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「GS横島!? 幸福大作戦!! 第九話」

チョーやん (2008-05-24 22:54)
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「クッ…………」

 状況は最悪と言えた。

 こんなことになるならば、早苗には何が何でも残っていてもらうべきであったと後悔するが、
今更それを言っても後の祭りである。

どうしたのかえ? はようせぬとこの小娘の息の根が止まってしまうぞえ

「くぅぅぅ……」

「さ、早苗!」

 横島の焦燥を余所に、余裕綽綽に言い放つ死津喪比女。
 苦しげにうめき声を上げる早苗の様子に、思わず父親が声を張り上げる。

 横島は対峙して睨みつける体勢のまま、一瞬だけ視線をチラリと左側に向ける。

 祠から直接崖の上に先回りしたタマモは、どうやら裏手の森に駆け込んだようである、
幸い死津喪比女に気付かれた様子はないが、しばらくは時間稼ぎをする必要がありそうだ。

 とりあえず敵は死津喪比女が“花”と称するヤツが一体のみのようである、
ここは内心の焦燥を抑えつつ、冷静に対処しなければならない場面だ。

「オイ、ちょっと待て!! なんでお前が出てこれるんだ?
地脈を封じられて休眠状態のはずじゃなかったのかよ!?」

 とりあえずは相手の気を逸らす為に疑問に思ったことを口にする。
 それは至極当然に思える質問であるため、時間稼ぎとは思われ難いはずである。

 ここは死津喪比女を倒すヒントを得る為にも、又、今後似たような相手と対峙した場合に備える為にも、
敵である死津喪比女から情報を聞き出す必要があった。

 幸い、優位な立場に気を良くした様子の死津喪比女が上機嫌に答えを話しだす。

ククククク……妾とてこの三百年の間、ただジッとしていた訳ではないわ。
地脈を封じたと言っても、完全に遮断された訳ではない……
そんなことをすればここら辺りの山々が死んでしまうでな……ククク……

「!! まさか!?」

 その言葉の意味を察した横島が、ハッと顔色を変えて声を上げる。

ククク、そうよ……ほんの僅かに漏れ出る地脈の力を少しずつ溜めておったのよ。
……三百年……ほんに長かったぞえ……屈辱に耐えながら力を溜める日々はの……

 その言葉の後半から急に口調が変わり、何かを堪えるかのように眉をひそめ、眼を閉じる。

 これまでの忍耐の日々を思い出しているのであろうか……だが、それもほんの数瞬の間であった。

じゃが、それも今日この日で終わりよ! 見るがよい!! 妾のこの三百年の成果を!!!

 カッと眼を見開き、両腕を――左手の早苗ごと――広げて天に掲げ、顔を上に向けて高らかに宣言する。

 その宣言の直後、背後のあちこちの地面がボコボコと盛り上がり、
その隆起した土から次々と顔を覗かせたのは……異形の怪物(もののけ)達の姿であった。

 まるでオケラとサソリを掛け合わせたようなその怪物は、
死津喪比女が“葉虫”と呼称している者達である。

 続々と地面から這い出してくるその“葉虫”は、次第に隊列を整えていく。

 その数はおよそ三十体前後であろうか……更には……

(“花”も……か!)

 そう、早苗を捕らえているヤツの左右にも、更に同じ二体の花が姿を現していた。

 だが、更に……

ククク……これだけだと思うのかえ?

「…! 横島君、右だ!!」

「なっ!?」

 宮司の言う方向に眼を向けると、そちらにも正面の敵と同じ数の花や葉虫が森の中から出現する。

 だが、横島が驚く暇もなく今度はおキヌが声を張り上げる。

『横島さん! 左も!!』

なんだと!?

 今度こそ驚愕の声を上げる横島。

 そちらにはタマモが……

キャアッ!!

「タマモ!!」

ククククク……こんな所にも小ネズミが潜んでいたかえ……

 悲鳴が聞こえてくるのと同時にタマモが森から飛び出してくる。
 その後を追うように敵が続々と森から出てくると、タマモに攻撃を仕掛けてきた。
 どうやらそちらも正面や右側の敵とほぼ同数のようである。

 なんとか死津喪比女の攻撃を避けている様子ではあるが、いかに妖狐の身体能力を持っているとは言え、
三体の花による時間差攻撃を前にしては、成す術もなくかわすしかなかったのも無理はなかった。

 何しろ花が繰り出す蔦状の腕による攻撃は、あの美神でさえ受け止めるのが精一杯であったのだ。

 この言葉を彼女が聞けば『不意を討たれたからよ!』と言うであろうが、
はたして分かっていたとしてもかわしきれていたかどうか……

 次々と飛んでくる蔦の腕を右に左に軽やかなステップでかわし、
時には側転やバク転も使いながら攻撃を回避するタマモ。

(クッ……人質がいるんじゃ手が出せないじゃない!)

