫属性が入ってしまいました(^^ゞ 人の想いの機微に経験が無いので、女華姫以上にシュールに突っ込んでくれそうですが(笑)
>新たに萌えっ子に進化……
 赤玉・青玉のアメ食べたあの女の子が発想の原型という裏話。そこにQTハニーが混ざった!? と、いった感じです(爆)年齢がばれますねー(タハハ)でも、子供心に小さな女の子が大人の女性に変身する姿は、妙にエロティックに思えました。
>そして美神さんは……
 今の令子さんは、原作の過去美神さんに手紙を出した時の惚気全開ですよー。気恥ずかしさも、失うことに比べたらなんでもないのです。
>最後に鬼門達……
 ワルキューレの八つ当たりというシゴキも、彼らの糧となるでしょう。でも、打たれ強くなるという事は…………サンドバッグ決定?
 今回のお話も、楽しんでいただけるものでありますように。


 〜いしゅたるさま〜
 続けてのレスの書き込み、有難うございます。
>その中で美神は……
 もう仲間も忠夫も失いたくない令子さんですから、気恥ずかしさなどでは止まりません。身もだえはしますけどね^^ ただ、自分だけを見てくれなくなるのはやはり寂しいようで……。なので、女性陣の想いの深さを掌握して、筆頭をキープするつもりなのかも。
>女だらけの宴会……
 半分まで書いていての自分の感想。纏めきれるだろうか? この一言ですぅ。今は私事でモチベーションがどん底まで下がっていますが、ネタだけは書き込んでいますので、後は纏めていくだけ。でも、それが難しいです。
 華やかで艶やかなのは確約できますけど(笑)
>フルボッコの刑
 今回の番外編での彼女の想いがありますから、私としては無碍にしたくないんですが、こればかり令子さん次第ですからねー(^^ゞ
 今回のお話も、楽しんでいただけるものでありますように。


 〜星の影さま〜
 いつも、レスの書き込みを有難うございます。
>お、遅れた……
 いえいえ、レスを頂けるだけで嬉しいです。これからも時期を逸したとは思わずに書き込んで頂ければ幸いです。
>ふむふむ…ヒャクメ…なむー(−−)
 今回のお話で解る様に、彼女的には便乗とは言っても本気の告白もしているんですよ。でもまぁ、ドジっ娘ですからねぇー。どうなるかはなんとも言えません(笑)
>搾りかすとなった忠夫……
 煩悩魔人の名は伊達ではないようで(笑)今回の番外編で、どのように搾り取られたかは判明した訳ですが……羨ましいばかりです(呪)
>心眼大人になれる…。ですか。
 ええ、私の元々の発想は、読石さまの所でお答えしたように、手○ 治氏と永○ 豪氏のアニメから来ています。
 ま、大人Ver.と言っても、1時間しか今のところ保ちませんけど(^^ゞ
>彼らのこと、完全に忘れてました
 ええ、作者の私ですら時々忘れるくらいです。それは仕方ありません(笑) 虎と同じくらいに存在感薄いんでしょうねー。
 まぁ、頑張って生き残るでしょう(酷)
>私としては心眼の活躍を期待
 ご期待に副えるような物語を紡げるインスピレーションが来るよう祈ります><
 今回のお話が、楽しんでいただけるものでありますように。


 〜あらすじキミヒコさま〜
 いつもレスを書いて頂き、有難うございます。
>描写の美しさをツカミにしている
 このような評価は初めてでした。嬉しい限りです。おキヌちゃんは主要な登場人物なのに、登場回数が少なくて少しでも描写しようとしたのが前話の冒頭でした。
>なによりも素晴らしかったのが……
 心眼の変身や変形に、共感頂いて嬉しいです^^ 元ネタはメ○モちゃんと仰るとおりのQTハニーです。でも、キミヒコさまのレスで心眼による魔女っ娘も良いなぁと、アイデアが出てきました。形にはまだなってませんが、どこかで生かせたらと思います。
 今回のお話も、楽しまれるものであることを祈ります。


 次回の投稿は、すみません。ちょっと先が見えません。7月中に投稿できればとも思いますけど。
 もう仕事やお金の事を考えるのは、嫌だなぁ……

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