小竜姫は横島家の5人を宿坊の居間に招じ入れると、彼らは朝食はすでに摂ったという事でまずは手づくりのお菓子にお茶をそえてさし出した。お菓子づくりはそれほど得意ではないが、歓迎の意は出来合いのものを出すより伝わるだろう。
大樹と百合子は神様にそこまでされてさすがに恐縮してしまったが、小竜姫は軽い調子でぱたぱたと手を振った。
「いえ、これはあくまで将来の義父上と義母上をおもてなししてるだけですから、そんなに気にしないで下さい。こうして会える機会も多くはないわけですし」
妙神山は断崖絶壁の奥深くにあるとはいえ、カリンに乗ってくれば来ること自体はそう難儀ではない。しかし大樹と百合子はナルニア住まいで日本に来るのも年に数回あるかないかなのだから、その時くらいはできる限りのもてなしをしたいと思うのである。
まあ、両親の好感度を上げれば横島とのお付き合いがよりうまく行くようになるだろうという下心もないとは言わないが……。
大樹もこんなことを言われて、しかも左右に妻と息子が陣取っていては口説きを始めることはできない。むろん横島も両親の前で朝から煩悩節を全開にするわけにはいかないから、居間の6人は実に穏やかでのんびりした日本の正月の雰囲気で家族団らんを楽しんでいた。
と、そこで横島が何かを思い出したようにリュックの中に手を突っ込んだ。
「そういえば小竜姫さま、これを何か別の物に取り替えてくれるんでしたよね。忘れないうちにお願いしときたいんですけど」
先日カリンが小竜姫と約束した、真銀手甲を別の物に交換するという件である。きちんと布で拭いて袋の中に入れてあったから、今出したそれはぴかぴかに光っていた。
しかしそれを見た小竜姫は、何故かちょっと困ったような表情を浮かべた。
「あ、はい、そうですね。
でもここの倉庫を見てみたんですけど、今の横島さんたちに似合いの道具ってなかなか無いんですよ……」
横島は戦闘スタイル的にあまり道具を必要としないし、カリンは武器も防具も自前で用意できる。カリンがつくれる物より強力な武具なら役に立つと思うが、一応はGS本免許持ちとはいえ、それを仕事にしているわけでもない高校生の横島が持ち歩くのは何かと差し障りがあるだろう。第一それでは等価交換にならないし。
「ですので、横島さんさえ良かったら物の代わりに、いつかの河原の時みたいに竜珠のサイキックパワーの出力を上げてあげようと思ったんですがどうでしょう」
今の横島の竜珠は、1度壊れたせいであの頃よりかなりランクダウンしている。むろんいつかは横島とともに成長して追い越すことになるだろうが、それをちょっとばかり後押ししてやろうというわけだ。
タダで後押ししてやる事もできるのだが、今回はそれをするつもりはない。小竜姫が横島を手助けすればするほど、彼の「偉業」の価値が下がるという理屈は分かっていたから、彼をパワーアップさせる時は大義名分が立つよう、なるべく何らかの代価を払わせるとか修行をさせるとかするようにしているのである。
「へ? あ、そーですか……うーん、どーしよっかな?」
師匠からの意外な返事に横島が腕組みして考え込む。竜珠を成長させてもらうのが得か、それとも真銀手甲を手元に残すのが得か、やり直しはできないので能天気な彼といえども少しは悩むのであった。
すると横島が結論を出すより先に、大樹がためらいがちな口調でくちばしを入れてきた。
「あの、小竜姫さま……竜珠というのはもしかして、竜が持っているというあの宝珠のことですか?」
大樹と百合子は息子が竜神になったというヨタ話は一信九疑だったが、それでも一応竜神に関する伝承などは調べていた。
あらゆる願いをかなえてくれる秘宝だとか竜の神通力の源だとか言われる宝珠を、まさかこのバカ息子が持っているというのか?