 どうやら人質の早苗を考慮して手を出さなかったようではあるが、
どちらにしても、手が出せない状況には違いなかった。

 更にその後、内心で『今日はスカートにしなくて正解だったわ』と思う辺りは結構余裕かもしれない。

ええい! チョコマカと!!

 業を煮やした死津喪比女がそう叫ぶと、三体同時に両腕六本による攻撃を放つ。

 タマモは側転から三回連続のバク転をした後、思いっきりジャンプしてから後方二回宙返り一回ひねり……
いわゆる【ムーンサルト】でその攻撃をかわして横島のすぐ側で着地を決める。

 これが何もない時ならば観ている者達から拍手が飛んでくる場面ではあるが……

『タマモちゃん、相変わらず凄い……あ、大丈夫? 怪我はない?』

「なんとか無事だったか……つーか、結構余裕あんじゃねーか?」

「ええ……なんとかね……」

 おキヌからは少々場違いな感想と気遣う言葉が、
横島からは無事の確認と呆れを含んだ声がそれぞれの口から出てくる。

 タマモの返答は果たしてどちらに対してであろうか……

フン……小賢しい真似をしよる。出来れば一面を花で埋め尽くしてやりたかったのじゃがな……
まぁ、それはそこな小娘の霊を始末すれば地脈の封印が解け、いつでも出来るようになるからの……

 どうやらその口ぶりから察するに、今の段階ではこれが精一杯のようである。

 だが、それでも花が九体に葉虫が百体近くと、圧倒的な数で三方向から完全に横島達を包囲していた。

ククク……今日はなんと良き日か……ようやく手駒の数も揃い、そこな小娘を探そうかと思うてみれば、
自分の方から近寄って来てくれるとはの……おかげで探す手間が省けたぞえ

 つまり元の時代で美神がおキヌを地脈から引き離していなければ、
遠からず死津喪比女に見つかって消滅させられていた可能性が高かったということである。

 確かにその所為で地脈の堰が解放され、東京圏に甚大な被害を出してしまってはいたが、
おキヌが消滅させられていたら、それだけでは済まなかったのは間違いなかった。

 結果的に怪我の功名と言えなくもなかったということであろうか……

さあ! 早くその小娘を差し出すのじゃ!! 
それともこの娘の手足の一本でも引き千切ってやらねば解らぬのかえ?

 そう言いながら早苗の右腕を掴んで引き千切ろうとする死津喪比女。

「くうっ!! ……」

 悔しそうに横島がうめく……

 状況は更に悪化の一途を辿っていった。


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                      GS横島!? 幸福大作戦!!
                           第九話『神楽舞台』


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 横島は膨らんでいく焦燥を必死に押さえ込みながら考えを巡らせる。

 だが、今のこの状態ではこちらが妙な動きをすれば、死津喪比女は躊躇なく早苗を殺してしまうだろう。
 そこまでいかないにしても、早苗の右腕がもぎ取られるのは確実である。

 確かに早苗をいたぶっている隙を衝いて助け出すことは不可能ではないし、
即座に文珠で治療を行なえば、傷跡を残すことなく治すこともできるであろう。

 だが一時的にとはいえ、早苗にそんな想像を絶するような苦痛を味あわせることなど、
横島が容認できるはずもなかった。

 ただでさえ、女性に対して苦痛を与える事を忌避する横島である。
 それが顔見知りの――それも若くて美人の――女性であれば尚更であった。

(ク……ここはなんとか会話でヤツの気を……)

「おい、そいつを『おっと、これ以上は時間稼ぎなどさせぬぞえ?』……なっ!?」

 なんとかして死津喪比女の気を逸らそうと口を開いた横島であったが、
その考えはあっさりと相手に見抜かれてしまっていた。

フン……こういう場合、人間がどのような行動に出るのか妾が知らぬとでも思うたか?
妾も舐められたものよの……

(クソッ!! 完全に読まれてる……こうなりゃ≪爆≫の文珠でヤツ等の注意を逸らし、
早苗ちゃんを捕まえてるヤツにサイキックソーサーをぶつけて“第四”で早苗ちゃんを即行で救出……
正直、成功率が高いとは言えないが……一か八か……やるしかない……か)

 横島が考えた救出プランは、当人が言うように成功の確率は高くはないが、低いという訳でもなかった。

 どちらにせよ、このままおキヌを差し出す訳にはいかないと考え、
プランを実行に移すべく、後ろ手に文珠の生成とソーサーを発動させようとしたが……

『待ってください、横島さん……私、行きます……』

「……なっ!?」

 それまで後ろに控えていたおキヌが、横島の動きを察してそれを止め、自分が行くと言い出したのだ、
当然、その言葉に同意できるはずのない横島は、首を後ろに向けて激高しかける。

 そんな彼に対し、おキヌは死津喪比女に聞かれないように声を落とし、なだめるように夫に話しかける。

『大丈夫です……忘れたんですか? 私だって無力なままの女じゃありませんよ?』

「!! まさかアレを!? ……でも、今の状態じゃ……」

 おキヌの言葉に、その意味を察した横島が小声で疑問の言葉を口にする。

『ええ……ですから今朝、あの泉でそれを確かめていたんです』

「! ……そうか、それで……でも……大丈夫なのか?」

 横島はそれだけで合点がいったようであるが、
それでも先程のタマモに対しての攻撃の激しさを見ていただけに、
尚もおキヌに対して危惧の言葉を発する。

 無論、横島もおキヌの強さはよく知っている。
 ネクロマンサーの笛だけではなく、修行によって身に付けた強さも……

 そう、修行して強くなったのは何も横島だけではない。
 おキヌも護られているばかりの自分をよしとせず、自分の身を護れるぐらいの強さを欲したのだ。

 その成果の一つが、今朝おキヌが見せていた泉での、あの幻想的なまでの光景であったのだが……

『大丈夫ですよ……横島さん。無理に助け出そうとするよりは、
私が前に出て囮になったほうが確実なはずです……
お願いです……ここは私を……信じて下さい……』

 そう言いながら横島の肩に手を置くおキヌ。

 決意を固めたその眼には迷いがなかった。

「だけど…………分かったよ、おキヌちゃん……でも、危ないと感じたらコレを使うんだ」

 尚も言い募ろうとするものの、確かにおキヌの言うことの方に分があるのは確かである。
 何より、おキヌのその眼を見ると横島も説得を諦めるしかなかった。

 横島も腹を決める。

 そして背後に居るおキヌに向けて、死津喪比女に見られないように後ろ手のまま生成した文珠を渡す、
文珠には既に≪爆≫から≪護≫の文字に書き換えられていた。

 横島としても妻の言葉を信じているし、その実力もよく知ってはいるが、
それでも愛しい女性(ひと)を危険に晒すことには変わりがないのだ。
 やはり信用と信頼は別物である、横島が心配するのは当然であった。

『はい……ありがとうございます……』

 おキヌも夫の気持ちは十分に分かっていた。
 だからこそ感謝の言葉と共に、彼の気遣いを受け取ったのである。

 一瞬、二人の間に穏やかな空気が流れるが、横島は奇妙な感覚を覚えた。

(……? なんだ?)

 誰かに見られているような感覚であったが、横島がその正体を探る暇はなかった。

なにをゴチャゴチャと喋っておるか!? この娘がどうなってもいいと言うのだな?

 痺れを切らした死津喪比女が、いよいよ早苗を掴んだ手に力を込め始める。

「くぅ……かはっ!!」

 首を絞められ、苦しげにうめく彼女の口から肺の空気が漏れる音が彼等の耳に届く。

『待ってください!! 今、そちらに行きますから……』

 おキヌが慌ててそう言うと、横島の側を離れてフワリと浮かぶ。

やっとその気になったかえ……ほれ、はようせい!

 ようやく観念したかと言わんばかりの死津喪比女の様子に、二人の兄妹が怒りの声を上げる。

「……ヤロウ……調子に乗りやがって……」

「……どこまで私達を怒らせれば気が済むのよアイツ……
……おキヌちゃん……いけるのね?」

 それまで二人の会話を聞いていたタマモがおキヌに声をかける。
 勿論、タマモ自身もおキヌの実力は十分に知ってはいるのだが……

 それでも心配そうに声をかけるのは、兄と同じ気持ちだからであろう、
おキヌを見上げるその顔には、信頼と心配、憤りと憂いが入り混じっていた。

『ええ、心配しないでね? タマモちゃん……それから、おと……いえ、宮司様。
早苗さんは必ず助かりますから、ご心配なさらずに……』

 思わずお養父さんと言いそうになりながらも、二人に心配しないように告げる。

「……分かりました、皆さんを信じます。早苗を……娘を頼みます……」

 それまで黙って彼等の会話を聞いていた宮司であったが、
どうやら聴かされた話以上に、彼等の間にはより深い絆があるようだと感じとっていた。

 事ここに至っては自分に出来ることは何もないと理解していた宮司は、
彼等の力量と、何よりその絆を信じようと思い、頭を下げて娘の運命をゆだねたのである。


『早苗さん……今助かりますからね』

「クッ……い、いけねぇだ……せっかく……せっかく生き返れるって……分かったのに……
ココに来ちゃいけねぇだよ……」

 ゆっくりと前に進み出ながら早苗に声を描けると、途切れ途切れにそう返事が返ってくる。

 苦しそうに呻きながらも、尚もおキヌの身を案じる早苗の様子に思わず涙が零れそうになる。

(ああ……やっぱり早苗お姉ちゃんだ……)

 元の時代とは違い、ここではまだ出会ったばかりだというのに……

 おキヌは改めて義姉(になる女性)の強さと優しさを感じ取っていた、
そして絶対に助けるんだとの想いを込めて、キッと死津喪比女を見据える。

『さあっ! 私は出てきましたよ? その人を放してください!』

ククク……殊勝なことよな、そう慌てなくとも放してやるわ……お主を始末してからな!!