2人が驚くのは当然だったが、小竜姫はそれを聞くと「何をいまさら」とでも言いたげに眉をひそめた。
「横島さん、まだ竜珠のこと言ってなかったんですか?」
「え……ええまあ。俺が竜神になったこともあんまり信じてないみたいですんで」
「そうですか……ではこの機会に竜の姿もお見せして、きちんと信じてもらってはどうですか?」
と小竜姫が提案したのは最初の話の流れの続きで、次に来るのは1年後になりかねない2人に、早いところ自分と横島がでたらめを言っているのではないと信じてもらうべきだと思ったからである。すでに完全幽体化まで果たしているのだから、尻込みすることはないと思うし。
「へ? あ、うーん、小竜姫さまがそー言うなら」
横島も師匠にそう言われれば否やはない。しかし一応分身の少女にも顔を向けて意見を訊ねてみたが、影法師娘も異論は唱えなかった。
「ああ、別に構わないと思うぞ。交換の方も賛成だ」
いろいろと規格外とはいえ親は親なのだから、半信半疑のまま放置しておくのはやはり不孝というものだ。小竜姫の言う通りいい機会だし、彼女を口説こうとするかも知れない大樹への牽制にもなるだろう。
交換の方についても、真銀手甲を持っていてももう使う用事はないだろうから、代わりに強くしてくれると言うならそれで良かった。
「そっか、じゃあそーするかな」
カリンにも背中を押された横島がついと立ち上がって、襖(ふすま)を開けて中庭に歩み出す。不審そうな目を向けてきた両親に向かって、ずびしと指を突きつけた。
「とゆーわけで、俺の真の姿を見せてやろう。驚いて腰を抜かすがいい」
驚くなよ、とは言わない辺りに横島と両親の関係が見て取れる。そして中庭に飛び降りるといきなり九頭竜の姿に変身した。
「おおっ!?」
「きゃあっ!?」
突如出現した異様な姿の怪獣に9対の目で睨みつけられた大樹と百合子がのけぞって驚く。いかに人類屈指の肝っ玉を持つとはいえ、やはり一般人である2人には刺激が強すぎたようだ。
横島は日頃自分を虐げている(?)2人に一矢を報いたことに溜飲を下したのか、満足そうな高笑いを浮かべた。
「うはははは、どーよ、これが実力じゃー! 俺は今親父とお袋を超えたッ!」
確かにタダスケが大樹に吸印札に封じられた悪霊をけしかけた時と違って、九頭竜は横島自身の実力というか本来の姿であったが、これで大樹と百合子を超えたと言えるかどうかはいささか疑わしいと見るべきだろう。それよりわざと親が驚くように変身するのはちょっと意地が悪いわけで、カリンは横島のそばにテレポートして竜の頭の1つをこつんと小突いた。
「横島、そういうやり方は感心しないな。気持ちは分からんでもないが、あまり人を驚かすものじゃないぞ」
もっとも横島の意志で変身の速度を変えることはできないのだが、たとえば事前にどんな姿になるのか予告しておけば大樹たちものけぞるほど驚くことはなかっただろう。そのくらいの配慮はあってしかるべきだと思ったのである。
横島は小突かれたのは別に痛くも何ともなかったが、カリンが叱ってきたのはあくまで自分を思ってのことだと分かったから、素直に反省の意を示した。
「……そだな。
でもやっぱバハ○ートとかリヴァ○アサンみたいな姿の方が良かったよーな気がするな。あーゆーのだったらみんなこんな驚き方しねーと思うし」
「あははは。確かにそうだが、これもタマモ殿の愛の証だと思って諦めろ」
カリンは教育的指導の効果に満足したのか、横島のグチに対しては頭を撫でてなぐさめてやった。
と、彼がなぜか黙ったままでいることに首をかしげる。
「横島、どうかしたか?」
「へ? あ、いや、何でもない」
少女に訝しげな声をかけられて、横島はあわててそう答えた。
実は今9対の目でカリンをいろんなアングルから(特に胸やお尻などを)見つめていて、「舌9本使って触手プレイとかしてみたいなー」などと邪なことを考えていたりしたのだが、さすがにここで口にするのはマズいのでお茶を濁したのである。
カリンはまさか横島がこの場所でそんなことを考えているとは思わなかったので、特に突っ込むこともなく話を進めた。
「そうか、じゃあ大樹殿と百合子殿も理解してくれたことだろうし、部屋に戻ろう」
「ああ」
というわけで横島は人間の姿に戻ると、部屋に戻って形ばかりながら両親に謝った。
「ちょっと不意打ちすぎたか? すまんかった」
「……いや。別に腰を抜かしたってほどじゃないから気にするな」
「そうね。これくらいのことでいちいち詫び入れることないわよ」
大樹と百合子は寛大な処置をとったが、これは「自分はそんなに驚いたわけじゃない」という見栄を張ろうとしたのが理由の7割を占めていたというのは当人たちだけの秘密である。息子が竜神になったことはもはや疑いようのない事実だが、それでも親の威厳は保たねばならないのだ!