 最初から分かっていたことであったが、
やはり死津喪比女は早苗を解放するつもりなどないのである、
おキヌさえ始末すれば後はどうにでもなると思っているのであろう。

 早苗を人質に捕っている花が左に眼を向けて右手を挙げると、
横島達から見て右側に現れた敵の集団が動き出す。

 そしてその内の三体の花がおキヌを始末しようと、更に前に進み出てきた。

 正面の花が動かなかったのは、やはり人質の有効性を理解しているからであろう。
 万一にも邪魔されないように正面と、タマモを襲った左側の集団が監視しているのが見て取れた。

(ヤロウ、やっぱりな……タマモ?)

(ええ……分かってるわ。後はおキヌちゃん次第ね……)

 その様子を見ていた横島が隣の妹に視線を送ると、タマモもその意を受けて頷く。


 一方のおキヌもこの状況は予測していた。

(……後は私がどれだけ頑張れるか……ですね)

 その想いを込めて左手を握り、そっと胸に当てると、スッと地面に降り立つ。

(私の修行を最後まで見届けてくれた小竜姫様……
私に心眼を授けてくれて、その後も指導してくれたヒャクメ様……)

 おキヌはこれまで自分に協力してくれた女神達の顔を思い浮かべる。

(私に力を貸して下さい……そして女華姫様……見届けていてください……)

 最後に空を見上げて三百年前の親友の顔を想い浮かべる。

(キヌは……強くなれたと思います、私の大切な良人(ひと)が……家族が見守ってくれていますから……)

 おキヌは空に浮かんだ親友の顔が、優しく微笑んで頷いてくれたように見えた。


フン……どうやら覚悟を決めたようじゃの……

「い、いけねぇだ……おキヌちゃん……」

 ニヤリと笑いながら言う死津喪比女と、尚もおキヌを案じる早苗。

 そしていよいよ右側の三体の花がおキヌをその攻撃の射程に捉えると、
死津喪比女が攻撃の合図を送る。

では……消え去るがよいわ!!

 右側の三体の内、中央の花がその合図を受けて右腕を伸ばし、おキヌを貫こうと放たれる。

な、なんじゃと!?

 だが、その攻撃がおキヌを捉えることはなかった。


 おキヌがその攻撃を見事にかわしたからである。


 ――元の時代の八年前、妙神山――

――――『よろしいですか? 貴女には元々霊力の動きを見る能力に長けています』

      『そうなのねー、だから私もおキヌちゃんに心眼を授けたのねー』

      『ええ、だからこそ貴女の修行はその能力を伸ばすことから始めた方が良いでしょう』

      『小竜姫様……でも、私が希望しているのは……』

      『分かっています。ですが……言い難いのですが、貴女の除霊スタイルでは……』

      『つまり小竜姫が言いたいのは、付け焼刃の武術の修行をしても意味がないってことなのねー』

      『ヒャクメ!』

      『いえ、いいんです小竜姫様。それに、私の運動神経では無理があるって分かってましたし……
      でも……それでも私はあの人の……横島さんの隣に立ちたいんです……
      護られる人ではなくて、あの人の相棒(パートナー)として……』

      『『おキヌ(ちゃん)さん……』』

      『……そう言えば、横島さんは負傷されたのでしたね……』

      『はい……この間の除霊の時に……私と横島さんが担当した依頼で……
      私のミスなのに……除霊し損ねた悪霊に襲われそうになって……私を庇ってくれて……』

      『でも、怪我自体は大した事なくて、直ぐにおキヌちゃんが治したって……それなら……』

      『いいえ、ヒャクメ様……私はもう護られてばかりいるのは嫌なんです……
      怪我を治してるときに、横島さんがなんておっしゃったかご存知ですか?
      “危ない目に合わせてごめんね”……ですよ? ミスをしたのは私の方なのに……』

      『……なんと言うか、横島さんらしいのねー……でも……』

      『そうですね……愛しい人が傷ついたら哀しむのに男も女もありません……
      横島さんには、もう少し乙女心を理解して欲しいですね』

      『その通りなのねー……修行して強くなったのに、そういう所は全然変わってないのねー……
      それはともかく、おキヌちゃんは自分を護れるようになりたいのね?』