しかし横島にとってそれはどちらでもいい事で、いよいよ本題である竜珠の話に移った。
「まあ見た目はオレンジ色の水晶玉って感じなんだが……見て笑うなよ? 笑ったら取って喰うからな」
横島も親にまで笑われたくはないからか、念押しをする顔は微妙にひきつったものだった。しかし九頭竜の姿を見せた後だと「取って喰う」という台詞はシャレになってないので、さすがの大樹と百合子も素直に頷いた。
それで一応は安堵した横島が、2人の前に座って右手をさし伸ばす。その掌の上に彼の自慢の煩悩玉、いや竜神の神通力の象徴である竜珠を出現させた。
―――そしてその中央に刻まれた「煩悩」2文字が視界に入った瞬間、大樹がぶっと吹き出して盛大に笑い転げ始める。
「ぶっ……く、どわはははははははは! な、何だそのおまえそのものみたいなその文字は!? いや、やはりおまえは俺の息子、煩能の大家横島家の跡取りだったな。ぶくはははは、っく、こ、こんなに腹がよじれるのは久しぶりだ」
やはり横島の警告はあまり役に立たなかったようだ。大樹は体をくの字に曲げて床に転がり、苦しそうに腹を押さえている。
「……忠夫、あんたねぇ……」
百合子は逆に心底あきれ返った表情で、怒りを抑えかねるかのようにこめかみに指をグリグリ押し当てていた。まあ百合子ならずとも女親ならごく当たり前の反応であろう。
「く、くくく……」
そして当の横島は両親のあまりの反応の違いに、どう動いていいか決めかねていた。屈辱を晴らすため予告通り大樹を取って喰うべきか、それとも身の安全を保つため怒れる百合子に自己フォローを行うべきか、判断に苦しむところなのだ。
しかし幸い、このカオスっぷりを見かねた小竜姫が割って入ってくれたため、横島は色んな意味で救われた。
「ま、まあまあ3人とも落ち着いて下さい。それよりさっそくサイキックパワー強化の術式を執り行いますから、横島さんとカリンさんはこちらの部屋に来て下さい」
術式自体は大樹と百合子の前でもやれるのだが、いくら親でも「部外者」である彼らにそんな秘儀を見せるのは好ましくない。横島の正体を明かしたのだから竜珠の存在を教えるのは構わないが、それとこれとは話の意味が違うのだ。
「む? ああ、それは確かにそうですな」
大樹と百合子も小竜姫に仲裁されては、いつまでも爆笑したり不機嫌顔したりしているわけにはいかない。きちんと座り直して、3人が部屋から出るのを見送った。
もっとも術式自体はいつかの河原の時より融合の手間がないぶん楽なもので、横島たちはほんの5分ほどで居間に戻って来た。
「あら? 早かったわね」
それを見た百合子がちょっと拍子抜けしたような声をあげた。
自分たちを締め出すくらいだからどんな大儀式を行うのかと思っていたのに、横島もカリンも小竜姫も特に疲れた様子は見られないし、たった5分ではそう大した事はできないだろう。さっき横島が小竜姫に見たこともないような金属でつくられた篭手を渡していたが、あれに見合うほどの価値はあるのだろうか?
だがその疑惑は息子に新しい煩悩玉、いや竜珠を見せられた瞬間に氷解した。ほんの5分前に見たそれとは明らかに違う、霊能には素人の自分でも存在感の差が分かるのだ。形や色は同じだが、おそらく中身は大幅に変わっていることだろう。
「なるほど……『霊能』修行場の管理人ってのはダテじゃないわけか」
「で、それを持ってると何ができるんだ? 物語なんかだと家が出てくるとか病気が治るとか言ってるが」
しかし大樹の感想は現役会社員だからか、まことに散文的なものであった。そういえばまだ説明してなかったと横島は思い出したが、例によって彼自身もまだよく分かっていなかったりする。
「つーわけで、タッチだカリン」
「……やれやれ、まあ仕方ないか」
カリンは苦笑しつつも、お間抜けな本体のために代わって解説を始めてやった。
「残念ながら横島の竜珠は如意宝珠(にょいほうじゅ)ではないから、そんな夢みたいな事はできない。
……ひと言でいうなら、持ち主の霊的特性を強化するというものだな。ただし使えるのは横島と小竜姫殿と私だけ、1度に1人きりだが」
さらに言うと以前はあった「力を一時的に他のモノに貸し与えてやる」機能も使えなくなってしまっていた。パワーが上がったぶん器用さが下がったのだと思われるが、どうせ今まで使った事のない機能なのでカリンはあまり気にしていなかった。誰かが欲しがる恐れがなくなったという事でもあるので。
「具体的に言うと、横島の場合は回復力が上がったりとかブレスの効果が強くなったりとか、そういう感じだ。見た目にはあまり代わり映えしないが」
自分に向けられた煩悩を霊力に変える、という煩悩魔竜の本領については口を拭ったのは、やはり彼への愛のなせる業なのだろう。さいわいそれ以外のスキルもパワーアップさせる事ができるようになったから言わなくても困らないし。
「小竜姫殿や私の場合も『おおむね』そんな感じかな。派手な芸を見せられなくて申し訳ないが」
そして自分と小竜姫のことについても簡単に済ませたのは、着替えや霊視のことを詳しく説明したら横島父子がまた良からぬことを考えそうだからであろう。そもそも今日は霊能の修行や勉強をしに来たのではないし。
するとタマモが不意に、壁に掛けられた時計を見上げながらまったく別の話題を振ってきた。
「ところで私今から見たいTV番組があるんだけど、つけていい?」
タダスケの世界と違って、ここの修行場には小竜姫が人界で暮らしていた時に使っていた最新型の液晶TVが置いてある。タマモはその正月特番を見たいと言い出したのだ。
こんな山奥に新聞配達は来ないが、タマモは準備よく1ヶ月分の番組表が載った本を持ってきていたのである。
「え? ええ、構いませんよ。そうですね、お正月ですし霊能の話はこれくらいにして、のんびりTVでも見ましょうか」
小竜姫としてもそこまでお堅くする理由はなかったので、少女の希望を容れてTVの電源を入れてやった。だがその画面に映ったのは狐娘が期待した「世界の大豆料理コンテスト」ではなく、何やら異様に緊迫した雰囲気の臨時ニュースであった。
「―――新宿を中心にゾンビが人を襲い、血を吸うという現象が急速に広まっています。当局は新種の伝染病、あるいは細菌兵器の疑いもあると見て調査を急いでおります」
TV画面には、痩せこけて生気のない顔をしたゾンビたちが街を練り歩いているおぞましい光景が映し出されている。血を吸われた者もゾンビになってしまうため、その数はネズミ算式に増え続けていた。
むろん大元はノスフェラトゥが最初に血を吸った女と結界にいたゾンビ犬たちである。それが増えに増えて、一晩経った今数え切れないほどの大人数になっていたのだ。
「なお、事件の影響で現在新宿付近の主な交通網はマヒ状態になっており、住民の脱出も遅れている模様です」
正確には都市機能自体がマヒしているといって良かった。
道路も放置された車でふさがっているため、まだ生きている者は徒歩か自転車くらいしか逃走の手段がない。たまにバイクを使う気の利いた者もいたが、彼らも慌てていて事故を起こしたりと、かえって事態を混乱させる役しか果たしていなかった。
TVの画面が移り変わり、今度は都庁の屋上に立つ時代がかった服を着た謎の2人組の姿が流される。
「また、この人物が自分は織田信長だと名乗っていたとの情報もあり、事件との関連性が疑われております。
……また詳しい情報が入り次第、順次お知らせしていきます」
「な、何よコレーーーー!!?」
「な、何だこりゃあ!?」
「血を吸うゾンビ……織田信長……!?」
タマモたちの驚くまいことか。せっかくお揚げ料理の新地平を見学しようと思っていたのが、正月からこんなホラーでグロテスクな映像を見せられようとは。いや昨日までは平穏だった東京がたった一晩でこんな地獄絵図に変わるなんて、いったい何が起こったというのだろうか。
横島たちはもっとも的確な判断を下せそうな小竜姫の顔を見たが、さすがの女神様もTVの画面を見ただけで全てを見通すことはできなかった。
「そうですねぇ……普通に考えるなら、あの織田信長と名乗っている男が吸血鬼で、街に徘徊している吸血ゾンビは彼の仕業だと見るのが順当でしょうね。
吸血鬼というのは特に高等なもの以外は太陽の光に当たると灰になってしまうのですが、あれが吸血鬼ではなくゾンビに過ぎないのなら日中でも動けるでしょうから。
ただあの『信長』の本当の正体が何者で、なぜ今日になって突然現れたのかは皆目見当がつきませんけど」
小竜姫は400年前のノスフェラトゥと光秀の戦いのことは知らないし、まして令子とカーミラがノスフェラトゥ復活を阻止するために新都庁前の結界に赴いたことなど想像の外である。推測するのはこの辺りまでが限界だった。
「そ、それで……東京はどうなるのですか?」
そう訊ねた百合子は顔が真っ青になっていた。これが映画ならポップコーンを食べながらでも平気だが、現実の光景となったらそんな余裕ぶっこいていられるわけがない。むしろ小竜姫の方が、こちら方面のプロフェッショナルだけに冷静さを保っていた。
「東京にはオカルトGメンがありますし、腕利きのGSも大勢いますが、元旦の午前中に動き出せる人がどれだけいるか……もしかしたらあの『信長』はそれを狙って今日行動を起こしたのかも知れませんね」
ノスフェラトゥ復活が大晦日になったのは、元をたどれば竜神王が人界に来る日程を正月にした事が原因なのだが、まさかそんな事が理由だなんて神ならぬ―――いや、神ではあるが運命とか因果律とかを見通すタイプの神ではない小竜姫に分かるはずがなかった。