      『ええ……ですから、その為にはどんな修行も耐えてみせます』

      『でも、具体的にはどうするのねー? 確かに心眼を鍛えるのも必要だと思うけど……』

      『そうですね……おキヌさんの除霊スタイルを崩すことなく身を護れる方法……
      いくつか思い付きますが……その中に一つ、おキヌさんに相応しいと言える方法があります』

      『それはどんな……?』

      『おキヌさん……貴女が今着ている服はなんですか?』

      『ふぇ? ……え、と、これは……』


(小竜姫様、ありがとうございます……私でも自分の身を護る事ができる方法を考えて下さって……)

ええい! 何故じゃ!? 何故只の村娘のはずのお主が妾の攻撃をかわせるのじゃ!?

 かつての修行を思い出すと、おキヌは小竜姫に感謝の言葉を送る。

 一方で信じられないとばかりにムキになって攻撃を仕掛ける死津喪比女。

(そしてヒャクメ様、ありがとうございます……私に相手の動きを知ることができるように指導して下さって)

 おキヌは次々と繰り出される攻撃を全て見切っていた。

 そしてその攻撃をかわしているその動きは……


「あ、あれはまさか……巫女神楽?」(※注:1)

「そうです宮司さん……他にも八乙女舞(やおとめまい)とも言われる巫女神楽……巫女舞です」

 流石に神社の神主を勤めているだけあり、直ぐにその正体を言い当てた宮司に横島が解説する。

「しかし、本来巫女神楽は神々への奉納の際に巫女達が行なう神事の舞いにすぎないはず……
あのような激しい攻撃をかわすようには……」

 横島は宮司の疑問に沈黙をもって応えた。
 流石にこれ以上の詳しい事情はまだ話せないからである。

 そもそも巫女神楽とは、神社などに設けられた神楽舞台で巫女達が右に左に回りながら舞う代物である、
回りながら神々への感謝の意を込め、舞いはしだいにその激しさを増していき、
やがて巫女は一種のトランス状態にまで精神を昇華し、神をその身に宿すのである。

 又、本来は榊や扇、笹などの依り代となる採物を持って舞うのが普通である、
それ故、宮司が疑問に思うように戦いの場で用いる舞いではないのだが……

「まぁ、見ていて下さい……必ず早苗ちゃんは助け出しますから」

 そう宮司に告げる横島であったが、戦況を見つめるその眼は鋭い眼光を放ち、
口からは歯の軋む音が漏れ、固く握った拳からは今にも血が流れ出さんばかりであった。

(クソッ!! 今まで何をしてきたんだ、俺は!?
おキヌちゃんをこんな危険な目に合わせる為に修行してきたってのか!?)

 確かに、一か八かの方法よりは成功率が高い方法ではある。
 それにおキヌの実力ならば大丈夫だと、理性では分かっていた。
 だからこそおキヌの言葉を信じ、送り出したのだが……

 一方の感情では全く納得していなかった……否、納得したくなかったと言うべきであろうか……

 それ故、横島は自分の無力さを呪っていたのだった。

 そして、それは更なる力への渇望となって表れることになるのだが……


(……お兄ちゃん……やっぱり納得してないわね……
ま、これであっさり納得するようなら、最初から逆行なんてしてないんでしょうけど……
でもね、お兄ちゃん……気持ちは分かるけど、ここはおキヌちゃんを信じなきゃいけない所よ?)

 一方のタマモは比較的冷静に現在の状況を見守り、兄の内心をほぼ正確に読み取っていた。

(なんでも自分で背負い込もうとするのは、この際は美点じゃなくて欠点だわ、
今の私なら分かるもの……幸せって……一人では絶対に成れないって……
おキヌちゃんも多分、同じ気持ちでしょうね……だから自分が出るって言い出したんだわ……
ま、あのバカ兄貴にはその辺りを口で言っても分かんないでしょうけど……
……まったく……だから周りが苦労するのよ……)

 いつかはそのバカ兄貴も、分かってくれる時がくるであろうか?

 いや、知ってはいるだろうし、理解もしている……つもりであろう。

 彼女達の苦労が報われる時は……まだ……来ない……


 兄妹の内心の想いを余所に、死津喪比女による攻撃はその激しさを増していく。

 そしておキヌも次第に右に左に回る速さを増しながらその攻撃をかわしていく。

 逆行した今ではヒャクメに授けられた心眼は既に無かったが、
それでも生来の霊視能力は健在であり、今も相手の霊力の動きをしっかりと捉えていた。
 たとえ幽霊の身であったとしても、鍛えられた経験はしっかりとその魂に刻み込まれていたのだ。

 そのおかげで攻撃が来るタイミングが手に取るように分かるのだが……

 果たしてそれだけで死津喪比女の攻撃がかわせるようになるのであろうか?

 答えは否である。

 たとえ来るタイミングが分かっていたとしても、身体がそれに着いて来なければ意味がない。

 読者の諸兄は覚えておられるだろうか? かつておキヌが六道女学院のクラス対抗戦で見せた活躍を。
 キョンシーを操る少女の攻撃を、笛を使用していない状態にもかかわらずかわしてみせたことを。
 そして一度笛を奏でれば、あっという間にキョンシーの操作を奪ってしまったことを。
 更には惜しくも敗れたものの、決勝の相手をカウント寸前にまで追い込んだことを……

 そう、おキヌのもう一つの才能――霊力の操作である。

 あえて分類するならば、横島が収束系であるのに対して、おキヌは操作系と言うべきであろうか。(※注:2)
 南部グループ事件の際にはガルーダの幼生体をも操ったこともある。

 無論、だからと言って死津喪比女を操れるほどの強力さはない、笛がなければ尚更である。

 しかし攻撃を防ぐことそのものは無理でも、力の方向をずらして逸らせることは可能である、
だが、それでも次々と繰り出される攻撃を避け続けるにはそれなりの身体能力が必要であった。

 おキヌはどうやってそれを習得したのであろうか……


(思った以上に身体が自在に動かせている……肉体という枷がない今のほうが動かし易いってことね……)

 おキヌは肉体のない幽霊状態の今の方が思った通りに身体を動かせていることを実感していた。

 朝方、泉で自身の能力を確かめる意味でも巫女神楽を行なっていたのだが、
無論、それだけが理由ではない。

(女華姫様とはいつもあの泉で遊んでいましたね……)


――――『これ……キヌよ、そのようなはしたないことを(フシュルルル……)』

      『えへへ……でも、今日はこんなに暑いんですし、膝まで捲るくらいは……姫様もいかがです?』

      『これ! まったく……年頃の乙女というものはじゃな……(フシュルルル……)』


(いつもお小言ばかり言われていましたけど……本当に楽しかったです……)

 元の時代、生き返る前は三百年の時の流れに記憶は流され、
自分が何故そこに居るのかも忘れてしまっていたが、あの時の導師の映像が、
おキヌの記憶の底に眠っていた女華姫との想い出を呼び覚ましていたのである。
 それ故、逆行前のおキヌは帰郷の際は必ずあの泉を訪れていたのだった。

(あの泉に居たおかげで……近くを通り掛った美神さんや横島さんに出会えたんでした……)


――――『えいっ!!』

      『どわあっ!?』

      『あ、ご、ごめんなさい! 私ったらドジで……』

      『今、えいとか言わんかったか!? えいって!』


(……あんまり素敵な出会いじゃありませんでしたけど……でも、
それでも私は女華姫様のおかげだと思っています……)

 実際、おキヌが彼等に出会う事が出来たのは、あの想い出の泉があったからだと言える。

(女華姫様……見ていて下さい……修行の成果を……)


――――『……やはりある程度の運動能力がいりますねえ……
      霊力の動きを見るのはかなり上達してますが……』

      『そうなのねー……巫女神楽の回転する動きは相手の攻撃を逸らすのにはいいと思うけど……』

      『ハア……ハア……すみません……どうしても……身体が……ついて……いかなくて……
      あっ……今立ち上がりますから、どうか続きを……』

      『あ! おキヌちゃん幽体離脱してるのねー!』

      『え? あ! キャー!! 起きて下さい! 私の身体―!!』

      『……おキヌちゃん、幽体で身体を持ってどうするのねー『それです!』って、
      小竜姫……いきなりなんなのねー?』

      『それですよ! 幽体で肉体の操作を行なうんです!!』

      『『ふぇ(へ)?』』


(まさか、そんな方法があるとは思いもしませんでしたけど……)

 つまりは、おキヌ自身の幽体を肉体の上に被せて、肉体を霊能力で操作するというのである。

 すなわち、霊力の操作による身体能力の向上を行う……という訳である。(※注:3)

 だが、この方法には欠点があった。

 普段は肉体の内側にある幽体を身体の外側に出すのであるから、
言ってみればそれは幽体離脱直前の状態なのである。

 ただでさえ普段から幽体離脱し易いおキヌがそんなことをすれば、身体を動かすどころではない、
あっという間に肉体から離れてしまうであろう。

 最初の内は慣れない霊力の操作と肉体の酷使により、全身が(霊的な)筋肉痛の状態になり、
慣れてくるまでは毎日妙神山の温泉に浸かって湯治を繰り返したものである。

 そんな苦労をするなら、普通に武術を修行させたほうがいいのではないかと思われるかもしれないが、
彼女の除霊スタイルはネクロマンサーの笛である、ならばそれを阻害しない防御法が適しているであろう。
 巫女神楽との組み合わせがベストとは言わないまでも、ベターではないかと小竜姫が判断し、
おキヌ自身もそれを望んだからであった。