「……と、話がそれましたね。今ある情報だけでは断定的なことは言えませんけど、仮にあの『信長』が大元の吸血鬼だとして彼を早期に倒すことができたとしても、ゾンビたちは人間には戻らないでしょうからすべてを解決するには相当な時間が必要だと思います。
もちろん『信長』をすぐ倒せなかった場合とか、あるいは別に黒幕がいたりした場合は、被害はさらに増すことでしょうね」
「そ、そんな……」
そのシビアな観測に百合子の顔と気分は沈みこむ一方だったが、大樹の方はまだ一縷(いちる)の希望を持っていた。
「あの、差し出がましいことを言うようですが、小竜姫さまが東京に出向かれるというのは……?」
日常的なささいな事件ならともかく、こんな大霊障が起こったのだから人界に降臨して助けてくれても良いのではないかと思う。小竜姫の観測が正しければ、下手すると東京どころか日本中が壊滅してしまうかも知れないのだから。
バカ息子を本物の竜神にまで導いたほどのすごい武神が参戦してくれれば、「信長」とやらを倒すのに大した時間は要らないだろう。
しかし残念ながら、小竜姫からの回答は色良いものではなかった。
「……いえ。お気持ちはよく分かりますけど、私が手を下せるのはあくまで神族か魔族が不祥事を起こした場合だけですので……今回は出ることはできません」
人界に駐留する神族の代表である小竜姫があまり目立つことをすれば、魔族の反デタント派を刺激して無用の争いを起こすおそれがある。それに4日には竜神王と天龍童子がここに来るから、その時に職務範囲外のことで外出しているのはまずいだろう。
ただこれを人間に言うわけにはいかないし、またこれだけの理由で却下するのも神様としていかがなものかと思われたので、小竜姫はまた別の理由を挙げることにした。
「それにむやみに助力して何か事件が起こるたびに助けを請われるようになっても困りますし、それは人類のためにもなりませんから。
変に信仰されたり、逆に何かたくらんでるんじゃないかと勘ぐられたりするかも知れませんし」
「……そうですか」
大樹は納得したようには見えなかったが、それでも強く言うことはできずに引き下がった。小竜姫が危惧している事はもっともで、それを論破できる根拠は持っていなかったから。息子の嫁とはいえ、仮にも神様にあまり無礼を働くことはできない。
ちなみにもう1人の神様である横島は、むろんこんな大事件に首を突っ込む気はなかった。
冬休み中ならここに引きこもっていても不自然ではないので、知らんふりを決め込むつもりなのである。TVは何とか映るが電話は通じない場所だから、誰かに呼び出される恐れもないし。
カリンも今の段階で横島に無理に参戦させようとは思わなかったし、タマモは横島と同レベルの平和愛好者だ。そんなわけで会議の結論は不干渉という方針に決まりかけたが、最後に狐少女がぽつんと一言つぶやいた。
「でも先生たちと愛子さん、大丈夫かなあ……?」
タマモは知り合い全員のことを心配しているわけではないし、心配したところでどうしようもないと承知はしている。しかしお揚げ道の師匠と霊能部の仲間だけは気がかりだった。
このうちキヌは令子と一緒だそうだからまず大丈夫だろうし、ピートは唐巣とともにブラドー島に行っている。だが朧・神無・愛子の3人だけは不安が残るのだった。
「んん? そっか、確かに愛子たちはヤバいかも知れんなぁ……」
横島もそれに同調するかのような相槌を打った。
キヌはともかく、美智恵・令子・エミ・冥子・魔鈴は年上のGSだから自分ごときが助けに行くのはおこがましいというものだろう。また六道女学院の娘たちは連絡先を知らないからどうしようもないし、「横島のくせにー!」とか「このロリータ妖姦犯罪者!」などとさんざんコケにしてくれた級友たちを助けるために体を張れるほどお人好しでもないので、彼の選考基準でも救助対象者はタマモが挙げた3人だけになっていた。
むろん3人とも及第点を軽くクリアする美女美少女である。横島は当然のように立ち上がり、彼女たちを助けに行くことに決めた。
「とゆーわけで小竜姫さま、ちょっと出かけてきていいですか?」
「……」
小竜姫とカリンはいろんな意味で脱力したが、愛子たちを見捨てるほど冷血ではない。やれやれと肩をすくめながらも、煩悩少年の外出を許可してやった。
「そうですね、愛子さんと朧さんたちならここにかくまっても構いませんし、連れて来てもいいですよ。ただし横島さんはもう竜神族の仲間入りをしたんですから、あまり目立つことは避けて下さいね。
『信長』を1人で退治してヒーローインタビューを受けるなんてのはもってのほかですよ」
と小竜姫がクギを刺したのは、言葉通りの意味の他に、横島が妙な義侠心を発揮して無謀なマネをしないようにという配慮でもあった。
もっとも彼にそんなつもりはさらさらなかったが……。
「はい、3人を確保したら速攻で戻って来ますんで!