 更には日本各地に残る巫女神楽を伝える神社などに赴き、本場の巫女舞を習い覚えたりもしたのだ。

 そんな過酷とも言える修行で、ようやく自分の求める力を手にしたおキヌであったが、
これがおキヌの実力の全て……という訳ではない。

 勿論、彼女の実力が本領を発揮するのはネクロマンサーの笛を手にした時ではあるが、
他にも親友である二人の少女の協力を得て、新たに手にした力……というよりは道具があるのだが……

 それについては今後語られる時がくるであろう。


 更に激しさを増す死津喪比女の猛攻を右に左に回りながらかわしていく。

 クルクル……クルクル……まるで独楽(こま)のように回りながら舞うおキヌの姿は、
それが生死を懸けた戦いであることを忘れさせられるほどに美しい。

 元々『舞う』の語源は『回る』が変化したものであると言われている。
 その語源の通りに回りながら舞うおキヌ……

 思い出すは指導してくれた小竜姫の言葉……


――――『巫女舞の回る動作は、相手の攻撃の軌道を逸らし、かわすのに適した動作です、
      常に二手三手、相手がどこを攻撃してくるか予測しながら動けば更に効果的でしょう。
      相手の霊力の動きを見れば、予測するのもそう難しいことではありません、
      とにかく、後は修練あるのみです、日々の積み重ねこそが一番大切ですよ?』


 おキヌはその言葉通り、妙神山を降りた後でも毎日の修練を欠かすことはなかった。
 彼女の日々の積み重ねの成果が、時を越えた今も現れているのだ。

(横島さん……タマモちゃん……二人が居るからこそ……私は……がんばれるんです……)

 舞いながらチラリと二人の方を見る。
 二人共、自分を心配している様子が手に取るように伝わってくる。

 特に夫は、自分にこんな危険なことをさせてしまったと激しく後悔していることであろう。
 そのことを申し訳なく思いながらも、手の中にある文珠をギュッと握り締める……
 自分は大丈夫だからと、夫に話しかけるかのように……


 その想いも込めて舞うは、未来への幸福を祈願する巫女神楽……

 そしてその場は、彼女が舞う為の……『神楽舞台』……


 そして、彼等が耐えに耐え、待ちに待った瞬間が……


ええい! いい加減に避けるのを止めぬか!! 止めねばこの娘を……


 ……遂に、訪れた!!


……なあっ!?


 その瞬間、一体何が起こったのであろうか……


 続く。


 注釈の解説。

 ※注:1 巫女神楽については一応関連文献を参考にしましたが、間違った点がありましたらご指摘下さい。

 ※注:2 原作にはそのような系統別の設定はありません、私の勝手な解釈で設定いたしました。

 ※注:3 原作で、幽霊時代のおキヌが『幽霊なのに物が掴める』という設定を参考にさせて頂きました。


 おまけ。


 【タマモンのショート劇場】


「ねぇ? タマモちゃんはお兄さんと一緒に住んでるんだよね?」

「ええ、そうよ、世話ばかりかかるけど」

「え〜〜? タマモちゃんのお兄さんってさ……結構かっこいいじゃない」

「あ、私も見たことあるー。なんて言うかさ……大人っぽくてかっこいいよね〜」

「ん〜〜……そうかなぁ?」

「もう……そんなことばかり言って……あ! 噂をすればお兄さんよ!」

「あ、お兄ちゃん……」

「よっ、タマモ、今帰りか? 一緒に居るのは友達かい?」

「ええ、そうよ……じゃ、私はここまでだから」

「え〜〜〜? ちゃんと紹介してよ〜〜……」

「そうよ〜……私もちゃんとお話ししたいし……」

「それはまた今度ね。お兄ちゃん、アルバイトがあるし……」

「む〜〜〜そうなんだ……じゃ絶対今度ね?」「嘘ついたら針千本の刑よ?」

「分かってるって、じゃあね〜」

「「バイバイ〜〜」」

「おい、紹介する暇ぐらいはあったと思うぞ?」

「何言ってんのよ? お兄ちゃん、変質者と間違われたくないでしょ? ほら、あの看板見てよ……」

「ん? 『変質者による事件が多発しております、特に小学校の女子生徒が狙われておりますご注意下さい』
か……」

「でしょ?」

「あのなぁ……俺はロリコンじゃないっつーの。まったく……でも、確かに最近この看板が目に付くな……」

「お兄ちゃんも間違われるようなことしないでよ?」

「あのなぁ「はいはい、ロリコンじゃないって言いたいんでしょ?」……ったく」

「フフフ……でも、なんでかしら……この服装で出歩くようになってから増えだしたのよねぇ……」

「この服装って……この間、ネトゲの仲間の……“KONAKONA”だったか? そいつに教わったとか……」

「そうよ、“KONAKONA”が言うには『“KONKON”には歩く萌え要素の素質がある!』だってさ……
萌えってなんなのか知らないけど、お兄ちゃん知ってる?」

「い、いや……俺は知らないが……(オイオイ……)」

「そう……でも、なんで変質者なんて増えたのかしら?」

(い、言えない……そいつに教わったからだなんて言えない……)