んじゃカリン、急いで東京に行くぞ。あ、タマモはもちろん留守番な」
タマモが言い出したことではあるが、だからといって彼女をゾンビがはびこる街に同行させるほど横島はトチ狂っていない。もっともカリンにはきっちり付き合ってもらうのだが、この辺は「保護対象」と「自分の一部」という両者の属性の差によるものである。
「うん、気をつけてね」
そしてタマモの方も恋人が自分を大切にしてくれる心情は理解していたから、言い出しっぺのくせに引っ込んでるのは格好がつかないなんてダダはこねなかった。しかし彼の両親である大樹と百合子はそれで済ませるわけにはいかない。
「ちょ、ちょっと待って下さい小竜姫さま。忠夫が行って大丈夫なんでしょうか!?」
特に大樹は横島の実力のほどはまだよく知らないから、心配になるのは当然である。さっきの九頭竜の姿ならゾンビなど問題にならないだろうが、目立つなという以上は見せてはいけないのだろうし。
しかし小竜姫はいたって平然とした様子で彼の危惧を否定した。
「はい、大丈夫ですよ。横島さんもカリンさんも空を飛べますし、万が一地上で戦うことになったとしてもゾンビに咬まれたくらいでどうにかなるほどヤワじゃありませんから。
都庁の上にいたあの2人とやり合うのでなければ、問題はないと思います」
それでも危なくなったら貸しっ放しにしてある装具を使えばいいのだし、生命の危険はまずないだろう。むろん大樹たちには秘密だが。
「……そうですか、それなら安心ですな」
もともと楽天的な性格なのか、神様に太鼓判をもらった大樹はあっさり息子を心配するのをやめた。そして反対意見はなくなったと判断した横島が分身の少女に出発をうながす。
「じゃ、行くかカリン。スピード出してもらうと寒いんだけど、仕方ねーよな」
「ん? 別にそんなに寒い思いをすることはないと思うぞ。いったんアパートにテレポートして、そこから行けば大して時間はかからないからな」
カリンはパワーアップした竜珠の力を借りれば、視界範囲内でなくても「自分がよく知っているところ」であればテレポートの目標地点にできるのだ。この場合なら1度自宅に移動して、それから学校なり朧寿司なりに飛んで行けば修行場から直接向かうよりずっと早い。
「おお、そっか! やっぱおまえは頼りになるな」
横島は思わずカリンを抱きしめそうになったが、両親の前なのでぐっと理性を働かせて自制した。いつもながらこの少女はあったかそうでやわらかそうで、抱きしめると本当に気持ちいいのだが残念である。
「じゃ、行ってくる。親父、俺がいない間に小竜姫さまに手ぇ出すんじゃねーぞ」
「では行ってくる。なるべく早く戻るから」
性格の違いを如実に表わす台詞とともに、横島とカリンは妙神山から姿を消した。
―――つづく。
ようやく横島君たちも参戦することになりました。まだ「信長」の正体は知りませんし、直接やり合うつもりは全くないのですがーw
ではレス返しを。
○KOS-MOSさん
毎回お褒めいただきありがとうございますー。
>妖怪の血をもとめるようになりましたか
どうせ書くなら原作と違う展開にしたいですからねぇ。タマモや美衣だけでなく月の2人やブラドーも標的になる可能性があるわけですが、どうなるかは続きをお待ち下さいませー。
>男の急所
カーミラは善良そうにしててもやっぱり「鬼」みたいですw
○応援団さん
ねぎらいのお言葉ありがとうございますー。今後も精進しますのでよろしくです。
横島君たちは自分からノスフェラトゥにかかわるつもりはないのですが、どうなるかはまだ分りませんです。かかわればご想像通りカーミラゲットの可能性大幅アップなんですが(ぉ
○チョーやんさん
ねぎらいのお言葉ありがとうございますー。いやいやそちらもぜひ200話めざしてがんばって下さいませ(ぉ
>股間蹴り
もしかしたら自分がその痛みを知らないからこそ、思い切りやれたのかも知れませんな。
まあカーミラの場合は抜けてるというより、蘭丸の忠誠心が予想外に強かったのだという事にしてあげておいて下さいw
>美神さん
450億円の槍を最初から戦いに使う令子さんなんて(以下略)。
>小竜姫さま
横島君が美衣さんやカーミラを修行場に連れ帰ったら、それはもうとても面白いことになりそうですねぇww
>血を吸われるゴスロリ美少女にはやっぱり〜〜
をを、カーミラのエロチック空気を分かって下さいましたかー<マテ
そういえばそちらのタマモンはそういう格好もするんでしたねぇ。ならばせめてブラドー編までは早々に上げないといけませんな!