「? お兄ちゃんどうしたの?」

「いや……なんでもない……なぁ、タマモ……」

「なあに?」

「これから服を買いに行こうか?」

「え? なんで? この間買いに行ったばかりじゃん」

「いいから……さ、行こ行こ!」

「え? ちょっとお兄ちゃん? ……もうどうしたのかしら……」

(これからはタマモの服装にも注意を払わんといかんな……ったく、余計な事言いやがって!)


 タマモン×((ミニスカ+黒のニーソ)×赤ランドセルのオプション装備付き)=歩く萌え要素でおk?


 それと本編読まずにココに来た人……ちょっと廊下に立ってなさい!

 【タマモンのショート劇場】 終わり


 後書き。

 第九話をお送りしますチョーやんです。
 今回から一応注釈を復活させてみましたが、みなさん、こっちが分かり易いでしょうか?

 それと今回は本作のメインヒロイン(爆)、おキヌちゃんのパワーアップを出した訳ですが……
やっぱり無理がありますかね?
 以前、いしゅたる氏にご指摘して頂いたようには書けていないんで正直不安です……(汗)

 一応、前フリはしたんですが……やっぱり解りにくいですよねぇ……ごめんなさい……

 それから、おキヌちゃんを活躍させたかったとは言え、かなり強引な展開にしてしまったようです。

 横島、おキヌ、タマモ……三者三様の想いの違いをだしたかったのですが……上手く出せたかどうか(^^;

 ではでは、ご意見ご感想、ご指摘やご指導したい所があれば遠慮なくお申し下さい。

 では、次回の第十話はいよいよ死津喪比女との決着です!

 第十話の副題『死津喪比女、フルボッコの図』(仮称)をお待ちください(爆)。

 あ、それと第十話は遅くても明後日、早ければ明日にでも投稿できそうです。
 (……大丈夫か俺? こんなこと書いて……)


 では、レス返しです。

●あきかん様
  感想ありがとうございます。居たんですよ、山田先輩w 一応未来では早苗と結婚したという設定です。
  バトルのほうは次回に持ち越しですが、ネタ満載でお送りいたしますので、次回をお待ち下さい。

●ゲン様
  一応、逆行直後から原作開始までの時点での彼等兄妹の日常を補填する為に書き出したのですが……
 思ったより好評のようで嬉しいです。ネットの環境は……まぁ、神族だからということで一つ……<マテ

●Nameless様
  まぁ、老師かどうかはともかく、お年寄りの中にはネトゲにハマる人って結構居るんですよねw

 >ショート劇場が本編ですよね?

 …………………………………………………………orz

●いしゅたる様
  いつもコメントありがとうございます。
  ご指摘の箇所ですが……正直、削除しようかどうか悩んだ所なんですよねぇ……
  おキヌちゃんの心情を表したかったんですが、やっぱり余計だったかもしれません……(^^;
  流石に義姉(に成る予定の人)まで落とされたら洒落にならないと判断したという事で一つ……(^^;;
  それから次回は、ようやく以前から言っていましたネタが(その他諸々も)満載でお送りできそうです。
  死津喪比女が、ギッタギタのメッタメタでボッコボコにされますのでお楽しみに。

●クロト様
  ご指摘ありがとうございます。
  原作を読み直したら確かに「わたす」でした……なんというポカミスを……orz
  それとタマモはあの二人を『家族』として認識していますので、二股になるかどうかは……
  今後の展開次第でどうなるかはココでははっきり申せません(^^;

  >泉自体がどんないわくのものなのか
  今回、そのいわくを明かしましたが……分かりにくかったですねぇ……(^^;

  >横島君がヘタレ過ぎなのではないかと
  はい、今回も横島君はへタレ全開です、それが今後の展開で……っとと、これ以上はまだオフレコです。

●ながお様
  はい、今回はおキヌちゃんのパワーアップの解説で終わってしまいました。
  決着は次回に持ち越しですので、もう少しお待ち下さい。

●God男様
  感想ありがとうございます。そう言って頂けると投稿した甲斐があります。
  つたない物書きではありますが、面白く思えるよう努力していきたいと思います。

以上、レス返し終了です。感想ありがとうございました。

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