○ふぁるさん
令子さんはああいう人なのでもう仕方ありませんのですw
2次被害はすでにかなり広がっている模様です。美智恵さんたちが苦労しそうですな。
>小竜姫さま
こうなってはさすがに3が日を楽しく過ごすというわけにはいかないでしょうけど、何かいい事あるといいですのぅ。
○whiteangelさん
令子さんは(以下略)。
横島君は3人を助けたらすぐ修行場に戻って家族団らんの続きをするつもりなんでしょうけど、そううまくいくかどうかは保証の限りではありませんですw
○紅さん
ご祝辞ありがとうございますー。
横島君ようやく参戦ですが、カーミラのことはまだ知りませんですw
○HALさん
>令子が槍を惜しまなけりゃカーミラ支配されたりしなかったんじゃ
ノスフェラトゥを倒せたかどうかはともかく、カーミラは無事だったでしょうな。
でも最初から450億円の槍を投入する令子さんなんて偽者ですしw
>美智恵さんから折檻
おキヌは令子さんの不利になるようなことは言わないでしょうけど、アンは何も遠慮せずに事実をすべて喋るでしょうからねぇ。でも令子さんはたまにはお灸をすえてもらった方がいいのかも知れませんなw
>妖怪
タマモは今のところ安心ですが、美衣さんは横島君の救助者リストにも入ってませんしかなりピンチぽいです。
○Februaryさん
ご祝辞ありがとうございますー♪
カーミラはおっしゃる通り悔しいでしょうねぇ。その姿に萌えられたりしたらなおさらw
彼女が「鬼」なのは上記の通りでありますw
>令子さん
はい、何だかんだいって彼女は一流ですから、大事な槍でもいざとなれば使うのですよー。
原作では使っても倒せなかったあげく壊されてしまったのですがw
>美衣さん
彼女はまだ何も知りませんからねぇ……。
>大樹さん、百合子さん、アンタ等ホントに人間ですか?
たぶん、きっと、めいびーw
>貞操の危機か、恋敵か
我ながらヒドい話ですw
○遊鬼さん
えーと、レスありがとうございます。
○ばーばろさん
横島君ようやく参戦になりましたー。カーミラや美衣さんのことはまだ知らないのですがw
でもタマモンの心労がまた増えるのは確実でしょうな。難儀な男に惚れてしまったものです。
>ヨコシマがその場に居たら〜〜〜
そしてノスフェラトゥに睨まれてガチバトルするはめに……それでこそ横島クオリティw
>天竜童子
4日になったら当然予定通り来るわけですが、どうなるんでしょうねぇ(ぉぃ
○Tシローさん
ねぎらいのお言葉ありがとうございますー。ほんとにどこまで続くか分かりませんが、これからもよろしくです。
ノスフェラトゥが集めるのは女性に限らないのですが、男の強い妖怪ってブラドー父子ぐらいしかいないんですよね。だから結果的には仰る通り横島の向こうを張る人外ハーレムにw
生き残って美女妖怪を独り占めするのはどっちの助平か!?(ぉ
>九頭竜としての姿を晒しちゃって
小竜姫さまにも見せないよう念押しされましたが、横島君ですからねぇ……。
○凛さん
えーと、竜神王降臨の関係については本文の通りでありますー。小竜姫さま1人でも問題なのに王様まで動くわけにはいきません(^^;
まあ原作では劇場版でも死津喪編でも風水盤編でも動かなかった方ですから、今回もノスフェラトゥ関係で動くことはありませんです。
ただ竜神王が人界に来た時点でノスフェラトゥが生きてたら、天龍童子の警護については変化があるかも知れませんね。間違って修行場の外に出たら大変ですから。
ちなみにもし竜神族がノスフェラトゥ討伐に行くとしたら、小竜姫さまは修行場の管理人としてではなく竜神族の王族つまり指揮官として動くことになるでしょうけど、実際には小竜姫さま1人で十分過ぎであります。何しろここの彼女は原作の8倍のパワーと知略と愛を持っておりますからw
>カーミラ
修行場の中はともかく、鬼門を目当てに……ないか(酷)。
やはり危ないのは猫又親子ぽいですな。
>横島家
やっと動き出しましたが、ノスフェラトゥを倒す気はぜんぜんないので今いち不安が残ってますw
>死傷者の数
は、おっしゃる通りひどい事になっております。
原作では令子さん自身のミスだったんですが、それでも良心の呵責とかは感じてなさそうでしたし、後でペナルティを受けた様子もないのですが、ここには美智恵さんがいるので何かやってくれるかも知れませんな(ぉ
○星の影さん
いやいや、別に謝ることではありませんのでー。
令子さんは(以下略)。
今回は出ませんでしたが、次は出る……はずです(ぉ
○樹海さん
なにぶんモノがモノですから、令子さんでなくとも多少は躊躇するんじゃないでしょうか(^^;
被害弁償はどうでしょうねぇ……原作では劇場版でも死津喪編でもおキヌの霊団話でもそういう話はありませんでしたから、もしかしたら何らかの免責条項があるのかも知れませんな。
○メルマック星人さん
過分なご祝辞ありがとうございますー。これからも頑張りますのでよろしくお願い致しますm(_ _)m
>GS界のあかいあくま
確かに本家と仲良くはできそうにないですな。むしろ同族嫌悪って感じでしょうかw
パートナーの性格も正反対ですしねぇw
>信長を倒す報酬が、信長を倒すキーアイテム(消耗品)ってのはおかしいですよね
言われてみればそうですねぇ。別の報酬があれば令子さんも槍をすぐ使ったかも知れないのに。
まあ光秀は一文無しなので、いくら令子さんでも追加料金を取るのは無理なのですがーw
>目指せ、一大人外ハーレム
もともとこれって横島君の野望でしたからねぇ。ついに彼の時代が来てしまうのかも知れませんな。GM? 寝てるところを取って喰っちゃうとか(ぉぃ
○XINNさん
ご祝辞ありがとうございますー。
今回やっと横島ファミリーが事件にかかわることになりました。やる気がないのが心配ですが(ぉ
妖怪美女たちも心配ですが情報がないですからねぇ。空から来るカーミラから逃げるのは難しそうですorz
>煩能の大家
我ながらいいシャレだったと思ってますw
>令子さん
オカGに就職した時みたいに壊れないといいんですが(^^;
○ぷーひーさん
ご祝辞ありがとうございます。信長はこのパチモンくささが味を出してると思います<マテ
横島家は今回ようやく真面目モードに入りました。
○読石さん
ノスフェラトゥはそもそも復活した場所が悪かったという感じですな。京都か尾張だったら令子さんや横島君とかかわらずに済んだのにヾ(´ー`)ノ
>間違いなく褒め言葉じゃないですよねきっと
霊能の名家ってのも皮肉でしょうしねぇw
○内海一弘さん
励ましのお言葉ありがとうございますー。
令子さんはあくまで助けることができなかったというだけなんですが、日頃が日頃だけに突っ込みを受ける可能性高そうですねぇ。汚名返上の機会があればいいのですが。
>煩悩の大家横島家
ネタを受け入れてもらえてよかったです♪
○山瀬竜さん
フィルターですか。うーん、謎ですねぇ。
ストーリーの方は原作劇場版知らない方でも分かるようにしていきたいと思ってますが、何か不明な点がありましたら遠慮なくご指摘下さいませー。
>GSのデフォ
ギャグ漫画のキャラとして生まれてしまった宿命ですな。
ただ横島君は女の子がからめばやる気を出すので、今回もその線で参戦という方向になりました(ぉぃ
>信長だけでも一大事なのに、天龍童子事件まで絡んでくるんですよね
はい、本文のような感じですでに関連性が出てきております。
>煩能の大家
横島君だけならともかく、大樹がああですからねぇw
六道家のこと知ってたのはそんな感じでありますー。一応は父親の自覚もあったようですな(酷)。
○食欲魔人さん
ご祝辞ありがとうございますですー。
ノスフェラトゥが他人に見えないって、それはちょっとまずいのではw
今回ついに東京がバイ○ハザ○ドになってしまいました。どうやって解決するんだろう(ぉ
横島君がカーミラをゲットできるかどうかはwktkしながら見守ってやって下さいませー。
○ハルにゃんさん
お仕事お忙しいようですが、お体はお大事にして下さいませ。
でも仮面かぶっててもOKな職場って、フランクそうでいいですな(違)。
>パプリカ的な野菜
そういえば冥子ちゃんも生野菜を丸かじりで食べるって、けっこうプリミティブなところあったんですねぇw
>股間蹴り
心理面では精霊石の槍を超える威力の技ですな。
そして横島君も叫ぶハメになるのだろうかw
>ノスフェラトゥの狙い
ああ、確かにそちらには妖怪大勢いますからねぇ。
ストーリー的には掲載稿の通り「悪霊祓い師の血→鬼切り役の血」で良かったように思いますけど。
>カーミラさんと千鶴さん
この2人が出会ってしまったらどうなることやら、もはや筆者にも想像がつきません(ぉぃ
>アドバイス
や、ご意見ありがとうございますー。
確かに接続詞とか助詞とかはうまく使わないと文章のテンポ狂わせちゃったりしますからねぇ。
ハルにゃんさんの書き方の方が分かり良くはありますな。修正させていただきましたー。
○風来人さん
ご祝辞ありがとうございますー。振り返ってみるとほんとにすごいペースの更新だったみたいです(^^;
>金的蹴り
はい、これは筆者のSSにおいて格上と戦う時の定石技なのです<マテれ
>シロ
なるほど、そんな話もあったのですか。
そういえば里に帰ったまま1度も東京に来てないような(^^;
>煩悩の大家横島家
けっこうヒットしたみたいで嬉しいですー。
仰る通り忠夫君の代でついに六道家を超えられそうですw
○滑稽さん
ご祝辞ありがとうございますです。第100話の時は横島君の原点ともいえる台詞で締められましたが、今回はちょっと無理でした。
横島君は参戦前にレベルアップという珍しいケースでしたが、さらなる成長があるかどうかはまだ不明であります。
ではまた。